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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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327/744

327:惑星ヒース神(シガミー)、茅野姫オンステージ

「まったくもう、出しっぱなしにして――」

 ブツブツと文句(もんく)を言いながら、ちゃぶ(だい)(あし)(たた)む。

「あら、こんな(ところ)にも、踏み(だい)が――」

 よっこらせと――ぱかん。


 超女神像(ちょうめがみぞう)小指(こゆび)のあたりを、蹴飛(けと)ばす。

 (おお)きなハッチが開かれ(あらわ)れたのは、物置(ものおき)のようなスペース。

 ソコへ、ちゃぶ(だい)と踏み(だい)仕舞(しま)う、ギルド受付嬢(うけつけじょう)


「まったくもう、だらしがないですわねぇ」

 ぱんぱんと手を(たた)き、(しり)でハッチを閉じる。


「もう、お(じょう)さまこそ、お行儀(ぎょうぎ)(わる)いですよ」

 小言(こごと)はスルーされ、受付嬢(うけつけじょう)はスタスタと去っていく。


「ちゃぶ(だい)を、仕舞(しま)われちまったなぁ」

 車座(くるまざ)面々(めんめん)は、ちゃぶ(だい)があった空間(くうかん)(かこ)んでいる。


「リカルルさまに(わたし)たちは、見えなかったみたいだねっ? くふふ、おもしろかった!」

 はしゃぐ子供(こども)


仮想(かそう)実行環境(じっこうかんきょう)って……ひそひそ……チート過ぎじゃなぁい? そもそも、そんな機能(きのう)……ひそひそ……あったっけ()

 子供上空(こどもじょうくう)3メートル。

 (ぼう)にぶら下がる御神体(めがみ)表面(ひょうめん)を、冷や(あせ)がつたう。


「プレイヤーオノハラ・レンにヨる〝メモリ増設(ぞウせつ)〟がナされており……ひそヒそ……その余剰(よじょウ)リソースヲ利用(りヨう)擬似的(ぎジてき)ナFATSシステムコマンドを……ひソひそ……実装(じつソう)しタと(おモ)わレま()

 ヴォォォォンッ♪

 滞空(たいくう)するインテリジェンスタレット。


「そうわの? でもたしかに、お(にい)ちゃ……ウチの兄神(あにがみ)なら間違(まちが)いなくするわねぇそういうこと――(した)に降りて()

 ヴォォーン♪

 スルスルと落ちていく、イオノファラーたち。


「ビュギュギゴガガガガボビンゴゴォボン♪」

 突然(とつぜん)(たの)しげな騒音(そうおん)に、一斉(いっせい)に振りかえると――

 ジュークボックスの両端(りょうはじ)に立つのは。


 カヤノヒメ(金髪幼女(きんぱつようじょ)10(さい))と――

 極所(きょくしょ)作業用(さぎょうよう)汎用(はんよう)強化服(きょうかふく)シシガニャン一号(いちごう)自律型(じりつがた)個体名(こたいめい)おにぎり0・0057(さい))。


「ソレでは、迅雷(ジンライ)さまコチラへ。くすくす()

 こめかみから生えた木は、(はしら)のように屹立(きつりつ)していて――


「目ガ(わラ)ってイません。形状(けいジょう)だケを見るナら、まルでミノタウロースでスし。イオノファラー、もしもノ場合(ばあイ)にハ、クイックロードヲ使用(しよウ)してクださ()

 (ぼう)(ふる)え――

 ゴトンゴトン、ガタガタガタッ!

