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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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295/744

295:ゴーレム製造工場にて、眼鏡姫VS解析指南(シガミー)

「ららぁーん!? ちょっと、そこのピンク(いろ)(ねこ)魔物(まもの)ん! (なに)をしているのかしらぁーん!?」


ばかやろーう(にゃみゃぎゃー)だまってみて(みゃんやーにゃ)やがれやぁー(やみゃぁー)♪」

 ぐふふふふっ――ぐへへへっへっ♪


 迅雷(ジンライ)なしだと、くわしい画面(がめん)は出ない。

 案内(ヒント)も、ひとつも出ねぇ。

 けど、(なに)をどうすりゃどーなるのかが、(あたま)(なか)でチカチカピカピカしてやがる。

 おにぎりの(はら)(なか)に詰まってる酢蛸(SDK)と、(おな)じような作り(・・)になってるはずで――

 へぇへぇ、ほぉほぉ、なるほどなぁ――

 (あたま)(なか)がどこまでも、研ぎ澄まされていく。


 作り(・・)簡単(かんたん)

 やられたらやり(かえ)すだけ。

 (げい)ですらない、見よう見まね。

 (おさな)(こころ)のあり(かた)に、(うま)(かたち)(うご)(かた)を――

 その全部(ぜんぶ)を――必要(ひつよう)(ぶん)だけ――

 何度(なんど)何度(なんど)線を引いて(・・・・・)重み(・・)を付けていく。


 (あたま)(つく)った(ひかり)(すじ)(たば)を。

 いまあるゴーレム(うま)(かたち)に、押し込める。


 要らぬ()動き(・・)を、そぎ落とし――

 (ちか)くにあった(かみ)に、書き留める。

 黒板(くろいた)一枚(いちまい)でも使(つか)えりゃ、こんな面倒(めんどう)なことはする必要(ひつよう)ねぇのに。

 もどかしいが、もうできてる。

 (なや)むところはねぇ。

 あたらしい図面(ずめん)がどこまでも、研ぎ澄まされていく。


できたぜっ(みゃにゃがぁ)♪」

 骨組(ほねぐ)みになる四つ(あし)(かたち)

 見た目に(かか)わる(ところ)だけ、引っ張り出して――かんがえる。

 そうだな……五百乃大角(いおのはら)御神体(からだ)みてぇな按配(あんばい)で――

 (まる)っこくて寸足(すんた)らずで、つぶらな(ひとみ)(きば)のない(くち)


 (うま)で言うなら……子馬(こうま)か。子馬(こうま)(つく)りゃ良いんだな。

 子供(こども)時分(じぶん)は、どんな豪傑(ごうけつ)だって――可愛(かわい)げがあるもんだ。

 その出来上(できあ)がりの寸法だけ(・・・・)――元服(げんぷく)(おお)きさにすりゃぁ良い。


 ふう。ここまで(かんが)えてようやく――

 (うま)見た目が(・・・・)、研ぎ澄まされていく。


 ただ(かたち)を変えただけじゃ、ダメらしくて――解析指南(かいせきしなん)何度(なんど)も、やり(なお)させられた。

 (しま)いには馬人形(うまにんぎょう)あり方(・・・)から(つく)りなおさなけりゃ、ならなくなっちまったが――ようやく目処(めど)が立った。

 (おも)ったより大変(たいへん)だったが、なんとかなりそうだ。


 研ぎ澄まされた、二号(おれ)視界(しかい)

 シガミーの(からだ)強化服二号(きょうかふくにごう)猫耳頭(へっど)

 ソレが透きとおり、まえを見ていても、うしろまで同時(どうじ)に見える。


 ひゅぉぉおぉぉっ――

 (むね)(あた)りを、(かぜ)が吹き抜けていく。


 その全天(ぜんてん)景色(けしき)に、あたらしい(もの)(くわ)わった。

 ひゅろろろろぉっ――――おれのうしろ(あたま)めがけて、なんかが飛んでくる。


 第一王女(だいいちおうじょ)自分(じぶん)(ふく)にくくりつけてた、(ぬの)出来(でき)(うま)人形(にんぎょう)

 その最後(さいご)一匹(いっぴき)がむしり取られ、(ほう)り投げられた。

 グワワワグワワワッと(もと)のおおきくて無骨(ぶこつ)で、可愛(かわい)げのない(かたち)に変わっていく。


 こりゃ、(おそ)ろしく性能(わり)(わり)ぃが――収納魔法(しゅうのうまほう)か?

