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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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362/744

362:龍脈の回廊、女神像と女神像

「にゃみゃごにゃみゃ()――ニャ?」

 ここは、どこでぇい?


「ふにゃみゃごにゃ()――ニャ?」

 見覚(おぼ)えがあるような、ねぇような?


 (あた)りはえらく、ゆがんでいたが――

 ここは、間違(まちが)いなく(うつつ)だ。

 気持(きも)ち、(あたま)(おく)がハッキリしてきた気が……しないでもない。


 がやがやがや、ざわざわざわ。

 なんか(いろ)んな色形(いろかたち)の――(ふく)か?

 そんなもんがズラリと(なら)んでいる。

 どうやら、ここは呉服屋(ごふくや)らしい。


「――――いぃーえっ、レイダちゃんにわぁー、ぜぇーったい、コッチのぉピンク(いろ)のドレスがぁにぃーあぁーいぃーまぁーすぅーわぁー!」

 小柄(こがら)(おんな)が、(ふく)一着(いっちゃく)子供(こども)に押し当てている。


「――――たしかに、ピンク(いろ)でレイダちゃんには、良く似合(にあ)うと(おも)いますらぁん! けれどここは、あえてコチラの(あわ)いブルーも捨てぇーがぁたぁーいぃーのぉーでぇーすぅーらぁん?」

 給仕服(きゅうじふく)を着て眼鏡(めがね)を掛けた(おんな)が、(べつ)(ふく)子供(こども)に押し当てている。


「あのぅ、(わたし)には立派(りっぱな)なドレスが、ひとつ有るから――」

 そうだなぁ、おれと揃いのやつ(・・・・・)があったよなぁ……。


「…………まてまて、おれはコイツを知って()――ニャァ?」

 僧兵(そうへい)のおれがぁ? こんな生意気(なまいき)そうな子供(がき)を?

 いやまて、そりゃぁ(むかし)(はなし)か?

 いまのおれは、こうして立派(りっぱ)な化け(ねこ)に――


 自分(じぶん)姿(すがた)を見たいけど――(くび)(うご)かねぇ!?

ふにゃみゃごにゃぁ(どうなってやがる)!?()


 ふと子供(がき)が、コッチを振りかえった。

「なんでもいいやな――おれぁココだぜ! ココに居()――ニャッ!」

 (こえ)を張ってみたが、おれの(こえ)は聞こえねぇらしい。


「どうしたの、レイダちゃん?」

 子供(こども)一番歳(いちばんとし)(ちか)そうな、給仕服(きゅうじふく)を着た(おんな)

 そいつが子供(こども)(はな)しかけた。

 っていうか、みんな給仕服(きゅうじふく)を着てやがるな。


「えっとね、いまシガミーの(こえ)がしたような?」

 (くび)(ひね)子供(こども)視線(しせん)はコッチを見ちゃいるが――


「おぉーい、おまえさんには、聞こえてるの()――ニャ?」

 おおおぉーい、おれぁココに居るぞぉー!

 シガミーてぇのわぁ、(なん)だかわからねぇがぁなぁー!


「きっと、レイダちゃんのことを、(とお)くから見守(みまも)ってくれているんですよ♪」

 言い(あらそ)(おんな)たちから子供(こども)を引っぺがした(わか)(おんな)が、見当違(けんとうちが)いの方向(ほうこう)(ゆび)さした。

「うん、そうだよね!」

 ああーぁ、子供(がき)(かお)が、まるで見当違(けんとうちが)いの方向(ほう)を向いちまったじゃねぇーか!


「ピンクいろーぉ!」

 やかましい、いまそれどころじゃねぇー!

(あわ)いブルーらん!」

 だから、やかましい!


「レイダにゃ(あわ)いブルーが似合(にあ)うに、決まってるだろうが(・・・・・・・・・)――ニャ!」


 んぁ、なんか。(くち)をついて出たぞ。

 そうだ、あの生意気(なまいき)子供(がき)は〝レイダ〟だ!


「お客様(きゃくさま)ぁー、お決まりにならないのでしたらぁ、当店自慢(とうてんじまん)判定機(はんていき)をお使(つか)いになってはいかがでしょーうか?」

 (みせ)(おく)から手もみでやってきた、(みょう)(こし)(ひく)い女。

 しゃらあしゃら(・・・・・・・)が行き過ぎて、くねくね(・・・・)してやがる。

 こいつぁ――呉服屋(ごふくや)番頭(ばんとう)だな。


「「「「判定機(はんていき)?」」」」

「はいー、コチラのイオノファラーさまの(ぞう)には、コーディネートでお(なや)みの淑女(しゅくじょ)をお(たす)けする機能(きのう)搭載(とうさい)されていまーす♪」

 おれを(ゆび)さす、(こし)(ひく)番頭女(ばんとうおんな)

 おれは、五百乃大角(いおのはら)大耳(ぞう)なんかじゃねぇぞ!


