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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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344/744

344:龍脈の回廊、なんか居た!

「シガミーさんの痕跡(こんせき)解析(かいせき)シーケンスは、自動的(じどうてき)進行(しんこう)するので――わたくしも、極力把握(きょくりょくはあく)しないように(・・・・・・)(つと)める必要(ひつよう)がありますわ。ソチラもそのようにお(ねが)いしたいのですが、おわかり()

 女神像(めがみぞう)(かお)を見あげ、淡々(たんたん)(はな)少女(しょうじょ)


「――んぅ!? なんか(へん)な言い(まわ)しねぇ――まるで積極的に(・・・・)おにぎりを追跡する(・・・・・・・・・)と不都合がある(・・・・・・・)ぅみたぁいぃよぉねぇー、迅雷(ジンライ)クーン()

 しゃべる女神像(めがみぞう)

「――はイ、そノように聞こえまし()

 しゃべる女神像(めがみぞう)


「そう言いましたわ――おにぎりさんに干渉(かんしょう)すればするほど、以前のシガミー(・・・・・・・)さんを掌握する(・・・・・・・)ことが困難(こんなん)になりま()

 その表情(ひょうじょう)に「くすくす、うふふ」のニュアンスはない。


「――えぇー、もうニゲルを張りつかせちゃったんだけど――()

 女神像(めがみぞう)(くち)が、(うご)いているわけではない。

 女神像(めがみぞう)の持つ(はこ)から飛び出した、(ひか)(いた)

 ソコに(えが)かれた――アイコンの(くち)(うご)いている。


「あらまぁ、あらまぁまぁ、どうしましょう? ニゲルさんは、シガミーさんの(こと)をよくご(ぞん)じなのですか()

 やはり、口調(くちょう)(はん)した真剣(しんけん)面持(おももち)ち。


「――まぁ、そうわねぇ――パーティメンバー以外(いがい)でわぁ、一番(いちばん)のぉーお友達(ともだち)よぉね()

「それは不幸中(ふこうちゅう)(さいわ)いでしたわ。以後(いご)、おにぎりさんに干渉(かんしょう)するのはニゲルさんだけで、お(ねが)いいたします……けれ()

 思案(しあん)する、行儀の良いシガミー(カヤノヒメ)


「――けれど()

「おにぎりさんの(ちか)くに居ると、危険(きけん)かもしれませんですわよ()

 少女(しょうじょ)(はっ)した警告(けいこく)

 それは(ほし)(かみ)からの、神託(しんたく)(ほか)ならない。


「――「「「危険(きけん)!?()」」」」

 女神(めがみ)だけでなく、シガミー邸(そのば)全員(ぜんいん)(こえ)を上げた。


   §


「カヤノヒメさまとお(はなし)は、できまして?」

 ふたたび(うご)き出した御神体(メガミ)を――(わし)づかみにするご令嬢(リカルル)


「なーんかねぇー、おにぎりのぉそばにぃ居るとねぇー……危険(きけん)なんだってさ()ー」

 (わし)づかみにされた御神体(メガミ)が、(くび)(かし)げた。


「おにぎりのそばに居ると、危険(きけん)ですって!? ――きゃはぁ♪」

 あからさまに破顔(はがん)し、クルリと一回転(ひとまわり)

 ドレスの(すそ)がフワリとたなびく。


「お(じょう)さま、ニゲルとはいえ(かれ)もガムラン(ちょう)住人(じゅうにん)です。お(じょう)さまに(ちか)づく、冴えない男性(だんせい)のすべては――(いた)い目に合うべきです♪」

 (おな)じくクルリと、一回転(ひとまわり)

 メイド(ふく)(すそ)がフワリとたなびく。


「いやまぁさぁ、曲がりなりにでも、お(ひめ)ちゃんの猛攻(もうこう)退(しりぞ)けたんだからさぁ――並大抵(なみたいてい)のことじゃ傷一(きずひと)つ負わないとわぁ、(おも)うけどさぁー()

