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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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302/744

302:仙果到達ルートC、召喚魔法のひみつ

 ぼっごおわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――!

 どこまでも(ふく)れあがる(ほのお)


「ニィゲェルゥー――――ココォォォォン♪」

 片手(かたて)を地につけ、背をくねらす――(あお)(うず)(えが)く。

 しゅるうるるぅごっぼぉぉぉぉ――――!

 ニゲルの姿(すがた)蒼炎(ほのお)に消える。


 マジやべぇ、姫さん(リカルル)本気(マジ)でやんの。

 チョロチョロした火種(ひだね)にしかならなかったのが、はじめて狐火(きつねび)が出たときみたいな(いきお)いで、燃えひろがっている。


 あの仄暗(ほのぐら)(ほのお)は、喰らっても燃えやしねぇ。

 妖狐ルリーロ(ばけぎつね)(いき)までいきゃぁ、大筒並(おおづつな)みの痛手(いたで)を喰らわせるようになるけど。


 ヴォヴォヴォ――――ン!

 うなる聖剣(せいけん)安物(やすもの))に、錆色(さびいろ)はなく。

 シュカンッ――――!

 きらめきは、(せい)なる(かたち)となった。


 横薙(よこな)ぎにされる、仄暗(ほのぐら)(じつ)のない火。

 斬られたソレは、散り散りになってかき消え――ォォォォォオッ!

 切断面(きりくち)を、その場に(のこ)した。


 まるで(こし)(たか)さの水面に浮かぶ(・・・・・・)――(あお)(はす)(はな)

 目を(うたが)うその光景(こうけい)に――(こえ)(はっ)する(もの)は居な――


「あーぁ、はいはいはいはい……コレは駄目(だめ)ねーん。ニゲル専用恋愛(せんようれんあい)相談所(そうだんじょ)は、本日(ほんじつ)をもって解散(かいさん)しまぁーす()

 手のひらを(うえ)に向けてみせる、五百乃大角(いおのはら)映し身(うかぶたま)


「あきらめるな、ここが恋愛相談所所長(おまえさま)の死に場所(ばしょ)だろうが!」

 死中(しちゅう)(かつ)を、見いだせやぁっ!


「ニゲル専用(せんよう)……恋愛相談(れんあいそうだん)……(じょ)?」

 王女(おうじょ)さまの手が、なんでか杓子(しゃくし)をつかむ。


 ふぉん♪

『イオノ>それはそうとさ、ソコに居る王女様に、

     シガミーとニゲルとルリーロさまが全員、

     日の本生まれだなんてバレないように、

     気をつけなさいよ?』


 んぁー、あー?

 なんの(はなし)だったっけかな、迅雷(ジンライ)

 ニゲルとリカルルの色恋(いろこい)の行く末自体(すえじたい)には、そこまで興味(きょうみ)はなかったから。

 あんまり、ちゃんと(おぼ)えてねぇ。


 ふぉん♪

『>ガムラン町が央都から、最大勢力とみなされかねないという話では』

 ソッチの(はなし)か。

 本当(ほんとう)にややこしいことに、なって来やがったぞ。


 えーっと、ラプトル王女(おうじょ)喚んだ(・・・)のは、ニゲルだけだ。

 なんかうまいこと取りつくろえば――

 あれ、そういや王女(おうじょ)さまはどこから召喚(・・・・・・)……お取り寄せしたって言ってた?


「なぁ、王女(おうじょ)さまよぅ」

「なんですらん、ケットーシィのシガミーちゃん」

「ニゲルを取り寄せた(・・・・・)ってのは、本当(ほんとう)か?」


本当(ほんとう)ですらぁん♪」

「それは、なんでだ?」

「言うまでもありませんが、魔王(まおう)殲滅(せんめつ)するためですらぁん……リカルル(ひめ)(たお)しちゃったから勇者(ゆうしゃ)さまには、なりそこねて(・・・・・・)しまいましたけれどらぁん」

 杓子(しゃくし)を置き、(ほほ)に手を当てる。


「じゃぁ、どっから(・・・・)取り寄せた?」

勇者(ゆうしゃ)さまたちが仲良(なかよ)く暮らす異世界(いせかい)に、決まっていますわらぁん」

 また杓子(しゃくし)を手にとって、キュキュキュと(みが)きだした。


「(異世界(いせかい)だぁ?)」

 ふぉん♪

『>三千世界と同義かと』

 ()(もと)なんていう場所(ばしょ)の名では、(くく)られてねぇのか。


 シュカシュカシュッカカカカカァァン――――!

 聖剣(せいけん)安物(やすもの))を振るい、狐火(きつねび)細切(こまぎ)れにする勇者(ゆうしゃ)(なり(そこ)ない)。


 四つ(あし)をつき――――コココォォォォン♪

 ぼごぼごぼごぼごぼごごごぅぅぅぅわぁぁぁっ――――!!!!


