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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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286/744

286:ダンジョンクローラー(シガミー御一行様)、魔王城へつづく道

(いきお)い込んだものの……おかしくね?――ニャン?」

 おもちを(はな)ってみたけど、まるで手応(てごた)えがない。

 カチッ――♪

 おれはおもちを、迷路(めいろ)の真ん(なか)で立ち止まらせる。


 ヴォォン♪

『□□□ □□□□□□□

 □□□  □□□□□□

 □□□□ □□□□□□

 □□□□ ①□□□□□

 □□□□□②□□□□□

 □□□□□  □□□□

 □□□□□□ □□□□』

 おれが(あやつ)るおもち『①』が、小さな地図(ちず)の真ん(なか)で止まった。


(おおかみ)どころか……スライムの一匹(いっぴき)すら出てきませんわよ?」

 (きつね)(みみ)がくるくるとまわり、あたりの物音(ものおと)(さぐ)る。

 高貴(こうき)(かお)怪訝(けげん)(いろ)が浮かぶ。


 おもちから(おと)は聞こえないが、(ひめ)さんの(みみ)がいないと言っているのだから間違(まちが)いない。


 ヴォォン♪

『□□□ □□□□□□□

 □□□  □□□□□□

 □□□□ □□□□□□

 □□□□ ①□□□□□

 □□□□□ □□□□□

 □□□□□  □□□□

 □□□□□□②□□□□』

 おもち『②』が(はな)れていく。


 おもちをあやつる火縄銃(ひなわじゅう)みたいな(ぼう)――〝もち(こん)〟をあやつり、引きかえ(かえ)させる(ひめ)さん。

 横穴(よこあな)からおもちが背中(せなか)を向けて、うしろ向きに(もど)ってきた。

 クスクス(わら)う〝シガミー御一行様(うちのれんちゅう)〟の(こえ)が聞こえる。


 あまりにも(てき)が居ないから、ちいさな横穴(よこあな)使(つか)い捨てシシガニャン〝おもち〟を突入(とつにゅう)させてみたんだが――


「ココは(てき)本丸(ほんまる)……央都(おうと)で言やぁ(しろ)大神殿(だいしんでん)をかこむ大壁(おおかべ)(ちか)くってこったろ――にゃん?」

 おかしくね?

 ガムラン(ちか)くのちいさな洞窟(どうくつ)にすら、そこそこの(かず)魔物(まもの)がいたぞ?


 カチカチッン――――♪

 おれもおもちを、引きもどした。


 ふすふすふすすすっ。

 たしかに(しり)を向けて、身をよじりながら(もど)ってくるおもちは――みてると吹き出しそうになる。


「くすくふふ……い、いぜんココを(とお)ったときには、それはそれは熾烈(しれつ)で……死を覚悟(かくご)したのは。このあたりでしたのに――」

「そうですわ、わたくしの(まばた)きが追いつかないほど、牙角羊(きばつのひつじ)がひしめいていましたわっ!」

 (まばた)きてのは、〝見たものを両断(りょうだん)する(おそ)ろしい(わざ)〟のことだ。

 いまは狐火(きつねび)が出せるようになったせいで、使(つか)えなくなっちまってるけど。

 〝奇抜(きばつ)(ひつじ)〟てのは――わからん。


「ゲール(くん)、なにかわかる?」

 〝派手(はで)なニャン〟に抱きかかえられ、あしをブラブラさせる子供(レイダ)

 特撃型四号(とくげきがたよんごう)操作(そうさ)は、五百乃大角(いおのはら)担当(たんとう)

「いや、ワレもココを(とお)るのは(ひさ)しぶりなので、(なに)もわからぬ」

 おなじく派手(はで)なニャンに揺られる、元魔王軍(もとまおうぐん)火山(かざん)エリアボス。

 三号(こっち)操作(そうさ)は、五百乃大角(いおのはら)担当(たんとう)


 神々(かみがみ)のなんとか言う、〝(いろ)んなことを同時にできる(・・・・・・)手腕(しゅわん)〟をもってすれば、造作(ぞうさ)もないらしい。

 ただ、生やしたしっぽがつながってるから……見た目がへんだけどな。


「あ、魔王軍(まおうぐん)のエリアボスがいるから、魔物(まもの)がでてこないのでは?」

 (ひめ)さんのかたわらに立つ護衛騎士(ごえいきし)、いつもの(くろ)甲冑(かっちゅう)


魔物同士(マモノドウシ)のつながりというのは存在(ソンザイ)せぬから、ソレはない。魔王(マオウ)命令(メイレイ)がなければ、それぞれ好き勝手(カッテ)(タタカ)ったり食べたり食べられたりして――増えるだけだ」

 殺生(せっしょう)のことだな。

 曲がりなりにも元坊主(もとぼうず)(いまし)めの言葉(ことば)(あたま)をよぎらんでもない。


「じゃあ、こうしていてもしょうがないですし、(おく)(すす)みましょうか」

 (しろ)悪魔(あくま)号令(ごうれい)で、一斉(いっせい)にすすんでいく。

 おもちを露払(つゆはら)いに使(つか)っても良いんだが――ゲールに(かか)えられた御神体(いおのはら)を見る。


「シガミー、いいかげん面倒(めんどう)だから、アンタが切り込みなさい――――ウケケケケケッ()

 ジリジリとすすむのに飽きたらしい、女神(めがみ)一声(ひとこえ)


大丈夫(だいじょうぶ)心強(こころづよ)味方(みかた)を付けてあげるから――――ウケケケケッ()

 大丈夫(だいじょうぶ)だったためしは――いままであったか?


