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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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257/744

257:ダンジョンクローラー(シガミー御一行様)、ダンジョンクロウラー

 (ひめ)さんの不意打(ふいう)ちをくらったせいか、おかしな魔物(ミノタウ)が四つ(あし)をついてうなり(はじ)めた。

 その(こえ)は、「ギャッギュギャギュギュギュギュギャギュギュギュギュギュギュギュギュ――!!!」

 うるせぇ。あと念話(ねんわ)じゃねぇ。


「ちょっと聞きてぇんだが、おれぁ(いま)さっき、あの魔物(まもの)たしかに斬ったよな(・・・・・・・・・)?」

 (あいだ)がねぇ攻撃(こうげき)にさらされて、(あせ)ったあまりの勘違(かんちが)い。

 てぇなことも、ねえとはいえねぇ。間近(まぢか)でみてた彼女(かのじょ)(はなし)を聞く。


「そうですわっ! (てき)から目をはなしたうえ、剣を抜ききらず(・・・・・・・)に、すぐ納めたりして(・・・・・・・・)――どういうおつもりでしたのっ!?」

 うしろから(あたま)をガシリと、つかまれた。


「(小太刀(けん)を抜いてない――だとぉ!?)」

 迅雷(ジンライ)――おれぁ斬った(・・・)よな?


「――はイ、たシかにミノタウロースの(ドう)ヲ、(ヨこ)なギに両断(りょうダん)してイます――」

 五百乃大角(いおのはら)――というわけだけど、(なに)かわかるか?


 ふぉん♪

『イオノ>ちょっとまって、今ログを確認するわ。

     けど頁が多いからミノタウさんは、

     エネミーなのに高負荷演算使ってるかも』

 わからんが、わからんときになんかを見かえして、くわしい事実(じじつ)がわかるとは便利(べんり)世の中(せかい)だぜ。

 ただ、はやくしてくれ。魔物(アイツ)がいつまでも大人(おとな)しくしてくれてるわけはねぇからな。


「シガミー? もう一度(いちど)あんなマネしたら、名代(みょうだい)に言いつけますわよ?」

 ギリギリギリリ――(いて)ぇ。

 そしてそんな告げ(ぐち)されたら――

 「えぇー? そのお(いのち)ぃー、いーらぁーなぁーいぃーのぉー?」とかいって、ひがな一日試(いちにちため)し斬りにでも付き合わされそうで――(こえ)ぇ。


「どうもなんか魔物(アイツ)にされて、手が止まった(・・・・・・)みてぇだ。(ひめ)さんもみんなも気をつけてくれ!」

 どう気を付けりゃ良いのかは、まだわからねぇけどな。


 ヴォォォン♪

 お、(おお)きめの画面(がめん)が出たぞ。

 なんかの確認(かくにん)が終わったらしぃ――ってこりゃあ、なんだぜ?

『イオノファラーさんご垂涎(すいぜん)、超いつかは食べたい料理ランキング第一位!

 <おすすめ>ミノタウロースのヒレ肉を使った、史上最美味ビーフストロガノフ』


 魔物(アイツ)使(つか)った霊刺秘(レシピ)……(めし)(つく)(かた)じゃねぇかよ!

 あとメシの名前(なまえ)がなげぇ。きっとスゲー手間(てま)がかかるやつだぜ、まったく!


「それとな、こんな(とき)に悪ぃんだけどアイツさ、(つの)(さき)(こわ)さねぇといけなくなっちまった」

「――ワケは(はナ)せませン()――」

 迅雷(ジンライ)音声通話(こえ)耳栓(みみせん)(つう)じて都度(つど)必要(ひつよう)なあいてに(つた)えられてる。


「――うふぷぷぷ――っ、ノタウロースなのにロース(にく)が採れなくて残念(ざんねん)だけどさっ、史上最美味(しじょうさいびみ)のフィレ(にく)だって――――グフヒヒ、ウケケケケケケケッ()――」

