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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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323/744

323:惑星ヒース神(シガミー)、龍脈通信プロトコルとケットーシィ

「ふうー。コレで一体何(いったいなに)が、出来(でき)るようになるのですらん?」

 (ひたい)(あせ)(ぬぐ)い、ちゃぶ(だい)(ひじ)をつくツナギ姿(・・・・)王女(おうじょ)


「えっとねぇー、王女(おうじょ)さまわぁ龍脈(りゅうみゃく)……マナが(なが)れる地底(ちてい)(かわ)みたいなのってわかるぅ()

 小皿(こざら)から引き抜かれたのは、聖剣爪楊枝(せいけんつまようじ)

 (かか)げられる、(あお)(むらさき)斑色(まだらいろ)野菜(やさい)――の漬物(つけもの)


「はい、わかりますらぁん。山脈(さんみゃく)地下水(ちかすい)(なが)れに沿った、マナの循環(じゅんかん)のことですらん」

「あら、くわしいわね……ぼぉりぼぉり()

 満足(まんぞく)げな御神体(ごしんたい)が、浮かぶ(ぼう)を見やり(うなづ)く。


召喚(しょうかん)(とう)があった場所(ばしょ)が、大地(だいち)をうるおすマナの源流(げんりゅう)で――ソコを(まも)結界(けっかい)は、王家(おうけ)管理(かんり)してきましたのでらん」

 身を(かが)め、御神体(ごしんたい)目線(めせん)にあわせようとする王女(おうじょ)


「げ、源流(げんりゅう)っ――そうわの!?()

 とても(おどろ)いた様子(ようす)だが、ぼぉりぼぉり――もっぎゅ、もっぎゅ♪

 爪楊枝(せいけん)(とど)まることを知らない。


王女(おうジょ)さマも、塩分補給(えんブんほきゅう)にドう()

 もうひとつ置かれる小鉢(こばち)

「いただきますらん♪」

 ぽりぽりぽり――もぐもぐ♪


「お(しお)のお(あじ)(つよ)いですけれど、おいしいですらん♪」

「シガミーがクエストに出かける(まえ)仕込(しこ)んでおいたヤツだから、すこし漬かりすぎだけどねー()

 ぼぉりぼぉり――もっぎゅ、もっぎゅ♪


 こぽぽこぽこぽこっ♪

 コトリ、コトリ。

 二つ置かれる持ち手のない――湯飲み(カップ)


「コチラのオ(ちャ)もどウぞ。シガミーガ仕込(シこ)んでオいた、()(モと)茶葉(ちゃバ)

使(ツか)いマし()

「ありがとうらん」

 湯飲(ゆの)みを受けとる、ツナギ姿(おうじょ)丸茸(めがみ)


「ふぅうぅー、(しぶ)い! 良いわねぇー、緑茶(りょくちゃ)ぁぁ()

(あつ)っ――ほんとうに、(しぶ)いですらん――ふーっ、ふーっ♪」

 飲みなれたお(ちゃ)より温度(おんど)(たか)いのか、必死(ひっし)に冷ましている。


 超女神像(ちょうめがみぞう)を見に来た見物客(めんぶつきゃく)が、遠巻(とおま)きにちゃぶ(だい)を見つめる(なか)

 浮かぶ(ぼう)迅雷(ジンライ)が、整備用(せいびよう)ハッチに取り付き――その表面(ひょうめん)(ころ)がる。

 ヴォォン、ジジジッジ――――♪

 印字(いんじ)されたのは――『龍脈言語INCLUDE』という、かなりはっきりとした太文字(ふともじ)


「それでぇーさぁー、そんな大事(だいじ)場所(ばしょ)おぉー、あたくしさまが吹っ飛ばしちゃったけどさぁ――この大陸(たいりく)わぁ……大丈夫(だいじょうぶ)わのぉ()

 御神体(ごしんたい)表面(ひょうめん)を、冷や(あせ)(つた)う。


「もしマナの(なが)れに問題(もんだい)があるならん、その地域(ちいき)天候(てんこう)異常(いじょう)が見られるので……たぶん大丈夫(だいじょうぶ)ですらぁん」


