表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

381/744

381:龍脈の回廊、悪鬼羅刹(仮)

 ふぉふぉふぉぉぉぉぉん♪

『>スマート仕込み直刀(ホーミング機能付き)ロールアウトまで140秒』


「んな()――ニャッ!?()

 地味(じみ)時間(じかん)が掛かりやがるぜ。

 ズガシャァァン、ドガシャァァン♪

 まだ、来てねえ(・・・・)たぁ、(おも)うが――――?

 ズガシャァァン、ドガシャァァン♪


 ドガチャ、ギュィィン?

 振り向いたのは、本当(・・)に気の(まよ)いで。


「(ィィイィィィッェエェェェェェエェェェェェッィィィィィィィィィィイッィイィィィィッ――――――――!!!!)」

 ずっと(とお)くから(はな)たれた(はつ)が、(みみ)(とど)いた。

 見えねぇが、ニゲルが飛びかかってきているのは、間違(まち)いなかった。


 木々(きぎ)(あいだ)から、ギルド支部(しぶ)尖塔(とう)が見えた――キラリ。

 ギュガッチャッ!

 上体(じょういたい)をひねり、「ィィイィィィッェエェェェェェエェェェェェッィィィィィィィィィィイッィイィィィィッ――――――――!!!!」

 飛び込んできた気配(けはい)を、すんでの(ところ)(かわ)す。


 太刀(たち)を抜く(ひま)もなかった。

 おれが見ている方向(ほうこう)に、ニゲルは居ない(・・・・・・・)


 ふぉふぉん♪

『左上腕328番装甲破損/修復不可』

 地図(ちず)反対側(はんたいがわ)(すみ)に、鉄鎧(てつよろい)……(おに)の絵が(あらわ)れた。

 その右肩(みぎかた)……いや左肩(ひだりかた)(はじ)けて、欠けた。


 ふぉふぉふぉん♪

『左腕人造三角筋断裂/動力伝達並びに反応速度、50%低下』

 あー、左腕(ひだりうで)が真っ赤になっちまったぜ!


 なら、ギュガッチャゴッ!

 ニゲル(まえ)を見る間に、チキッ♪

 (さや)金具(かなぐ)親指(おやゆび)で押した――――ビィィィィィッ!


 うるせぇ(とり)め、はやく太刀(たち)(はな)てやぁ!

 そうしねぇと、鎧が使えねぇ(・・・・・・)だろうがぁぁっ!

 (よろい)(はじ)けさせて(ふせ)がねぇと、ニゲルの(けん)が――(からだ)(なか)(はい)ってくる。

 (よろい)(はじ)けさせるには、まず太刀(たち)飛ばさなきゃならねぇ(・・・・・・・・・・)


 ギュルルルルルルッ――――――――――――――――ガリリリリリリリリィィィィィンッ!!!

 (さや)についた歯車(はぐるま)がまわって――散る火花(ひばな)

 あらわれる太刀(たち)(むね)には、のこぎりみてぇな(みぞ)


 ゴォォッ――――ッチィィンッ♪

 (はな)たれる太刀(かたな)

 左肩以外(ひだりかたいがい)鎧板(よろいいた)が――ヒュパパパパァァッ♪

 全部青(ぜんぶあお)くなる。


 こいつぁ、いつだか手に入れた〝頓知(とんち)〟で身につけた(ことわり)(はい)ってる――たぶん。

 (なん)でか知らんが、龍脈(りゅうみゃく)(なが)れの(ちから)で撃ち出した太刀(たち)(いきお)いを、神力(しんりょく)に変えることが出来(でき)る――らしい。


 神力(しんりょく)ってのは(かみなり)だ。ニゲルの(はや)さに(よろい)がついていくには、必要(ひつよう)仕組(しく)みだ。

 そして、あの(けん)(おも)さを(はじ)くのにも、龍脈(りゅうみゃく)(なが)れと神力(しんりょく)両方(りょうほう)が要る。


 ふぉふぉん♪

『スラスター点火:3秒』

 シュゴゴォォォォォッ――ォォォォォッ、ッガァァァァァァンッ!

 背中(せなか)から突き抜ける衝撃(しょうげき)


 太刀(たち)をつかむ。

 右足(みぎあし)が――ギャリィィン――――ピプ――ッ♪

 バッガァァンッ!!

