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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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264:ダンジョンクローラー(シガミー御一行様)、胡蝶の夢

 ふぉん♪

『>シガミーのバイタルに〝滅の太刀〟反応』

 なんかが(ひか)って、消える。

 (おれ)居合(いあ)いが鬼岩(おに)をぶった切った――(あかし)らしい。


「ぜぇーはぁー、ぜぇーはぁぁぁ――――斬れてねぇじゃねぇかよ」

 巻き(もど)るだぁ?


 死んでも生きかえるなんざ、卑怯(ひきょう)ココに(きわ)まれりだぜ。


「(卑怯(ひきょう)というならシガミー……猪蟹殿(ししがにどの)一度(いちど)、死んで生きかえりましたが)」


 やかましい。

 (たばか)ろうたって、そうはいかねぇ。


「(反魂(はんごん)(じゅつ)なんて使(つか)ったら、とんでもねぇ(ごう)背負(せお)うに決まってらぁな)」

「(惑星(わくせい)ヒースに〝(ごう)〟と呼ばれるプレイヤー初期化(しょきか)パラメータは……輪廻転生(りんねてんせい)システムは実装(じっそう)……生まれ変わりは存在(そんざい)しません)」


「ははっ、襤褸(ぼろ)を出しやがったなっ! さっき眷属(おまえ)さまは、ここが来世(らいせ)と抜かしたが――――ギャッリィィィィィィンッ!!」


 ふぉん♪

『>シガミーのバイタルに〝滅の太刀〟反応』


 ふぅふぅへぇはぁ、ふぅぅぅぅぅぅっ――――っ!

 どれだけ(なげ)(つの)が生えようが、どれだけ鬼岩(おに)(はし)(まわ)ろうが、全部(ぜんぶ)渾身(こんしん)居合(いあ)いで斬れるようになってきたぞ。

 う、(うつつ)じゃ(とり)一匹切(いっぴきき)っただけだったが、やってみるもんだぜ。


 いやぁ……この(ゆめ)(なか)(ちい)せぇ(からだ)が、きびきびと(うご)くから出来(でき)芸当(げいとう)か。

 この研ぎ澄まされた(からだ)を、(うつつ)に持って行けるなら――――いくさ場で首級(しゅきゅう)香味庵庭先(こうみあんにわさき)大道芸(だいどうげい)なら浄財(じょうざい)がいくらでも、(かぜ)げちまう。


 ふぉん♪

『>シガミーのバイタルに〝滅の太刀〟反応』

 ふぉん♪

『>シガミーのバイタルに〝滅の太刀〟反応』


「はぁはぁ、しかしさすがは(ゆめ)だ、ちきしょうめ。お、おわりがねぇ――」

 もう何回居合(なんかいいあ)いを(はな)ったかわからん。

 (いき)も絶え絶えに、鬼岩(おに)を斬る。

 ぐわららららん、

 落ちる(つの)


「どうせならあの巻き(もど)卑怯(ひきょう)手口(てぐち)を、コッチが使う(・・・・・・)こたぁ出来(でき)ねぇのか?」

「(コッチが使(つか)うとは?)」

 ふぉふぉん♪

『>処理落ちによる間断のない攻撃

 >それを補正する偶発的なリスポーンを、術クラスとして再定義

 >構造化による判読性の向上』

 なんかわらわらと出たが、スグに消えちまった。


 眷属(おまえ)さまの言うことは鬼岩(てき)にばかり都合(つごう)が良くて、毛ほども合点(がてん)が行かねぇ。

「(巻き(もど)手口(てぐち)使(つか)って、俺が巻き戻しゃぁ(・・・・・・・・)――――鬼岩(おに)斬れたままになる(・・・・・・・・)のは道理(どうり)だろう?)」


「――シガミー、そノ慧眼(けイがン)賞賛(しょうサん)(あいあイ)しまス――」

 おい、(おど)かすな。死神(しがみ)なんてどこにも居ねぇ。


「(猪蟹殿(ししがにどの)状況(じょうきょう)打破(だは)する糸口(いとぐち)をつかみました)」

 そいつぁドコに有る!?


 (おに)はまた、(もと)(もど)っちまって――――大角(つの)根元(ねもと)から落とし、(あたら)しいのを生やしやがる。

「ヴォギュヴォギュヴォギュヴォギュヴォグギュ、ヴォギュヴォギュヴォギュヴォギュヴォグギュ、ヴォギュヴォギュヴォギュヴォギュヴォグギュ、!」

 そして、名乗(なの)りを上げると、落ちた(つの)消えてなくなる(・・・・・・・)


「(いまから猪蟹殿(ししがにどの)にだけ見える、目録(もくろく)を出します)」

 ヴォォン♪

 ズラリと(なら)んだのは、和菓子(わがし)みてぇな。

 その(なか)のひとつが(ひか)って、大角(つの)が描かれた巻物(まきもの)が――目の中に見えた(・・・・・・・)


「こりゃ、鬼岩(おに)(つの)だな? (ふく)らんだ根元(ねもと)から綺麗(きれい)に切られてる」

 それがなんだってんだ。邪魔(じゃま)だから退()かしてくれ。

 巻物(まきもの)がかき消える。


「(つぎに足下(あしもと)を、よく見てください)」

 がららら、がららららん――――目のまえに(つの)二本転(にほんころ)がった。


 どっから落ちやがった!?