 魔法具操作術(まほうぐそうさじゅつ)スキルが、馬人形(うまにんぎょう)(うま)のゴーレムに変わる(ことわり)を――(つた)えてきた。

 どうしても(ふく)にぶら下げたいなら、もっと(ちい)さくできる。


「こぉーらぁーん! ピーンークー(いろ)ぉーぉ!」

 うしろに居る杓子王女(しゃくしおんな)が、(さけ)んでる。

 その(うご)きが――手に取るようにわかる。

 死角(しかく)から手刀(しゅとう)を振りおろす一号(おにぎり)の――毛皮(けがわ)(なが)れすら、よーく見えている。


 これはおれが前世(ひのもと)(つちか)った――手習(てなら)いの剣術修行(けんじゅつしゅぎょう)(たまもの)ってだけじゃねぇぞ?


 まるで、迅雷(ジンライ)が言ってたアレだ。

 (めつ)太刀反応(たちはんのう)とか言うヤツ。

 飛ぶ(とり)を切れる、研ぎ澄まされた剣筋(けんすじ)

 いつのまにか、いつでもソレを打てるようになってる。


 (うま)(あたら)しい図面(ずめん)を引くのに、研ぎ澄まされた――明鏡止水(めいきょうしすい)(こころ)もち。

 ソレが――ヴッ――ぱしり♪

 小太刀(こだち)を取りださせ。


 シュカン――ガギンがしり、ゴゴォンかちゃかちゃ!

 (うしろ)を見ずに(うま)から。

 目をふたつと、しっぽを拝借(はいしゃく)する。


 ごとん、ことことり。

 図面(ずめん)(うえ)、置いた材料(ざいりょう)を見つめる。

 研ぎ澄まされる――解析指南(かいせきしなん)


 美の女神(めがみ)イオノファラーの下っ腹(・・・)

 あのふくよかさ。

 あの(にく)めない、たたずまいを。

 (うま)ゴーレムに――落とし込んだ。


 一番大変(いちばんたいへん)だったのは――飛び出た(とが)り目。

 伝説(でんせつ)職人(しょくにん)基礎光学(きそこうがく)と研ぎ師と超感覚(ちょうかんかく)で――つぶらな(ひとみ)へと(つく)りかえた。

 飛び出なくてもまえを見りゃ、うしろも同時(どうじ)見渡(みわた)せる(はず)だ。


 付け根にネジ切りが付いた目玉(ソレ)を見つめると――ヴォォンッ♪

『◎』(まる)(しるし)がみえた。

 解析指南(かいせきしなん)が――死角(しかく)がないことを、裏付(うらづ)ける。


どうでぇい(にゃみゃがぁ)? おそらくアンタが(みゃやがぁー)やりたかった(みゃぁぁん)馬の動きと(にゃん)かわいらしい形を(みゃぁーご)両立してやったぜ(ふにゃみゃぁん)!」

 会心(かいしん)出来(でき)だ――――っ!?


 ばしんっ――(いて)ぇ!