 ふぉん♪

『>行動ログを横断検索した結果――二件もの該当がありました』

 じゃぁ……心配(しんぱい)ねぇぜ。

「――はイ、イオノファラーヲ(しン)じましょ()――」


   §


「じゃぁ、行くぞ。こいつら(・・・・)を引き連れるなら、(さき)にひろい場所(ばしょ)に出ねぇと身動(みうご)きできなくなる――ニャン♪」

 ぽきゅぽきゅ――――ぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅむ――むぎゅっ♪

 ためしにかるくグルリと、ひとまわり。


 ばたばたり、ぽぎゅむ♪

 手足(てあし)がからんでひっくり(かえ)る、シシガニャンども。


 五号(ごごう)から十号(じゅうごう)までの六匹(ろっぴき)

 せっかく(つく)ったシシガニャン特撃型(とくげきがた)

 コイツらは素材(そざい)が足りなくて、まだ着ることが出来ない(・・・・・・・・・)


 それでも、おれのあとを付いてこさせれば、頭数(あたまかず)だけは増やせるから――こんなことになった。


「せーのっ――ミャ♪」

 ぽきゅぽきゅぽきゅ――――ぽきゅとたたぁぁぁん♪

 よし、金剛力(パワーアシスト)におかしな(ところ)はない。


 画面(がめん)表示(ひょうじ)されてる、ちいさな地図(じず)

『蟹』――『五』『六』『七』『八』『九』『十』。

 おれのあとを、すこし(おく)れて――ちゃんと付いてきてる。

 よし、このまますっ飛びゃぁ、魔王城(まおうじょう)なんざ一瞬(いっしゅん)でたどり着く!


 曲がり(かど)反対側(はんたいがわ)(ねら)って、踏み込む。

 ぽっきゅぽむ♪

 (かべ)を蹴り――うねる通路(つうろ)(さき)へ飛びこむ。


 レイダやフッカが、心配(しんぱい)そうな(かお)をしてたから――ぽきゅ♪

 通路(つうろ)(はい)間際(まぎわ)に――元気(げんき)よく(うで)(たた)いてみせた。


 ぽきゅ、ぽきゅ、ぽきゅ、ぽきゅ、ぽきゅ、ぽきゅ――――♪

 あぁあぁ!? うるせぇ!

 いつまでもうしろの(ほう)で、うるせぇんでやんの!


「――特撃型(とくゲきがた)、⑤かラ⑥マで全六体(ぜんろくタい)正常(せいジょう)追従(ついジゅう)していマ()――」

 (わる)かったな、締まらなくてよ!

 格好(かっこう)なんか、付けるんじゃなかったぜ。


 気を取りなおして(さき)へすすむと、天井(てんじょう)から伸びるつららの(かず)が増えてきた。

 あまり(うえ)に飛ぶとぶち当たるし、角度(かくど)によっちゃ突き刺さる。


「――足下(あしモと)にモ、注意(ちゅウい)()――」

 わかってる!

 よーく伸びたつららの(した)には、(した)からも細岩(ほそいわ)が生えてて邪魔(じゃま)だった。


 ぽっぎゅっ――――どがぁぁぁん!

 ためしに一本(いっぽん)、蹴とばしてみたら――意外(いがい)(かた)くて、(はじ)きとばされた。

 ばぎばぎばぎばぎっ――――!!

 折ることは出来(できた)たけど、(べつ)のつららに突っこんじまった!


 (いた)くはねぇけど、あんまり振り(まわ)されるとまた、吐きかね――――ぽっぎゅ!

 目のまえの岩壁(いわかべ)(あたま)から突き刺さる――〝派手(はで)なニャン、目玉付き(ごごう)〟。


 ぎょろりっ――――うへぇ、全部(ぜんぶ)の目と、目が合っちまった。


 ぽぽきゅ――どがぁん!

 うん?

 ぽぽきゅ――どがぁん!

 ううん?

 ぽぽきゅ――どがぁん!

 うううん?


「おい、着弾(ちゃくち)がどんどんズレてくぞ?」

 五号(めだま)が目のまえ。

 六号(まほう)がその(おく)

 七号(ひとがた)が、さらに(おく)

 (かべ)に突き刺さる場所(ばしょ)が、(とお)のいていく。


 振りかえる。

 みれば、八号(しまもよう)一直線(いっちょくせん)に――(あたま)から――どがぁん!。

 そして九号(もじ)が、(なに)もない(ところ)蹴飛(けと)ばして――(あたま)から――どがぁん!


「まさか、蹴り飛ばすつららがねぇ(・・・・・・)(ぶん)だけ、ズレちまったのか?」

 あの空打(かわう)ちすると、向きが変わる(・・・・・・)蹴りは――

「(はい、わずかな距離(きょり)ですが積み(かさ)なると、六体総計(ろくたいそうけい)――7シガミーほどの距離差(きょりさ)が生じました)」


 やべぇ。

 そいつぁ、めんどうだぜ。

「けどこいつぁ、五百乃大角(いおのはら)手落(てお)ちじゃねぇんだろ?」


 ふぉん♪

『>はい。女神も万能ではありませんので。

  オートクルーズ性能の限界を、

  シガミーが越えたとも言えます』


「じゃぁ、(なに)(こわ)さなきゃ良いのか?」

 けど(いま)からおれぁ魔王城(しろ)を……ぶっ(こわ)しに行くわけで。


「(いいえ。(なに)かを(こわ)すときは、ズレを折り込むため0・25シガミー程度(ていど)、コンパクトに……(ちい)さく内側(うちがわ)(たお)れ込むようにしてください)」

 もっと……研ぎ澄ませ(・・・・・)ってことか?


 (ひめ)さんたちの視線()(とど)かなくなって、念話(ねんわ)遠慮(えんりょ)なく使(つか)えるようになったことだし――よぅし!


「カカッ――気合(きあ)いを入れるかぁ!」

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