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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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282/744

282:ダンジョンクローラー(シガミー御一行様)、川流れ8連星

「うわぁー! (おも)ってたよかぁ、百倍高(ひゃくばいたけ)ーぇ!」

 崖下(がけした)を見れば(いと)みたいな(ほそ)さの水面(すいめん)が、かすかに見えた。


「コレはさすがに、引き(かえ)しましょう」

 堅牢(けんろう)甲冑(かっちゅう)重厚(じゅうこう)(たて)大柄(おおがら)体躯(たいく)

 たしかにな。エクレア一人(ひとり)で7シガミーは有りそうだぜ。

 (しず)んだら浮かび上がるのは、至難(しなん)(わざ)だ。

 しかし……シシガニャン特撃型(とくげきがた)だったか――こいつらぁ。

 (ちから)が、ありやがるぜ。

 (なか)(なに)(はい)ってないんだろう?


 ふぉん♪

『>はい。実は特撃型が作成できたのには、秘密があります』

 秘密(ひみつ)だとぉ?


「だいじょうぶよーぅ。そのシシガニャンたちわぁ、使(つか)い捨てのおもちと(ちが)って、(しず)めようと(おも)ってもぉー、絶対(ぜったい)っにっ(しず)みませんからっ――――きゃっほーぉい♪」

 ぽきゅぽぽぉぉーん♪

 (がけ)から飛び出す三号(さんごう)幹竹割(からたけわ)りの一番派手(いちばんはで)なヤツ。


「ウムゥ――――――――――――っ!」

 道連(みちづ)れの元火龍(ゲール)


 ひゅるるるるるうるるるるっ――――!

 落ちた。

 いつまでも水音(みずおと)もせず、(みず)しぶきもない。

 どれだけ(たけ)ぇんだよ。でけぇ(あたま)米粒(こめつぶ)みてぇに、(ちい)さく見えてる。


馬鹿(ばか)野郎(やろう)っ! 迅雷(ジンライ)(さき)を行く(ふく)付き従う仕組み(・・・・・・・)を、(いま)すぐ切れっ!」

 言うがはやいか、見えない(なわ)(しば)られているかのように――


 ぽきゅきゅきゅーん、ぽぽきゅぽーぉん――♪

「うっきゃぁぁぁあぁああぁぁっ――!」

「ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ――!」

 リカルルにレイダ。


 ふぉん♪

『>管理者権限により、セッティング変更出来ませんでした』

 わからんぞぉ!

 ふぉん♪

『>イオノファラーにより、錠前を掛けられました』

 あのぉ惡神(わるがみ)めぇっ――――!!!


 ぽぽきゅぽーん、きゅぽむぽーん――♪

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ――!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ――!」

 リオレイニアにエクレア。


 つぎつぎと断崖(だんがい)を、落ちていく。

「ああぁぁ、本当(ほんとう)大丈夫(だいじょうぶ)なんだろーなっぁ!?」

「イオノファラーノ見立(みタ)テに、間違(まチが)いはなイと(オも)わレま()

 けどこりゃ、さっき見た〝(そら)(うえ)の目が見た画面(がめん)〟ほどの(たか)さがあるぞ!?

 おれぁ、とんでもねぇ(たか)さにだって耐えられる二号(こいつ)を着てるってのぉに――(こえ)ぇ。


 ぽっむきゅぽむん――!

「うっっぎぃやぁぁぁぁぁぁぁあぁっ!」

 さいごにニゲル。

 すまねぇ、成仏(じょうぶつ)してくれ。


「し、しししっし、心配(しんぱい)ねぇ……はずだ」

 一号(おにぎり)神域惑星(しんいきわくせい)(かわ)に飛びこんでも、ぼぎゅぼぎゅ言って、まるで(しず)みゃぁしなかった。

 どぼぉん――――。

 水音(みずおと)が、聞こえた気がする。

 やべぇ、(なが)れに乗られたら(はな)されちまう。

 一人(ひとり)だけはぐれたら、どうにもならねぇ!


無念無想(むねんむそう)――!」

 ――ぽっきゅぽこぉぉんっ♪

 おれは決死(けっし)覚悟(かくご)で、あとを追った!

 落ちる落ちる落ちる――――!!!!!!


 二号(にごう)(あたま)(うら)(かお)に張りつく画面(がめん)が――血の(いろ)をほとばしらせた。

 びびびびっびっ――――♪

▼▼▼(あぶねぇ)』――のはわかってる。

 『(こいつ)』を切れ、うるせぇ!