「コこ数日(すうジつ)、ガムラン周辺(しゅウへん)天候(てンこう)快晴(かイせい)龍脈(りゅうミゃく)(つヨ)活動(かつどウ)しテおり、以前(いゼん)よりも(ふト)力強(ちかラづよ)いホどで()

 ハッチを閉じ(もど)ってきた浮かぶ棒(ジンライ)が、補足説明(ほそくせつめい)をした。


「そう、じゃあ良かったわぁ――えーっと、(なん)(はなし)ぉーしてたんだっけ()

大地(だイち)(ハし)龍脈(りゅうミゃく)のかスかな揺らギから、あル痕跡(・・・・)(サが)すタめに超女神像(ちょうめがミぞう)改修(かいシゅう)しタというお(はなし)デは()

 ヴォォォン♪

 (なが)さが(みじか)くなり――御神体(ごしんたい)で言うなら二個分(にこぶん)、20センチ程度(ていど)になったアーティファクト迅雷(ジンライ)が――指摘(してき)する。


「そーだった、そーだった。つまり大地(だいち)がぁ(うるお)されるぅ様子(ようす)からぁ、ちいさな変化(へんか)を見つけ出してぇー、シガミーの痕跡(こんせき)ぃおぉー探せるように(・・・・・・)したのよぉう()

 (むね)をはり――ごろろん♪

 うしろへ(ころ)がる御神体(めがみ)


「じゃあ、この女神像(めがみぞう)で……あの〝お行儀が悪い(・・・・・・)ケットーシィガミー(・・・・・・・・・)ちゃん(・・・)〟のことが、(なに)かわかるのですらぁん?」

 (ぬる)くなった緑茶(りょくちゃ)をズズズとすすり、世界最大(せかいさいだい)女神像(めがみぞう)を見あげるツナギ王女(おうじょ)


「そのケットーシィって、ときどき出てくるけど……なんだっけ()

検索上位(けんサくじょうい)ノケットシーは、〝魔法(マほう)道具(どウぐ)(ツく)(ネこ)魔物(まモの)〟のようで()

 ゴトン――ちゃぶ(だい)に置かれたのは、大きめの黒板(タブレットPC)

 表示(ひょうじ)されたのは、あたまの(おお)きな(ねこ)の着ぐるみのようなキャラクター。


 ふぉふぉん♪

『ケットーシィ/

 二足歩行。愛くるしい外見には似合わないイヤミを吐く。

 毛皮は取れず食べる所も無いが、金貨を貯め込んでいる。

 全ての個体が魔王やエリアボス並みの知性を備えており、

 魔法具の作成に心血を注いでいる。

 極稀に大都市の路地裏に、魔法具店をかまえることがある。』


「こノ世界(せカい)にオいては、ケットーシィの名称(めいシょう)(しタ)しまレる希少(レア)エネミーだト(オも)わレま()

 浮かぶ棒(アーティファクト)が、黒板(くろいた)(うえ)でクルリと回転(かいてん)すると――二足歩行(にそくほこう)(ねこ)のイラストが立体的(りったいてき)に浮かびあがった。


「あらカワイイ。けどこれ……シシガニャンじゃないの?」

 爪楊枝(つまようじ)をピッと立体映像(ケットーシィ)へ向ける、御神体(めがみ)

「いイえ。よク似ていルためケットシーと、間違われた(・・・・・)ようデ()


(ねこ)魔物(まもの)から、お行儀の悪い(・・・・・・)小さな女の子(・・・・・・)が出てきて、(わたくし)のゴーレム(づく)りを手伝(てつだ)ってくれましたらぁん♪」

行儀が悪くて(・・・・・・)、しかも魔道具を作る(・・・・・・)――聞けば聞くほどシガミーのことよねぇー()


「まったくデすね。良イ機会(きかイ)でスので、シシガニャンの整備(せいび)もココでしてしまいますか()

 ヴォヴォォォォンッ――――シュカン♪

 浮かび上がった(ぼう)が、ふたたび子供ひとり分(・・・・・・)ほどの(なが)さになった。


「そうわね、王女(おうじょ)さまも居てくれるしねぇん()

 と自分(じぶん)を見あげる御神体(ごしんたい)を、うやうやしく持ちあげる王女殿下(ラプトルひめ)

