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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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287/744

287:ダンジョンクローラー(シガミー御一行様)、魔王城城壁内部へ侵入

「うっひょわおるぁ――――――――!?」

 二号(おれ)鼻先(はなさき)をかすめる――――ぽ――ぎゅぎゅきゅ――ん――♪

 十号(ねこもよう)(するど)い蹴り!


 うしろの連中(とくげきがた)はうごき(はじ)めるまで時間(じかん)が掛かるから、距離(あいだ)(はな)せば(あぶ)なくねぇだろう――

 そう(おも)ったのがマズかった。


   §


 ぽっきゅぽぽきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅん――――♪

 二号(こいつ)を着たおれの、全速力(ぜんそくりょく)


 とうぜん五号(ごごう)から十号(じゅうごう)は、その場に(のこ)された。

 あとは、ひたすらまっすぐ突きすすむ!

 大体(だいたい)方角(むき)地図(ちず)でわかるし、(おお)きく逸れたときは迅雷(ジンライ)緑色(みどりいろ)矢印(やじるし)をだして、知らせてくれる。


 地図(ちず)を見る。おれがいるのが真ん(なか)で、ずっと(おく)魔王城(もくてきち)

 そして、ずっと(うしろ)にシシガニャンたちを(あらわ)す、『五』から『十』の文字(もじ)


 かなり引き(はな)したぞ。

「(シガミー。前方(ぜんぽう)300メートル(さき)に、右急(みぎきゅう)カーブ())」

 (みち)曲がり(・・・)(きゅう)なら――(なが)れるままに(かべ)を蹴りあがる。

 ぽきゅきゅきゅ、トトトォォォォォン♪

 かべにまっすぐ立てば、目のまえは(さか)

 おれは上り坂(・・・)を、全速力(ぜんそくりょく)(はし)りつづける。


 ふぉん♪

『>現在時速214㎞』


「(お見事(みごと)です、シガミー。前方(ぜんぽう)400メートル(さき)左急(ひだりきゅう)カーブ)」

▼▼▼(ピピピッ♪)

 (みち)がねぇ!

 さすがに(はし)(みち)がなくちゃあ――強化服(シシガニャン)でも駆けようがねぇ!


 おれは両足(りょうあし)を、地面(じめん)に突きたてた!

 ぽっぎゅぽっぎゅ、どっごぉごごぉぉぉぉんっ!

 地は割れ、(いきお)いはまるで止まらない。


 左地面(・・・)から右天井(・・・)地割れ(おれ)が跳ぶ――――!

 ごずずぅん――――ごばがぁぁぁあぁぁぁっ――――――――んッ!

 右側の壁(じめん)へ突き刺さる二号(おれ)(あし)


 それでも止まらず、ひざ、(こし)(はら)――――カラダが地面(かべ)に沈んでいく。

 びきばぎ――――どごごごごばがががぁぁぁぁぁんっ!!!

 びきばぎ――――どごごごごばがががぁぁぁぁぁんっ!!!

 びきばぎ――――どごごごごばがががぁぁぁぁぁんっ!!!

 びきばぎ――――どごごごごばがががぁぁぁぁぁんっ!!!


 おれが踏んだ(かべ)だか(ゆか)だか天井(てんじょう)だかは――つぎつぎと(くだ)け散る。

 ごっばがぁぁぁぁんっ――――――――――!!!!


 なんか開けた場所(ばしょ)に出た。

 ぽぎゅごん、ごろろろぽきゅきゅぽん♪

 地面(じめん)をころがり、ようやく地に(あし)が付いたおれは、地図(ちず)を見た。


 いま居る場所(ばしょ)わぁ――――どこだぁ?


 ふぉん♪

『>すでに魔王城城壁内です』

 おれは一気(いっき)に、魔王城(まおうじょう)侵入(しんにゅう)した――らしい。


▼▼▼(ピピピッ)――――♪』

「(接触(せっしょく)までゼロ(びょう)背後(はいご)から来ます())」

 なんだとぉ――ふぁわっ――なんかが二号(おれ)のでけぇ(あたま)を、蹴りとばそうとしてる。

 ぎゃろん――すんでのところで、(からだ)を地に伏せた。

 ぽっぎゅぎゅんっ♪

 いきおい(あま)って、前転(ぜんて)――ん?

 受け身を取るとき視界(しかい)(すみ)に、〝目玉(めだま)〟を見たような?


▼▼▼(ピピピッ)――――♪』

「(接触(せっしょく)までゼロ(びょう)背後(はいご)から来ます())」

 ふぁわっ――悪寒(おかん)にも似た(いや)感触(かんしょく)に、毛が逆立(さかだ)つ。


 もういちど地に伏せると――――ぽっぎゅぎゅんっ――――ん?

 やっぱり視界(しかい)(すみ)に、〝(なが)れる(かぜ)〟や〝凍てつく(もおり)〟や〝燃えさかる火弾(かだん)〟を見つけたような?


 すっとんでったいやな気配(けはい)が――なんかソコラにあったモノを粉砕(ふんさい)し、土煙(つちけむり)を巻きあげた。


目玉(めだま)風氷火弾(かぜみずかだん)とくりゃ、つぎは人型(ひとがた)ぁ!」

 三匹目(つぎ)二号(コッチ)(あたま)を、(ねら)ってくるはず!


 ぎゃるん――――つぅおりゃぁ!

 (さかしま)魔王城(まおうじょう)城下町(じょうかまち)

 なんで自軍の兵(シシガニャン)に、(ねら)われる羽目(はめ)になってんのか。


 城壁(じょうへき)に空けた大穴(おおあな)から、飛び出してきたのは――

 予想(よそう)(はん)して――十号(じゅうごう)だった!


