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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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304/744

304:仙果到達ルートC、軍用全天球レンズとウィルオウィスプ・レーザー

「このケットーシィちゃんは……お(はなし)出来(でき)るのらぁん?」

 二号(ジンライ)に抱きかかえられた王女(おうじょ)が、二号(ねこ)(はな)のあたりを――ぽきゅ♪

 いぶかしげに、つかんでいる。


「――中身(なかみ)のシガミーちゃんが、(そと)に出ちゃってるのにぃぃ~!?」

 あー、なまじっか神々(かみがみ)知恵(ちえ)(つう)じてるせいか、(へん)(ところ)で引っかかってるらしい。


「いまソイツの(なか)には……五百乃大角(いおのはら)眷属(けんぞく)が、取り付いてる(・・・・・・)ぜわよ」

 ひっほっへっはっ、(のぼ)(ざか)なのが地味(じみ)にきつい。


「イオノファラーさまの、眷属(けんぞく)らん?」

「はイ、迅雷(ジンライ)とオ呼びくだサい、王女殿下(おうじょでンか)

 ぽきゅぽきゅぽきゅ♪


「じゃぁ、ジンライさまん」

(わたシ)はアーティファクトでス。(さマ)は要りまセん、王女殿下(おうじょデんか)

 ぽきゅぽきゅぽきゅ♪


「では(わたくし)のことも、ラプトルとお呼びくださいらぁん」

「でハ――ラプトルさマと」

「はい、ジンライさまん」

 ぽきゅぽきゅぽきゅ♪


「おっとと、置いていかれちまうぜ」

 (めず)しい食い(もの)をまえにして早足(はやあし)になる(たま)

 迅雷(ジンライ)(あやつる)二号(にごう)も、駆け(あし)でついていく。

 おれぁ、金剛力(こんごうりき)がなきゃ、せいぜいが二人並(ふたりなみ)みだ。

 それだって、LV100(レベルひゃく)恩恵(おんけい)あってのことなんだが。


 ヴッ――がさりっ。

 おれは仕舞(しま)っておいた荷物袋(にもつ)を取り出した。

 この大荷物(おおにもつ)背負(せお)うと、自分(じぶん)走ってくれる(・・・・・・)から――

 金剛力(こんごうりき)ほどじゃないけど、(はや)さと体力(たいりょく)()しになる。

 ただうしろから見ると、荷物袋(ふくろ)から生えた(あし)が――


「(迅雷(ジンライ)、この荷物袋(にもつぶくろ)(あし)なんだが、うちのパーティーメンバーたちから気持(きも)(わる)いって評判(ひょうばん)(わる)かったから――シシガニャンほどじゃなくても、なんか(やわ)こい感じにできんかなぁ?)」


 ふぉん♪

『>なるほど。でしたら荷馬か荷馬車のように、

  設計しなおすのはいかがでしょうか?

  強化服のように本式とまではいきませんが、

  アシストするパワーも上げられます』


 じゃあ合流(ごうりゅう)できたら、それ(たの)むわ。

 おれがスキルで(つく)っても良いが、寸分(すんぶん)たがわぬ(もの)をあとで(つく)るときに二度手間(にどでま)になるからな。


 ふぉん♪

『>はい、了解しました』

 いまのところは、二号(おまえ)(はし)りについて行けりゃ十分(じゅうぶん)だ。

 ぽきゅぽきゅぽきゅ♪

 しかし、シシガニャンの(あたま)は……でけぇなぁ。

 薄桜色(うすさくらいろ)……薄桃色(うすももいろ)毛皮(けがわ)(いろ)は、かわいらしい気もするし……不気味(ぶきみ)な気もする。


「(あ、いっそのこと二号(そいつ)着てもらった方が(・・・・・・・・)良かったか?)」

 ふぉん♪

『>いいえ。下手をすると、強化服シシガニャンを再現する知識を、

  お持ちですので、あまり内部構造を公開しない方がよろしいかと』

 ぬー、なぁー、そういうのもあんのか。


「なら……ひそひそ……ちいとマズいことを……ひそひそ……しちまったかも知れねぇ」

 ふぉん♪

『>マズいこととは?』

「いやな……ひそひそ……些細(ささい)なことしかしてねぇけど――」

 おれは、ご神木(しんぼく)よりいくらか手前(てまえ)にある〝召喚(しょうかん)(とう)〟に着くまで――

 ゴーレム(づく)りの手伝(てつだ)いをしちまったことを、説明(せつめい)した。


 (とく)に〝(まえ)もうしろも同時(どうじ)に見える、飛び出てない(・・・・・・)目玉(めだま)〟に(かん)しては――


 ふぉん♪

『>その光学的に高度な知見は、

  兵器転用可能な技術が含まれています。

  焦点距離に画角、作成した個数は?』

 えらく(くわ)しく聞かれたから、真面目(まじめ)(こた)えておいた。


   §


「こぉんこぉぉぉん、こぉぉん、こぉぉっぉん、こぉぉっぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん♪」

 リカルル(ひめ)(こえ)がする。

 五百乃大角(いおのはら)が見てる、リカルルとニゲルの小競(こぜ)り合い。


 召喚(しょうかん)(とう)に着いたが、(うで)を組み仁王立(におうだ)ちの五百乃大角(いおのはら)


「ちょっとまって、いまちょぉぉぉぉっとぉ――良い(ところ)みたいなのねん♪」

 (うつ)し出されている画面(がめん)には、厚み(・・)があった。

 奥行(おくゆ)きがあってまるで、ソコに寸足(すんた)らずなニゲルたちが居るみたいにみえる。


 ぼごごぉうわ、ぼごごごぉぉっぅわぁぁっ――――揺らめく狐火(ほのお)

 目くらましにしか使(つか)ってなかった狐火(ソレ)に、変化(へんかが)(あらわ)れた。

 チチュィィィン――――――――ぼごぉんっ!

 なんだったか、アレだアレ。

 目に見えないほど、細くはねぇし(・・・・・・)――

 ぶち当たった威力(いりょく)も、ソコまでじゃねぇ(・・・・・・・・)んだけど――


 ふぉん♪

『>ウィルオウィスプ・レーザー、

  ルリーロの必殺技〝狐火・仙花〟です』

 そうだぜ、鬼火怪光線(おにびかいこうせん)だぜ!


 ヴォヴヴォヴヴォォォォォォォゥン――――!

 ニゲルの神速(しんそく)(けん)が振り(まわ)され――〝勇者(ブレイブ)()歩み(ステップ)〟が止まった。

 ぼごぉ、ぼごごぉ、ぼぼぼぼごごぉぉぉん――!

 爆煙(ばくえん)にのみこまれる青年(ニゲル)


「やるもんだぜ、(きゅう)狐火(きつねび)(あつか)いが――本家(ほんけ)ばりに化けやがった(・・・・・・)

 ん? リカルル(がわ)(ちか)く――レイダとゲールが陣取(じんど)ってやがる。

 迅雷(ジンライ)本体(ほんたい)も、かたわらに浮かんで――なにやってんだ?


 ふぉん♪

『>高輝度ライト付きヘッドセットを介し、

  リカルルに助言をしています』


一時(いちじ)はどうなることかと(おも)ったが、なんとかなりそうじゃぁねぇか……」

 けどそれは、(ぎゃく)に言えば――

 二号(にごう)を着たおれが、手も足も出なかった(・・・・・・・・・)相手(・・)に――

 届きつつある(・・・・・・)ってことで――


 レイダとゲールは、どんな入れ知恵(じえ)をしやがったんだ!?

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