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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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307/744

307:仙果到達ルートC、ラプトル王女との対話(非公式)

「と、とととととと、とにかくダメぇ――」

 む、コッチが譲歩(じょうほ)してるのに、ダメだという理由(りゆう)説明(せつめい)すらしねぇ――すぅぅぅぅっ。


()ぁっーーーーっ!!!」

 また五百乃大角(いおのはら)(こわ)れるといけねぇから、(ちい)さくだが――

 (はつ)をくれてやった!


 (ふる)える子供(シガミー)(からだ)

 瓦礫(がれき)がすこし落ちてきたが、(くず)れるほどじゃねぇ。

 五百乃大角(いおのはら)ばりの仁王立(におうだ)ちで――(にら)み付けてやる。


「ぴゃぎゃらんっ――!?」

 二号(ジンライ)背中(せなか)(かく)れる王女殿下(ラプトルひめ)


「まアまあ、シガミー。(カり)にモ一国(いっコく)王女相手(おうじょアいて)()――」

 ふぉん♪

『>ガムラン町を含むコントゥル伯爵領と、

  央都自治領一大勢力との戦争になりかねません』


「やかましい迅雷(ジンライ)! 王女(おうじょ)さまも良く聞け! ニゲルはおれの友達(ともだち)だ!」

 おれの怒声(どせい)に身をすくめる、二号(ジンライ)王女(おうじょ)


「ニゲルのためにならねぇことなら、たとえ相手(あいて)央都(おうと)まるごとでもおれぁ引かねぇって言ってるんだっあ!」

「ぴゃぁぁぁっ――そ、そんなのっ――わ、わたたたたた、わたくしも、ニゲルさまのためを(おも)っていますらぁん!」

 んぅ? やっと(はなし)(すす)んだような、気がしないでもねぇ。


 ふぉん♪

『>シガミーには詳細を伝えていませんでしたが、

  彼女はゴーレムを使って、ニゲルを襲撃した嫌疑があります』

 はぁ?

 それじゃぁ、やっぱり(はなし)(すす)んでねぇじゃねーか!


「ぴゃぁぁ、ぴゃぁぁ、ぴゃらぁらぁぁぁぁん!」

 あぁ、いけねぇや。泣き出しちまったぜ。


「(ニゲルがこの杓子王女(しゃくしおうじょ)さんを、相当嫌(そうとうきら)ってるのは(たし)からしいが――どうしたもんだぜこりゃあ)」

 ガリガリと(あたま)をかいて、二号(にごう)木板(きいた)を見る。


「……迅雷(ジンライ)(おと)だせ(おと)!」

 せめて、あいつらの様子(ようす)(こえ)だけでも聞いて、気を落ち着ける。


 ちょうど書き換わった、木板(きいた)の絵には――(うつく)しい女性(じょせい)姿(すがた)

 とても(おお)きな……(もも)

 そんな(なに)かをかかえ、(よだれ)を垂らす……(うつく)し……い?


「――なにこの(おお)きさっ! さすがにコレじゃぁ、あたくしさまでもぉ、おひとつで十分(じゅうぶん)わよっ!?()――」

 その木の実(?)の(おお)きさは――五百乃大角(いおのはら)(うつ)し身と(おな)じくらいあった。


「絵と(おと)がまちがってんぞ!」

 こりゃ五百乃大角(いおのはら)の、様子(ようす)だろーが!


 ぽたきゅりと、たおれる二号(ジンライ)

「おいこら迅雷(ジンライ)、なにやってる?」

 王女(おうじょ)まで一緒(いっしょ)に、ひっくりかえっちまっただろーが。


 ふぉふぉん♪

『>同一エリア内で女神像#0が検出されました

  同期を開始しますか? Y/N』


   §


「ひっく、くすんくすらん」

「あー、わるかったよわぜ。ひとまず泣き止んでくれて(たす)かるぞわ」

 コクリと(うなづ)く、第一王女(だいいちおうじょ)