 爆発(・・)した。


(いて)ぇなぁぁ()――ニャァ!!!()

 見るな見るな。


 ふぉふぉん♪

『►►►』

 目に見える、ニゲルの気配(けはい)

 いまさら(おせ)ぇ――そいつはさっきの(ニゲル)だろうがぁ”


 見たら逃げられる(・・・・・)

 鎧板(よろいいた)(はじ)かれた(いま)なら、(ニゲル)(よろい)(はじ)けた向きに居る(・・・・・)


「ッゥゥゥゥオオオオオオオッリャァァァァァアァ()――ニャァ()

 切っ(さき)が、(まえ)を向く。

 パッコォォォォォォォッォンッ――――奇っ(かい)(おと)


 (いきお)いあまった剣筋(けんすじ)(みだ)れ――

 ゴギャギャギャ、ガッチャ、ガシィィンッ!

 まわる景色(おれ)


 ニゲルが姿(すがた)(あらわし)した。

 このまま振り抜いても、また太刀(たち)を折られるだけだ。

 どうする?


 太刀(たち)に付いた引き(がね)を引けば、刀身(とうしん)空中(ちゅう)縫い付けられる(・・・・・・・)

 けどなぁ、ニゲルより速度(はやさ)をあげねぇと、斬り返せねぇ(・・・・・・)のに。

 剣速(それ)ゼロ(なし)にしたところで――!?


 切結(きりむす)瞬間(しゅんかん)右手(みぎて)ねじり込み(・・・・・)(つか)の引き(がね)を引いた。

 チキッ――――ピプゥゥゥゥゥッ!

 (とり)が鳴いて刀身が(・・・)――ビタリッ!!!!!!!!!!


 空中(ちゅう)(とど)まる太刀(かたな)

 それは鎬筋(しのぎすじ)――()がねえ(はら)のところで、ニゲルの(けん)を受け止めた。

 コレで良い。一瞬(いっしゅん)でも(なが)く、ニゲルの(けん)を引きつけとけ!


 左手甲(ひだりてっこう)右肩(みぎかた)小刀(こがたな)を、パシャリッ♪


 ガシガシッ――――ギュキャゴキャキャッ!

 太刀(たち)(つか)(はな)し、つかんだ小刀(こがたな)を――――黒い人影(ニゲル)に投げつける!

 ギシギシギシギシィィィッ、ゴガッチャゴガギャチャララララァァァァン!

 (てつ)(からだ)悲鳴(ひめい)をあげた。


 (はな)った小刀(それ)は、ぎゅるり。

 ガァガァンッ!

 回転(かいてん)したニゲルの鉄下駄(あし)で――(なん)なく蹴り落とされた。


「っちぃ()――ニャァ!?()

 ニゲルは、ここまで(つよ)かったのか?

 いやいや、生身(なまみ)(からだ)でこんな〝鉄鎧(てつよろい)武者(むしゃ)赤鬼(あかおに)を混ぜた、三倍(さんばい)もデカい(おれ)〟に勝てるわけがねぇ。


 ずっしゃぁぁぁぁぁぁっ――――着地(ちゃくち)し、地をすべる敵影(ニゲル)

 (いきおい)(あま)って激突(げきとつ)しそうになる、大木(たいぼく)へ――ゴガガァァンッ!

 鉄下駄(てつげた)(たた)きつける。


「まったく、ぼくは(まえ)にも言ったよねぇ。本気(ほんき)なんて二度(にど)と出さないってさぁ」

 神速(しんそく)(かぜ)にながれた(かみ)が、ニゲルの片眼(かため)(かく)す。


 つまりは、本気(ほんき)を出さねぇといけねえくらいにゃぁ、(たたか)えてるってことだ。


 めきめきめきめきっ――――どっずずずずぅぅぅん!

 蹴られた大木(たいぼく)が、折れて(たお)れた。

 よおし、相手(あいて)にとって不足(ふそく)はねぇ。


 ふぉん♪

『>スマート仕込み直刀(ホーミング機能付き)を一件作成しました

 >運搬中

 >17秒後に〝悪鬼羅刹(仮)〟胸部搬出口より、お届けします』


 胸部(きょうぶ)搬出口(はんしゅつぐち)だぁ!?

 どこにあんだぜ、そんなものよぉ!

 化け(ねこ)わぁ、(くち)から吐いてなかったかぁ?

 あと、おれの名は〝悪鬼羅刹(あっきらせつ)〟か?


 ぽぽぉん♪

 光る剣(ニゲル)(つらぬ)かれた、(むね)の刺し(きず)

 そんなところから――――ジャッリィィィィィン♪

 錫杖(しゃくじょう)(あたま)がとびだした。


「どっから出てきて、やがるんでぇ()――ニャァ!?()

 おれは、鳴る鉄輪(てつわ)を引っ張った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