表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
1:輪廻転生、おいでませガムラン町

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/744

37:魔剣イヤーイ使い(幼女)、ジンライ鋼ですな

伯爵(はくしゃく)迅雷(ジンライ)どのは、私がいままで見てきた中でも、最高(さいこう)知性(ちせい)をそなえた、とても(すぐ)れたアーティファクトです。さまざまな魔法(まほう)も使えるようですし」

 レイダの父上(ちちうえ)、ギルド長もいた。


「それはまことか?」


「はい伯爵(はくシゃく)さマ。では(ため)しに(あず)かったままの電解(でんかい)(てつ)……オリハルコンを、お(かえ)しいたしましょう」

 ヴヴヴッルーン!


「〝ルガ(ばち)〟の軌道(きどう)!?」

 ギュイーン!

 おいギルド長、伯爵(とのさん)御前(ごぜん)だぞ。

 その眼鏡(そうぞうしいの)、ほどほどにしとけよ。


 ひとが居ねえ空いたところに、ひかりの升目(ますめ)がみえ――――ゴッドン。


「わっ」「きゃぁ」「ぬうん」「ひょ」「わぁー」

 おどろくぜ、そりゃあ。まばたきしたら、(てつ)(ぼう)が山のように、つみあがってるんだからよ。

 物をしまう魔法(まほう)はふつうにあるみてえだが、その目方(おもさ)っつうか分量(ぶんりょう)が大きいらしい。


 ぎらん――!

 その表面(ひょうめん)はきれいで、日のひかりを()ねかえしていた。

 ()みこんだときは(ほこり)まみれで、うす(よご)れてたんだが。


「こ、これは――――薬草(やくそう)大量(たいりょう)に運び込んだときとおなじ収納(しゅうのう)魔法(まほう)ですね」

 ギュギュイーン!


「そうですわ、お父さま。シガミーが取ってきてくれた一年分(いちねんぶん)薬草(やくそう)は、どれも虫も土も一切(いっさい)ついてなくて、とても状態(じょうたい)が良い物でしたのよ」

 それを言われると、レイダにわるくて気が引ける。


状態(じょうたい)が良いとな……ふむ。とすると、迅雷(ジンライ)は――〝汚れをおとす(・・・・・・)達人(たつじん)〟でもあるのではないか?」


「(おい、伯爵(とのさん)が言ってるのは本当(ほんとう)か?)」

「(はい、ストレージ……格納庫(かくのうこ)への搬入(はんにゅう)元素(げんそ)……物質(ぶっしつ)要素(ようそ)単位(たんい)でおこなわれるため、ホコリなどは格納庫(かくのうこ)(のこ)しておくことが可能(かのう)です」

「(わからんが、伯爵(とのさん)には、それがわかったってこったな?)」


「(はい。ラウラル公はギルド長以上(いじょう)に、たかい見識(けんしき)をそなえた御仁(ごじん)のようです)」


「(あたまが良いってことか……あんまり手のうちをさらさねえほうが、いいかも知んねえなあ)」



「お父さま、それは一体(いったい)どういうコトですの?」

 狐耳(ひめさん)のことばに、全員(ぜんいん)(くび)をかしげ、やがてギルド長が何かに気づいて手を叩いた。


「しゅっ、収納(しゅうのう)魔法(まほう)は入る大きさが小さいほど、(もの)整頓(せいとん)がむずかしいと聞きます」

 ギュギュギュ、ギュィィーン!


「はイ。収納(しゅうノう)(りょう)が大きいトいうことは、(もの)()りわケるための作業台(さぎょうだイ)がヒろくつかえます。(よご)れをおトすことも、簡単(かんたン)にでキます」

 それを聞いた伯爵(とのさん)とギルド長が、顔を見合わせた。


「やはりそうであったか!」

「やはりそうでしたか!」

 ギュギュギュギュ、ギュィィーーーーン!


「(迅雷(ジンライ)(もの)をしまう魔法(やつ)は、ひと目をひいてたみてえだな。この(さき)は気をつけようぜ)」


「(了解(りょうかい)しました。シガミー)」


   §


「これが魔剣(まけん)〝イヤーイ〟――見れば見るほど見事(みごと)よのう。ふふふふ♪」

 伯爵(とのさん)がおれの小太刀(こだち)()いて、ためつすがめつしている。

 それとイヤーイじゃなくて居合(いあい)だが、ソレどころじゃねぇ。


「(おおお、おい、殿(との)さんが()いた(かたな)もって、そばにいるってなぁ、()きた心地(ここち)がしねえんだが~)」


「(イオノファラーからの情報(じょうほう)では、この世界(せかい)に〝切捨(きりす)御免(ごめん)〟の制度(せいど)はないようですので、ご安心(あんしん)ください)」

「(そういわれてもよう~。どうしたって、腰がひけらぁ~)」


 どかどかどか――――!


「わっ!?」

 とつぜんの靴音(くつおと)に、心臓(しんぞう)がはねあがる!


