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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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268/744

268:ダンジョンクローラー(シガミー御一行様)、VS火龍

 リオレイニアの高等魔術(こうとうまじゅつ)により、ゆっくりと落ちていく、おれたち御一行様(ごいっこうさま)

 おれだけなら飛ぶことも出来(でき)るが、ひとりだけ浮いててもしょうがねぇ。

 このまま落ちて――(たお)す。


 火龍(かりゅう)とやらは、たしかに(おお)きな蜥蜴(とかげ)だった。

「ミノタウと(くら)べると、かなり愛嬌(あいきょう)が有りやがるぜ」

 その(うご)きは落ちついたもので、じっとコッチを見上(みあ)げている。


「うふふふふふうっ――――だいぶ手こずらせてくださいましたぁけれぇどぉーもぉー、やぁぁっとぉー見つけましてぇよぉーう?」

 (けん)を抜く戦闘狂(リカルル)(こえ)(はず)んでやがる。


「ちょっとまて(ひめ)さん!」

 ブワッサバササササッ!

 (かく)(みの)を羽ばたかせ、ご令嬢(れいじょう)(ちか)づく。


心配要(しんぱいい)りませんわぁ――――相手(あいて)にとって不足(ふそく)はござぁいぃまぁせぇーんーものぉぉぉぉぉぉぉっぉっ♪」

 身を(ちぢ)我先(われさき)にと、落ちていこうとする冒険者筆頭(ぼうけんしゃひっとう)


 ええい、バササササァー――――がしり。

 甲冑(かっちゅう)肩当(かたあ)てから突き出た取っ手(?)を、あわててひっつかんだ。

 なるほど、この取っ手(?)はこうやって使(つか)うのか。

 だれの手による防具(ぼうぐ)か知らねぇが、おそらく名工(めいこう)とうたわれる(もの)作品(さくひん)なのだろう。

 コントゥル家の家宝(かほう)にしちゃぁ、(じつ)に気が利いてる。


「まてまて、おめぇさまは(いま)ぶった切りが(・・・・・・)つかえねぇ(・・・・・)んだろが!!」

 コッチを向いた狐面(きつねめん)(くち)

 そこへ手甲(てっこう)を当てる、狐耳(きつねみみ)(むすめ)

 本気(ほんき)でおどろいてやがる。

 さすがは妖狐(ようこ)(むすめ)か。獲物(えもの)を見つけて(あたま)に血がのぼって、すっかりわすれてたな。


「しゃぁねぇなぁー、ここはおれが行くかぁ!? リオが魔法(まほう)をぶっ(ぱな)してくれても良いけどなっ!」

「そ、そうですわね。(わたし)使(つか)えるのは、この(なに)も燃やせない(あお)っちょろい灯火(ともしび)だけ……ですものね」

姫さま(みゃにゃ)元気だしてぇー(にゃみゃがぁー)?」

 落ち込む伯爵令嬢(ひめさま)を気づかう、(ねこ)魔物(まもの)

 猫共用語(ねこきょうようご)翻訳(やく)されても、ずっと(たい)したことは言ってない。


 ふぉふぉふぉふぉふぉぉぉぉおぉぉん♪

『<▼>』

 ピピピピピビッ――(ふたた)びの、けたたましい三角印(さんかくじるし)

 これは(てき)火弾(たま)とかが飛んできたときの――警告だ(きをつけろ)


「エクレア、(たて)を――――!」

 元給仕長(リオレイニア)給仕服(きゅうじふく)(すそ)が、ブワッサブワッサと(ひど)くまくれてる。

 この世界(せかい)じゃ腰巻(こしまき)はつけずに、伸び(ちぢ)(うす)っぺらい(ふんどし)をはいたきりだ。

 (かま)ってる場合(ばあい)じゃねぇが、目のやり場に(こま)る。

リオレイニアさん(みゃにゃがー)見えちゃってるよ(にゃみゃがぁーやにゃ)♡」

 (レイダ)もこう言ってる。


「どうぞ、乗ってください!」

 (くろ)騎士(きし)が、手にした大盾(おおたて)真下(ました)に向かって(かま)えた!

 大盾(おおたて)に降り立った生活魔法(せいかつまほう)のいや……高等魔術(こうとうまじゅつ)をも使(つか)いこなす達人(たつじん)が。


「ひかりのたてよ、ひかりのたてよ、ひかりのたてよ、ひかりのたてよ!」

『<MAGIC・SHIELD>――ピッ♪』

『<MAGIC・SHIELD>――ピッ♪』

『<MAGIC・SHIELD>――ピッ♪』

『<MAGIC・SHIELD>――ピッ♪』

 (ひか)文様(もんよう)が、エクレアの大盾(おおたて)にあらわれた。

 その四枚(よんまい)曼荼羅(まんだら)は、大盾(おおたて)(はじ)かれ真下(ました)へ落ちていく。


「うをわぁっ――――!?」

 曼荼羅(もんよう)(さき)に落ちていた、おれたちを素通りし(・・・・)――――

 ヴァチヴァチヴァチヴァチィ――――――――ッ!


 (した)を見る。

 ヴォッゴゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ――――!

 そこには灼熱(しゃくねつ)の吹き上がり。

 火吐(ひはき)(おおかみ)みてぇに、火吐(ひはき)(りゅう)がはいた火弾(かだん)か!?

