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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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331/744

331:龍脈の回廊、シガミー受容体あらわる

「ふ、増えたぜ?」

「ふ、増えましたわね?」

「イオノファラー、デバイスID(ナンバー)重複(ちょウふく)が見らレます。たダちに解消(かイしょう)してくダさ()

 (ひか)るのを止めた(ぼう)が、(おのの)くように(ふる)える。


 レイダの両手(りょうて)、うやうやしく(かか)げられた御神体(ごしんたい)

 ソレが、(おお)きく(いき)を吸い――

「「カヤノヒメちゃん、これどーいうことぉぉ!?(・・)」」

 ――絶叫(ぜっきょう)した。


「イオノファラーさまっ、うるさい!」

 少女しょうじょ御神体(めがみ)(しか)りつける。

騒々(そうぞう)しさも、(ばい)だぜ」


「ひとまず、レイダさんのスキル収得(しゅうとく)成功(せいこう)いたしましたわ()

 たおやかな仕草(しぐさ)

「「うん、それはよかったわねぇん(・・)」」

 (しか)られボリュームをしぼる、丸茸(まるきのこ)のような姿(フォルム)


「シガミーさんの痕跡(こんせき)も、順調(じゅんちょう)解析中(かいせき)ですわ()

 舞う金糸(きんし)(かみ)


「にゃにゃみゃごにゃご、みゃにゃごみゃにゃ♪」

 ふぉん♪

『おにぎり>いまどこなのもの、

      お返事してなのもの』

 猫の魔物(おにぎり)両手(りょうて)をクルクルと(まわ)し、(なに)かを巻き取るような(うご)きを(つづ)けている。


「「うん、それはよかったわねぇん(・・)」」

 一糸乱(いっしみだ)れぬ双子茸(ユニゾン)


「そうですわね……明日(あした)までには追跡可能(ついせきかのう)状態(じょうたい)になると(おも)いますわ()

 おにぎりの舞踏(ダンス)意味(いみ)があるのか、その様子(ようす)観察(かんさつ)し、そう告げる星の神(カヤノヒメ)


「「ふーん、それは良かったけどさっ……()()わぁ(・・)、どーいうことなのっ!?(・・)」」

 (かた)を組み、その場でピョンピョンと跳ねる――御神体たち(イオノファラーズ)


「うふふふ、ご説明(せつめい)させて(いただ)きますので、(すわ)りませんかみなさま。うふふ?」

 (ほほ)へ添えられる手。その立ち居振舞(いふるま)いには、非の打ち(どころ)がなかった。


   §


「ひとまず、レイダのスキルを確認(かくにん)してみましょうか」

 リオレイニアに(うなが)され、(くび)にさげた冒険者(ぼうけんしゃ)カードを(あたま)から抜き取るレイダ。


『レイダ・クェーサー LV:13

 魔法使い★★★ /全属性使用可能/レンジ補正

    追加スキル/<報酬二倍>/星神の加護

 ――所属:シガミー御一行様』


「わっ、スキルが増えてる!」

 はしゃぐ子供(こども)

本当(ほんとう)ですね、うふふ♪」

「おう、良かったじゃねぇか♪」


本来(ほンらい)希少(きシょう)SP(スキルポイント)使用(しよウ)しなケれば得らレない、追加(つイか)スキル……しかモ〝報酬二倍(ほうしゅうニばい)〟は、レイダ限定(げンてい)ノユニーク・スキルデ()

 解き(はな)たれた女神の眷属(アーティファクト)――迅雷(ジンライ)が、テーブル上に舞う。


「あれっ!? なんかもう一個(いっこ)、あるよっ?」

 はしゃぐ子供(こども)


「〝星神(ほしがみ)加護(かご)〟ってぇこたぁ――カヤノヒメさまからの(さず)かり(もの)か?」

 ヒゲをなで思案(しあん)する、小柄(こがら)男性(だんせい)


「はい、ご協力頂(きょうりょくいただ)いたお(れい)もかねて、(さず)けましたが――リオレイニアさんが収得済(しゅうとくず)みの〝女神(めがみ)加護(かご)〟よりも万能(ばんのう)ですので、この(さき)人生(じんせい)でつまずくことはありませんよ、うふふ()

 ゴゴゥワァアァッ――!

