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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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260/744

260:ダンジョンクローラー(シガミー御一行様)、豪奢な剣(まがいもの)と小太刀(新色)と仕込み錫杖(極太)

 またもや(ひめ)さんの不意打(ふいう)ちをくらった魔物(ミノタウ)が、四つ(あし)をついた。

「ギャッギュギャギュギュギュギュギャギュギュギュギュギュギュギュギュ――!!!」

 その地声(じごえ)、うるせぇなぁ。


「またその(うな)(ごえ)っ――うるっさいで――――すわ――――――よーっ!」

 (けん)を引き、通路(つうろ)(おく)へ逃げていく伯爵(リカルル・)ご令嬢(リ・コントゥル)

 まあ正解(せいかい)だ。

 リカルルのぶった切りを全部(ぜんぶ)避けたおれでさえ――金剛力(パワーアシスト)と、〝動く物を見(アクティブ)える化する窓(・トラッカー)〟がなかったら。

 あの(あいだ)がねぇ突進(とっしん)は、そうそうさばききれなかったからな。


 おれも(おく)へさがる。

「(おい、五百乃大角(いおのはら)(つの)をひとつ、(ひめ)さんが(こわ)してくれたぞ!)」

 ふぉん♪

『イオノ>えー、ほんとぉー? あと一本(いっぽん)あと一本(いっぽん)、きゃほぉーい♪』


「(ああ、だから地上(うえ)へ向かった連中(れんちゅう)のことを(たの)めるか?)」

 ふぉん♪

『イオノ>そーね。あっちには強化服二号(にごうちゃん)が居るから、あたくしさまがレイダちゃんを使って(・・・)みんなを(まも)ってあげてもいいわよ?』


「(なんか不安(ふあん)だが、ソレで(たの)むぜ)」

 スタタタッ――――ドッゴォォォンッ!

 曲がると言うことを知らない、(かたく)なな殺気(じゅうせい)尻目(しりめ)に――通路(つうろ)の曲がり(かど)へ飛びこむ。


 ゴッゴンゴゴンドズゴゴォン!

 (かべ)粉々(こなごな)粉砕(ふんさい)され――――瓦礫(がれき)をまき散らす!

 ()ってぇ――――スタトタッ――トトォーン!


 地図(ちず)はすでに完成(かんせい)してる。

 この(さき)の突きあたりの三叉路(さんさろ)(みぎ)に曲がりゃ、ミノタウが(のぼ)ってきた階段(かいだん)が有るあたりへ(つう)じる(みち)に出る。

「――きゃぁきゃぁぁぁっ――――!――」

 む? リカルルめ、まだこんな(ところ)に居やがる。

連日(れんじつ)(まつ)りの宴会(えんかい)で、(からだ)(なま)ったんじゃねぇのかぁー?」


「だ、(だれ)酒樽(さかだる)ですってぇー!? き、聞き捨てなりませぇんわよぉー!?」

 いけねぇ、また(こえ)に出てたか。

 迅雷(ジンライ)式隠(しきかくれ)(みの)をひろげ――――ぶわささささぁぁぁぁっ!

 (なが)く真っすぐな(みち)を、飛んでかけぬける。

 わめく令嬢(れいじょう)をふたたび、すくい上げて(かか)えた。


「(迅雷(ジンライ)、コッチに行き止まりの道(・・・・・・・)があるだろ?)」

 画面(がめん)表示(ひょうじ)される地図(ちず)を見てたら、(みじけ)横道(よこみち)を見つけた。

 ふぉん♪

『>はい、なるほど。リカルルにココへ隠れていてもらえば、

  安全に地上へ引き返させることが出来そうですね』


「(ああ、(かく)(みの)一枚出(いちまいだ)してくれ)」

 ぶわっさぁぁぁぁ――――あっぶね!

 (かぜ)(あお)られて、(まえ)が見えなくなった。

 巻きついちまった(かく)(みの)(とお)して、迷路(めいろ)(かべ)表示さ(ふちどら)れる。


 ぐるん――スッタァン。

 三叉路(さんさろ)(かべ)を蹴り、出口(でぐち)じゃない(ほう)に身を(かく)す。

「ふう、(ひめ)さんに相談(そうだん)だ。コイツで(からだ)をまとって、この(さき)の行き止まりに(かく)れてくれ」

 ガンガガン――(かく)(みの)力一杯(ちからいっぱい)(こぶし)(たた)いてみせる。

 こいつは迅雷(ジンライ)が無しじゃただの(ぬの)だが、それでも(つよ)攻撃(こうげき)には滅法強(めっぽうつ)い。

 色味(いろみ)群青色(かべいろ)にしてある。


「んなっ!? ガムラン代表(だいひょう)のこの(わたくし)が、シガミーみたいな(ちい)さい子をひとりのこしておめおめと、逃げおおせられるとお(おも)いっ!?」

(おも)わねぇが、ここはおれひとりのほうが(うご)きやすい。ミノタウの野郎(やろう)(たお)したらスグに呼ぶから、ソレまでみんなの(ところ)(もど)っててくれねぇかい?」