「はイ。お二人(ふタり)トも随分(ずイぶん)態度(たイど)デは、有りませンか()

 やや、あきれ(がお)御神体(ごしんたい)(ぼう)


「えっ――冗談(じょうだん)ですわよ、も、もちろん!」

 御神体(ごしんたい)をテーブルに置き、取り(つくろ)令嬢(れいじょう)


「も、もちろんです――奥方(おくがた)さまか、変異種(ヴァリアント)でもなければ、いまの(かれ)(おびや)かすことは不可能(ふかのう)ですし」

 身振(みぶ)手振(てぶ)りで、場の空気(くうき)をなごませるメイド。


「ニゲルがぁ!? どうしたんだい(きゅう)に? 随分(ずいぶん)とアイツを買ってくれてる(・・・・・・・)んだねぇ?」

 怪訝(けげん)(かお)女将(おかみ)


「それがさぁ、このあいだのクエストでさぁ――またお(ひめ)ちゃんのお目々(・・・)がぁ暴走(ぼうそう)したときにさぁ――」

「イ、イオノファラーさま――こ、今晩(こんばん)のお食事(しょくじ)ですが、(なに)かお(この)みは御座(ござ)いますか?」

 ガムラン最高(さいこう)LV(レベル)女将(おかみ)彼女(かのじょ)自分(じぶん)失態(しったい)を知られることは、為政者(いせいしゃ)で有る令嬢(リカルル)にとって(この)ましいことではない。

 (はなし)をそらすため、食べ(もの)美の女神(イオノファラー)を釣る伯爵令嬢(リカルル)


「ふぅ――そうですね。(いた)(かた)ないので、なんでもお好きなメニューを(つく)って――くださいますわ、女将(おかみ)さんが」

 すべてを丸投(まるな)げするメイド。


「なんだいなんだい? まぁ(べつ)(かま)わないけど――お(だい)はちゃんと(いただ)くよ?」

 かるく振られる木さじ。

「それでしたら――カヤノヒメさまの歓迎会(かんげいかい)も、兼ねましょうか?」

 とご令嬢(れいじょう)


「それはちょうど良いですね。近日中(きんじつちゅう)開催(かいさい)の〝ミノタウロースお披露目会(ひろめかい)の、予行演習(リハーサル)〟という名目(めいもく)食材(しょくざい)自由(じゆう)使(つか)えますし」

 計算(けいさん)出来(でき)(ちい)さな(いた)

 それを指先(ゆびさき)(はじ)きながら――室内(しつない)をクルリと見わたすメイド。


「ええっ――お(ひめ)ちゃんのおごり!? やったぁっ()

 跳ねる御神体(イオノファラー)


「いつもの連中(れんちゅう)を呼ぶんなら――オルコトリアの残念会(ざんねんかい)も兼ねてやったらどうだい?」

 女将(おかみ)提案(ていあん)に、「わかりました。コントゥル家宛(けあて)請求書(せいきゅうしょ)を、お切りください」とメイドが(こた)えた。


   §


「だれだったかな、こういうのが(・・・・・・)得意(とくい)なヤツが居たんだ()――ニャ♪」

 手近(てじか)石ころ(・・・)を持ち上げ、しげしげと(なが)める猫の魔物(ばけねこ)


「いや、こんな(ちい)せぇ人間(にんげん)は居ねぇ()――ニャァ♪」

 (いし)を投げ捨て、作業(さぎょう)(もど)る。


 右手(みぎて)に持つのは、(あか)(いた)

