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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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314/744

314:惑星ヒース神(シガミー)、ニャミカと鑑定機

 戦利品(ドロップ)は、ぜんぶで(やっ)つ。

 1:未鑑定(みかんてい)(はこ)

 2:未鑑定(みかんてい)の曲がった長剣(ちょうけん)

 3:未鑑定(みかんてい)小物(こもの)

 4:未鑑定(みかんてい)のちいさな(きのこ)

 5:未鑑定(みかんてい)のおおきな(きのこ)

 6:未鑑定(みかんてい)のマジック・スクロール

 7:未鑑定(みかんてい)のマジック・スクロール

 8:未鑑定(みかんてい)のマジック・スクロール


「じゃあ一回(いっかい)、1キーヌになりますニャ♪」

 指先(ゆびさき)をこすりあわせてから、てのひらを差し出す――

 『喫茶店ノーナノルン店員』


「ふぅ、いいですわ。(わたくし)のポケットマネーから出します――」

 ぺたり――手のひらに金貨(きんか)一枚(いちまい)、乗せられた。


「1キーヌなら……ぼそり……ぼくも鑑定(かんてい)してもらおうかな?」

 (こし)(けん)に手をのばす、制服姿(せいふくしがた)青年(せいねん)

 『猪蟹屋二号店店長/ニゲル』

 立て(ふだ)によれば、この会議室(かいぎしつ)の有る店舗(てんぽ)責任者(せきにんしゃ)のようである。

 会議(かいぎ)(はじ)まってから、ずっと(ゆか)を見つめていた(かれ)興味(きょうみ)をしめすほどには――破格(はかく)鑑定料金(かんていりょうきん)らしい。


「――そのかわり! これ(・・)厳守(げんしゅ)な・さ・い・ね?」

 立て(ふだ)をつかんで――くるり。

 『※私はココで見聞きしたことを、口外しないことを誓います。』

 注意書(ちゅういが)きの部分(ぶぶん)を、目のまえにかざされる喫茶店店員(きっさてんてんいん)


「にゃーぅ?」

 じっと見つめ合う、狐耳議長(リカルルぎちょう)猫耳店員(ニャミカてんいん)


 チャリ♪

 (かさ)ねられる金貨(きんか)


「にゃやーぅー?」

 チャリリ――さらにもう一枚(いちまい)


「まいどありニャァーン♪ 誠心誠意(せいしんせいい)鑑定(かんてい)させていただきますミャ!」


 ビードロのついた調度品越(ちょうどひんご)しに――チーン!

 未鑑定(みかんてい)()を見つめたと(おも)ったら――

 ――――かしゃん♪

 調度品(ちょうどひん)(うえ)隙間(すきま)から、(いた)が飛びだした。


 (いた)(つよ)くひっぱると、スポンと抜けて――シュゴッ♪

 (うつし)し出されていた文字(もじ)が、焦げ目になって焼き付いた(・・・・・)


 それによれば、この未鑑定(みかんてい)(はこ)は――

『積王の研箱【亡】

 詳細不明だが、希代の役立たず(アーティファクト)。

 装備条件/LV100』


「んなっ!?」「(やく)ただず?」

「ふぅ、やはりギルド(ちょう)を、お連れしなくて正解(せいかい)でしたわー」

「そうだなぁー、ギルド(ちょう)は……こういうゴミに(・・・)目がねぇからなぁ」


「そういえばコレと似たヤツをカラテェーが、隣町(となりまち)のギルドでもらってったニャ♪」

「カラテェーが?」「とすると、なにか使(つか)(みち)があるのかも――」

使(つか)(みち)なんて無いミャ、きっと(のろ)いのアイテムだって(はなし)ニャ!」

「「「「「(のろ)いのアイテムっ!?」」」」」

 逃げる、会議参加者(かいぎさんかしゃ)たち。

 逃げずに(すわ)ったままなのは、ニゲル青年(せいねん)第一王女(だいいちおうじょ)二人(ふたり)きり。


 ニゲル青年(せいねん)(かお)を見た、第一王女(だいいちおうじょ)(くち)がひらい――――

「ボクぅ、仕事(しごと)がぁあるぅからぁー!」

 椅子(いす)から立ち上がりもせずに、姿(すがた)を消し――

 ザッギィィン――――ゴガッ、ゴドォン!

