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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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365/744

365:龍脈の回廊、イオノファラー紛失

一体(いったい)(なに)をしていますの!? シガミー探索(たんさく)のためには極力(きょくりょく)、どなたもおにぎりには近寄(ちかよ)らないようにしなければ、ならなかったのではなくって?」

 (あら)ぶるガムラン代表(だいひょう)にして、名物(めいぶつ)受付嬢(うけつけじょう)


「でもこの(さい)、それはもう良いですわニゲル。(おどろ)かないで、お聞きなさい――――こほん、シガミーが見つかりましたわ……たぶんですけれど」

 抜けない聖剣(せいけん)を、家宝(かほう)宝剣(ほうけん)(たた)き折り――

 (おもむ)いた魔王討伐戦(まおうとうばつせん)では、発見(はっけん)した未知(みち)のマジック・スクロールを即使用(そくしよう)し――

 その場で魔王(まおう)生物(せいぶつ))を両断(りょうだん)せしめた――

 (いわ)く付きの、ご令嬢(れいじょう)が。


「――――んなっ、邪魔(じゃま)ぁ!? 邪魔(じゃま)って(なん)ですの、ニゲルッ!」

 青板(スマホ)凝視(ぎょうし)し、激高(げっこう)する。


(はなし)が見えないわねぇーん。結局(けっきょく)どういうお(はな)しぃー? カヤノヒメちゃぁん()

 (ごう)を煮やした美の女神(イオノファラー)が、天女(てんにょ)羽衣(はごろも)(アバター衣装(いしょう))を揺らめかせ――

 年端(としは)もいかない子供(こども)へ問う。


「お気づきの(てん)御座(ござ)いましたら(じゅん)を追って、ご説明(せつめい)いたしますけれど――いましばらく、お待ちくださいませ()

 丁寧(ていねい)返答(へんとう)。この人間(にんげん)出来(でき)ている子供(こども)は〝カヤノヒメ〟。


 シガミーの(からだ)に、惑星(わくせい)ヒースの神的存在(しんてきそんざい)が、インクルードされた状態(じょうたい)

 その惑星(わくせい)地中(ちちゅう)(めぐ)龍脈(りゅうみゃく)を、演算素子(えんざんそし)のように使(つか)い――

 あの世とも、この世ともつかぬ場に在るシガミーの精神(せいしん)を、取りもどそうと提案(ていあん)実行中(じっこうちゅう)


「――リカルルさま。ソチラの(いた)繋いだまま(・・・・・)で、少々(しょうしょう)お貸り出来ますでしょうか()

 (ちい)さな手のひらが、ガムラン最凶(さいきょう)へ差し出される。


「よくってよ、どうぞ」

 (なか)(ほう)り投げるように、ソレは金髪少女(カヤノヒメ)の手の(なか)(おさ)まった。

 ソレは通信機器(つうしんきき)(あつか)いとしては、適切(てきせつ)ではなかったが――

 〝ニゲル青年(せいねん)としか(つな)がらない〟、性能(せいのう)(たい)する(あつか)いとしては、適切(てきせつ)なのだろう。


「で()――キューッ、かちかちかちん♪」

 カヤノヒメの、こめかみから生えた木の(えだ)のような(つの)

 その三つ編みにされた木の(えだ)から、引っ張り出されたのは――

 一本(いっぽん)のケーブル。

 それは量子光対応(りょうしこうたいおう)の〝TypeDケーブル〟。


 ソレを(あお)いスマホ(ニゲル青年(せいねん)のと同型(どうがた)。イオノファラーの時代(じだい)より相当旧世代(そうとうきゅうせだい)のアーキテクチャ)に(つな)ぐ――ヴユッパァァン♪


 ピクリと跳ねる、リカルルの編みあげた髪束(かみたば)


 ふぉん♪

『シガミー構造体複合プログラムが起動しました

 龍脈言語<Enabled>

 言質となるイオノファラー構造体を接続してください』


「あたくしさま構造体(こうぞうたい)ぃー()

「いつもながら、神々(かみがみ)仕組み(すること)には、ついて行けませんわ」

 表示(ひょうじ)されたアプリ画面(がめん)に食いつく、リカルルとイオノファラー。


女神像通信網(ブルートゥース)へノ接続(リンク)(うなが)されていマすので、御神体(ごしンたい)のこトと(オも)われマ()

 子供(カヤノヒメ)派手(リカルル)揺らめく天女(イオノファラー)(あいだ)

 頭上(すきま)から、まっすぐ降りてきた(ぼう)が、ヴッと(ふる)えた。


「あれ? そういや、あたくしさまのもう一個(いっこ)仮想環境(かそうかんきょう)とかって言うヤツ……どこやったっけ()

 (ちい)さなテーブルを取りだし、スマホを真ん(なか)に置く。

 ケーブル接続(せつぞく)された子供(こども)正面(しょうめん)(すわ)らせ、車座(くるまざ)になった。


 神々(かみがみ)たちが各種(かくしゅ)のアーティファクトを(なら)べだし、(くち)から飛びでるのは、聞いたことのない世界(せかい)言葉(ことば)


