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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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309/744

309:仙果到達ルートC、ご神木のひみつ

 ヒュヒュヒュヒュボオオゴゴゴゴォォォォォォォワァァァァァァァァァァァァァァァァァッ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!


「――――、――!?」

「――――!」

 ぅわ(あち)ぃっ――死ぬるっ。

 迅雷(ジンライ)迅雷(ジンライ)迅雷(ジンライ)ぃ――――五百乃大角(いおのはら)ぁ!


 ヴッ――――錫杖(しゃくじょう)を取りだし――ぐるるるっ、じゃりぃぃぃぃん♪


()ァァァァッ――――――――!」

 (せま)り来る(ひかり)が、止まる気配(けはい)はない。

 フゥゥゥウッ――――あたりが(きゅう)に、(くら)くなった。


 こりゃおわった!

 いちかばちか(めつ)太刀(たち)でも、(はな)ってみりゃぁ良かった――!!

 悔やんでいたら――ふあぁー♪

 とおくの方に、花畑(はなばたけ)なんかが見えやがる。


「シガミー、これそこのシガミーやぁぃ」

 今際(いまわ)(きわ)に、やかましぃやい!


 ふりかえると、ソコに居たのは――――


 白髪(はくはつ)老人(ろうじん)のようでもあり――

 眉目麗(みめうるわ)しい(わか)(おんな)のようでもあり――

 (やり)(かたな)酒瓶(さかびん)のようでもあり――


「なんだっ、おまえさまわぁ――!?」

 怒鳴(どな)りつけると、白髪(はくはつ)老人(ろうじん)姿(すがた)をした(わか)(おんな)が――

 手にした(やり)を振って(けん)に変え、自分(じぶん)姿(すがた)(おお)きな酒瓶(さかびん)に変えた。


「わしゃぁ、なんでもないただの、(かみ)じゃて」

 酒瓶(さかびん)(うで)もないのに、(あたま)を掻いて(おお)あくびをした。


「やい酒瓶(さかびん)、ここは――!?」

 気づけば(かわ)(なが)れてる。


 (かわ)の向こうには――城壁(じょうへき)(しろ)はねぇけど)に(かこ)まれた(まち)

 (まち)(うえ)には、(ちい)さな(ほし)が浮かんでる――ガムラン(ちょう)だ。


「ひょっとして、おれぁ死んだのか?」

 おれがおにぎりに、うかつな指図(さしず)をしたもんだから――

 おれと第一王女(ラプトル)(いのち)が終わっちまった。


「けど、それにしちゃ、王女(おうじょ)野郎(やろう)が……見当(みあ)たらねぇぞ?」

 のどかな花畑(はなばたけ)にいるのは、おれと酒瓶(さかびん)だけだ。


「死んだのは爆発(ばくはつ)に巻き込まれた、おまえさんだけじゃわい」

 爆発(ばくはつ)だとぅ……じゃぁ浮かぶ球(いおのはら)がぶっ(こわ)れたのは、間違(まちが)いねぇんだとしても――

「なんでそんな(こと)がわかる? (かみ)菩薩(ぼさつ)じゃ有るめぇし」

「いやだからわしゃぁ、(かみ)じゃ」

「はぁ? そんなみずぼらしい、ヒビの(はい)った酒瓶(さかびん)生意気(なまいき)を言うんじゃねぇやい」


(かく)り世に(せい)を受けて……(せい)を受けてってのも(へん)じゃが~ぁ、実時間(じつじかん)で622,037,462(びょう)体感時間(たいかんじかん)で414,276,949,692(びょう)(ねん)でいうならぁ~13,128年弱(ねんじゃく)(かみ)をやっとるわい」

 ぬぅ?

一万三千年(いちまんさんぜんねん)たぁ、(おだや)やかじゃねぇな……すまねぇ、酒瓶(さかびん)だってソレだけながく生きてりゃ、(かみ)ぐらいやれらぁな」

 おれぁ四十(よそじ)享年(きょうねん)と、この(からだ)十年(とお)を足したとて、せいぜい五十(いそじ)だ。

 生意気(なまいき)を言ったのぁ、おれの(ほう)だぜ。


「それでのう、じつはのう――」

(かく)り世なぁ。なんだかもう、いろいろ良いような気が(・・・・・・・)してきたな。(まち)のみんなにゃ(わり)ぃけど……前世(ぜんせ)御負(おま)けの今世(こんぜ)でも、そこそこ(たの)しい仲間(なかま)出来(でき)面白(おもしろ)おかしくやれたしなぁー」

 ヴッ――――っじゃっりぃぃぃぃぃぃん♪

 おれは錫杖(しゃくじょう)を出して、(つえ)のようについた。


「いぉよぉぉしっ――――(おも)(のこ)すことはねぇぜ! とっとと浄土(じょうど)でもどこでも、連れてってくれやぁ!」

 心残(こころのこ)りはねぇが、あの子供(ガキ)みてぇな美の女神(いおのはら)を、ひとり(のこ)して来ちまったことが――


「いやじゃから、(はなし)を聞いてくれんかのう?」

 酒瓶(さかびん)今度(こんど)は、おにぎり……身の(たけ)も有る、でけぇおにぎりに姿(すがた)を変えた。

 そういやアイツらは――どうしたかなぁ。

 さすがに細切(こまぎ)れに、なっちまったかもなぁ。

 (なか)に入れておいたマンドラゴーラだけでも、女将(おかみ)さんに(わた)したかったが。


「おう、そうだぜ。てめぇで念仏(ねんぶつ)でも(とな)えてぇところだが、(ごう)()っては(ごう)(したが)わねぇとな、おまえさまの仕来(しきた)りで(あおく)ってくれやぁ――♪」


