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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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368/744

368:龍脈の回廊、キーボード配列と花

低警戒度(ていけいかいど)のバリアントを検出(けんしゅつ)低警戒度(ていけいかいど)のバリアントを検出(けんしゅつ)。ただちに調査(ちょうさ)ならびに迎撃行動(げいげきこうどう)を――――♪」

 それは、最上階(ペントハウス)(とどろ)大音量(だいおんりょう)――――ピタリ。


 リカルルが――暖炉(だんろ)(うえ)調度品(ダイヤル)に、手を伸ばしたとき。

 けたたましい(こえ)が止んだ。


「リカルル、(わたシ)ニお(まマ)せヲ。カヤノヒメの要請(よウせい)にヨり、コの剣士(けンし)調度品(ちょウどひん)固定(こテい)しマした。サイレンの停止(てイし)ト、外部(がイぶ)警戒対象(けいかイたいしょう)ステータスヲ表示(ヒょうじ)するコとを了承(りょウしょう)してくダさ()

 独古杵(どっこしょ)(かたち)をした(ぼう)が、剣士(けんし)置物(おきもの)に――ギギギギッ!

 (くろ)くて(ほそ)機械(きかい)(うで)を、巻き付けている。


 調度品(ダイヤル)回転(かいてん)すると、暖炉(だんろ)(うえ)(かべ)裏返(うらがえ)り――

 区域(くいき)地図(ちず)対応(たいおう)した伯爵領家名はくしゃくりょうかめいリストを、光点(こうてん)(しめ)すパネルが出現(しゅつげん)するのだが。

 ギギギギギ――――「(――警戒(けいかい)――バリア――ならび――♪)」

 独古杵(ジンライ)がそれを、止めている。


 一瞬(いっしゅん)怪訝(けげん)(かお)をした令嬢(れいじょう)が――

了承(りょうしょう)しますわ、子細(しさい)わかりませんけれどっ! それで、この変異種(バリアント)はどうすれば良いんですの!?」

 丁寧(ていねい)に編み込まれた(かみ)

 いつにも増して(きら)びやかな(よそお)い。


 テーブル(じょう)美の女神(イオノファラー)御神体(ごしんたい)と、テーブル向こうの星神(ほしがみ)カヤノヒメ。

 神々(かみがみ)令嬢(れいじょう)視線(しせん)が、交差(こうさ)する。


「リカルルさん。少々(しょうしょう)お待ちください。けほけほん。できうる(かぎ)りの最善策(さいぜんさく)(かんが)えますの()――メキメキメキメキョメキョ、パパァパァァッ♪」

 木の(えだ)が伸びきり、まるで室内(しつない)に生い(しげ)立木(たちき)

 (おさな)少女(カヤノヒメ)指先(ゆびさき)が、(くう)を薙いだ。

 ふぉふぉん、スサササァァァァッ――――

 手元(てもと)(あらわ)れるコンソール。


 それはQWERTY(クウェルティー)配列(はいれつ)でも、DVORAK(ドヴォラック)配列(はいれつ)でもなく。

 (ねこ)(うし)(かに)太陽(たいよう)(くも)大小(だいしょう)(つき)などが、(えがか)かれており――

 コカ、コカカ、カタカタ、カタン♪


 調度品(ちょうどひん)(たな)のない壁一面(かべいちめん)に――ヴォォオォォゥン――ジャラァァン♪

 展開(てんかい)されたのは――奥行(おくゆ)きのある映像空間(えいぞうくうかん)


 (すみ)配置(はいち)されたアイコンなどから――ソレが「立体的(りったいてき)操作(そうさ)エリアねぇん」であると、御神体(メガミ)にはわかったようだった。


 平面(へいめん)設定(せってい)され――ぽこん♪

 その(うえ)に置かれたのは――猫の魔物(シシガニャン)


 魔物(それ)には、(ねこ)のフォルムの模様(もよう)無数(むすう)配置(はいち)されており――「かわいい♪」

 落着(おちつ)きのないレイダが、駆けよろうとして――

 「邪魔(じゃま)をしてはいけません」とメイド・タターに(つか)まる。

 (ねこ)片方(かたほう)手先(てさき)ツギハギ(・・・・)にされており、ソコには文字(もじ)羅列(されつ)が見えた。


 コカ、コカカ、カタカタ、カタン♪

 (あたま)から生い(しげ)(えだ)固定(こてい)されているせいか、(なが)れるようなタイピングとはいかず、(なぞ)のシガミー復旧作業(ふっきゅうさぎょう)停滞(ていたい)余儀(よぎ)なくされた。


(なに)してるかわからないのだけどぉ……キー入力(にゅうりょく)ならぁ、あたくしさまの(ほう)(はや)そうだからぁ、手伝(てつだ)おっか()

 仕事(しごと)を買って出る、御神体(ごしんたい)


「そうですね、ではお(ねが)いいたしますわ、くすくふ、こほこほん()

 咳きこむ衝撃(しょうげき)で、枝葉(えだは)についた(はな)が――

 ぽふぁぽふぁふぁぁ!