   §


「うっひょわおるぁ――――――――!?」

 二号(おれ)鼻先(はなさき)をかすめる――――ぽ――ぎゅぎゅきゅ――ん――♪

 十号(ねこもよう)(するど)い蹴り!


 うしろの連中(とくげきがた)はうごき(はじ)めるまで時間(じかん)が掛かるから、距離(あいだ)(はな)せば(あぶ)なくねぇだろう――

 そう(おも)ったのがマズかった。


「(おい、二匹(にひき)どっか行ったぞっ!!??)」

「(八号九号(はちごうきゅうごう)鍾乳石(しょうにゅうせき)(はば)まれオートクルーズが解除(かいじょ)されたか、もしくは(なん)らかの理由(りゆう)動力切(どうりょくぎ)れを起こした可能性(かのうせい)があります!)」』


「(道理(どうり)釘礼(くぎれ)ぇ!?)」

 ってなぁ、なんだぜ?

「(神力切(しんりょくぎ)れです)」

 神力(しんりょく)てのは迅雷(ジンライ)たちの(めし)……稲光(かみなり)のことだ。

 シシガニャン特撃型(とくげきがた)も、おなじ(めし)(うご)いてるのかっ!?


 ぽきゅぱしり――十号(じゅうごう)(あし)をつかんで、カラダの向きを入れ替えた。

 むぎゅぽこん――――(ねこ)模様(もよう)だらけの毛皮(けがわ)が、地に(よこ)たわる。

 手を(はな)す――――ぽぎゅごろろろろろぉぉぉぉぉぉっ!

 しまった、まだ(いきお)いが(のこ)ってやがった!


 ――――ぼっごがぁぁぁぁぁん♪

 ちかくにあった石柱(はしら)(くだ)かれ――ぽごにゃぁ♪

 ようやく止まった十号(じゅうごう)が、スタリと立ちあがった。


 ――カチリッ!

 その(あし)敷石(しきいし)を踏むと(てつ)(たま)やら、(やり)やら、岩石(がんせき)やら。

 四方八方(しほうはっぽう)から、降り(そそ)ぐ。


 ぐぼぎゅぼゅん――――そのすべてを(へっど)で受け。

 かるく(へこ)んでいた――シシガニャン・へっどが――ぼっぎゃんっ♪

 いっしゅんで(もと)(もど)る。


 ドッゴォォォォォンッ――!

 (てつ)(たま)を打ち(かえ)す――号砲(ごうほう)

 ドッシュガドッシュガドッシュガッ――!

 (やり)をはじき(かえ)す――風音(かざおと)

 バッガァンゴッガァァン――!

 (くだ)け散りバラ撒かれる――岩音(いわおと)


 大穴(おおあな)のあいた城壁(じょうへき)

 そして地面(じめん)に突き刺さる、()(ろく)(しち)のシシガニャン。

 (きわ)めつけは、(じゅう)が巻き起こした破壊(はかい)数々(かずかず)


 モノが(くず)れる(おと)が止んだ。

 土煙(つちけむり)が晴れると、巨大(きょだいな)(とびら)が目に(はい)った。

 ふぉん♪

『>魔王城城壁の外門のようです』

 やっぱりココはすでに、魔王城(まおうじょう)城下町(じょうかまち)(なか)だった。


「おい……コレだけ(あば)れても、(なに)も出てきやがらねぇぞ?」

 やっぱり、おかしいだろ。この(しろ)ぁ!

 (わな)こそ生きてたが、(もぬけ)(から)だぜ!


 ごごごごごごっっ――――ぽっぎゅぎゅごぉぉぉぉぉぉぉおぉんっ♪

 ん!? まるでシシガニャンが巨大(きょだい)岩壁(かべ)でも突き(やぶ)ったような――(おと)と揺れ。


▼▼▼(ピピピッ)――――♪』

「(接触(せっしょく)まで3(びょう)上空から(じょうくう)から来ます())」

 みりゃわかる。

 城壁(じょうへき)を飛びこえ――組んずほぐれつして――真っ(さか)さまに落ちてくるのは――(はち)(きゅう)だ。

 ちっ、どっかで引っかかりでもして、(みち)(それ)れたなっ!


 ヴッ――――じゃっりぃぃん♪

 せっかく特撃型(オマエら)まで引きつれておいて、コレじゃ――まるで物足(ものた)りん!


一瞬(いっしゅん)魔物(まもの)かと(おも)って、ぬか(よろこ)びしちまっただろぉぉぉぉぉがぁぁぁぁあっ――――――――――――!!!!!」

 (はら)いせとばかりに、団子(だんご)になった(はち)(きゅう)を――


「(シガミーのバイタルに、〝(めつ)太刀(たち)波形(はけい)検出(けんしゅつ)()

 ふぉん♪

『>【滅反応(仮)】を検出。動作半径に注意してください』


 ごぼっぎゅぎゅむんっ――くの字に折れ曲がる八九(だんご)――ぽっごぉぉぉぉぉぉっぉぉぉぉん♪

 力一杯(ちからいっぱい)錫杖(しゃくじょう)で――ひっぱたいてやった。


 ぽっぎゅりゅりゅりゅるるるるるるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ――――――――――――――――――――っどごぉんっ!

 (ねら)ったわけじゃなかったんだが……八と九(だんご)魔王城(まおうじょう)の、天守閣(てんしゅかく)のあたりに――


「(突き刺さりましたね)」

 アレ……ちゃんと(かえ)ってくるのか?


「いえ、あそこまで(はな)れてしまうと、一度背中(いちどせなか)にタッチしてオートクルーズをリセットしないといけません」

 くそう、面倒(めんどう)ごとを増やしちまったぜ!

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