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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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297:ゴーレム製造工場にて、車座のパラドックス

あっぶねぇなっ(みゃにゃんやー)! 弾丸が当たったら(みゃんみゃんにゃん)どーすんでぇい(にゃわみゃぁー)!?」

 ふぉん♪

『>あぶないよね?

 >弾丸が当たったら、怪我しちゃうでしょ!?』


人語(じんご)(かい)(ねこ)魔物(まもの)ららぁん!? ……まさかっ、ケットーシィ!?」

 はぁ? 決闘死(けっとうし)だぁ?

 縁起(えんぎ)でもねぇ。

 死んで立つ瀬なんか、この世にゃねぇだろが!


「どうりで器用(きよう)で、魔道具作成(まどうぐさくせい)造詣(ぞうけい)(ふか)いはずだらぁーん♪」

 納得納得(なっとくなっとく)――ぺちりと手を(たた)き、ゴーレムを降りる第一王女(だいいちおうじょ)

 名前(なまえ)九号(じゅうごう)に書いてあったけど、なんだったか(わす)れた。


「にゃみゃがにゃぁ――♪」

 ふぉん♪

『>猫の魔物じゃないよ

 >おにぎりだよ』


とにかく(みゃにゃぁ)ソコに居ると(みゃんみゃんにゃ)危ねぇ(みゃごー)! もう転移するぞ(ふみゃぎゃにゃー)!」

 まばゆい(ひか)に、目をすがめる。

 ふぉん♪

『>そこに居ると危険だよ

 >転移事故に巻き込まれるよ』


「そうらねぇ――よいしょおらぁーん♪」

 王女(おうじょ)(なに)(おも)ったか――ゴーレムを蹴飛(けと)ばした。

 蹴飛(けと)ばされた人形(ひとがた)は、スネを押さえ――かがみ込んだ。


「もういっちょお――ららぁーん♪」

 ごがん――ごろろり!

 ヨロヨロと姿勢(しせい)(くず)したゴーレムが、階段(かいだん)をころげ落ちていく。


()ったったらぁーん!」

 (くつ)のつま(さき)を押さえ、飛び跳ねる王女(おうじょ)

 眼鏡(めがね)がズレて、落ちそうになってる。


 シュゴォォォォォォォ――――――――ン♪

 (おお)きな(まど)から見えていた、赤茶(あかちゃ)けた景色(けしき)が消えた。


「ふぅー、貴方(あなた)たちは(ひと)言葉(ことば)が、本当(ほんとう)にわかるのららぁーん?」


当たり前だぜ(みゃにゃにゃ)中は人だ(みゃんやにゃ)♪」

「みゃにゃにゃ、みゃんやにゃ♪」

 ふぉん♪

『>わかるよ、中は人だもの』

 ふぉん♪

『>わかるよ、中は人だもの』


真似をするん(みゃにゃんにゃ)じゃねぇやぁ(ふぎゃなーごぉ)おまえは人(みゃにゃぁーご)じゃねーだろがっ(みゃんにゃぎゃにゃ)♪」

 ふぉん♪

『>まねしないでよ

 >君は、人じゃないでしょ』


「みゃぎゃー。みゃんにゃんにゃぁー、ぎゃにゃぎゅふーみゃ、みゃみゃにゃみゃにゃぁー♪」

 ぎにゃぎにゃうるせぇ。


 ふぉん♪

『>人だもの。おにぎりだって人だもの。

 >我思う故におにぎりは、おにぎりで有ることに、

 >疑いを持てないもの』


「あはははっはっ――――みっ、見た目に(はん)して高度(こうど)知性(ちせい)と、言語(げんご)仮定(かてい)同定(どうてい)踏み込んでいる(・・・・・・・)のらららぁーん?」

 やっぱり――神々(かみがみ)知恵(ちえ)をすこしだが、(かじ)ってやがるぜ。

 (なに)を言ってるのかはわからんが、わからんからこそソレがわかる。


五蘊皆空(みゃにゃぎゃにゃ)……無我の境地(みゃんにゃみゃん)……無我無心(みゃぁみゃにゃん)ではあるか(みゃぁにゃぁにゃ)♪」

 ふぉん♪

『>五蘊皆空、無我の境地、

 >無我無心なのは間違いないけど』


 みゃがにゃがにゃ――♪

 ごとごとん、がたんがたんがたたたたん♪

 テーブルを(ふた)つと、椅子(いす)をたくさん出してやる。


お座りくだせぇ(にゃぎゃぁーにゃ)♪」

 ふぉん♪

『>どうぞ、座ってね』

 んぁ? 折角出(せっかくだ)してやったのに、椅子(いす)のまえで立ち止まっちまった。

 こんな粗末(そまつ)椅子(いす)には、(すわ)れねぇってのか?


「みゃにゃぎゃぁー♪」

 見てたら、おにぎりが椅子(いす)を引いてやってる。

 ふぉん♪

『>お座り下さい、お嬢さま』


「あら、ありがとうらぁーん♪」

 あぁ、そういうアレか。

 高貴(こうき)連中(れんちゅう)面倒(めんどう)だぜ。


 むしろ、おにぎりは良く気がついたな。

 おれよか気が利くように、なってやがる。

 さすがは女将(おかみ)さんの、仕込(しこ)みだ。


 がたん――すてんごろりぃん!