「まず、聞いておきてぇことがいくつも有るんだが――(こた)えちゃくれねぇか? とても大事(だいじ)なことなんだぜ」

 瓦礫(がれき)をどけて、椅子(いす)とテーブルを出した。

 (うご)かなくなった二号(ジンライ)も、椅子(いす)(すわ)らせてやる。


「わ、わかりました。(わたくし)央都(おうと)ラスクトール自治領(じちりょう)代表(だいひょう)する(もの)ですらん。何なりと聞いてください、ケットーシィガミー」

 (なみだ)指先(ゆびさき)(ぬぐ)い――おれを真っ直ぐに見据(みす)える第一王女(ラプトルおうじょ)


決闘死(けっとうし)……決闘(けっとう)して死ぬみたいに聞こえるから、ぜひシガミー(・・・・)と呼んでくれ。ガムラン(ちょう)のシガミーだぜ」

 木の葉のような、ちいさな手を差しだす。

「それは失礼(しつれい)いたしました、シガミー。(わたくし)央都(おうと)のラプトル・ラスクトールですらん」

 きゅっと手を(にぎ)りあう。

 いろんな不運(ふうん)見舞(みま)われた、不幸(ふこう)出会(であ)いだった。

 ここから、仕切(しき)(なお)す。


「まず、最初(さいしょ)から聞くが……魔王城(まおうじょう)(なに)をしてたんだ?」

「ゴーレムの素材集(そざいあつ)めですらん。ケット……シガミーたちは(なに)をしていたらん?」

火龍(かりゅう)寝床(ねどこ)攻略(こうりゃく)したついでに、この大木(たいぼく)のある(おか)目指(めざ)したら……(かわ)(なが)されてな」

「この場所(ばしょ)は、王家(おうけ)転移魔方陣(てんいまほうじん)(とお)らなければ、たどり着くことは出来(でき)ません。その転移先(てんいさき)明後日(あさって)には、(べつ)土地(とち)に切り替わりますらぁん」

「切り替わる?」

「はい。この神聖(しんせい)召喚(しょうかん)(とう)(まも)(ため)の、術式(じゅつしき)ですらん」

 わからん。


「じゃぁ、ここに来るまえの、焦げ(くさ)い……工房(こうぼう)があった場所(ばしょ)(なん)だ?」

「じつはあの〝中間の場所(・・・・・)〟については、まだ良くわかっていません」

「わからねぇ(ところ)に、大事(だいじ)工房(こうぼう)(かま)えたってのか?」

「はい。(わたくし)にとって大事(だいじ)なのは、ゴーレムの素材(そざい)となる魔物(まもの)生息地(せいそくち)へ〝どうやってたどり着くか〟ですからん」

「たどりつく? 転移魔法(てんいまほう)で行き来、できるんだろう?」

「ええ、けれど……(わたくし)自由(じゆう)(ある)けるのは、央都(おうと)城壁(じょうへき)(なか)だけですものらん」

城壁(じょうへき)……内堀(うちぼり)(なか)か? おれぁ一度(いちど)央都(おうと)出向(でむ)いたことがある。飯屋(めしや)宿屋(やどや)道具屋(どうぐや)なんかが、そこそこ立ち(なら)んでたな」


「ええ、(わたくし)にあたえられた自由(じゆう)は、その(なか)だけですもの――とても魔物(まもの)が居る(ところ)へなんて……」

 すこし、込み入ってきたぞ?

「んうううううん? 魔王城(まおうじょう)と、この(とう)場所(ばしょ)をつなぐ――(あいだ)工房(こうぼう)があった場所(ばしょ)は、(ひめ)さん……ラプトル(ひめ)さん以外(いがい)には、知られてねぇ(・・・・・・)ってワケだな?」


「はい、つまりはそういうことですらん。王城(おうじょう)地下(ちか)にある秘密(ひみつ)転移陣(てんいじん)ではなく――(わたくし)複写した(・・・・)転移陣(てんいじん)から転移(てんい)すると、あの(あか)く焼けた土地(とち)へと転移(てんい)するのですらん」

