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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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300/744

300:仙果到達ルートC、秘伝のおねだん

「ちょっと待って――こらニゲルっ! 西計(にしかず)三十六(みとむ)くん、止まりなさい!」

 浮かんだ球(いおのはら)が、おれや第一王女(おうじょ)には見えない――たぶんニゲルを追ってさまよい(はじ)めた。


 ザッギィィィィィンッ――――ザッキィィィンッ!

 シュカカッカカカンッ――――ゴコゴコゴコゴコォォンッ――バララッラッ!

 錆びた(おと)が、途中(とちゅう)から聞こえなくなった。

 えらく(かて)(もん)を斬って、聖剣(せいけん)安物(やすもの))の(さび)が落ちたな?

 (なに)が起きてるのかは、なんとなくわかった。


 おれは耳栓(みみせん)を、(みみ)に付けた。

「ニゲルが斬ってんのは……ひそひそ……ゴーレムなんだな?」


 ふぉん♪

『>はい。(やく)1500(たい)多種多様(たしゅたよう)なゴーレムを、

  ひとりで殲滅(せんめつ)しています』


 うーん、ニゲル……とうとうやっちまったか。

 あの(けん)(うで)(みと)められるのは、(わる)いことじゃねぇんだけど。

 あの(ひめ)さん……向こうの跳ねっ返りのほう(・・・・・・・・)(ひめ)さんが、どう出るか見当(けんとう)が付かねぇ。


「ソッチは……ひそひそ……ドコなんだぜ?」

 さっきの『会計を同一にする金銭的共同体』うんぬんってのが、気になる。


 ふぉん♪

『>ココは魔王城に隠されていた階層です。

  ゴーレムたちを追跡した所、たどり着きました。

  現在は階層中央の転移陣から現れたゴーレムに、

  襲撃されています』

 どういうコトになってんだぜ、まったくよ。


「ねぇー、お野菜色(やさいいろ)のケットーシィちゃん、テーブルまで(はこ)んでらぁーん?」

 こっちの(ひめ)さんは……首謀者(しゅぼうしゃ)にしちゃ、随分(ずいぶん)とおっとりしてやがるし。

 テーブルにたどり着いた彼女(かのじょ)は、自分で椅子を引いて(・・・・・・・・・)(すわ)った。


 ゴソゴソと取り出したのは、さっき(つく)(かた)(おし)えてやった、色々(いろいろ)(もの)(うつ)し出せる木の(いた)

 それに、なんだありゃ?

 菱形(ひしがた)透明(とうめい)(いし)が浮かべられた台座(だいざ)には、骸骨(がいこつ)(かたち)があしらわれていて――

 とても一国(いっこく)(ひめ)が持つ(もの)には、みえねぇ。


 カチリ――ピピププン♪

 ゴーレムを(つく)るとき、(ほね)にはわせた鉄線(てっせん)

 ソレで(つな)がれる木板(きいた)と、趣味(しゅみ)(わり)何か(・・)


 チチチィーッ、カリカリカリッ――――ビュパァン♪

 夜中(よなか)にガムラン(ちょう)のギルドに(しの)び込んで、女神像(めがみぞう)迅雷(ジンライ)がなんかしたときみたいな――結構な騒音(そうぞうしさ)

 クルクル(まわ)菱形(いし)(うご)きに合わせて、いろんな図案(ずあん)文字(もじ)(あらわ)れては消えていく。


「うふふふふふふららぁぁーーん♪ これは、とっても便利(べんり)らぁん……あと何枚(なんまい)か欲しいらぁん♡」

 木の(いた)評判(ひょうばん)が良いぞ。


 神々(かみがみ)知恵(ちえ)使(つか)わずに文字板(アレ)(つく)ろうとしたら、ものすごい手間(てま)が掛かって――

 死ぬ(おも)いをしたことは……もう(わす)れたらしい。


 ゴーレムの材料(ざいりょう)で言やぁ――だいたい百匹分(ひゃっぴきぶん)(ちい)さな素材(そざい)が要るし――相当(そうとう)贅沢品(ぜいたくひん)になる。

 迅雷(ジンライ)が居りゃジンライ(こう)(かく)(みの)を、木板(きいた)に埋め込むだけで済むけどな。


「で、必要最低限(ひつようさいていげん)の……ひそひそ……損害(そんがい)ってぇのは?」

 聞きたくはない。

 どうせ(ろく)でもねぇことに、決まってる。


 ふぉん♪

『>ニゲル青年がかわした召喚契約に基づく、

  戦闘評価の出来高収支です』

 戦闘評価(せんとうひょうか)だぁ?

