表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

281/744

281:ダンジョンクローラー(シガミー御一行様)、ご神木参拝ルートけってい

「このダンジョンに半身(・・)を置いていっても……平気(へいき)なのかしら?」

 目の絵が(・・・・)たくさん描かれた、かなり気持ち悪い特撃型(とくげきがた)強化服(ししがにゃん)に身を揺られているのは――

 伯爵令嬢(はくりゃくれいじょう)にして、魔物境界線(まものきょうかいせん)立役者(たてやくしゃ)

 (われ)らがリカルル・リ・コントゥルは、とてもくつろいでいた。


平気(ヘイキ)だ。半身(ハンシン)ならスデに魔王(マオウ)居城(キョジョウ)一体(イッタイ)、埋めてある」

 (そと)にでたゲール少年(しょうねん)が、(あた)しく空けたダンジョン入り(ぐち)を閉じる。

「へー、じゃぁさ。その一匹(いっぴき)が埋められてなかったら――」

 レイダは本当(ほんとう)余計(よけい)なことにばかり……良ーく気がつくな。


 ふぉん♪

『>血筋を感じますね』

 彼女(かのじょ)父親(ちちおや)は、ガムラン町冒険者(ちょうぼうけんしゃ)ギルド(ちょう)にして希代(きだい)の変わり(もの)……アーティファクト愛好家(あいこうか)だ。


「――ミノタウに(なや)まされることもなくて、おれたちじゃ太刀打(たちうち)ちできなかったかも――にゃぁ♪――」

 おれは(ひさ)しぶりに、二号(にごう)を着た。

 (くび)のうしろに迅雷(ジンライ)を刺しこんであるから、強化服(シシガニャン)機能(ちから)全部使(ぜんぶつか)える。


 着られるシシガニャンは一匹(いっぴき)だけ。

 レイダとゲールの両方(りょうほう)を入れられないなら――「シガミーが着て、(まも)ってあげてねん()」。

 女神(めがみ)一言(ひとこと)で悩みごとが解決(かいけつ)するのは、(ちょう)(たす)かる。

 コレだけ好き放題(ほうだい)してても、信頼(しんらい)(うしな)わないのは……御神体(ごしんたい)丸っこさ(・・・・)のおかげかも知れん。


 仏像(ぶつぞう)出来(でき)ひとつで、檀徒(だんと)(かず)は変わるからな。

 あと、食い(もん)(かん)する要らないもめごと(・・・・・・・・)さえ起こさなけりゃ――

 じつに優秀(ゆうしゅう)ってのも(おお)きいかも。


 〝もめ(ごと)を起こされないよう、(いそ)いで仙果(せんか)を手に入れる〟。

 全員(ぜんいん)(かんが)えはスグにまとまった。


「じゃぁ、コレを見てちょうだぁい♪ ゲール(くん)に聞いた大体(だいたい)方角(ほうがく)から、ある程度(ていど)予測(よそく)を立ててみましたぁ()

 予測(よそく)だぁ?

 攻略本(とらのまき)には、載ってねぇのか?

 いくら神々(かみがみ)知恵(ちえ)(なん)なくあやつり、御利益満載(ごりやくまんさい)のお(おま)さまでも――

 ここは万全(ばんぜん)を期してだな。


 ふぉん♪

『イオノ>これ見て。惑星ヒースの静止画像よ』

 わからん――にゃっ!?


 あらわれた窓枠(まどわく)には……地図(ちず)じゃなくて――(とお)くを(ちか)くにする遠目(とおめ)(じゅつ)

 ググググっと、どこまでも(おお)きくなる(もり)

 そのなかの、ひときわ(おお)きな(しげ)り。


 草地(くさち)中央(ちゅうおう)に生えた、巨大(きょだい)な樹。

「――みんなにコレを説明(せつめい)するとぉ、この世界(せかい)のなり立ちからぁ説明(せつめい)する羽目(はめ)になるからぁー、絵に描いた地図(ちず)だけ見てもらうわよっ。シガミーも、この画像(がぞう)のことわぁ(だま)っておくよう()――」

 言えるか。(そら)(うえ)には目玉(めだま)が有って、(いま)もおれたちを見てるなんて。


 ふぉふぉん♪

『仙果到達ルートA』

 つぎに画面(がめん)(あらわ)れたのは――(おおき)きな木の絵。

 それが(ちい)さくなっていくと――左下(ひだりした)火山(かざん)

