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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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335/744

335:龍脈の回廊、幻の伝説の史上最美味食材発表式典準備会

「こ、ここまでぇ(おお)がかりにーするつもりじゃぁ、なかったぁんだぁけぇどぉー(・・)

 うろたえる付け合わせ(イオノファラー)


「イオノファラーちゃんのぉー招待客(しょうたいきゃく)わぁー、コッヘル夫人(ふじん)くらいぃー?」

 (さら)を見つめる、コントゥル家名代(けみょうだい)

「そうわよ……ね迅雷(ジンライ)(・・)

 食べる手を止め、真剣(しんけん)(かんが)えている。


「そうデすね、シガミー……オ行儀(ぎょウぎ)(ワる)(ほウ)ノシガミーが、懇意(こンい)にシていた方々(かタがた)、ルコルやニャミカも、オ呼びしマしょ()

「そーねぇー……じゃぁ猪蟹屋(ししがにや)関係者全員(かんけいしゃぜんいん)呼びましょぉう。リカルルちゃんわぁー、呼びたい(ひと)ぉ居るぅー(・・)

 付け合わせ(イオノファラー)が、芋や茸(つけあわせ)をフォークで一刀両断(いっとうりょうだん)にする。


「ガムラン(ちょう)ギルド支部(しぶ)としては、オルコトリアとギルド(ちょう)くらいで良いとして……シガミーと面識(めんしき)のあったコントゥル家関係者(けかんけいしゃ)は、呼ばせて(いただ)きたいですわねぇ。あとわーぁ、ラプトル王女(おうじょ)さまぁー?」

 辺境伯令嬢(リカルル)が、王女殿下(ラプトル)を呼びつけた。

 トッカータ大陸(たいりく)における、領主間(りょうしゅかん)上下差(じょうげさ)は無いようである。


「お呼びでございますかしらぁん?」

 馬の人形(ぬいぐるみ)手入(てい)れをしていた、ラプトル第一王女(だいいちおうじょ)がやってきた。


「ええ、王族関係者(おうぞくかんけいしゃ)央都(おうと)重鎮(じゅうちん)最低限呼(さいていげんよ)ぶとしたら……何人(なんにん)くらいになるかしら?」

「そうですらん……8(めい)、いえ、王立騎士団(おうりつきしだん)関係(かんけい)でプラス3(めい)と……ギ術開発部(じゅつかいはつぶ)関係(かんけい)で2(めい)(けい)13(めい)になりますらぁん」

 手にしていた、まるで杓子(しゃくし)のような魔法杖(どうぐ)をパチン。

 ちいさく折りたたみ、ポケットにしまう。


「13(にん)かぁー、超女神像(ちょうめがみぞう)があるからぁー……もぐもぐ……行き来に護衛(ごえい)はいらないけどぉー……もぐもぐ……お料理(りょうり)(まち)防衛(ぼうえい)だけじゃぁ、済まないわねぇー(・・)

 (うで)を組む丸茸(まるきのこ)影からも(・・・・)――もぐもぐと、()(おと)が聞こえてくる。


「はイ。シガミーノ不在(ふザい)ハ、(おオ)きいでス()

「あーもうっ! シガミーが居ないとぉー出し物にも(・・・・・)ぉー、苦労(くろう)するわねぇぇ!?(・・)

「はイ。シガミーノ不在(ふザい)ハ、(おオ)きいでス()

 繰りかえす(ぼう)。よほどシガミーの不在(ふざい)が、(おお)きいのだろう。


「でしたらばテェーングさまやカラテェーに、来て(いただ)いたらよろしいのではなくて?」

 そんな、何気(なにげ)ない一言(ひとこと)に――


「それなんだけどさぁー(・・)

 ――目を(およ)がせる丸い茸(メガミ)

「そノ両名(りょうメい)ハ、火龍(かりゅウ)寝床(ねドこ)魔王城(まおうジょう)、そして召喚(しょうかン)(トう)探索(たんサく)ニ向かっテもらっていマ()

 丸い茸(メガミ)(およ)いだ目を引き継ぐ、飛ぶ燭台(けんぞく)


「あら、ヒーノモトーの人材(じんざい)が当てに出来(でき)ないとなると、たしかに――」

 (ひたい)へ伸びる、リカルルの手。

「――すこぉし(いそ)がないとぉー、いけないわねぇー……あたくしさまもぉー、お野菜(やさぁい)ゴロゴロぉー食べたぁいしぃー」

 よだれをぬぐう、ルリーロの手。


「す、すみませんですわ、わたくしばっかり(いただ)いてしまってっらぁん!」

 取り(みだ)王女殿下(ラプトルひめ)