 (うえ)を見るが、(たか)さがある(ほら)には(あな)なんてあいてねぇ。


「(つぎに正面(しょうめん)鬼岩(おにいわ)を、よく見てください)」

 メキョメキョガギュバキョ――――――――ピタリ!?

 んぁ? グネグネ(うご)いてた大角(おおつの)が、ピタリと止まった。


「(いまです、切ってください。ただし(つの)を、鬼岩(おにいわ)と切り(はな)してください)」

 切り(はな)せだぁ!?

簡単(かんたん)に言ってくれるな! 鬼岩(やつ)が伏せると綺麗(きれい)に切りわけるのは至難(しなん)だぜ!」


「(でしたらば、どんな(かたち)でも良いので、(つの)粉砕(ふんさい)してください)」

 ぶっ(こわ)すんなら、錫杖(しゃくじょう)(ほう)(らく)だが――

「((つの)切断面(せつだんめん)による演算負荷割合(えんざんふかわりあい)解析(かいせき)終了(しゅうりょう)しましたので、〝(めつ)太刀(たち)〟……居合(いあ)いでなくても(かま)いません)」


 わからねぇ、わからねぇ。

 よぉうし――ぶっこわしてやる。


「――――――この錫杖(しゃくじょう)(さだ)めて()たる。生者(せいじゃ)必滅(ひつめつ)一発(いっぱつ)必中(ひっちゅう)!」

 (てき)総大将(そうたいしょう)遠閒(とおま)から何度(なんど)もうちぬいた、おれの錫杖(ジンライ)(うな)りをあげ――


 ふんぬぉりりりゃやぁぁぁぁぁぁ――――ギャリリィン――――どんっ!

 (はな)たれた錫杖(しゃくじょう)が――ゴバキャッバキャキャキャキャキャキャキャギャガッァァァァァ――――ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴッドズズズゥン!

 曲がりくねった(つの)粉砕(ふんさい)し、眉間(みけん)にぶち当たる。

 (いきお)いは止まらず、鬼岩(おにいわ)(おく)(かべ)まで押しやった。


「(どうぞ、つぎの錫杖(しゃくじょう)です)」

 ヴッ――――ジャリィィィン♪

 おう、この錫杖(しゃくじょう)(さだ)めて――ふんぬぉりりりゃやぁぁぁぁぁぁ!


 グワララララララン、ガラララランッ!

 粉砕(こわ)したはずの(つの)が、(ちか)くに積みあがった。


「(どうぞ、つぎの――)」

 ヴッ――――ジャリィィィン♪

 おう、この――ふんぬぉりりりゃやぁぁぁぁぁぁ!


 そこからは一瞬(いっしゅん)だった。


「ヴォギュヴォギュヴォギュヴォギュヴォグギュ、ヴォギュ――――――――」

 名乗(なの)りをあげられるより(さき)に、どんどん積みあがっていく(つの)

 それが(いばら)のついた生け(がき)、みてぇになった(ころ)


 (いわ)みてぇだった(おに)(からだ)が、ぶるりと(ふる)え。

 地に(たお)れた。


「やったかっ!?」

「(はい、そのようです)」

「ずいぶん拍子抜(ひょうしぬ)けだが、まあいいやなぁ。なかなか面白(おもし)れぇ(ゆめ)だったぜ」

 (ゆめ)(ゆめ)。けど、コレだけ立て(つづ)けに居合(いあ)いと錫杖(しょくじょう)(はな)つと――


 バタリと(たお)れる。

 なんでか、おれの寝息(ねいき)が聞こえる。


「シガミー、イえ猪蟹殿(ししがニどの)(わタし)名前(なまエ)ハ――」

 因照減簾(いんてりげんすだれ)だぁ?

 (なげ)ぇんでやんの、もっと(みじけ)ぇのはねぇのか?


「デは、迅雷(ジンライ)とオ呼び(くダ)サい」

 迅雷(ジンライ)か、疾風迅雷(しっぷうじんらい)迅雷(ジンライ)だな。

 (おぼ)えた(おぼ)えた、目が覚めたら(ゆめ)(はなし)(わす)れちまうだろうがなぁ――――すやぁ♪

胡蝶の夢/夢と現実の区別が付かない状態。または世のはかなさ。

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