「ふぅ、(はなし)を聞けと言うに。この……おまえさんにわかるように言うなら〝彼岸(ひがん)〟にきたのは、シガミーがはじめてなんじゃよ」

「へぁ? はじめて? そりゃ、おかしいじゃねぇーか!」

 (だれ)も死んでねぇ?

 そんな(こと)が、有るわけねぇ!


「けどな……そういや(まち)葬式(そうしき)をしてた様子(ようす)はなかった……蘇生薬(エリクサー)も有るしな」

「そういうことでも、ないんじゃがなぁ」

 (かみ)が、また姿(すがた)を変える。


「じゃぁ、どういうわけでぇい! おれぁもうっ、浄土(じょうど)へ行くって決めたんだ! さっさと(はなし)を切り上げてぇくれやぁ!?」


「そうじゃなぁ――、一言(ひとこと)で言うならわしゃぁ、ここで(かみ)をするのに……飽きてしもうてのう――」

 飽きた?

 たしかに一万年(いちまんねん)も、(だれ)も来ねぇところで突っ立ってりゃぁ…………鉄瓶だって(・・・・・)飽きるだろうよ。

 鉄瓶(てつびん)黒光(くろびか)りする(からだ)をよじり、上蓋(うわぶた)をカタカタと鳴らす。


「つきましてはのぅ、シガミーにお役目を変わって(・・・・・・・・)もらおうかと(おも)ってのぅ」

「はぁ!? お役目(やくめ)ってのはっ――――(かみ)のことか!?」

 よせやい、おれは破門(はもん)されちゃあいるが――仏門(ぶつもん)帰依(きえ)した身だぜ。


 がらん――――鉄瓶(かみ)花畑(はなばたけ)(ころ)がった。

「この(ぼう)黄泉(よみ)(ほし)までの道行(みちゆき)きに使(つか)えそうじゃから、もらっていくぞぉい♪」

 すぽん♪

 うをっ!? 錫杖(しゃくじょう)を取られた!?


 鉄瓶(てつびん)が、まるで磁器(じき)のように割れる。

 うろたえるしか出来(でき)ないおれを、(たと)えようのない――

 (かわ)いた(かぜ)が――吹き抜けていく。


 ふぁぁっ――――♪

 (かぜ)に吹かれた割れ鉄瓶(てつびん)が、(すな)のように吹き飛ばされていく。

 たのしげに――ユラユラと――キラキラキラァ。


 どこか――とおいところへと旅立(たびだ)鉄瓶(かみ)


「やい、おまえさまよぉ! こんな(ところ)におれひとり、(のこ)していくんじゃねぇやぁ!」


 まてまてまて、迅雷(ジンライ)――!?

 五百乃大角(いおのはら)――!?

 (だれ)でも良いぃ、(こた)えろやぁぁ――!


 おれは花畑(はなばたけ)に、突っ伏した。

 いまおれが使(つか)えるのは――手持(ても)ちの武器数本(ふきすうほん)と、迅雷(ジンライ)式隠(しきかくれ)(みの)

 それと、(めし)支度(したく)三週間分(さんしゅうかんぶん)と、机椅子(つくえいす)


 なんとかして、(ふね)でも(つく)れりゃぁ――向こう岸(ガムラン)(もど)れるんじゃ?

 なんて(かんが)えたとき――――


 おれのからだが(くず)れ、(つち)になった。

 ぽこん――芽が出たと(おも)ったら――一瞬(いっしゅん)大木(たいぼく)へと成長(せいちょう)する。


「うをわぁ――――すげぇなぁ♪」

 こりゃおもしろい(もの)を見たぜ。

 迅雷(ジンライ)が居りゃぁ、あとでみんなにも見せてやれたんだがなぁ。


 迅雷(ジンライ)ってのぁ――なんだったかなぁ。

 ふにゃぁ――――――――♪




 良い陽気(ようき)だ。


 本日(ほんじつ)はお日柄(ひがら)も良く……へへへっ♪





 へへっ……♪












































































 ふぉふぉふぉふぉっふぉおふぉふぉふぉぉぉぉぉん♪♪♪

『緊急時戦術プロトコル作動

 >WetWareID#44Ga3

  対象アドレス:生体デバイス個体シガミー内/不随意記憶領域内/……/……

 >Forced reboot with bootstrap

 >Access to room #44Ga3

 >Initiating spiritcontrol

 >なんかでた

 >付けっぱなしだった耳栓

 >そこから伸びた棒

 >目尻に照らされる赤い光


 >画面を、とんでもねぇ勢いで流れていく、なんかの知らせ

 >それは赤くて、良い意味じゃねぇ事だけが分かった

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