 右下(みぎした)に――城壁(じょうへき)(かこ)まれたガムラン(ちょう)(あらわ)れた。


「――こっちが今居(いまい)(ところ)で……こっちがガムラン(ちょう)か――にゃ?――」

 (えい)という道筋(みちすじ)火山(かざん)から伸びていき、(もり)(なか)をぐねぐねと(すす)んでたどり着く。

「――これだと時間(じかん)が、掛かりそうだが――にゃん?――」


「そうですね、(いそ)がないと奥方(おくがた)さまに「壊る(・・)」されてしまいますし」

 (こえ)のした(ほう)を見れば、給仕服(メイド)が……(なんて)ていやぁ良いのか。

 (くび)から(こし)までが――(なが)れる(かぜ)のよう。

 (こし)から(あし)までは――凍てつく(もおり)のよう。

 (きわ)めつけが(あたま)で――燃えさかる火弾(かだん)のよう。


 気持(きも)(わる)くはないが……やたらめったら魔法(まほう)(はな)ってきそうで、あまり近寄(ちかよ)りたくない。

 そんな(がら)の〝派手(はで)なニャン〟に、(かか)えられる大人(おとな)

 そんなのが五匹(ごひき)

 それの子供(こども)(かか)えた(ばん)、レイダとゲールの二匹(にひき)

 それにおれが着た二号(にごう)が、一匹(いっぴき)


 そのうえ(あま)った特撃型(とくげきがた)十号(じゅうごう)は、二号(おれ)に勝手に付いてくるようにしてあるから。

 (ねこ)魔物(まもの)の、結構(けっこう)大所帯(おおじょたい)になった。


 ぽきゅむ♪

 二号(おれ)のあとを付けてくる十号(じゅうごう)は、(ねこ)の……ちいせぇ生き(もの)(ほう)(ねこ)(がら)(えが)かれてて、とても(たたか)(ふく)には見えなかった。

 いや(がら)はどうでも良い。


 とにかく(あま)ったヤツは――

 指輪(ゆびわ)仕舞(しま)った火縄棒(もちコン)で、兵隊代(へいたいが)わりにも使(つか)える。

 しかも濡れず、燃えず、(やぶ)けない。

 この布陣(ふじん)なら、見た目は(わり)ぃが――ガムラン(ちょう)まるごと相手(あいて)にしても負ける気はしない。

 もちろん本気(ほんき)妖狐(ようこ)ルリーロが出てきたら――どーなるかわからんけどな。


 ふぉふぉん♪

『仙果到達ルートB』

 めくるようにして、画面(がめん)(あらわ)れたのは――また(おお)きな木の絵。


 火山(かざん)から伸びる矢印(やじるし)は、スグに水色(みずいろ)太線(ふとせん)に突きあたった。

「――こりゃ……(かわ)か――にゃっ?――」

 矢印(やじるし)太線(かわ)(なが)れるように(すす)み、一瞬(いっしゅん)でたどり着く。


「わ、スグに付いちゃったよ?」

「ウム、コレは(はや)いな」

「これなら、そこまで日程(にってい)影響(えいきょう)しませんね」

「そうですね」「ええ、コレなら」

「じゃぁー、決定(けってい)! ルートBの川流(かわなが)れ8連星(れんせい)コースで♪」


「ちょっとお待ちください、イオノファラーさま」

「なによ、お(ひめ)ちゃん。あたくしさまが決めたルートに(なん)か、ご不満(ふまん)でもおありですか? そーですか、聞きましょう()


「まだ最後(さいご)のルートが、(のこ)っていますが?」

 画面(がめん)(かさ)なっていて、たしかにもう一枚残(いちまのこ)ってた。

「えぇー、じゃぁ一応見(いちおうみ)ておく?」

 ちなみに、この地図(ちず)画面(がめん)改良型(かいりょうがた)耳栓(みみせん)(とお)して、みんなの目尻(めじり)から(うつ)しだされ、(おな)じモノが見えている。


 ふぉふぉん♪

『仙果到達ルートC』

 最後(さいご)(あらわ)れたのも――もちろん(おお)きな木の絵。


 火山(かざん)から伸びる矢印(やじるし)は、魔王城(まおうじょう)がある方角(ほうがく)目指(めざ)し、(けわ)しい山岳地帯(さんがくちたい)を越え――魔王城(まおうじょう)へ消えた。


「――こりゃ、(こわ)れてんじゃねぇーか? 消えちまったぜ――にゃっ?――」

 しばらく見ていたら、矢印(やじるし)目的地(もくてきち)たどり着いた(ピコポーン♪)

