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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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305/744

305:仙果到達ルートC、狐火の神髄

「――えっとねー、リオレイニアさんの火炎魔法(かえんまほう)みたいにおっきくすれば良いんじゃないの?――」

「――フム、一理(イチリ)ある。(モノ)を焼くのには、ふたつの方法(ホウホウ)が有ってだな――」

「――そノ方法(ほうホう)ヲくわしク()――」


「――ひとつはレイダの言った、火弾(カダン)(ジカ)に当てる方法(ホウホウ)だ――」

「――リカルルさまの(ほのお)(おお)きくなったけど、すこしも(あつ)くないよ……むしろ(さむ)いくらい?――」

「――もうひトつの方法(ほウほう)ヲ、くわシく()――」


「――ウム、もうひとつは体内(タイナイ)火炎袋(ケンブクロ)(イキ)を溜めこみ、ソレを(ホソ)(ナガ)くズーッといつまでも吐きつづける方法(ホウホウ)だ――」

「――リカルルさまに、火炎袋(かえんぶくろ)なんてないでしょ! ……シッポはあるけど――」

「――(ほそ)(なが)く、いつまでも吐きつづける……しっぽ()――」


「――リカルル、我々(われわレ)提案(てイあん)がアりま()――」

「ココォォォンッ――――なぁーにぃぃぃぃー? あのぉヒョーロクダマを焼き尽くせるなら(わたくし)悪魔(あくま)にだって(たましい)を売りわたしますわぁぁぁぁっ――――!」


 ふぉん♪

『>というのが、ウィルオウィスプ・レーザー開発の顛末です』


表六玉(ひょーろくだま)だとぉう? ルリーロ……奥方(おくがた)さまから言葉(ことば)(つた)わってやがるのか?」

 どっちにしろ、とても伯爵夫人(はくしゃくふじん)や、ご令嬢(れいじょう)使(つか)うような言葉(ことば)じゃねぇが。

悪魔(あくま)……魔物(まもの)とは(べつ)にそういう概念(がいねん)もぉ、存在(そんざい)しぃてぇるぅのぉよぉねぇーん。(つく)りが(あま)いというか……現代日本(げんだいにほん)がベースなんだかぁらぁ、当然(とうぜん)とぉーいうかぁ」

 おれは、(うつ)し身の(なか)に浮かぶ(たま)と、(かお)見合(みあ)わせた。


 ふぉん♪

『>元から狐火や人魂と呼ばれる場には、反転分布が見られました。

  なので誘導放出過程により増幅される光量に、上限はありません。

  具体的には、尻尾にて操る炎の揺らめきによりキャビティを形成。

  リカルルのリズム感を担保とし――』

 はいわからん、わからんぞ。


 いま聞かされた(はなし)は、レイダとゲールと迅雷(ジンライ)相談(そうだん)と。

 ソレを聞かされた、リカルルの返事(へんじ)だ。

 いまの話(・・・・)じゃねぇ。


 いまは(・・・)――――(あご)地面(じめん)に付きそうなほど、(ひく)く伏せた(かま)え。

「ニィゲェルゥゥゥゥッ――――コォン、コォン、コォン、コォン!」

 狐面(きつねめん)から(つら)なる(ちい)さな――連続(れんぞく)狐火(きつねび)


 人魂(ひとだま)みたいに、(たか)く立ち(のぼ)るヤツじゃなくて――

 ぼぼっぼぼっぼぼっぼぼごごぉぉうっ――――♪


「うわっ、ソレ――喰らったら(ぼく)、死んじゃうヤツじゃんかっ!」

 つらなる蒼炎(そうえん)を見るなり、姿(すがた)を消す青年(せいねん)

 ヴヴォヴォヴォ――――♪

 画面(がめん)(そと)一瞬(いっしゅん)で飛び出したニゲルを追って――画面(がめん)厚みが(・・・)(ばい)くらいになった。


「うぉわたたたたっ――!」

 ぽきゅぽきゅん♪

 あわてて画面(ソレ)をよける、おれと二号(ジンライ)


 チチュィィィン――――――――ぼごぉんっ!

 (ちい)さな尻尾(しっぽ)ごと尻を左右(さゆう)にふりつづける、赤狐(あかぎつね)

 その(つら)が――獲物(ニゲル)を捕らえて(はな)さない。

 ――ィィンッ――ィィンッ――ィィィンッ――ィィィィンッ!