 と(おも)ったけどそれは――急激(きゅうげき)(いきお)いが(よわ)くなってしまった。


 こりゃ洞窟(どうくつ)溶けた流れ(・・・・・)が、(うえ)落ちてきてる(・・・・・・)みてぇだ。

 出し(もの)としちゃ面白(おもしれ)ぇけど、本気(ほんき)のリオレイニアにはたぶん(とど)かねぇ。


「なんだか……拍子抜(ひょうしぬ)けじゃね?」

 まだ(した)までは(とお)い。

 つまり、あの図体(ずうたい)はかなりでけぇ。

 なのに、とんできた(ほのお)のうねりは(おお)きさこそある(もの)の――

 (いきお)いがまるでなく――とうとう止まってしまった。


「ちょっと、アナタ! 前任の(・・・)火龍(かりゅう)(ほのお)はこんな(もの)ではありませんでしてよっ!? 一体(いったい)どういうおつもりかしるぁ――――!!!」

 (すさ)まじい怒声(どせい)

 こっちの(ほう)火龍(かりゅう)攻撃(こうげき)よりも、(おそ)ろしかった。

「うるせぇ!」


 そんな態度(たいど)(はら)を立てたのか、灼熱(しゃくねつ)の吹き上がりが――――

 (ほそく)(する)(とが)り――――キュドッ――――ンッ!


「「うわわわっ!?」」

 ヴァチヴァチヴァチヴァチィ――――――――パキィィィィンッ!

 一枚目(いちまい)の、ひかりのたてが(こわ)れた。


 (ほそ)くなり(いきお)いが増した火弾(それ)には、(おどろ)いたけど――それでも。


 おれと(ひめ)さんの見立(みた)(どお)りというか。

 二枚目(にまいめ)のひかりのたては、(つらぬ)かれることなく――

 ヴォヴォォ、シュワァァン!

 火龍(かりゅう)攻撃(こうげき)(はじ)き、霧散(むさん)させた!


「グッギャギャァァギャギャギャァァァグゥゥゥゥォォォォルギュギギギギ――――!」

 なんか鳴いた。火龍(かりゅう)が。

 なーんか、なんとなくだけど。


 おれはバッサバッサと羽ばたいて、リオレイニアたちよりも(うえ)に出る。

 (ねこ)のレイダも――「レイダ、つかまれ」――(あし)につかまらせて、一緒(いっしょ)回収(かいしゅう)した。


シガミーも(みゃにゃぁぁん)空を飛べるの(みゃにゃみゃが)?」

 ほんとうに余計(よけい)なことにばかり気がつくのは、あのギルド長(レムゾー)血筋(ちすじ)(かん)じる。

「これも烏天狗(カラテェー)(かく)(みの)(おな)(もん)だからな。見よう見まねでも真似(まね)るくらいは出来らぁ」

 「え、そうなの? わたしも飛びたい、羽ばたきたい」とか言い出されそうな気がしたから(あし)(おお)きく振って、リオレイニアに(ほう)り投げた。


「あっぶなっ――ガシリッ」

「にゃみゃごぉー?」

 首根(くびね)っこをつかまれ、小脇(こわき)(かか)えられる(ねこ)魔物(まもの)


「ふぃー。なぁおい、(ひめ)さんよぉ?」

「なにかしら、シガミー?」

 (からだ)を振って、大盾(おおたて)(あし)をのばそうとしてた派手(はで)甲冑姿(かっちゅうすがた)


「アイツよう、なーんか調子悪(ちょうしわる)そうじゃね?」

 火龍(した)を見たおれと、目が合った。


火山(かざん)活力(かつりょく)一身(いっしん)に受ける火龍(かりゅう)が、この場所(ばしょ)体調不良(たいちょうふりょう)なんてそんな馬鹿(ばか)なことあるわけが――――?」

 (おな)じく(した)を見る(あか)狐面(きつねめん)


「グギャォゥルルルルュギャァギャギュギュリュリュリュグギギギギ――――!?」

 なんかなー。どんなに(つえ)ぇヤツにだって、いま攻められたらマズいって(とき)はある。


「――あるみたい……ですわね?」

 あの燃える大蜥蜴(おおとかげ)にとっちゃ、いまがその(とき)なんじゃね。


 火龍(てき)(した)に居る。

 (いきお)いを乗せるための距離(たかさ)(かせ)げる、この陣形(じんけい)

 (てき)魔法(まほう)は、リオが(ふせ)いでくれる。

 おれが錫杖(しゃくじょう)ひとつで飛びこめば、火龍(かりゅう)がどれだけの難敵(なんてき)だとしても――――

 (しち)(かた)(はな)つだけで、事足(ことた)りる。


「なーんか一方的(いっぽうてき)ってぇのわぁ、気が乗らねぇなぁ――(たお)すけど」

「そうですわねぇー。お(たが)万全(ばんぜん)状態(じょうたい)正々堂々(せいせいどうどう)(たたか)えないのは、(たし)かにいただけませんわね――まぁ結局(けっきょく)は、(たお)しますけれど」

 聖剣切り(ヴォルトカッター)無しの姫さん(リカルル)全然(ぜんぜん)万全(ばんぜん)状態(じょうたい)じゃねーけどな。


「――じゃぁさー……ぱらぱらり……くわしいお(はなし)でもさぁー、聞いてみたらさぁー、良いんじゃなぁいーのぉー()――」

 五百乃大角(いおのはら)攻略本(とらのまき)のページをめくりながら、そんなことを(のたま)った。

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