 フッ――ちいさい『(あぶない)』がひとつ、(ひか)るだけになった。

 ふぉん♪

『>地表まで3秒』


 (した)がみえてきた。

 あたりは日陰(ひかげ)になってるモノの、それなりに(あか)るかった。

 川幅(かわはば)はとても(ひろ)くて、(なが)れもそこまで(はげ)しくなさそうだ。


▲▲▲(ピピピッ)――――♪』

 だから(あぶ)ねぇのはわかって――!


「(いえコレは(べつ)です。接触(せっしょく)まで一秒(いちびょう)直下(ちょっか)から来ます())」

 念話(ねんわ)使(つか)うほどの速度(そくど)

 ぼぉぎゅぎゅぽぽぉぉぉぉぉぉぉぉぉんむ――――!


 なんか(した)からあがってきたぞ――まさか!?

 あの緋色(ひいろ)桔梗色(ききょういろ)


「――きゃははははっ――――何コレぇーたのっしぃー()――」

 派手(はで)なニャン・幹竹割り(さんごう)

 (いろ)が見えたときには――もう目の(まえ)


「(てめぇ、(なに)やってやがんだっ! ぶつかんだろーが!)」

 よし悪神(わる)を、退治(たいじ)すんぞ。

 おれは錫杖(しゃくじょう)(ひね)りこみ――真下(ました)へ打――ち――(はな)――ぁ――ぁ――ぁ――ぁ――っ――――!


「(シガミー、ゲールも一緒(いっしょ)です())」

 そうだったぜ……目ぇまわしてやがる。

 こうなっちまうと、火龍(かりゅう)もなにもねぇ。


 いや、おれたちだって――

 さっき迅雷(ジンライ)念話(ねんわ)使(つか)ってなかったら――

 (あぶ)ねぇ(ところ)だった。


「((わる)いんだけどさぁー、そのままコッチをさぁー、両足(りょうあし)蹴りとばして(・・・・・・)くれなぁいぃー?)」

 迅雷(ジンライ)――五百乃大角(あんにゃろぅ)は、なに言ってやがる?


 ゲールにしっかりと(かか)えられた、御神体(いおのはら)の目が(ひか)る。

「(シシガニャンは、水中(すいちゅう)(はい)ると反発(はんぱつ)しま())」

 おう、するな。

 それでいまコッチに、ぶつかりそうになってるってこったろぉ?


 ぽ――きゅ――ん――♪

 三号(いおのはら)両足(りょうあし)(ひろ)げて、(なに)もない空中(ちゅう)を蹴飛ばした。

 (はず)みで――ぐるぅぅん――(さかしま)になった三号(さんごう)(あし)(うら)


 それは、いつだか……(ひめ)さんとやりあったときに(あらわ)れた。

 点線(てんせん)(えが)かれた(ひかり)縁取り(かたち)……に似てるか?


 ふぉふぉん♪

『<タッチダウン>』

 わからん。

「(三号(さんごう)(あし)(うら)を、おもいきり踏みつけて(・・・・・)ください())」」

 よし、ぶつかるよかマシだ。


「(でぇぇぇぇいぃぃぃぃぃりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ――――!)」

 おれは(さけ)びつつ――三号(さんごう)(あし)をあわせる。


 ぼぉぉぉおぉっ――――ぎゅぅぅぅぅぅうっ――――むぅぅぅぅぅぅぅんっ――――!!!!!!!!!!


「(死にさらせぇぇぇぇーっ!)」

「(ちょっと、きこえてるわよっ――)」

 二号(おれ)に踏まれた三号(ヤツ)が――ひゅるるると落ちていく。


「――リオレーニアちゃぁーん! あたくしさまにもぉー重力軽減の魔法(・・・・・・・)ぉー、かけぇてぇー()――」


 ふぉん♪

『ヒント>重力軽減/からだが軽くなり、落ちる速度が遅くなる』


 ヴュゥゥン♪

 画面(がめん)(なか)大写(おおうつ)しになった川面(かわも)


 派手(はで)なニャン・風氷火弾(ろくごう)

 波打(なみう)水面(すいめん)(よこ)たわるソイツに――立つ(・・)給仕服(リオ)

 (ちい)さいのと(なが)いのの二本(にほん)魔法杖(つえ)を、うまいこと振りまわしてる。


 なるほど――(ほか)連中(れんちゅう)はあれで、やんわりと降りられたんだな?


