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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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308/744

308:仙果到達ルートC、ニゲルVSリカルル(ノーコンテスト)

 ラプトル王女(おうじょ)は、じつに(おんな)らしい。

 侠客(きょうかく)まがいの冒険者稼業(ぼうけんしゃかぎょう)をひた(はし)るリカルルとは、(くら)べるべくもない。

 いや、リカルルもギルドの受付(うけつけ)(すわ)ってるときは大人(おとな)し……くもなかったか。

 揉めてる冒険者(ぼうけんしゃ)がいれば、真っ(さき)に飛びこんでったからな。


 しかしだぜ。

 (この)みってモンもあるにしても――

 中身(なか)外見(そと)天秤(てんびん)に掛けたら――

 そこまで違い(・・)があるとは、(おも)えねぇ。


 んんんぅ?

 なんか、腑に落ちねぇ。

 まあ、「ゴーレムに(おそ)われて愛想(あいそ)が尽きた」ってのは、本当(ほんとう)なんだろうが。

 なんか、見落(みお)としてる?


「ウケケケケケケケケケッ、キャッホォォォォィ♪」

 絵に(えが)かれた(おんな)が――巨大桃(きょだいもも)にかじり付いてる。


 やっかましーやい!

 (かり)にも美の女神(めがみ)さまがぁ――身の(たけ)もある(もも)ぐれぇで、はしゃぐんじゃねぇやい。

 こんな面倒(めんどう)状況(じょうきょう)じゃなかったら、おれも一緒(いっしょ)になってはしゃいでたかも知れねぇけど。

 (もも)なんざ食ったのは、生まれてこの(かた)前世(ぜんせ)一切れだけ(・・・・・)だからな。


「こうしてても(ひま)だし、五百乃大角(いおのはら)様子(ようす)でも見に行くか――」

 二号(ジンライ)(かお)に張り付いた(まる)

 切り欠けた隙間(すきま)が、いくらか(ひろ)がったけど――

 まだまだ時間(じかん)が、掛かりそうだ。


「オマエ……大丈夫(だいじょうぶ)か?」

 ぽきゅふぽきゅふ♪

 二号(ジンライ)(はな)(つら)を、手のひらで(たた)いてみるも、返事(へんじ)はない。


「ラプトル(ひめ)さんは、どうする?」

 みれば(こし)のベルトにならぶ小箱(こばこ)を、ごそごそと(さぐ)っている。

 (くぎ)とか魔法具(まほうぐ)部品(ぶひん)とか、ゴーブリン(いし)でも詰まってるんだろうな。

 一段落(ひとだんらく)したら、収納魔法具(しゅうのうまほうぐ)のひとつも(つく)ってやるか。


「そうですらぁん?」

 細顎(ほそあご)に手を当て、あたりを見回(みまわ)すようすは、やはりどこか高貴(こうき)で。

「おれぁ、魔王城(まおうじょう)様子(ようす)を知りてぇから、(そと)においてきた〝画面(がめん)〟ってぇやつを見に(もど)るぞ? できたら一緒(いっしょ)に来てくれ、ここは(あぶ)ねぇからな」

 (くず)れはしねぇと(おも)うが、イザって(とき)(まも)ってやれるヤツがいねぇ。


「わかりましたらぁん、(わたくし)もご一緒(いっしょ)に。ケットー……ジンライさんはこのままで平気(へいき)ですらん?」

「ああ、かまわねぇ。もし埋まったら、あとで〝おにぎり〟に掘り出させる」

 おれは、椅子(いす)を引いて王女(おうじょ)の手を取った。

「あら、ありがとうらぁん♪」

 ガチャガチャラン♪

 手にさっき(ひろ)った太鼓(たいこ)片側(・・)を持ち、王女(ラプトル)がついてくる。


   §


「こりゃ!? どーなったぁ!?」

 コッチの(こえ)は、二号(ジンライ)が居ねぇと(とど)かねぇのか――返事(へんじ)はねぇ。


「きゃぁぁぁっ!」

「ウヌゥゥ、ウヌゥゥッ!」

 ぼっごぉぉぉおぉぉぉぉっぅん!

 大筒(おおづつ)一斉(いっせい)(はな)ったような、(おお)きな爆発(ばくはつ)

 子供(こども)たちの(こえ)がする。


「おじょうさまぁぁぁぁっ!」

「リカルルッ――!」

 爆発(ばくはつ)(つづ)き――狐火(きつねび)導火線(どうかせん)が、爆煙(ばくえん)から一筋(ひとすじ)

 ィィィンッ――――ばがぁぁぁあんっ、ぼごごぉぉぉおぉん!

 仕えるべき(あるじ)心配(しんぱい)する、男女(だんじょ)(こえ)


「ぐぅわぅるるるるうるぅぅぅうぅ――――ふっしゅるるるるるっ!!!」

 どがんごがん――ぼっごがぁぁぁぁん!