 コントゥル家名代(けみょうだい)ルリーロが、(よわい)200歳越(さいご)えの妖狐(ようこ)と知らなくても――

 その貫禄(かんろく)には、あらがえないようだ。


「んーん、ラプトルちゃんがぁー元気(げんき)にぃーなってぇくれてぇー、良かったわぁー♪」

 よだれを(ぬぐ)った手をふいてから、王女(おうじょ)の手をやさしく(にぎ)伯爵夫人(はくしゃくふじん)


「じゃあぁー準備(じゅんび)わぁ、フェスタの(とき)布陣(ふじん)でぇ(すす)めるとしてぇー、カヤノヒメニャァン――居るぅー(・・)

 (から)になった(さら)から飛びおりる、丸茸(つけあわせ)


「はぁい、コチラに。ご(ごう)でしょうか? イオノファラーお(じょう)さまニャン()

 スッと衝立(パーテーション)から姿(すがた)をあらわす、年端(としは)もいかない金髪美幼女(きんぱつびようじょ)

 (あたま)には猫耳(ねこみみ)の付いたホワイトプリム、語尾(ごび)にニャン。

 その振る舞いと(ととの)った造形(すがた)には、非の打ち(どころ)がなく――


(わる)いんだけどさぁー、お食事会(しょくじかい)(せき)でわさぁー。お行儀(ぎょうぎ)がぁ(わる)いぃ(ほう)のぉーシガミーのぉーさぁー、(かわ)りおぉーしてくれぇなぁい(・・)

 下げられる(さら)を避け――華麗(かれい)なフットワーク((やく)3センチ)をみせる丸茸(メガミ)


「お行儀(ぎょうぎ)(わる)いのは……うまく出来(でき)るか、わかりませんニャン()

「お行儀(ぎょうぎ)は良くてもぉ良いのーですよ。むしろぉーウェルカムですぅし――そのシガミーの体の役(・・・)を、してくれればOK(オーケー)ですのよん(・・)


「それでしたら、お引き受けいたしますわ、くすくす()

 口元(くちもと)に手を添えころころと(わら)う、屈託(くったく)のない少女(しょうじょ)


「「「「「「「な、なんて……(あい)くるし(・・)」」」」」」」

 レイダ、リオレイニア、リカルル(ひめ)、イオノファラー(ズ)、ジンライ、コントゥル夫人(ふじん)

 そしてラプトル(ひめ)までもが、微妙な顔(・・・・)をした。


 彼女(シガミー)お行儀が良いシガミー(カヤノヒメ))は、(けっ)して以前(いぜん)の(お行儀(ぎょうぎ)(わる)い)シガミーには見えないからだろう。


「じゃぁあー、女将(おかみ)さんでしょぉ? あとわぁルコルにニャミカに、猪蟹屋(ししがにや)全従業員(ぜんじゅうぎょういん)。コントゥル家関係者(けかんけいしゃ)にぃー王族(おうぞく)関係者(かんけいしゃ)っとぉ――どう、ジンライ足りる(・・)

「そウですね……中鍋(ちゅうナべ)ノのこりガ三個(さんコ)。そのスべてを使(つか)イ切レば、可能(かノう)()

 太鼓判(たいこばん)を押す、女神の眷属(アーティファクト)


「えっ!? 全部(ぜんぶ)!?(・・)

 驚愕(きょうがく)(まる)(りゃく))。

「はイ、まサに願掛(がンか)けスるのに――良イ機会(きカい)ではナいかと()

「うぐぬぬぅ? けど、そうわね、シガミーさえ無事(ぶじ)(もど)ってくれば――秘蔵のアレ(・・・・・)で……ひそひそ……大鍋何個分(おおなべなんこぶん)になるかしらん(・・)

 (こえ)をひそめる((りゃく))。


概算(がイさん)でスが……ひそヒそ……前回大鍋(ぜんかイおおなべ)使用(しヨう)シたミノタウロースのヒレ(にク)(シャトーブリアン)が、5(キログラム)ほド。在庫(ざいコ)ガ103・5(キログラム)ですノで大鍋(おおナべ)20個分(こぶン)になりマ()

「20個ぶ――!? なら……ひそひそ……大事(だいじ)に食べればぁ、一生分(いっしょうぶん)わぁあるのかしらぁん(・・)