伯爵(はくしゃく)。こちらが、その(けん)で切られた防具(ぼうぐ)にございます」

 ギルド長みたいな(だいだい)いろの(ぬの)(かた)にかけた連中(れんちゅう)が、無遠慮(むえんりょ)に飛びこんできた。


 お、おどかすなってんだ!

「(シガミー、(かれ)らはギルド長とおなじような、〝しらべる(・・・・)〟ことを生業(なりわい)にしていると推測(すいそく)されます)」


 よくみれば、それぞれ手袋(てぶくろ)(くつ)(そで)のあたりや帽子(ぼうし)に、なんかギチギチうごくのがくっついてる。

 それはギルド長の〝眼鏡(めがね)〟についた〝(つま)み〟とおなじモノだった。


「(よし、あいつらは危険(きけん)だって事だな。わかったぜ)」

「(はい。ですが脅威(きょうい)ではありません。私とおなじ、(アーティファクト)(オペレーティング)(システム)により稼働(かどう)しているようですが、数世代(すうせだい)(まえ)のモノですので)」


「(よし、(れい)によってわからんが……おまえにもあの〝(つま)み〟ついてんのか?)」


「(いえ、最新世代(さいしんせだい)であるわたくしは、こうして会話(かいわ)ができるので、必要(ひつよう)のないものです)」

 そっか、なら良かったぜ。あんなせわしねえのは、ごめんだからな。


 ギュギュィーーーー!

 ギュギュギュッ!

 ギチギチリ。

 がやがやがや――あれ?


「じつにみごとな切り口!」

「さすがは魔剣(まけん)ですな!」

 護衛(ごえい)連中(れんちゅう)までいっしょになって、わめきはじめたぞ。

 こりゃ、にげたほうがいいのか?


「うふふん♪ あなたたち遅れてるわよ、聞いておどろきなさぁい――」

 レイダといっしょに、長椅子(ながいす)にすわって、おとなしくしてた狐耳(ひめさん)が立ちあがった。


「そのシルバーバックルを切ったのは、ただのなんの変哲(へんてつ)もない普通(ふつう)鉄製(てつせい)(つるぎ)よ!」

 うん、まあそりゃそうなんだが。


 ギュギュギュイ、ギチギチ、ななんと!


 いま目のまえに(だいだい)(ぬの)()いた〝しらべる〟連中(れんちゅう)がいるから、自慢(じまん)(?)すんじゃねーよ。


電解鉄(でんかいテつ)……魔術(まジゅつ)特性(とくせい)(うしな)ったオりハルコンは、炭素(たんそ)付加(ふか)する工程(こウてい)()るコとで、(やわ)らカく強靱(きょうじん)かつ硬質(こウしつ)さモ()ねそなえタ()機能(きのウ)鉄鋼(てっこう)変質(へんしつ)します」


 ギュギュギュイ、ギチギチ、そ、そうだったのか!

 さしずめ、〝ジンライ(こう)〟ですな!


 あー? (だいだい)連中(れんちゅう)迅雷(ジンライ)の話しについていけてんのか?

 ならよし。居合刀(いあいとう)もそれなりに(すげ)えってのも、自慢(じまん)しときゃ、おれにひと目があつまらなくていいだろ。



「ふふん、け・ど・ね。ほんとうにすごいのは、そこにいるシガミーなんだからね。(ぼう)冒険者(ぼうけんしゃ)ギルドの鉄柱(てっちゅう)を切っちゃったこともあるんだからっ!」

 レイダてめえ!

 せっかくそれたひと目が、おれに(もど)るじゃねーか。

 そもそもなんでおめぇまで、狐耳(ひめさん)といっしょになって自慢(じまん)(?)してんだ。


「なんと、ではこちらのお()(さま)が〝美の女神(めがみ)イオノファラー様が使(つか)わした聖女(せいじょ)さま〟であらせられるか!?」

 ほらみろ、おれに気づいちまった……聖女(せいじょ)さまってなぁ……なんだ?


「(わが主神(しゅしん)イオノファラーの巫女(みこ)……もろに関係者(かんけいしゃ)であると思われたようです)」


「(よーし、だめだ! ずらかるぞ! このまま、ここに居たらなにかに(・・・・)(まつり)りあげられちまわぁ!!)」


 (ななめ)(うえ)にういてた迅雷(ジンライ)を、ひっつかむ。

 ヴルルッ――――シュッカン!


「「シガミー!?」」

「「「聖女(せいじょ)どの!?」」」


 のばした(いきお)いに引っぱられたおれは、おおきくあいた(まど)へ飛び込――――ふにゃぁり。


「あれ? からだが……うごかねえ!?」

 しかも(いて)え!


「(筋肉痛(きんにくつう)です。〝()太刀(たち)〟による、ふだん〝使(つか)いなれない筋肉(きんにく)〟の酷使(こくし)によるものです)」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