 テーブルと人数分(にんずうぶん)椅子(いす)が、置かれる。


「うん、まぁかぁせぇてぇー。えっとぉ、クイックロードって言うのわぁ――――えええっとぉー()

 テーブルの(うえ)、解き(はな)たれた丸茸(めがみ)がキョロキョロと。

 目をさまよわせていると――


「イオノファラーさま、クイックセーブはわたくしが(おこな)うので、随時(ずいじ)(もう)し付けくださいませ。それと、クイックロードに(かん)しては――サブメニューから選択(せんたく)できますので、ご随意(ずいい)にどうぞ、くすくす()

 (なに)も無い(ところ)指先(ゆびさき)を這わせ、(なん)らかの確認(かくにん)をするカヤノヒメ。


「はぁァぁぁ――(ひト)とシて淑女(しゅくジょ)とシて(かミ)とシても、そシてシステム管理者(かんりシゃ)とシても……不安(ふアん)がのこりマすが、イオノファ()ー」

 ことん――テーブルへ(あし)をつく、INT(インテリジェンス)タレット。

「な、なによご挨拶(あいさつ)ねぇん!?()

 丸茸(めがみ)が、憤慨(ふんがい)する。


「シガミーのこトを、(たノ)みマ()

 観念(かんねん)した様子(ようす)でフワフワ飛んで行く、美の女神(めがみ)眷属(けんぞく)

 インテリジェンスタレット、直訳(ちょくやく)するなら思考砲台(しこうほうだい)

 そんな便利棒(べんりぼう)が――ぽぎゅりっ♪


 目鼻口(かお)のない猫の魔物(おにぎり)に、捕らえられた!


   §


「ねぇ、おにぎりちゃんは、(なに)をしてるの?」

 便利(べんり)魔法(まほう)銀色棒(べんりぼう)

 猫の魔物(おにぎり)はソレをふりまわし、(とき)には指先(ゆびさき)(はじ)いたりしている。


「わからないわねぇ()――すっころりん!」

 テーブル(じょう)不安(ふあん)げにうろついていた丸茸(めがみ)が、つまずいて(ころ)ぶ。


 ヴヴッ――――ぽぎゅん♪

 (ころ)んだ丸茸(まるきのこ)視線(しせん)(さき)

「ぎゃっ、なんか出したぁ!? 特撃型(とくげきがた)九号(きゅうご)()

 白地(しろじ)文字(もじ)が書かれた、(かお)のない(ねこ)魔物(まもの)(あらわ)れた。


 すっと(あゆ)み出る、(ほし)(かみ)

 (かか)げたタンバリンに(たい)して、半身(はんみ)

 (つづみ)のように――タァン、タン、タタァン♪

 肩口(かたぐち)で鳴らし(つづ)ける――タァン、タン、タタタァン♪


 最後(さいご)に――ジャララララッ♪

 一気(いっき)に振りおろすと――


 ぼっしゅわっ――――!

 九号(ねこのまもの)腕先(うでさき)が、血煙(ちけむり)に染まった!


「「「「「血ぃ――!?」」」」」

 血煙(けむり)はスグに、(ひかり)(きり)になって霧散(むさん)し――ぽっぎゅぎゅぼん♪

 九号(きゅうごう)(うで)(あか)く染まり、どういうわけか固結び(・・・)にされた。


九号(きゅうごう)さんの一部(いちぶ)をもらって、十号(じゅうごう)さんの修繕(しゅうぜん)をしましたわ、くすくす()

 (よこ)へ引っ込む、星の神(カヤノヒメ)


(なん)だか、(さけ)でも欲しくなるな♪」

 星の神(カヤノヒメ)猫の魔物(おにぎり)高負荷演算(シガミーさがし)は、(いま)のところ――

 (おど)りや手品(てじな)にしか見えない。


工房長(こうぼうちょう)、気を抜いてはけません!」

 (ふところ)から(ちい)さな魔法杖(まほうつえ)を取りだし、臨戦態勢(えいんせんたいせい)を取る――(もと)コントゥル家給仕長(けきゅうじちょう)


 ぽっぎゅぽっぎゅぎゅむ――――すったん、たぁん♪


「また、おにぎりちゃんが来た♪」

 もはや、出し(もの)でしかなくなったシガミーの痕跡探査(こんせきたんさ)を、(たの)しむ子供(レイダ)