 おにぎりが、おれのうしろ(へっど)(たた)きやがった。

 ここでやり(かえ)すと、引いた図面(ずめん)(つく)った部品(ぶひん)駄目(だめ)にされかねぇえから――(あま)んじて受けた。


なにしやがるっ(にゃみゃにゃぁん)――おにぎり(みゃにゃご)!」

 けどやっぱり(はら)が立ったから、にらみ(かえ)してやったら。


 むうっぎゅぼぎゅぎゅむっ――♪

 おれが(なが)れる仕事(しごと)に割り込んだから――おにぎりのうしろが(・・・・)大混雑(だいこんざつ)を起こしてぎゅうぎゅう詰めになってた。


わるい(にゃん)すまん(にゃが)じゃ(みゃ)コレ組み立て(みゃんみゃにゃ)頼まぁ(ぎゃにゃぁ)――」

 組み立ての工程順(こうていじゅん)に、(あたら)しい部品(ぶひん)を置いて――おれは第一王女(だいいちおうじょ)(よこ)まで下がった。


 また(うま)人形(にんぎょう)を投げつけられるかと(おも)ったけど、本当(ほんとう)にさっきので最後(さいご)だったらしく。

 ものすごい(かお)(にら)み付けられるだけで、済んだ。


   §


「みゃにゃっ――♪」

 (あたら)しい(うま)ゴーレムが組みあがると――おにぎりが(うご)きをとめた。


 それは丸々(まるまる)(ふと)った子馬(こうま)だった。

 けれど、その(おお)きさは――いままでの(うま)と変わらぬ寸法(すんぽう)で。


 ようし、かわいいかわいい♪

 この出来(でき)なら、レイダに見せたら飛びつくぞ。


 第一王女(だいいちおうじょ)が――(くち)半開(はんびら)きにしたまま――新型馬(しんがたうま)に駆け寄った!

 (うま)胸元(むなもと)に手を当て――「超自然(ちょうしぜん)(ちから)よ、起動(きどう)チェック開始(かいし)()の地に棲まう同胞(はらから)に、エコノミーモードで自己診断結果(じこしんだんけっか)を告げたまぇーぇ」

 なんか五百乃大角(いおのはら)たちが使(つか)う、呪文(じゅもん)みたいなことを言ってる。

 やっぱり酢蛸(SDK)に似たことを、してるのはまちがいねぇ。


「ポポポーン、ピピピピッププンッ――ブッツン♪」

 その場で、足踏(あしぶ)みをはじめた(うま)が――(くず)れ落ちた。


ああっ(みゃにゃ)!? そんなはずはねぇ(ふぎゃにゃみゃぁ)!」

 迅雷(ジンライ)なしでも、おれのスキルはちゃんと使(つか)えただろーが!?


「ふぅー、(わたくし)としたことが。いくら器用(きよう)でも、(ねこ)魔物(まもの)はしょせん(ねこ)魔物(まもの)ですわらぁーん♪」

 (くず)れ落ちた(うま)を、ドガンと蹴り飛ばし――その場で(あたら)しい図面(ずめん)を引き(はじ)める第一王女(だいいちおうじょ)


 それでも、おれが引いた図面(ずめん)一部(いちぶ)が取り入れられていて。

 リカルルにも(つう)じる、無私無偏(むしむへん)

 (すじ)(とお)った公平(こうへい)さ……分け(へだ)てのなさを(かん)じた。

 なんせ、いまおれぁ――(ねこ)魔物(まもの)だからな。


 ガリガリガリ――図面(ずめん)を見ていたら。

 ふたたび(とが)り目が、(てん)()いた。

 おい、ソレ止めろ。

 ゴーレムの恐ろしさ(・・・・)八割方(はちわりがた)は、その目のせい(・・・・)だろうが。

 おれは――蹴飛(けと)ばされ、うち捨てられた新型馬(しんがたうま)から――つぶらな(ひとみ)(ひく)目玉(めだま)をキュリキュリキュリリッと(はず)した。


 ごとん――「悪いことは(みゃんやぁ)言わねぇから(みゃにゃがぁ)コレを使えやぁ(にゃんがみゃにゃ)!」

 まだ(ただ)しい(つな)(かた)が、わからねぇだけで――この部品自体(ぶひんじたい)は、ちゃんと出来(でき)てるはず。

 解析指南(かいせきしなん)スキルは、この世を(つく)ったヤツも(みと)めてる。


 眼鏡(びーどろ)(おく)、キッと吊り上がるまなじり。

 ぺちぃぃん――♪

 二号(おれ)(ひろ)(ねこ)(ひたい)を、力一杯(ちからいっぱい)ひっぱたかれた。

元服/成人した証。成体とみなされる期間を経たこと。

無私無偏/私的な利益を計らず、偏らずに公平なこと。

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