 美の女神(メガミ)のゲスな微笑(ほほえ)みにも、慣れた様子(ようす)面々(めんめん)

 食器(しょっき)片付(かたづ)けられ、(はなし)はつづく。


「それで、お行儀(ぎょうぎ)(わる)(ほう)のシガミーは、いつ(ごろ)までに返って(・・・)こられそうですか? (ほか)素材(そざい)分配(ぶんぱい)の、都合(つごう)もありますし――?」

 とは給仕服(メイド)姿(すがた)のリオレイニア。

 彼女(かのじょ)はガムラン町年間(ちょうねんかん)予算会議(よさんかいぎ)にも参加(さんか)するほどの、才女(さいじょ)でもある。

 お行儀の良いシガミー(カヤノヒメ)手伝(てつだ)いテーブルを(ととの)える所作(しょさ)は、茅野姫(カヤノヒメ)にも引けを取らない。


「たシかに、ソレによって今後(こんゴ)最善策(さいゼんさく)モ変わります。カヤノヒメさマ、シガミー探索(たんサく)進捗(しんチょく)はどノような按配(あんバい)でしょウか――()

 (ぼう)が、〝後頭部(こうとうぶ)の木の(えだ)のような(つの)に手を掛けたまま、微動(びどう)だにしなくなった――星神(ほひがみ)茅野姫(カヤノヒメ)〟に、(かさ)ねて問いかける。


「そぉおぉうねぇぇ。下手(へた)ぁにぃ発表(はっぴょう)だけぇしてぇー、現物(げんぶつ)がぁーシチューだけってなったらぁ……神話級(しんわきゅう)のぉ武具素材(ぶぐそざい)おぉーガムラン(ちょう)がぁ隠匿(いんとく)独占(どくせん)したってぇ、(おも)われかねぇなぁいぃわぁねぇー? ケェーッタケタケタッ♪」

 老獪(ろうかい)かつ(した)っ足らず、(よわい)200歳超(さいご)え――

 その視線(しせん)が、央都代表(ラブトルひめ)へと向けられた。


 紅茶(こうちゃ)をすすっていた王女殿下(おうじょでんか)が、カップを置き。

 静かに視線をかえす(こくりとうなずく)


「そっか、シガミーがもどり次第(しだい)分配(ぶんぱい)するつもりだったけど……対外的(たいがいてき)には、シガミーはご存命(ぞんめい)だぁしぃねぇぇ(・・)

 全員(ぜんいん)視線(しせん)が、(ほし)(かみ)(そそ)がれると――


「ソレでしたら、つい(さき)ほど出かけましたわ、くすくす()

 目が(わら)って((りゃく))。


「は? 出かけたって、だれがぁ(・・)

「もちろん、おにぎりさんですわ()

「おにぎりが出かけたぁ――――――――!?(・・)


「「「「出かけたぁ――どこにっ!?」」」」

「もちろん、シガミーさんを(さが)しにですわ()


「「「「「だからぁ――どこにっ!?(・・)」」」」」

「ソレは、わかりかねますわ。無理(むり)特定(とくてい)すると、探索精度に影響(・・・・・・・)が出ますしぃー()

 目が(わら)(りゃく))。


「ってことは、とにかく見つけたのね!? そういうことはスグに言って(・・)

大変(たいへん)失礼(しつれい)いたしましたわ。ご歓談(かんだん)最中(さいちゅう)(くち)をはさむのも、はばかられましたもので、くすくす()

 目((りゃく))。


「シガミーが(かえ)ってくる(・・)

「「「「やったぁー♪」」」」


「いつ(ごろ)、もどるかは?」

 冷静なメイド(リオレイニア)が、確認(かくにん)する。


「そうですねー、惑星(わくせい)ヒースの裏側(うらがわ)にシガミーさんが居たと仮定(かてい)して、最長(さいちょう)(さん)(げつ)ほどで帰還可能(きかんかのう)(おも)われますわ、うふふニャン()

 目が(わら)っては居なかったが――


「「「「(さん)(げつ)ぅ――!?」」」」

(かり)にもぉ(ほし)(かみ)名乗(なの)(もの)のぉ、ご神託(しんたく)でぇーす。ここわぁー(しん)じましょぉぉう(・・)

 女神(めがみ)同業他社(ほしがみ)言葉(ことば)を、あと押しする。


「さ、(さん)(げつ)……かぁー」

 (さん)(げつ)という帰還予測(ごしんたく)(おも)(ところ)があるらしく、子供(レイダ)がテーブルに突っ伏した。

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