 わ・か・ら・ん。


「うふふうふふっ、さすがは未来(みらい)旦那さま(・・・・)(かっこかり))♪ とても良い仕事(しごと)らぁぁぁん♪」

 さっきから、聞き捨てならねぇことが――ぼろぼろぼろぼろ出てくる。

 杓子女(しゃくしおんな)とはいえ、こいつさまは王女(おうじょ)であらせやがるから、問い詰めるわけにも(くち)を手でふさぐわけにもいかねぇ。


 いまは様子(ようす)を見よう。

 椅子(いす)(すわ)って(よこ)から(のぞ)きこむと――


 『(うま)』か?

 あと『(とり)』に『鹿(しか)』に――

 『(ひと)』の(かたち)もある。


 その(かたち)(すみ)で塗られていて、大体(だいたい)姿(すがた)しかわからねぇが――

 (いびつ)さがよくわかった。

 (とが)った(かたち)が、まるで(かく)れてねぇ。


「ゴーレムだな?」

 その()六個(ろっこ)ならんだ『(かたち)』の(した)

 三桁(さんけた)数字(すうじ)が、どんどん目減(めべり)りしてる。


「この数字(すうじ)は……(なん)でぇい?」

 どんどん減っていく。(なぞ)数字(もじ)


「ソレは、ゴーレムの在庫(ざいこ)ですらん♪」

 そして(ぎゃく)に増えて伸びる、(なぞ)(ぼう)

「じゃあ、コッチは?」

 (ぼう)は増えることを(こば)むように、ピクピクと耐えていたが――

 すぐに、増える一方(いっぽう)になった。


「ソレは、ゴーレムに(たい)する戦闘評価(せんとうひょうか)……ええっと、ニゲルさまの剣筋(けんすじ)につけた……お値段(ねだん)かしらぁん?」

 ニタリとした表情(ひょうじょう)


剣筋(けんすじ)につけた、値段(ねだん)だとぉう?」

 そんな(もの)門外不出(もんがいふしゅつ)奥義(おうぎ)秘伝(ひでん)に決まってる。

 いくさ場じゃ、よその斬り合いを見てる余裕(よゆう)なんかねぇしな。


 ニゲルの太刀筋(たちすじ)は、おれでもふせげねぇ。

 そんな(もの)(ひと)の身で支払(はら)えるもんじゃ有るめぇよ。

 一国(いっこく)(ひめ)なら――お(かか)えに出来(でき)るのかもしれんがぁ。


「ふぅん、この(ぼう)がニゲルの俸禄(ほうろく)……収入(かね)になるってんなら良いことだが」

 まだウチの二号店(にごうてん)(はじ)まったばっかりだったし、そこまで(はら)ってやれてなかったしな。


「いいえ、そっちじゃないわらん。そっちは機能停止(きのうていし)したゴーレムの総原価(そうげんか)ららん♪」

 んううんむ? この画面(がめん)、ソッチでも見れるか?


 ふぉん♪

『>はい。約200フレーム、

  三秒ほどの遅延が発生しますが、可能です』


 ふぉふぉん♪

『馬:321/評価アベレージ32%』

『鳥:173/評価アベレージ47%』

『鹿:61/評価アベレージ76%』

『狼:85/評価アベレージ43%』

『人:52/評価アベレージ41%』

『ラプトル:1/評価アベレージ0%』


 おれの目尻(みみせん)から(うつ)し出される画面(がめん)のにも、おなじゴーレムの絵が立ちならんだ。


「おい、これでニゲルの取り(ぶん)は……ひそひそ……いくらくらいだ?)」

 ふぉん♪

『>ありません』


「(はぁあああ!?)――取り(ぶん)がねぇってのは、どーいうこったぜ!?」

 (はなし)がおかしい。

 (となり)にすわる杓子王女(しゃくしおうじょ)を、(にら)み付けてやった。


「あらん? お(じょう)ちゃんには、この数字(すうじ)の読み(かた)がわかるのかしらぁん?」

「おうよ――どーいうこった?」


「おかしい(ところ)は、ないわらぁん。だって、同じ倒し方(・・・・・)ばかりしてたら、その評価(ひょうか)……価値が下がるのは(・・・・・・・・)当然(とうぜん)でしょらん?」

 はぁぁ? 同じ倒し方(・・・・・)

 何を言ってやがるんだ(・・・・・・・・・・)


 むしろ、(おな)じ斬り(かた)をしねぇつもりで――コレだけ(かず)を減らしてる青年(かれ)異常性(すごさ)

 それに気づいてやれるのは――おれしか居ねぇだろう。

 そう思った直後(ちょくご)


 居たのだ。

 (かれ)無数(むすう)剣筋(けんすじ)

 そのたぐい(まれ)なる勇者(ゆうしゃ)としてか、はたまた()(もと)の血によるものか。

 ソレに気づいて――


「コォ――――ON(オォン)!」

 真言を発した奴が(・・・・・・・・)

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