「うーんぅ、そりゃ言ってみりゃ事故(じこ)だろ? そのとき護衛(ごえい)は? 良く生きてたな?」

「そうらぁん、まさに(わたくし)の、ゴーレム最強伝説(さいきょうでんせつ)(はじ)まりでしたらん♪」

「なんか(なが)くなりそうだな……一言(ひとこと)で言うなら?」

(おそ)い来る魔物(まもの)襲撃(しゅうげき)必死(ひっし)(ふせ)いでくれた、(ちい)さな人形型(にんぎょうがた)ゴーレムの……残骸(ざんがい)……」

 やっぱり(なが)く、なりそうだなー。


 椅子(いす)(すわ)る、二号(ジンライ)(かお)を見る。

 (かお)に浮かび出た(まる)が、ほんのすこし欠けた。

 この(まる)全部消(ぜんぶき)えると、龍脈(りゅうみゃく)だかが(つな)がって――


 なんだっけ?

 女神像(めがみぞう)(なん)かが、使(つか)えるようになって――

 色々便利(いろいろべんり)になる。


 五百乃大角(いおのはら)がこの場に居ねぇからか、ちょっと欠けたきり、まるで減らねぇ。

 ってことは、まるで(すす)んでねぇってコトだ。


 どうせ、それまで出来(でき)ることもねぇし。

 もうすこしだけ、聞いてやるか。


(わたくし)の、この万能工具(ばんのうこうぐ)――伝説(でんせつ)職人(しょくにん)使用(しよう)したと言われる――」

 取り出した杓子(しゃくし)をかるく振ると(・・・)――杓子(しゃくし)(やっとこ)にかわった!

「うを――!? そいつぁ、杓子(しゃくし)じゃなかったのか!?」


百徳(ひゃくとく)ロッド――(わたくし)相棒(あいぼう)ですらぁん♪」

 (やっとこ)がこんどは、金槌(かなづち)に変わった。

 かなり上等(じょうとう)なアーティファクトだ。

 (はなし)をする気配(けはい)はねぇけど、迅雷(ジンライ)みたいな(もの)か?


「ふぅ、(おどろ)かされちまったぜ。けどそれひとつで、どーやって生きのびた?」

最強(さいきょう)戦闘用(せんとうよう)ゴーレムを、(つく)りあげたに決まってるじゃありませんらぁん♪」

 やめろ、杓子(しゃくし)舐めあげるな(・・・・・・)

 けどこれで、だいたいの(はなし)が聞けた――かぁ?


「じゃあ最後(さいご)だ。もう一回聞(いっかいき)くぞ? ニゲルが婿殿ってのは(・・・・・・)、どーいう(はなし)なんだぜ?」

 (ひじ)を突きだし、(かお)を寄せてみせた。


 ぎゅっ――とん!

 (にぎ)った(こぶし)をテーブルに置き、意を(けっ)した王女殿下(おうじょでんか)ラプトル。


「ゆ――、勇者召喚(ゆうしゃしょうかん)(おこ)えるのは――(わたくし)のお父様(とうさま)(わたくし)だけですのらぁん♪」

 脇目(わきめ)もふらずに(はな)しはじめ、(ほほ)やおでこや(みみ)(さき)までが(あか)く染まっていく。

「はぁ?」

「この世界(せかい)(すく)ってくださった、ゆ、勇者様(ゆうしゃさま)にぃ! 身もっ(こころ)もさヒゃげるノわぁ――と、とおぜんらのれすらぁぁん!!!」

 また杓子(しゃくし)にもどったソイツ(・・・)を、振りまわすんじゃねぇやい!

 危ねぇだろうが!


「きゃぁぁ言っちゃったぁぁらぁぁん! あぁぁあぁぁ、ニゲルさまっ!」

 んぅ? ニゲルさま……なぁ?

 (ひと)との出会(であ)いは、一期(いちご)一度(いちど)()だ。

 けどやっぱり、なんか……さま(・・)って(がら)じゃねぇよな。


(ねん)のため聞くが、ニゲルに会ったことは?」

「も、もちろん何度(なんど)も、お会いしましたらぁん♪」

 だーよーなーぁ。

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