「おぉーい! レイダとかいうやつ! おれだ、おれはココに居()――ニャッ!」

 (ちから)(かぎ)りに(さけ)んでみたが――やっぱり聞こえちゃいない。

 コッチを見てても、おれを見てるわけじゃねぇ。


「ソチラに立って――はーいそう、そしてコッチの(まる)いのを押してくださいまーせ♪」

 おれの目のまえで、なんか(はじ)まった。

「コレを押せば良いの? 押す、超押(ちょうお)したい! 力一杯押(ちからいっぱいお)したい!」

 あー、おまえさんはそういうのを、スグやりたがるよ――ニャァ。


 ふぉふぉん♪

『御神託デバイス#007944906ーβ>彼女に、お似合いの服を選んでください』

 なんか化け猫(おれ)のまえに、文字(もじ)がでたぞ?


 ふぉん♪

『A――ピンク色のドレス』

 ふぉん♪

『B――淡いブルーのドレス』


 一切合切訳(いっさいがっさいわけ)がわからねぇし、皆目見当(かいもくけんとう)が付かねぇが――

 コレだけは(・・・・・)ハッキリしてるだろうが!


 おれは『B』の文字(もじ)をペチリと(たた)く。

 そのとき子供(がき)が、またおれをみた。


「そんな不安(ふあん)そうな(つら)を、するなってん()――ニャ!」

 得心(とくしん)した。おれが、もうすぐ(そっち)(かえ)ることになる予感(よかん)がある。

 (こえ)は聞こえちゃいねぇみてぇだが――


「もうすぐ、ソッチに(もど)るから、それまでみんなのことを(たの)()――ニャァァ♪」

 おれの(さけ)びは――(ひかり)となり。

 子供(レイダ)(みぎ)(かか)げられた、(あわ)青色(あおいろ)(ふく)に降り(そそ)いだ。


   §


「にゃみゃごにゃみゃ()――ニャ?」

 ここは、どこでぇい?


「ふにゃみゃごにゃ()――ニャ?」

 見覚(みおぼえ)えがあるような、ねぇような?


 (あた)りはえらく、ゆがんでいたが――

 ここは、間違(まちが)いなく(うつつ)だ。

 気持(きも)ち、(あたま)(おく)がハッキリしてきた気が……しないでもない。


 がやがやがや、ざわざわざわ。

 なんか(いろ)んな(やつ)らが、右往左往(うおうさおう)してやがるぜ。

 随分(ずいぶん)立派(りっぱ)部屋(へや)だが――(だれ)(いえ)だぁ、ここわぁ?


「イオノファラーさま、お支度(したく)出来(でき)まして――――!?」

 随分(ずいぶん)派手(はで)格好(かっこう)(おんな)が、部屋(へや)に飛びこんでくる。


「はぁぁい、こんなので本当(ほんとう)に良いのぉー? かわいいけどさぁ――()

 ヴォォォォンッ――――!


 (べつ)(とびら)を開けて(はい)ってきたヤツは――

 (なに)(みょう)だった。


 ヴュザジジ――!

 その姿(すがた)時折透(ときおりす)けて、ぶるぶると波打(なみう)つのだ。

 狐狸妖怪(こりようかい)かっ――!?


 けどまて、おれぁコイツにも見覚えがあるぞ(・・・・・・・)

 ひらひらした天女(てんにょ)羽衣(はごろも)のような(ふく)にも、手にした白金(はっきん)(つえ)にも見覚(みおぼ)えはない。

 ないが、あの見え(かく)れする下っ腹(したっぱら)だけは――(わす)れようがねぇ。


「イオノファラー、暖炉(だンろ)(ウえ)調度品(ちょウどひん)にバックドアヲ検出(けんシゅつ)しまシた()

 白金(はっきん)(ぼう)が、切り(むす)んだ(かたな)(おと)みてぇな――ガチャガチャした(こえ)を出した。

 あれ、この(ぼう)(こえ)には、聞き覚えがあるぞ(・・・・・・・・)


 そういや、なんか――さっきつかんだ、伸び(ちじ)みする仏像(じく)に似てやがるな。

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