 ヴヴッ――――ぽぎゅん♪


「ん? 今度(こんど)わぁ、シシガニャン二号(にごう)ぉ?」

 (あわ)桜色(さくら)。かわいらしい(いろ)の、猫の魔物(シシガニャン)(あらわ)れた。


「あっ、ソレっ! (わたし)が着たヤツっ♪ くれるのっ!?」

 駆け寄る子供(こども)が飛びつく寸前(すんぜん)黄緑色(いちごう)薄桜色(にごう)を持ち上げた。


「ごめんなさいね、レイダちゃん。コレは、もう着られなく(・・・・・)なっちゃうの♪」

 タン、シャカシャカ、ジャラララッン♪


 自称星神(カヤノヒメ)(かな)でる、騒々(そうぞう)しく(みじかい)演奏(えんぞう)

 それを聞くなりボコボコと、(ふく)らんだり(ちぢ)んだりを繰りかえす二号(にごう)

 ぎゅぶりゅぎゅぶるるん――――ぼぎゅぎゅゆっ、ぶるんっ♪

 そのオキオイが激しくなり――――!!!


「「「「わっ、裏返(うらがえ)ったっ!?()」」」」

 驚愕(きょうがく)面々(めんめん)

「わぎゃふんっ!? まるで(かみ)さまみたいっ!?」

 その不思議(ふしぎな)光景(こうけい)に、ひときわ狼狽(ろうばい)する、女神(まるきのこ)


「イオノファラー落ちつイてください。高次元(こウじげん)かラの干渉(かンしょう)ハ、検出(けンしゅつ)されませんデした。つマり単純(たんジゅん)変形(へんケい)でス。キャラクターエディターヲ使(ツか)えバ、イオノファラーにモ可能(かのう)ですノで、まダ負けてイませ()

 おにぎりの手を(のが)れた、眷属(ジンライ)が。

 落ち込む美の女神(イオノファラー)を、(はげ)ます。


位相幾何学的(いそうきかがくてき)同相(どうそう)……位相同型(いそうどうけい)であるならば、二点間(にてんかん)相似構造(そうじこうぞう)を入れ替えることが可能(かのう)ですわ、うふふ。なにせ、わたくしは、惑星(わくせい)(かっこ)(りゃく)

 タタタン、ダラララランッ――――♪


 強化服(きょうかふく)二号(にごう)、着ればどんな攻撃(こうげき)にも耐え、徒手空拳(としゅくうけん)で地を割り(くう)を薙ぐ――

 その裏側(うらがわ)


 身体(しんたい)にフィットし、かつ強靱(きょうじん)構造(こうぞう)

 衝撃(しょうげき)分散(ぶんさん)し、攻撃(こうげき)集積(しゅうせき)する――表裏(ひょうり)一体成形(いったいせいけい)

 よく見れば、速乾(そっかん)保湿(ほしつ)断熱(だんねつ)換気(かんき)といった魔法(まほう)のような機能(きのう)

 ソレらを実現(じつげん)するための、機械的(きかいてきな)な複雑さも見て取れる――二号(にごう)裏返(うらがえ)し。


 バチバチバチッ――ボゴガァァン♪

 火花(ひばな)ののち、血煙(ちけむり)(つつ)まれた!


「「「「「またぁ、血ぃ――!?」」」」」

 血煙(それ)はスグ、(ひかり)(きり)になって霧散(むさん)し――

 ぽぎゅりん――――♪


 (のこ)されたのは、強化服二号(きょうかふくにごう)の――裏返(うらがえ)った外側だけ(・・・・)

 裏側(ないぶ)構造(こうぞう)が、すべて消え去った。


二号(にほう)さんは着られなくなっちゃったけど、大丈夫(だいじょうぶ)ですわ♪ シガミーちゃんさえ(もど)ってきたら、たぶん(・・・)……なぁんでもひとつ(・・・)、レイダちゃんに(つく)ってくれるから♪」

 子供(レイダ)(あゆ)み寄るその姿(すがた)子供(こども)ではあるが、内面(ないめん)年齢差(ねんれいさ)(かく)れようもない。


本当(ほんとう)!?」

 飛び上がり、よろこぶ子供レイダ

 内面(ないめん)との年齢差(ねんれいさ)は、ほぼない。

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