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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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325/744

325:惑星ヒース神(シガミー)、女神の神格

「(お膳立(ぜんだ)てがぁ(ととの)いましたのでぇー、シガミーとカヤノヒメちゃんのぉ問題(もんだい)おぉー解決(かいけつ)するぅ(かい)おぉー(はっじ)めっるっわよぉう――ねぇー、聞いてるぅー())」

 超女神像(ちょうめがみぞう)に突き刺さったままの御神体(めがみ)が、(はなし)(すす)める。


今日(きょう)(かお)ぶれは、コレで全部(ぜんぶ)か?」

 鉄塊(てっかい)がちゃぶ台を、見わたす。

「はい、みなさん仕事(しごと)もありますので――」

 魔神(まじん)(うなづ)く。


 とおくの(はしら)

 その(かげ)に、ちいさな人影(ひとかげ)が見える。

 (かか)えた(ほそ)ながい魔法杖(まほうつえ)を、まるで(かく)せていない。


「なんかさぁー、リカルルちゃんとルリーロちゃんにぃわぁ、二人のことで(・・・・・・)(おも)(ところ)があるみたいなんだけどさぁ――(おし)えてくれないのよぉねぇーん()

 カシャ――『(Θ_<)』

 ヴォォォォン♪

 浮かぶ(たま)が、どこからともなく飛んできた。


結局(けっきょく)、シガミーは(もと)(もど)らねぇじゃねぇか。どうなってんだぁ?」

 「ややこしいぜ」とちゃぶ(だい)(たた)く、小柄(こがら)(いか)つい男性(だんせい)


わたくしの体が(・・・・・・・)、シガミーさんのお(からだ)だということはぁ、理解(りかい)しましたけれ()――」

 ちゃぶ(だい)(はな)やぐ、天上(てんじょう)調(しら)べ。

 (ほほ)に手を寄せる、たおやかな仕草(しぐさ)


「おい迅雷(ジンライ)、良いのか? 行儀(ぎょうぎ)が良い(ほう)のシガミーを連れて来ちまってよぉ?」

 浮かぶ(ぼう)(にら)み付ける、男性(だんせい)

議題本人(ぎだいほンにん)がドうしても参加(さンか)しタいと懇願(こンがん)すルので、オ呼びしマし()


「すでにシガミーさんの自我(じが)は、物質世界(ぶっしつせかい)にも精神世界(せいしんせかい)にも……どこにも存在(そんざい)していません()

 悲痛(ひつう)表情(かお)を見るに、居なくなってしまった(たましい)を――

 (あわ)れんでいるのかもしれない。


 メキメキメキッ――――小枝(こえだ)のような(つの)が、伸びた。

 ちいさな葉が(しげ)り、ちいさな(つぼ)みが生まれる。


 座布団(ざぶとん)(すわ)るカヤノヒメ。

 その背後(はいご)後光(ごこう)が――ゴォウワァ!

 (ひか)(きり)となって、立ちこめる。


 全員(ぜんいん)表情(かお)が、(かた)(おも)(けわ)しく――チャリン♪

 黄緑色(きみどりいろ)(ねこ)魔物(まもの)が、ジュークボックスに小銭(こぜに)を入れて――ペチリ♪


「こいつぁー、小太刀(こだち)じゃねぇか! (だれ)んだぁ!?」

「「「「「シガミーの(こえ)!?()」」」」」


「どこかにぃー、居・る・の・よぉ・ねぇーん? 星神(ほしがみ)カヤノヒメちゃんのぉー目が届かない(・・・・・・)とか――ぷぷぷぷ()

 浮かぶ(たま)が、ちゃぶ(だい)(うえ)をゴロンゴロンと(ころ)がる。


「ぶ、物質世界(ぶっしつせかい)ってのは――ゴッゴォォン! コレのことだろ?」

 うしろ手で、鉄塊(てっかい)のような金槌(かなづち)を――(たた)いてみせる。

「はい。その金槌(かなづち)(おな)じですわ。(もの)形作(かたちづく)組成式(そせいしき)で充たされた領域(りょういき)のことです()

 背筋(せすじ)を伸ばし、まっすぐに(こた)える自称神(じしょうかみ)


「では、精神世界(せいしんせかい)というのは?」

 (しろ)(とり)仮面(かめん)を、手でかるく持ちあげる女性(じょせい)


「そうですわね、自我(じが)構成(こうせい)するのに必要(ひつよう)記憶(きおく)で充たされた、思考領域(しこうりょういき)のことです()

 背筋(せすじ)を伸ばし、まっすぐに(こた)える自称神(じしょうかみ)


「い、言ってることはさっぱり、わかりませんが――神々(こうごう)しいですね」

 メキメキョ――ぱぁぁ♪

 ちいさな(はな)が、次々(つぎつぎ)と咲いていく。


「お、おう、わ、わからんが――神々(こうごう)しいぜ」

 ゴゴォォウワァ――!