 (たお)れた(あか)甲冑姿(かっちゅうすがた)が、(はま)に打ちあげられた(さかな)のように――跳びはねる。


「リカルルッ――!?」

 跳びはねる赤い甲冑(からだ)を抱きしめる、青年(せいねん)悲痛(ひつう)(こえ)

 ィィィィィイィィィンッ――――ばっがぁぁあぁぁんっ!!

 導火線(ひかり)(かた)に食らい、吹き飛ばされる青年(せいねん)


店員(てんいん)さん――!」

 フッカがただひとり、(ニゲル)心配(しんぱい)をしてくれている。


「に、ニゲルさま!? な、なんですらぁん――リカルルさまもっ!」

 もう一人(ひとり)いた。

 ニゲルを心配(しんぱい)してくれるヤツが。

 画面(がめん)にしがみ付こうとして――向こうへすり抜けてしまう王女(ラプトル)


「んぅ?」

 画面(がめん)(すみ)にチカチカと光る、和菓子(アイコン)を見つけた。

 おれはソレを指先(ゆびさき)(はじ)く。


 ふぉん♪

『>シガミー。ようやく、戻りましたね』

「(コッチのオマエは、大丈夫(だいじょうぶ)か?)」

 ふぉん♪

『>はい。強化服二号には、女神像同期処理をおこなう、

  バッチプログラムを走らせました』

 (はし)る? 椅子(いす)(すわ)らせてきたが……わからん、ほっとく。


「ソッチは、どーなってんだ!?」

 引き分けにする――んじゃなかったのか!?


 ふぉん♪

『>いえソレが。リカルルの暴走を押さえていた指輪が、

  高負荷に耐えきれず壊れたようです』


指輪(ゆびわ)だぁ!?」

 ふぉん♪

 あらわれた小窓(こまど)には――朱色地(しゅいろじ)金色(きん)の、縁取(ふちどり)りと文様(もんよう)


「(こいつぁ、あのとき(・・・・)に――奥方さま(ルリーロ)が、持ってきたやつだな!?)」

 深紅(しんく)手甲内側(てっこううちがわ)、キツく(にぎ)られる(ゆび)

 大映(おおうつ)しになった指輪(ソレ)には、ヒビが入っていて――

 金色(きん)縁取(ふちどり)りと文様(もんよう)には、(くら)(かげ)が差している。


 ふぉん♪

『>はい。シガミーの収納魔法具か、

  イオノファラーがあれば修理は可能です』

 五百乃大角(いおのはら)ソッチにも(・・・・・)何個(なんこ)も有るだろうが!?


「そレが、(ここロ)ここにあらズ()――」

 あっのっ飯神(めしがみ)さまわぁっ!


 仕方(しかた)ねぇや、ひとっ(ぱし)り行ってくらぁ!

 頂上(うえ)に居る五百乃大角(いおのはら)をひっぱたいて――向こうの指輪(ゆびわ)(なお)させる。


 はぁひぃひぃはぁはぁ!

 (はし)り出したは良いが――

 (のぼ)(ざか)が、キツい。


「みゃにゃっ、にゃみゃぁん?」

 ぽっきゅぽっきゅぽっきゅぽっきゅ――――♪


 草地(くさち)より(あざ)やかな黄緑色(きみどりいろ)――――「おにぎりオマエ、どこ行ってやがった!?」

 いつのまにか(となり)(はし)る、極所作業(きょくしょさぎょう)用汎用(ようはんよう)強化服(きょうかふく)自律型一号(じりつがたいちごう)


「みゃにゃにゃぎゃみゃやー♪」

 やかましい、わからん!


「いいから五百乃大角(いおのはら)――あの浮かぶ(たま)うしろ頭(・・・・)を、(おも)いっ切りひっぱたいてやれぇ――――!!!」

 べちゃっ――――あしがもつれ、すっ(ころ)ぶおれ。


 その(よこ)を――ぽっきゅぽきゅぽっきゅぽきゅ♪

 一列(いちれつ)になった、三号(さんごう)から十号(じゅうごう)までが(はし)り去っていく。


「あーっ!? まてコラ、待てやぁ――やっぱり、(たた)くのなしっ!」

 やめろ!

 ただでさえ五百乃大角(いおのはら)たちとは面倒(めんどう)(つな)がり(かた)で、ギリギリ(つなが)がってるってのに!


 ぽっきゅむごぉん――♪

 やめろ、その(たの)しげな(おと)


 ――ぽきゅぽんぽきゅぽんぽきゅきゅぽんぽぽきゅごきゃん♪


 何回(なんかい)ひっぱたいてんだぜ!

接続(せつぞく)とやらが切れちま――――!?」

 ご神木(しんぼく)(ふもと)に――突風(とっぷう)(なが)れ込む。


 カカッ――――――――――――――――――――ボボボボボォォゴゴゴゴッガガガガッガアァァァンッ!!!!!!!!!!

 リオレイニアが迅雷(ジンライ)魔法杖(まほうつえ)がわりにして(はな)った、特大の火球(ひのたま)

 はたまた火龍(ゲール)が放った、火炎弾(かえんだん)


 そんなのとは比べものにならない――

 ギラギラと強く大きな光――


 それは、とんでもなくでけぇ――――ああああああああっ!?

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