 (あか)く焼けた灼熱(しゃくねつ)の――

 狐火(きつねび)神髄(しんずい)とでも言うべき――

 大筒(おおづつ)導火線(ひなわ)が――

 (かべ)(はし)青年(かれ)をとらえた!


 おれぁ、あのまっすぐ伸びる導火線(ひなわ)に――心当(こころあ)たりが有る。

 見覚(みおぼ)えはない、なんせ殺気(アレ)は目に見えない。


 ヴォヴヴォヴヴォォォォォォォゥン――――!

 神速(しんそく)(けん)がふたたび、振り(まわ)される。

 リカルルが押してる。

 引き分けどころじゃなくね?


 それでも青年(ニゲル)が下がることはなく、(はな)れた間合(まあ)いは絶えず詰められていく。


「それわぁー、そうよねぇー♪ ニゲル(くん)のぉー〝勇者(ブレイブ)()歩み(ステップ)〟スキルわぁー、逃げるためにわぁ、一切使(いっさいつか)えないからわねぇーん♪」

 ニゲルの神速(しんそく)は――逃げる(・・・)ためには、使(つか)えねぇらしぃ。


 仄暗(ほのぐら)(ほのお)が寄せ(あつ)められ、地に突きたてられる。

 突きたてられた(ひかり)(すじ)は、灼熱(しゃくねつ)導火線(ひなわ)となり――

 ぼっごがぁぁぁぁぁぁぁあっぁあぁんっ!!!


 ニゲル青年(せいねん)を、()端微塵(ぱみじん)に吹き飛ばす。

「あぁ、おい。本当(ほんとう)に死んじゃいねぇだろうな?」

 蘇生薬(エリクサー)だって(からだ)がなきゃ意味(いみ)がねぇし、一息(いといき)つけなきゃ効果(こうか)も出ねぇ――


「だ、大丈夫(だいじょうぶ)なのですらぁん!」

 そう言って自分(じぶん)胸元(むなもと)(たし)かめる――第一王女(だいいちおうじょ)ラプトル(ひめ)


 脈打(みゃくうつ)つように、(しず)かな(ひかり)(はな)首飾(くびかざ)り。

 さっきまでは(ひかり)なんぞ、出してなかったが。


 ふぉん♪

『>推測ですが、あの光はニゲルの生存確認に使えるようです』

 生存確認(せいぞんかくにん)だぁ?

 さっきまで(ひか)ってなかったってことは――

 いまが(まさ)やべぇ(・・・)ってのを――あらわしてるんじゃね?


「はふぁー、なっかなかにぃー白熱(はっくねっつ)したわねぇん? じゃあ、あたくしさまはそろそろ行くからぁん――あとよろしくねん、リオレーニャ(・・・・・・)ちゃんに、シガミー?」

 ひらりと手を振り、スルスルと。

 仁王立(におうだ)ちになった五百乃大角(いおのはら)が、(おか)巨木(きょぼく)(ほう)(のぼ)っていく。


「いざとなったら、リオレーニャ(・・・・・・)が割って(はい)ってくれるたぁ(おも)うが――」

 あの魔法(まほう)(たて)は、迅雷(ジンライ)あっての物種(ものだね)だ。

迅雷(ジンライ)、いちおうリオに……リオレーニャ(・・・・・・)に、ついててヤッてくれ」

 ふぉん♪

『>了解しました』


 ヴォウゥ――ン。

 五百乃大角(いおのはら)(はな)れたからか、画面(がめん)(あつ)みをなくしていく。

 一枚板(いちまいいた)になっちまったが――

 四つ足女(あしおんな)壁男(かべおとこ)動向(どうこう)はわかる。


 ギギィィィッ――♪

 なんだ、この(きい)(おと)


 みれば第一王女(ラプトルひめ)が、召喚(しょうかん)(とう)とやらの(とびら)を開けている。

 ふぉん♪

『>シガミー、ラプトル王女殿下のあとを追ってください』


 たしかに、ほっとけねぇやな。

 屋根(やね)とか(くず)れてて危ねぇ。

表六玉/「間抜け」と罵倒する言葉。危険に際し手足を引っ込めない亀になぞらえた表現。

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