「コレが(はじ)まってしまうと、(わたくし)では太刀打(たちうち)ちできませんわねー」

 一人脱落(ひとりだつらく)しやれやれと、(はな)れた場所(ばしょ)(すわ)るリカルル。


「――ちょっと、おにぎり! じゃまだよ。リカルルさまと、(はなし)出来(でき)なーいーだーろーうー!」

 (なぞ)のアプリ作動中(さどうちゅう)は、勝手(はって)にスピーカーフォンになるらしい。

 青年(せいねん)必死(ひっし)(こえ)が、室内(しつない)木霊(こだま)し――レイド(むら)状況(じょうきょう)(つた)えてくる。


「ええと……ぼそり……混沌(こんとん)としてきましたわね――「カヤノヒメ名義(ログイン)でイオノファラーさま(がた)CTRL+S(クイックセーブ)()

 少女(カヤノヒメ)が――ぱちんっ♪

 (ゆび)を鳴らすと――


「キュピピピッ――!?()

 柱横(はしらよこ)のサイドテーブルの(うえ)――がちゃ、ごろん!

 置かれた水挿(みずさ)しの(かげ)から、(ころ)がり出る御神体(ごしんたい)


「そ、そんな(ところ)に居たのねぇー? アバター表示(おきがえ)集中(しゅうちゅう)しすぎぃてぇー、(あや)うくー無くすー(ところ)だったわぁー、(あぶ)ない(あぶ)なぁい()

 よちよちと立ちあがる、(ちい)さな御神体(ごしんたい)さまへ――

 揺らめく映像(からだ)浮かぶ(プロジェクション)(BOT))が駆けよる。

 複数操作すること(マルチタスク)は、神々(かみがみ)にとって日常(にちじょう)だ。


「イオノファラー、ゴ自身(じシん)のオ(かラだ)無くす(・・・)トとか。ゴ自重(じチょう)……ご自愛(じアい)なさってくだサ()

 ヴォヴォォォン――カチャカチャカチャ♪

 細い機械の腕(プロダクトアーム)御神体(ごしんたい)をつかみ上げる、INT(インテリジェンス)タレット迅雷(ジンライ)


「ごめんごめぇん♪ コッチの生活(せいかつ)も、(なが)いからさぁ――失敗(しっぱい)()(ぱぁ)ぃ♪」

 迅雷(ジンライ)に持ちあげられた、全長十数(ぜんちょうじゅうすう)センチが(あたま)を掻いた。

 神々(かみがみ)世界(せかい)日常(にちじょう)も、日々塗(ひびぬ)り替えられていくのだろう。


「い、イオノファラーさま? もう一体(いったい)の、バーチャルな御神体(ごしんたい)さまは、どちらへ置き(わす)れ……行かれましたか?」

 動揺(どうよう)星神(ほしがみ)。メキメキョと三つ編みが成長(せいちょう)し、(ちい)さな(つぼみ)をつけた。


 いまイオノファラーには、三体(さんたい)のデバイスが存在(そんざい)している。

 (ひと)姿(すがた)(うつ)し出せる、プロジェクションBOT(ボット)

 そして女神御神体(イオノファラー)視認可(ビジブル))と、仮想化(バーチャル)女神御神体(イオノファラー)視認不可(インビジブル))。


 イオノファラーの(かげ)のように、存在(そんざい)していた御神体(セーブデータ)

 それが、居なくなったことが判明(はんめい)した。


(こま)ったことになりました。最終的(さいしゅうてきに)に、この(からだ)(なか)へシガミーさんを受容(じゅよう)する手はずだったわけで――その(かぎ)がありません!」

 カヤノヒメ(シガミーの(からだ)に、星神(ほしがみ)(こころ))が取り(みだ)していた。


 その様子(ようす)に、ただならぬものを(かん)じたのか――ぱぱぱん♪

執事並(しつじなら)びに侍女隊(じじょたい)伝令(でんれい)! 見えない(・・・・)イオノファラーさまを、ただちに(さが)し出して! それと、レーニアを(いま)すぐ呼び(もど)して!」

 有事(ゆうじ)体制(たいせい)移行(いこう)する、コントゥル家邸宅(ペントハウス)


「ぽぎゅぽぎゅむ、ふにゃみゃごぉー! ぐわぁぁぁぁっ――――!?」

 スマホからも、ただならぬ音声(おんせい)が。


「こ、これ以上(いじょう)混沌(カオス)はシガミーさんの精神構造(せいしんこうぞう)に――多大(ただい)影響(えいきょう)おろおろろろろ――!?」

 惑星ヒース神(ほしがみ)カヤノヒメが(かお)を押さえ、その(かお)(あお)ざめさせていく。


 メキメキョメキメキョ――――三つ編みが(ほど)け、ぱぱぁぱぁぁぁぁぁっ♪

 大量(たいりょう)(はな)が咲いた。

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