 がばっ――歯を食いしばられ、(うで)に抱きつかれた。

 意地(いじ)でも付いて来やがるつもりだぜ。


「じゃあ、この(かたな)(めん)じて言うことを聞いちゃくれねぇか?」

 ヴッ――ぱしん♪

 指輪(ゆびわ)から群青色(ぐんじょういろ)小太刀(こだち)を、取り出して押しつける。

 オルコトリアに(いろ)とりどりの小太刀(こだち)自慢(じまん)されたとき、そうとう(くや)しがってたから……ひょっとしたら。


「あら、素敵(すてき)(いろ)ね?」

 片手(かたて)(はな)して、ガシリとつかまれる小太刀(こだち)

 もう「(かえ)せ」って言っても、あの手は(はな)れそうもない。


「そうだろう? そしてもう一本(いっぽん)おまけにくれてやるから、(ひめ)さんの(けん)を貸しちゃくれねぇか?」

 ヴッ――ぱしん♪

 (おな)(いろ)じゃ(げい)がねぇから――コッチのはさっきまでの洞窟(どうくつ)の、赤茶(あかちゃ)けた岩肌色(いわはだいろ)にしてみた。


 (けん)武人(ぶじん)(たましい)だ。

 (いのち)(あず)ける(やいば)を、そうそう借り受ける(こと)出来(でき)ね――――――


「――(さキ)ほどノ、大角(おおつノ)破壊(はかイ)しタ一撃(いちゲき)再現するのに(・・・・・・)必要(ひつヨう)かモ知れないのデ()――」


「そうなんですの? ならよくってよ」

 おれの(うで)(ほう)り投げ、手首(てくび)に引っかけた(けん)のこしらえをグイッと持ちあげる。

随分(ずいぶん)とすんなり貸してくれるんだな――(たす)かるけど」

 あわよくばさっき(これ)に付けちまった〝伝説(でんせつ)職人(しょくにん)〟のくだりを、アイテム名偽装(めいぎそう)スキルで(かく)しちまおうって(はら)だったんだが。


 うまくいったなおい。


「けれど、この剣自体(けんじたい)はそれほど(つよ)いものでは無くってよ?」

「いや、大丈夫(だいじょうぶ)だ。(おん)にきる」

 ドッゴォォォxン――――――――――――!

 銃声(ミノタウ)が飛んでくる。


「じゃ、みんなの(ところ)には五百乃大角(いおのはら)も付いてるから、(なに)かあったらなんでもいいつけてくれ!」


   §


 じゃあこの豪奢(ごうしゃ)(けん)に、アイテム名偽装(めいぎそう)を掛ける――


 スタタァァン、肩越(かたご)しにうしろを振りかえる。

 ドッゴォォォォォンッ!

 空中(くう)を裂く銃声(じゅうせい)は、コッチを追ってきてる。


 画面(がめん)地図(ちず)(なか)

 ものすごい(いきおい)いで(せま)り来る――『(ミノタウ)』。

 (ぎゃく)に『(おれ)』から(はな)れていく――『(なんだ)』、リカルルか?


 ――けど、まずは魔物(まもの)倒しちまおう(・・・・・・)

 (あぶ)なくて仕方(しかた)がねぇ。

 ふぉん♪

『>了解しました』


 すこし(けず)れた錫杖(しゃくじょう)を――すぽん♪

 収納し(ひっこめ)て出しなおす――ジギャリリィン♪

 鉄輪(てつわ)(おも)(おと)心強(こころづよ)い……すっげー(おも)くて(つか)れるけど。


 借りた(やつ)は、ひとまず締まっとく。

 (こわ)れない〝不壊(ふかい)〟は錫杖(しゃくじょう)にも、付けといても良いかもな。


「(あれ? けどそもそも(ひめ)さんの(けん)は、指輪で直しただけ(・・・・・・・・)じゃね?)」

 もし、伝説(でんせつ)職人(しょくにん)スキルが、よけいな気をきかすってんなら、(いま)までだって小太刀(こだち)錫杖(しゃくじょう)も〝不壊(ふかい)〟になってなきゃおかしーよな?


 ふぉん♪

『仕込み錫杖(極太)

 攻撃力102。修験者が使う鉄の棍。

 内部に隠された刀身は高威力。

 追加効果/ATK+274』


 やっぱり〝不壊〟の文字(おじ)はない――――スッタァァン!

 ドゴッォォオォンッ――ゴガギャッ!?

 また曲がり(かど)(かわ)したら、ミノタウが(かべ)に突き刺さった。


「(シガミー、いまです!)」

 おうよ――――シュッカァァァァァンッ!

 一本(いっぽん)のこった太角(ふとつの)へ、打ちおろしの変則的(へんそくてき)居合(いあい)いを繰りだした。

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