 それには出っ張り(・・・・)切りかけ(・・・・)があり――

 左手(ひだりて)でつかんだ、(おな)じく(あか)(いた)をくっつける。


「これもあわねぇ(・・・・)――一体(いったい)どうすりゃいいん()――ニャ!?」

 こういうとき、相談(そうだん)できるヤツが――(ぼう)みたいなヤツが居てくれると、(たす)かるんだがなぁ。

 どこかから(あらわ)れた、輪っかが付いた(ぼう)――「おい、おま()――ニャ」

 もちろん返事(へんじ)はねぇ。あるわけねぇやな。


 この(いた)(いろ)どうにか並べりゃ(・・・・・・・・)(なに)かの模様(もよう)にでもなると(おも)ったんだが――

 結構難(けっこうむずか)しい。


 ふぉん♪

『解析指南>まず各色ごとに分けた中で、出っ張りも切りかけもない縁を持つ板を集めてください』

 (ひか)(いた)が、目のまえに(あらわ)れた。


「なんだ!? 文字(もじ)(あらわ)れやがっ()――ニャっ!?」

 手で(たた)き落とそうとするも、手をすり抜けちまう。


 ふぉん♪

『ヒント>四つ角は四つしか無いので、先に当てはめてください』

「またなんかでたっ――――けど、そりゃぁ道理(どうり)だな。ど()――ニャ」

 四枚(よんまい)(いた)(さが)し出して、まず四つ(かど)を埋める。

 (うえ)二隅(にすみ)は背が(とど)かねぇから、(ぼう)を立てかけてよじ(のぼ)った。

 裏返した板は、近くに持って行くと、どういうわけか壁に吸い寄せられ――

 ピッタリとくっ付いた。


「なるほど、つぎは――(ふち)に来るヤツから、適当(てきとう)に置いていけ()――ニャ♪」

 そこからは、あっという間だった。


 (かべ)色鮮(いろあざ)やかに埋まり、完成(かんせい)した模様(もよう)は――

 動物(どうぶつ)絵柄(えがら)だった。


   §


 ぽぽぽぽぽぽぽぽきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅむむむんっ――――♪

 ソレはけたたましい(おと)


 耳障(みみざわ)りな、空圧作動音(くうあつさどうおん)

 掘削(くっさく)される(そう)が、岩盤(がんばん)にでも変わったのか――


 ガキィン、ガキュキィン、ガッキュキュキュキュリィィン♪

 金属質(きんぞくしつ)(おと)が、(ひび)(わた)る!


「うるさいよ、おにぎり。もっと(しず)かに掘ってく――――――――!?!?」

 どっぼごがばぁぁぁぁんっ――――!!


 (つぎ)瞬間(しゅんかん)

 ニゲル青年(せいねん)とおにぎり一号(いちごう)は――天高(てんたか)く、舞い上げられていた。


「にゃみゃがにゃみゃー♪ みゃんみゃやにゃー、にゃんみゃやーにゃ♪」

 ふぉふぉん♪

『おにぎり>とうとうやったもの♪ ぼくはほりあてるのが、じょうずだもの♪』

 (くび)から下げた木の(いた)には、そんな文字(もじ)


 空中(くうちゅう)で踏ん反り(かえ)る、(ねこ)魔物(まもの)

 それは掘り当てたことに(たい)する、達成感(たっせいかん)によるもの――ではない。


「ひょえわひゃほぉーい!?」

 空中(くうちゅう)(あわ)てふためく、(くろ)(ふく)青年(せいねん)

 ぽきゅぽふぅーん――がしり♪

 おにぎりが青年(ニゲル)を、抱きかかえ――


 ギュォワァァァァッ――――!!

 二人(ふたり)(ねら)う、直下(ちょっか)からの(かげ)を――――ぽきゅガッキュン♪

 力一杯(ちからいっぱい)、蹴り飛ばした!


 ズッシィィィィンッ!!!!

 地上(ちじょう)へ蹴り落とされたものは、物置小屋(ものおきごや)なら二軒分程度(にけんぶんていど)(おお)きさ。


「にゃみゃぁーご?」

「か、(かめ)ー!?」

 巨大亀(きょだいがめ)だった。

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