 ふたたび湧きあがる後光(ごこう)

 (ひかり)(きり)(うず)を巻いて――フシュルワァと霧散(むさん)した。


「あらまっ、良かったですわねレイダ♪」

 子供(レイダ)に飛びつき、自分(じぶん)のことのように(よろこ)給仕姿(リオレイニア)

「うん、(うれ)しい! (なに)使(つか)うのかは、わからないけどっ♪」


(わたくし)(さず)かった〝女神(めがみ)加護(かご)〟の恩恵(おんけい)は、とても便利(べんり)というか――侍女長(じじょちょう)仕事(しごと)から討伐(とうばつ)クエストの(とどこお)りのない行軍(こうぐん)まで、(じつ)多岐(たき)にわたっていてソレはソレはもう――♪」

「リオレイニアさんのお仕事(しごと)が、(わたし)にも出来(でき)るのっ!?」

 「きっと出来(でき)ますよ♪」「やったー♪」と(よろこ)女性(じょせい)子供(こども)


「「あたくしさまの加護(かご)より万能(ばんのう)ってソレ……まるで神さま(・・・・・・)じゃないのっ!?(・・)」」

 テーブルの(うえ)(はな)たれてなお、肩を組み(スクラム)一体化(ワーク)をつづける御神体複数形(イオノファラーズ)


「はい、わたくしは惑星(わくせい)ヒースの星神(ほしがみ)ですわ♪」

 ゴワァ――フシュ♪

 一瞬(いっしゅん)後光(きらめき)に、金糸(きんし)がとぐろを巻いた。


「「ぐぬぬぅ、同業他社(どうぎょうたしゃ)さんに追い立てられている(けん)について(・・)」」

 ひざをつき、うなだれる女神(イオノファラー)たち。


「イオノファラー、脱線(だっせン)しテいる場合(バあい)でハありません。デバイスID(ナンバー)重複(ちょウふく)しタ(ケん)にツいて(たず)ねナけれ()

 ヴォヴォォォン♪


「それは簡単(かんたん)な、お(はなし)ですわ迅雷(ジンライ)さま。レイダさんに(さず)けた報酬二倍(ほうしゅうにばい)スキルの暴走ですわ(・・・・・)。よりにもよって、スキル収得中(しゅうとくちゅう)接触(せっしょく)してしまうものですから、(わたくし)にも予想(よそう)が付きませんでした()

 飛んできた(ぼう)を、真剣白刃取(しんけんしらはど)り。


「「報酬二倍(ほうしゅうにばい)スキル……なんか、「(いま)ならもう一個(いっこ)プレゼント♪」っていう通販番組(つうはんばんぐみ)みたいよねぇん、ウケルー(・・)」」

 ムクリと起き上がる、女神御神体(ダブルボディーズ)

 その(かお)にはもう、苦渋(くじゅう)葛藤(かっとう)(いろ)はなかった。


   §


「ギャニャニャニャッ――――みゃごぉぉぉぉぉっ!?()

 (ねこ)魔物(まもの)尻餅(しりもち)をついた。


 ズゴゴゴゴォォォォッ――――!!!

 (うえ)から振ってくる(はしら)

 ドガドガドッガドガドガガガガァァンッ――――!!!

 無数(むすう)のソレが、(くい)のように突きたてられた。


 (ねこ)魔物(まもの)が見る先々(さきざき)に――

 ズゴーン、ガガーン、ドドゴォン!

 (かべ)や戸や天井(てんじょう)が、はめ込まれていく。


「にゃがにゃがにゃやー!?()

 その地響(じひび)きや、めまぐるしく変わる周囲(しゅうい)様子(ようす)に、耐えきれなくなったのか――(ねこ)魔物(まもの)が四つんばいになり、うずくまった。


「みゃにゃが、みゃにゃんにゃやー!?」

 (ねこ)魔物(まもの)細長(ほそなが)通路(つうろ)のような所に、閉じ込められた。

 ズゴゴゴゴォォオォォ――――――――!!!!

 唯一(ゆいいつ)(きり)景色(けしき)のままだった――地面(じめん)(いろ)(なが)れる。

 それは血の(いろ)ではなく、(つち)(いろ)――ボッガァァンッ!

 吹き飛ぶ地面(じめん)


「ふっぎゃぎにゃみゃごぉぉぉ――――!?」

 跳ねて落ちる魔物(ねこ)

 バラバラバララッ――――舞う土塊(つちくて)


 魔物(ねこ)(かお)を上げたとき――(きり)は晴れた。


   §


「ここは、洞窟(どうくつ)か?」

 えーっと?

 おれぁ(だれ)だっけ?


 細長(ほそなが)(みち)には松明(たいまつ)(とも)されていて、暗くはねぇけど――

 武器(ぶき)がねぇと心許(こころもと)ない。


 ヴッ――考えたら(・・・・)(ぼう)が出た。

 あわててソレをつかむ――じゃりぃぃん♪

 この(おと)……聞きおぼえがある。

 この(ぼう)は――おれのだ。


 ふぉふぉん♪

『ヒント>現在地点は龍脈の回廊/第八階層です』

 (かお)のまえに、そんな文字(もじ)が出た。

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