 (はな)(かお)りをまき散らし、大きくなった(・・・・・・)


 それはこの(えだ)(はな)が、〝純粋(じゅんすい)植物(しょくぶつ)では無い〟ことを(あらわ)している。


「あ、でもこの、カヤノヒメ配列(はいれつ)、知らないんだけど!?()

 ふぉふぉん、スサササァァァァッ――――

 御神体(メガミ)手元(てもと)……足下(あしもと)(あらわ)れるコンソール。


「では、日本語(にほんご)106キーボードでお(ねが)いいたしますわ、くふゅこほん()

 咲き(みだ)れる(はな)

 その(いきお)いでいくつかの(はな)が、ぽさぽさと(ゆか)に落ちた。

 落ちた(はな)を、ひろい(あつ)める子供(こども)手伝(てつだ)新米(しんまい)メイド。


「では、ダイアログとプロンプターに表示(ひょうじ)される、調査(ちょうさ)再定義(さいていぎ)(ため)演算式(えんざんしき)入力(にゅうりょく)と、管理者権限(かんりしゃけんげん)行使(こうし)のためのPW入力パスワードにゅうりょうくをお(ねが)いいたしますわ、こひゅくひゅくふん♪」

 ぼっふぁ、ぼふぁふぁっ――ぼっごふぁぁぁん♪


「はぁーい! フーリエ演算式(えんざんしき)入力(にゅうりょく)は、迅雷(ジンライ)がやって!」

 タタン、カシャララッラララララララッララン、ララララララッララッ、タタン!

 (なが)れるようなタッチタイピング。

 光の板(キーボード)(うえ)を、根菜(こんさい)丸茸(まるきのこ)(ころ)がっているようにしか見えないが――

 入力(しごと)間違(まちがい)いはないようで、映像空間(えいぞうくうかん)無数(むすう)演算結果(えんざんけっか)進捗状況しんちょくじょうきょう(あらわ)れては集約(しゅうやく)されていく。


了解(りょうかい)しマした。カヤノヒメ、この調度品(ちょうどひん)固定(こてい)は、これで十分(じゅうぶん)でスか?」

 カチャカチャカチャカチャ――ギチリ!


「はい、問題(もんだい)ありません。ソチラのデバイスの演算素子(えんざんそし)に、シガミーさんと(おも)われる(たましい)……いえ、情報特性(じょうほうとくせい)同定(どうてい)しましたので、できるだけ状態(じょうたい)保持(ほじ)してください、こひゅこひゅふゅ♪」

 落ちる(はな)(おお)きさが、レイダの(かお)より(おお)きくなった(ころ)――


奥方(おくがた)さまと王女殿下(おうじょでんか)が、お(もど)りになりました!」

 執事(しつじ)主人(リカルル)へ駆けより、告げた。


 子細(しさい)わからないと豪語(ごうご)した家主(リカルル)でさえも、いまのこの状況(じょうきょう)がイレギュラーなことだけは把握(はあく)しているようで。


「レーニア! (わたくし)出来(でき)ることが御座(ござ)いまして!?」

 冷静(れいせい)に取り(みだ)し、丸投げした(・・・・・)

(わたくし)たちは、イオノファラーさまの見えない御神体(・・・・・・・)を、引き(つづ)(さが)しましょう――――キャァァァァッ!?」

 混迷(こんめい)(きわ)める(なか)(とり)仮面(かめん)侍女(メイド)(よこ)っ飛びに――主人(リカルル)を突き飛ばした!


 ばがぁぁん――――ぶぉぉぉおっぅわっ!

 (まど)(ひら)き、(かぜ)逆巻(さかま)く!

 ヴォォォォオォォンッ♪

 (まど)から飛びこんできたのは、巨大(きょだい)魔法杖(まほうつえ)


 バゴォォン、パシュ、チチピッ♪

 自動(じどう)ドアが閉じられ、ロックされる。


「やぁっとぉーついたぁー、リオレーニャちゃぁん! お(みず)ちょうだぁい! お(さけ)でも良いけどぉ!」

 着地(ちゃくち)する――コントゥル家名代(けみょうだい)


「あいたっ! や、やたらとぉー逃げ出すもんだから――」

 (ころ)げ落ちたのは、筋骨隆々(きんこつりゅうりゅう)のドレス姿(すがた)名物(めいぶつ)受付嬢(うけつけじょう)の〝ギルドをいつも壊してる(ほう)〟。

「――時間(じかん)が掛かってしまいましたぁーらん!」

 小脇(こわきに)(かか)えられた、ラプトル王女殿下(おうじょでんか)

 その手には、透明(とうめい)なケース。

 (なか)には――(ぬの)(つつ)まれた根菜(こんさい)


 タタン、カシャララッラララララララッララン、ララララララッララッ、タタン!

 (なが)れるような、舞う御神体(タッチタイピング)

 壁一面(かべいちめん)映像空間(えいぞうくうかん)が――

 (なん)らかの(こた)えを(みちび)き出そうと、集約(しゅうやく)していく。


 タタン、カシャララッラララララララッララン、ララララララッララッ、タタン!

 片腕(かたうで)がツギハギの、猫の魔物(シシガニャン)

 その(うで)から文字(もじ)があふれ出し、ツギハギの向こう側(・・・・)へと(なが)れ出していく。

 魔物(まもの)表面(ひょうめん)一瞬(いっしゅん)で、(おお)い尽くされた。


 タタン、カシャララッラララララララッララン、ララララララッララッ、タタン!

 猫の魔物(シシガニャン)を取り(かこ)むように、配置(はいち)されたのは――

 記号(きごう)が書かれた(くび)のない魔物(まもの)(かたち)

 これは変異種(バリアント)をあらわす意匠(マーク)で、記号(きごう)出現順(・・・)形状(・・)個体特性(・・・・)(つた)えているらしい。


王女(おうじょ)さまっ! ソレ、あの(なか)にっ、ぶん投げて!」

 映像空間(えいぞうくうかん)を指ししめす、根菜(イオノファラー)


「わっ、わかりましたらぁん!」

 一切(いっさい)躊躇無(ちゅうちょな)く、イオノファラーの複製(ふくせい)が――

 ケースごと、演算中(えんざんちゅう)映像空間(えいぞうくうかん)へ投げ込まれた。

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