 大量(たいりょう)狐火(きつねび)――(たか)く伸び(はげ)しく揺らめくソレを、ニゲルの頭上(ずじょう)にバラ撒く。

 ザリザリザリリリッ――――目をそらさず、(からだ)(ねじ)りこむ妖狐(ようこ)(むすめ)

 人魂(ひとだま)のように揺らめいていた(ほのお)が、回転(かいてん)(はじ)め――一点(いってん)(かさな)なっていく。


 ギラギラとした。

 水面(すいめん)(うつ)陽光(ようこう)のような――――ィィィィッ!


 強烈(きょうれつ)(ひかり)は、漆黒(しっこく)(かげ)(つく)り出した!

 ニゲルの神速(しんそく)とくらべたら、まだ余裕(よゆう)で目で追える。

 それでも頭上(ずじょう)(ひかり)から、目をかばった瞬間(しゅんかん)だ。

 (すき)をつくには、十分(じゅうぶん)速さ(・・)


 その間合(まあ)い。距離(きょり)にして15メートル程度(ほど)か。

 豪奢(ごうしゃ)(けん)を抜き、一振(ひとふ)り。

 青年(せいねん)(ふところ)に飛びこんだ、派手(はで)姿(すがた)

 ちいさな狐尻(しっぽ)が、(よこ)になびく。


「(うへぇ、(いき)をついだ瞬間(しゅんかん)(ねら)いやがった)」

 ヴォルトカッターが、あろうがなかろうが。

 いくさ場で会いたくねぇことに、変わりはねぇ。


 ギイィィィィィィィィィイィィンッ――――!

 ニゲルの(みじか)(けん)じゃ、(さば)ききれない。

 リカルルの豪奢(ごうしゃ)(けん)も、あれはあれで聖剣(せいけん)(つか)から打ち(なお)してる。

 普通(おれ)業物(こだち)なら、(いま)ので折られてたかもしれん。


 ガァァンッ――!

 火縄(ひなわ)(はな)ったような衝撃(おと)

 片足(かたあし)で立ち、飛んできた剣先(けんさき)蹴飛ばすさまは(・・・・・・・)、まるで大道芸(だいどうげい)だが。


「プーッ、クツクツクツ。なぁにあの格好(かっこ)ぉー?」

 (わら)ってやるな、恋愛相談所長(いおのはら)め。

 ありゃ、貧乏人(びんぼうにん)工夫(くふう)をしたんだぜ。

 青年(かれ)(くつ)には(そこ)が減らねぇよう、鉄板(てっぱん)が打ち付けてある。


 たしかに面白(おもしれ)ぇが、ニゲルも本気(ほんき)だ。

 無様(ぶざま)(あし)まで使(つか)わねぇと、(いのち)(かか)わるってことだしな。


 この(さい)だ、さっき気になったことを聞いとくか。

「(なぁ、生きた人間(にんげん)をそのまま(べつ)世界(せかい)から連れてくる――なんて芸当(げいとう)本当(ほんとう)出来(でき)るのか?)」


 ふぉん♪

『イオノ>そー言われると無理わね。あたくしさまのアバターを顕現させる、

     FATSだって生身の体を、完全再現なんて出来ないもの。

 ふぉん♪

『ヒント>アバター/現し身

    >FATS/神々の船』


 やっぱりニゲルはおれと(おな)じく――

 死んでさまよってた(たましい)だけ連れてこられたって、(かんが)えた(ほう)が良さそうだ。


「(つまるところ、ニゲルの()は――誰が作った(・・・・・・)?)」

 呼びよせたニゲルの(たましい)

 それを入れた(からだ)は――どこから来たんだ?


「(それなんだけど……この(へん)にさぁ、女神像(めがみぞう)なんて有るぅー? それも、(へん)(かたち)のやつ」

 (うつ)し身の姿(すがた)でキョロキョロと、あたりを見わたす五百乃大角(いおのはら)

 女神像(めがみぞう)が、どうしたってんだ?


「(なーんかねぇ、すっごいアンテナ立つんだけどさ……ぺらぺらり……その(あた)りも関係(かんけい)してそうなのよねぇーん())」

 (へん)(かたち)のだぁ?

 普通(ふつう)のだって捨てられてるのを、見つけられねぇってのに。

 そんなもん、そうそう有るわけが――って決めつけても仕方(しかた)がねぇ。


「なあ、王女(おうじょ)さまやぁ」

「なにかしら、ケットーシィガミーちゃん?」

 つなげて言うな。


「このへんに女神像(めがみぞう)は有るか――それも、どこか変わった(かたち)のやつ」

「あら、よくわかったわらん? 召喚(しょうかん)(とう)(なか)にありましたららぁん」

 召喚(しょうかん)(とう)とか言うヤツなら、巨木(きょぼく)(ふもと)(くず)れ落ちてる。

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