「っぎゃっ――()ったっぁ!?」

 高貴(こうき)(しり)が――転移魔方陣(てんいまほうじん)のうえに(ころ)がった。


 がたん、がたたん、がたたたたががががたん♪


(みゃ)おまえらなぁ(ぎゃみゃぁにゃぁ)……」

 おにぎりが引いてやった椅子(いす)を、さらに引いてかるく(くび)を下げる三号(さんごう)

 三号(さんごう)が引いてやった椅子(いす)を、さらに引いてかるく(くび)を下げる四号(よんごう)

 四号(よんごう)が引いてやった椅子(いす)を、さらに引いてかるく(くび)を下げる五号(ごごう)

 五号(ごごう)が引いてやった椅子(いす)を、さらに引いてかるく(くび)を(以下略(いかりゃく))。


「やってくれましたわねららぁーん♪」

 十号(じゅうごう)が引いた椅子(いす)まで駆けていき、飛び乗るように(すわ)ってみせる第一王女(だいいちおうじょ)

へぇ(みゃ)堂に入った(みゃぎゃぎゃ)もんだな(にゃやみゃ)

 おにぎりたちの(たわ)けに、ここまで付き合えたヤツは(はじ)めてかも知れねぇ。


 おれはテーブルを、ガタガタと(はこ)んでやる。

 おにぎりは、(ほか)椅子(いす)全部仕舞(ぜんぶしま)って――一列(いちれつ)(なら)べた。

 ぽきゅぽきゅ――椅子(いす)(まえ)素通りして(・・・・・)(はし)まで行きつき――(こし)を下ろす。


 ぽっきゅ――椅子(いす)腰掛(こしか)けた一号(いちごう)(ひざ)(うえ)

 ぽっぽっきゅ――(ある)いてきた三号(さんごう)が、その上に(・・・・)(すわ)りやがった。


「にゃびゅへっし!?」

 衝撃(しょうげき)(はし)る。

 ふぉん♪

『>ふっぎゃっゝ@☆ん∮※#」


「ぷっぐふっひっ!?」

 王女(おうじょ)(からだ)が、くの字に折れ曲がった。


 ぽぎゅぎゅむぎゅぎゅぽてころむぎゅむぎゅ――――あーぁーぁー、そうなんのか!?


 椅子(いす)ごと、おにぎりが(たお)れ。

 そのうえに派手(はで)(ねこ)魔物(まもの)たちが寝転(ねころ)んでいく。

 積み(かさ)なる、(ねこ)魔物(まもの)


びゅぎゅぶひ(みゃにゃぎゃぶひゅ)ぶははっ(にゃひゅ)はははははあっ(ぎゃにゃにゃぎゃ)♪」

 ふぉん♪

『>びゅぎゅぶひ、ぶははっはははははあっ♪』


「ぐっぶふふふふふふっひゃふひっつっひっひひひひっ――――♪」

 テーブルに(あたま)を打ちつけ――――(いき)も絶え絶えに突っぷす王女(おうじょ)

 ココにウチのパーティーメンバーが居なくて、(たす)かった。

 冗談(じょうだん)ではなく本当(ほんとう)に、笑い死に(・・・・)していたかも知れない。


おまえらは(みゃぎゃー)ソコに立ってろ(にゃぎゃみゃぁ)!」

 ふぉん♪

『>君らは、ソコに立っててよ』


「ぷうっぐひっ、くすくすくすくす、そ、それではかわいそうですわらぁーん♪」

そうはいっても(みゃにゃんやぁー)どうしようもねぇじゃ(ぎゃにゃぎゃみゃんや)?」


   §


 王女(おうじょ)の言うとおりにしたら、猫の魔物(シシガニャン)全員(ぜんいん)きちんと椅子(いす)(すわ)らせられた。

 やり(かた)簡単(かんたん)だったけど、すこし手間(てま)というか工夫(くふう)必要(ひつよう)だった。


 まずおにぎりが、椅子(いす)をひとつ出して(すわ)る。

 そのあと、(よこ)にもうひとつ椅子(いす)を出して、そっちへ(すわ)りなおす。

 手順(てじゅん)はコレだけだ。

 ただし、人数分椅子(にんずうぶんいす)(なら)んだ瞬間(しゅんかん)――

 車座(くるまざ)になった椅子(いす)を、さらにひとつズレる。


 ぽっきゅり――♪

 全員椅子(ぜんいんいす)(すわ)ることに成功(せいこう)した。

 この手順(てじゅん)大事(だいじ)なのは、椅子(いす)を出し入れできるのは――おにぎりだけという(ところ)だ。


 満足(まんぞく)げなおにぎりと、指図(さしず)使(つか)った杓子(しゃくし)をエイと(かか)げる杓子姫(しゃくしひめ)

 やっぱりこの王女(おうじょ)さまは、頓知(とんち)がそうとう(はたら)くぞ。

 眼鏡(ビードロ)(かお)に張りつけてるだけのことは、あるのかも知れねぇ。


「それにしても、その木の(いた)。とっても便利(べんり)ですらぁーん♪」

 ガタガタと椅子(いす)ごと寄ってきて、(くび)ごと(いた)を引っぱられた。


さすがは(みゃにゃぎゃ)ゴーレム姫(ぎゃみゃにゃ)変な所に食いつくな(みゃんにゃんぎゃにゃ)たしか(みゃん)ちゃんと(みゃにゃん)した名前は(みゃぎゃみゃ)――――」


 ふぉん♪

『>電子インク木製ボードだったかな?』


 おれやおにぎりの素性(すじょう)を明かすより(さき)に、木板(きいた)(つく)(かた)説明(せつめい)するはめになった。

五蘊皆空ごうんかいくう/五蘊=人を構成する物質的精神的な全ての要素(物体(しき)感覚(じゅ)表象(そう)意思(ぎょう)認識(しき))、そのすべてが(くう)である(実体がない)という教え。

無我無心むがむしん/純粋な心。私利私欲のないこと。

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