「(地表(ちひょう)まで9(びょう))」

 おかげでコッチは(がけ)よりも(たか)く、飛ばされちまったぜ。

 (かわ)(さき)には、(おり)が見えた。

 真ん(なか)が高くなってるから、まるごと(おお)きな木に見えなくもない。


 (はじ)き飛ばされた(いきお)いが――おわる。

 ひゅぉぉぉぉぉっ――――(かぜ)に吹かれた。


 アレだけ(こわ)かった(たか)さだが、いつのまにか慣れちまった。

 もう怖くねぇ。


 えっと、(かわ)反対側(はんたいがわ)はどーなってんだ?

 さっき五百乃大角(いおのはら)がやってたみてぇに――


 ――(あし)(ひら)いて、(なに)もない空中(ちゅう)を蹴り飛ばす。

 ぐるぅん――(なな)めになっちまったが、(からだ)の向きを変えられた。

 ソッチには魔王城(まおうじょう)につづく――剣山(けんざん)のように(つら)なる山々(やまやま)がそびえている。

 あっちの道順(ルート)(すす)まないで済んだのだけは、良かったぜ。

 こうギッザギザしてて、(あし)(すべ)らせたら(からだ)刺さりそうだ(・・・・・・)


▲▲▲(ピピピッ)――――♪』

 なんだどうした、また五百乃大角(いおのはら)か?

 リオが魔法(まほう)をかけ(そこ)ね――――!?


「(接触(せっしょく)までゼロ(びょう)直下(ちょっか)から来ます())」

 ぼぉぎゅぎゅぽぽぉぉぉぉぉぉぉぉぉんむ――――ドゴガッン!

 (いた)くわねぇーけど、咄嗟(とっさ)のことで(あたま)を揺らされた。


 まともにぶち当たったからか――そいつは跳ねずに、まだソコにいる。


「ひ、ひどぃよぉぉぅ、リオレイニアさぁん。なんでぇ、(ぼく)にだけ、魔法掛(まほうか)けてくれないのぉさぁー!?」

 派手(はで)なニャン・共用語(きゅうごう)


 ひゅるるるるうるるるっ――――んぁ?

▼▼▼(ピピピッ)――――♪』

「(接触(せっしょく)までゼロ(びょう)直上(ちょくじょう)から来ます())」

 ぽぎゅごっつん――――いい加減(かげん)にしろっってんだ、つぎからつぎへと!


 (とど)めは派手(はで)なニャン・猫の模様(じゅうごう)

 あっ――おれにくっつけたヤツかっ!?


「ふぎゃ――!」

 ガクリ――あーあー、ニゲルが白目(しろめ)むいちまった。


 落ちていくおれたち。

「(ニゲルのバイタルに異常有(いじょうあ)りません。スグに気づくと(おも)われます)」

 ならよかったぜ。

「(けどダメだな。五百乃大角(いおのはら)にはキツく言い聞かせとかねぇと――蘇生薬(エリクサー)じゃ足りねぇことになりかね――ん?)」


 ふぉふぉん♪

(ゲール)』『(リカルル)』『(レイダ)』『(リオ)』『(エクレア)』『(フッカ)


 画面(がめんの)地図(ちず)(なか)

 水面(した)へ落ちた連中(れんちゅう)(かわ)(なが)れにそって、(うご)きだした。

 なぜか――――魔王城(まおうじょう)の有る山岳地帯(さんがくちたい)へ向かって。


「やい五百乃大角(いおのはら)ぁっ――コレッ、川の向きが逆じゃね(・・・・・・・・・)っ!?」

 やりやがった。


「「ふわふわうかべかるくなれ、ふわふわうかべかるくな……るかも――――!」」

 どぱーん、どぽーん!

「ぬゃへっ!? ごぼがば、ここドコ――!?」

 こんどはニゲルにも、ちゃんと魔法(まほう)を掛けてもらえた。


 ふぉん♪

『イオノ>ごめんごめん、高低差レイヤーを忘れてた』

 ヴォヴォン!

 Bルート(かわながれ)地図(ちず)にかさなる薄影(かげ)

「――(アか)ルい(とこロ)(たカ)ク、(クら)(トころ)(ヒく)場所(バしょ)()――」

 やりやがった!


「また(ざつ)仕事(しごと)おぉー、しやがったなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 おれたちは、目的地(もくてきち)からどんどんと(はな)れていく。

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