 店側(みせがわ)(かべ)一刀両断(いっとうりょうだん)


 ホコリひとつたてずに(あな)を開けて――逃げて行ってしまった。


「に、ニゲルさまがぁ、にげたらぁん、ぴ、ぴゃぁぁらぁぁ♪」

 泣き出してしまう一国(いっこく)王女(おうじょ)

「ラプトル(ひめ)さまはまるで、お変わりありませんのねぇ? タター、王女(おうじょ)さまを当家(とうけ)のゲストルームへ、ご案内(あんない)して差しあげて?」


「かしこましました、お(じょう)さま――ラプトル王女殿下(おうじょでんか)大変(たいへん)(つか)れのことと(ぞん)じます。まずは部屋着(へやぎ)にお着替(きが)えなさいませんか?」

「ふゃららぁぁー、ぐすん――着替(きが)えるらぁん」

 (かたち)だけだった拘束(こうそく)を解かれた第一王女(ラプトル)が、『ネネルド村のタター』によって連れられていく。


 青年(ニゲル)があけた(あな)は、そのままドアをはめ込めるほどに垂直水平(すいちょくすいへい)に断ち切られていた。

王女(おうじょ)さま、お手をどうぞ」

「ありがとうらあぁん、ぐすん」

 侍女(じじょ)王女(おうじょ)がとおり抜け、店内(てんない)(つう)じる通路(つうろ)へ消えていく。


 半透明(はんとうめい)美の女神(イオノファラー)が――ため(いき)をつきながら、パチリと(ゆび)を鳴らす。

 (あな)にはドアがはめ込まれ、仮眠室側(かみんしつがわ)厨房側(ちゅうぼうがわ)(つう)じる(かべ)にもドアが設置(せっち)された。


この先は(・・・・)内緒(ないしょ)にするような(はなし)でもないでしょぉぉん?」

「そうですわね、ではこの(のろ)いの……いえ、つかい(みち)のない(はこ)は、引きつづき迅雷(ジンライ)(あずか)かってくれますか?」

「はい了解(りょうかい)しました。カラテェーがもどり次第(しだい)確認(かくにん)を取りマ()


「それじゃ、どんどん鑑定(かんてい)するみゃぁ――――!」


 ――チーン!

 折れた(けん)を見つめ――かしゃん♪

 調度品(ちょうどひん)鑑定(かんてい)するための機械(きかい)、つまり鑑定機(かんていき)であるらしく――

 飛びでた(いた)を、スポンと引っこぬき――シュゴッ♪

 鑑定結果(かんていけっか)が、(いた)に焼きついた。


『結び目の長剣【――】

 攻撃力1326/――――

 ――――――

 ――――――、――――』


「結び目ってなぁ、なんだぁ?」

「わっ、これ――この(けん)、折れ曲がっているのではなくって、固結びに(・・・・)されていますわぁ!?」


「さっきの(はこ)(つづ)いてぇ、(おお)はずれみたいですわねぇ? くすくすくす、くつくつくつ、ココォォォン♪」

 わらう伯爵夫人(はくしゃくふじん)

「ガラクタばっかり……ねぇん」

 (かた)を落とす美の女神(イオノファラー)


「さぁ、お(つぎ)ニャ――あれ? (いた)がなくなったミャ?」

「ニャミカ、これ使(つか)ってコォン」

 狐耳(きつねみみ)少年(しょうねん)が、カバンから取り出したのは――


 (かみ)(つつ)まれた――四角(しかく)いもの。

 (ねこ)(みみ)喫茶店(きっさてん)店員(てんいん)が、ソレをバリバリと(やぶ)くと――

 出てきたのは、十枚程度(じゅうまいていど)薄板(うすいた)

 (いた)(たば)には、ちいさな値札(ねふだ)が貼られていた――


『十枚/30パケタ』

「ギニャッ!? この(いた)は、こんなに(たか)いのミャッ!?」

 猫耳女性(ねこみみじょせい)の落ちた(あご)が、いつまでも(もど)らない。

 その目尻(めじり)に、(なみだ)が浮かんだ。

「こ、これじゃ、(わり)に合わないミャっ!」

 ポケットから取りだしたのは、さっきうけとった金貨三枚(3パケタ)


「はいはい、じゃあその(いた)代金(だいきん)わぁー、美の女神(めがみ)であるあたくしさまがぁー、持ちますぅーよぉー♪」

 半透明(はんとうめい)のあたまが、空飛(そらと)(ぼう)に向けられる。


「本当ミャッ!?」

 (みみ)をピンと立て、よろこぶ喫茶店店員(ニャミカ)

女神(めがみ)二言(びごん)はありませんよ、ウケケケケッ♪」

 銀色(ぎんいろ)(ぼう)が、ちいさな革袋(かわぶくろ)を――ガチャリとぶらさげ、飛んで行く。


毎度(まいど)ありにゃ――じゃぁ、のこりを鑑定(かんてい)するミャ!」

 革袋(かわぶくろ)を受けとった彼女(かのじょ)が、板束(いたたば)をカシャカシャとセットしていく。

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