「――魔王城(まおうじょう)からどーして仙木(せんぼく)じゃねぇ……神木(しんぼく)に跳んだんでぇい――にゃぁ?――」

「――わかりマせん。こノ魔王城(まおうジょう)かラ目的地(もくてキち)マでを(ツな)点線(・・)(かん)スる情報(じょうホう)欠如(けつジょ)していマ()――」


「――おい、五百乃大角(いおのはら)。どーなってる――にゃ?――」

「えっとねぇー? ぱらぱら、ぺらり()

 結局(けっきょく)攻略本(とらのまき)だのみじゃねーか。


 ふぉん♪

『イオノ>静止衛星情報APIのバージョンが更新されてるから、

     たぶん、初版の攻略本に乗ってないパラメータがあって、

     それが抜けて点線になってると思われ』


結局(けっきょく)どういうコトですの、このCルートは?」

 ぽきゅぽきゅ――(ひめ)さんが寄ってきた。

 火縄棒(もちコン)だと銃身(じゅうしん)(なが)いから(かか)えられてる(あいだ)は、とても〝派手なニャン〟を狙えない。

 (まえ)をいく派手(はで)なニャンに付いていくか、ソレを(はず)れるときには〝人差(ひとさ)(ゆび)〟で〝行きたい方向(ほうこう)〟を(ゆび)さす必要(ひつよう)がある。


「(なんでも器用(きよう)にこなすなー。おれだってまだ〝派手なの(アレ)〟の(うご)かし(かた)には、慣れてねぇのに)」


 ぽきゅぽきゅぽきゅ――――ぱちくり♪

 (ある)いてきたシシガニャンに、(えが)かれた目が――まばたきをした!


「「「うぉぅうぅうわっ!!!」」――にゃっ!?」

 たまたま、それを見ていた、ニゲル、エクレア、おれの三人(さんにん)

 あまりの衝撃(しょうげき)に、三匹(さんびき)とも()けた。


「なんですか、いい大人(おとな)(そろ)いも(そろ)って取り(みだ)したりして!」

 おれは大人(おとな)じゃねぇから――リオに(おこ)られずに済んだ。

 たしかにあの目は絵で、中身(なか)(から)っぽだ。

 本当(ほんとう)に目が付いてるワケじゃない――けど。


「どーしたの、シガミー?」

 (なみ)(えが)かれたヤツに乗って、子供(こども)まで器用(きよう)に寄ってきた。

「――いや、(ひめ)さんを乗せた(ヤツ)の目がまばたき(・・・・)をしたもんでな、どえらい(おどろ)いちまっただけでぇい――っみゃ♪」


「そんなこと言ったら、シガミーのうしろにくっ付いてるのだって、まばたきしてるよ?」

 は? (ねこ)の絵が(えが)かれてるけど、目は付いてないだろ?


 ぽきゅぽきゅと(ある)いて、対面(たいめん)するシシガニャン二号(にごう)十号(じゅうごう)

 目の(まえ)に、(ねこ)(そういや来世(らいせ)では、一匹(いっぴき)も見たことがない)の(からだ)何匹(なんびき)(えが)かれたヤツが立っている。


 みてたら――ギロリ、ギロリ、ギロギロギリ!

 一瞬見開(いっしゅんみひら)かれたのは、(かげ)のような(ねこ)縁取(ふちどり)りの(なか)

 まるで真っ(くろ)(ねこ)が、閉じていた目を開けたようで。


「ひゃぁぁぁぁぁぁあぁっ――――にゃっ!?」

 こう、なんていうか。

 ひとつの(からだ)に目がふたつ以上付(いじょうつ)いてると、なかなか慣れるもんじゃねぇ。


「な、なんですのっ!? そんなに(おどろ)くことは、ないじゃありませんのっ!」

「いえ、リカルルさまのではなく、シガミーのシシガニャンにも、(ちい)さな目がたくさん付いていたもので、それにシガミーが(おどろ)――」


「ソレを言ったら、この波模様(なみもよう)も――波打(なみう)っていますよ」

「えーっと、火を吐く……(おおかみ)……じゃなくて……あれ? 文字(もじ)が変わってる!?」

 おい、この(がら)(なん)意味(いみ)があるんだ!?

 気色悪(きしょくわる)くていけねぇやぁ!


 ふぉん♪

『イオノ>うるさいですわよ男性陣。

     ソレはありがたい魔術的迷彩なんだから、

     勝手に塗り替えたらダメだからね』

 わからん。

 (そと)の日の(ひかり)で見ると、ことさら気色悪(きしょくわる)い!


「やれやれ、なんだかぁ(はな)がぁ(すす)まないからぁ、ここわぁーBルートで♪」

 五百乃大角(いおのはら)勝手(かって)に、二枚目(かわながれ)地図(ちず)をえらんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