 (ひか)(きり)入道雲(にゅうどうぐも)のように、立ちのぼっていく。


「ねえ、迅雷(ジンライ)()

「なんでシょうか、イオノファラー()


(かみ)さまってさー、あんな(ふう)よねぇん――神々(こうごう)しいっていうのぉ()

 メキメキメキョキョ――ぱぱぱぁぁ♪


「まア、一般的(いっぱんてき)()

 ゴゴォォゴゴワワァァ――!


   §


「(まさかなんだけどさぁー、カヤノヒメちゃんが本当の、この世界の神なんじゃないでしょぉねぇー())」

 超女神像(ちょうめがみぞう)のふくらはぎを穿(うが)つ、弾痕(だんこん)のようなひび割れ。

 その(あな)から調子外(ちょうしはず)れな(こえ)が、(はっ)せられている。


「ソの可能性(かノうせい)ハゼロではアりませんが、惑星(わくセい)ヒースの(かミ)名乗(なノ)っタ以上(いジょう)――シンシナティック・ニューロネイションのプログラム(じょウ)実行可能(じっこウかのう)思考形態(しこうケいたい)ヲ持つはずデ()

 ひび割れにみずから突き刺さり、埋まった砲弾(めがみ)を取り出そうとする――浮かぶ(ぼう)


「(その(こころ)わぁ――())」

「F.A.T.S.システムにおける最上位(さいじょウい)権限所持者(けんげんしょジしゃ)でアるプレイヤー、〝オノハラ・イオノ〟にハ(かナ)うべくもナいということです。自信(じシん)ヲ持ってくダさ()


「そうだよっ、イオノファラーさまっ! よくわからないけど自信(じしん)を持って――わたしもシガミーを(たす)けに行くから!」

 ハキハキとした、利発(りはつ)そうな(こえ)


 超女神像(ちょうめがみぞう)(おお)きさからすれば、とても(ちい)さな亀裂(きれつ)

 突き刺さる御神体(ごしんたい)と、ソレを回収中(かいしゅうちゅう)の浮かぶ(ぼう)


 踏み(だい)に乗り、鼻息(はないき)(あら)くする子供(こども)

 子供(こども)がひょいと、うしろから(かか)えられた。


「レイダ――今日(きょう)二号店(にごうてん)のお手伝(てつだい)いを、(たの)んだはずですが?」

 (しろ)(とり)仮面(かめん)を付けたメイドに、下ろされる子供(レイダ)


「だって、シガミーは……どこかに居る(・・・・・・)……んでしょう? それならスグに、(たす)けに行ってあげなくちゃ!」

 その眼差(まなざ)しは、(ほそ)(なが)魔法杖(まほうつえ)のように。

 ドコまでも、まっすぐだった。


   §


「レイダです、タダのレイダです。みなさま、よろしく♪」

 降臨(こうりん)した見習(みなら)魔法使(まほうつか)いが、(かい)参加(さんか)する。


 (とり)(めん)のメイドの(ひざ)(うえ)

 ご満悦(まんえつ)様子(ようす)少女(しょうじょ)が――


「シガミーはフェスタの準備(じゅんび)(こま)ったときに、おにぎりちゃん(・・・・・・・)相談(そうだん)してたよ?」

 そんな意見(いけん)を出した。


「「「「「おにぎりにっ!?」」」」」

 一斉(いっせい)にジュークボックスを見る、一同(いちどう)


 チャリチャリチャリィン――ペチペチリ♪

 小銭(こぜに)を積んで、ひとつのボタンを両手(りょうて)(たた)く――その背中(せなか)

 ちゃぶ(だい)へ向けられた(しり)が、小刻(こきざ)みに振られている。


「ぷっ、ぶわはははははっ――――♪」

 破顔(はがん)する、(いか)つい男性(だんせい)

「くすくすくすくす、ぶひゅふふふふふっ――――!!!」

 (しろ)(とり)(めん)女性(じょせい)――――ごごん!

 魔神(まじん)再来(さいらい)とまで呼ばれたらしいメイドが、ちゃぶ(だい)に突っ伏した!

 その(かた)(はげ)しく、(ふる)えている。


 (ほう)り出された子供(こども)は、(くび)をかしげながら――


「ねぇ、おにぎりちゃん。どこかに居るシガミーのことを、(たす)けてあげて!」

 そんなふうに、(こえ)を掛けた。

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