「はい、よろこんでお手伝(てつだ)いさせて(いただ)きますわぁらぁぁん♡」

 手にした美の女神(イオノファラー)を、天高(てんたか)(かか)げる。


「じゃぁ、シシガニャンたちおぉー、ぜぇーんぶっ出してっ()

 ヴヴヴヴヴヴヴッヴヴッ――――(ふる)える女神(めがみ)眷属(けんぞく)


 ぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅぽん♪

 (ねこ)魔物(まもの)たちが、突如(とつじょ)として姿(すがた)(あらわ)し、一列(いちれつ)(なら)んだ。


 ちいさく(まえ)にならえ――

 手を下ろし全体(ぜんたぁい)右向(みぎむ)(みぎ)

 その一糸乱(いっしみだ)れぬ機敏(きびん)(うご)き。

 先頭(せんとう)黄緑色(きみどりいろ)が「にゃみゃごぉぉ♪」と鳴いた。


「ぎゃっ――(ねこ@)魔物(まもの)っ!?」

 どたたたたと、逃げていく見物人(けんぶつにん)


「あーぁ、フェスタで洗礼を(・・・)大部分(だいぶぶん)(ひと)が受けたと(おも)ってたけどぉ――まだいたのね、魔物呼ばわり(・・・・・・)してなかった人(・・・・・・・)がぁ()

 うやうやしく持たれたままの御神体(めがみ)が――ぺちり♪

 みじかい手を必死(ひっし)に、自分(じぶん)(ひたい)へ当てている。


「フェスタ後ニガムラン(ちョう)へ来タ、観光客(かんこウきゃく)(おモ)われマ()

「逃げていっちゃいましたらぁん」


「もうすこし、シシガニャンを広めておかないと(・・・・・・・・)、いざって(とき)救助活動(じゅうじょかつどう)使(つか)えないわねぇ……あと(ねん)のため、連動系(オートクルーズ)オフ()

了解(りょうかイ)しマ()――」


「うっぎゃっ――――!?」

 またひとり観光客(かんこうきゃく)が、悲鳴(ひめい)を上げた。

「あのぅ、これぇ――魔物(まもの)じゃないんですよぉー♪」

 御神体(めがみ)(ねこ)なで(ごえ)で、ふりむくと――ソコには。


「〝護り鬼(まもりがみ)〟が――――たくさぁん!?」

 振り返りもせず、一目散(いちもくさん)に逃げていくうしろ姿(すがた)


「アレは、ルリーロさまではらん?」

「あはは……ルリーロさまはねぇー、まえに一度(いちど)()――」


「シシガニャン自律型一号(じりつがタいちごう)ニ、完膚無(かんプな)きマでに退治された(・・・・・)経緯(けいイ)がありマ()

 ヴォヴォォン♪

 先頭(せんとう)黄緑色(きみどりいろ)のまわりを、一周(いっしゅう)してみせる(アーティファクト)


「にゃみゃごっ?」

 ふと、(われ)(かえ)った仕草(しぐさ)

 (ぼう)を――ぽきゅりとひっつかむ♪


 猫の魔物一号(ねこのまものいちごう)(れつ)から(はな)れ――ぽきゅぽきゅぽきゅ♪

 ちゃぶ(だい)へ寄ってきた。


 ヴッ――ぱさり。

 (ぼう)を振り――座布団(ざぶとん)を出して、正座(せいざ)する。


「にゃみゃごぉ?」

 (から)湯飲(ゆの)みと小鉢(こばち)を見つめ――(くび)をかしげる。

 まるで「あれ? おにぎりの(ぶん)の、お(ちゃ)とお漬物(つけもの)は?」と言わんばかりの仕草(そぐさ)


「ああもぉう、(こわ)れてなくて良かったけど――出して上げて迅雷(ジンライ)()

 パチリと放電(ほうでん)――おどろいた猫の魔物(きみどりいろ)が、手を(はな)す。


 ヴヴッ――コト、コトリ♪


 ひとりでに(うご)く、猫の魔物(ケットーシィ)そっくりの(ふく)

 自律型一号(じりつがたいちごう)おにぎりは――

 (ちゃ)をすすり、漬物(つけもの)をかじり(はじ)めた。

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