 やい、いーから手を(うご)かせ。

 ミノタウのなんだか(・・・・)を、とっとと調(しら)べてくれ。


「ふぅ、わかりましたわ。イオノファラーさまの要請(ようせい)と有れば(いた)方有(かたあ)りませんもの」

「(んぁ? 五百乃大角(いおのはら)(こえ)は、みんなにも聞こえてんのか?)」

「――どうやラ、そのようでデ()――」


「――コレわぁー、あなた(がた)だけには(まか)せておけませんねぇー♪ なんたってあたくしさまのおいしいごはん――(ちょう)レア食材(しょくざい)のぉー、フィレ(にく)がかかって・い・ま・す・か・るぁー()


「「「「イオノファラーさまの(こえ)だ」」」」

 もう本当(ほんとう)に食い意地(いじ)(かく)す気が、ねぇらしいぞ。

「――美の女神(めガみ)とハ()――」

 言ってやるな。ソレにちょうど聞かなきゃならねぇことが出来(できた)た。

 へそを曲げられても(こま)る。


「(おい五百乃大角(いおのはら)、ひとまず攻略本(とらのまき)をみてくれゃ。対価(めし)はこの『ミノタウ(にく)美味(うま)いなんとか』をキッチリ(つく)ってやるから」

 迅雷(ジンライ)が知ってることとは(べつ)に、わかることもあるかも知れねぇからな。


 ふぉん♪

『イオノ>えーと、ダンジョンクロウラーの一種で、

     あまりの厳格さに最低実行環境に制限が付いてるみたい。

     くわしい内容は迅雷に聞いて』

 ことうまい(めし)がかかったときの、美の女神(めがみ)さまの気合いは(・・・・)揺らがない。

 丸投(まるな)げしてるわけじゃないから、迅雷(ジンライ)に聞けば(なに)かわかるのは(たし)かだ。


「(わからん、どんなだ?)」

『ヒント>ダンジョンクロウラー/永久パターンや上級プレイヤーによる、

     無限プレイを禁則するための破壊不能オブジェクト』


「(わからん、どんなだ?)」

「――かツて原始的(げンしてき)世界維持(せかイいじ)使用(しよウ)さレた、世界(せかイ)(タだ)(もノ)総称(そうシょう)()――」

 世界(うつつ)(ただ)すだぁ?

 わからんし、魔物(まもの)だろーが。


 ふぉん♪

『>ダンジョン専用の、変異種のような存在とお考え下さい』

 変異種(バリアント)だぁ?

 ガムラン(ちょう)にも注意(ちゅうい)の張り(がみ)が、べたべた貼ってある超危険(ちょうきけん)魔物(ヤツ)総称(そうしょう)


 ふぉん♪

『変な魔物にピンときたらソレは――

 変異種【バリアント】かも知れません!

 お近くのギルド会館までご連絡を。』

 邪魔(じゃま)だ、消せ。

 張り(がみ)表示し(みせ)なくて良い。


 けど――変異種(バリアント)か!

 草原(そうげん)に居る(つの)ウサギが変異(へんい)したら、聖剣切りの閃光(ひめさんたち)でさえ手こずる化けウサギになったからな。

 わかったぜ、どうりで(つえ)ぇワケだ!


 ふぉん♪

『>ミノタウロースの間隙がない攻撃の原因も、判明しました』

 ソレはでかした、聞かせろ。


 ふぉん♪

『>ミノタウロースが生物単体で演算単位を使用したため、

  F.A.T.Sが高負荷に耐えられなくなった事が原因です』


 わからん。

 (ちょう)わからんけど……演算単位(えんざんなんとか)ってのは神々(かみがみ)がつかう――頓知(とんち)底上(そこあ)げするヤツで。

 迅雷(ジンライ)とか酢蛸(おにぎり)とかを作るのに(・・・・)使(つか)われてるヤツだ。

 本式(ほんしき)のは五百乃大角(いおのはら)でさえ、もう使(つか)えねぇのに――あのおかしな魔物(ミノタウロース)使(つか)ってきてる?


 ふぉん♪

『イオノ>やっと、わかったわよ。

     ミノタウロースの処理落ちだった』

 ほほう、やっと調(しら)べが付いたらしいが、順当(じゅんとう)にわからん。


 ふぉん♪

『>了解しました、イオノファラー』

 オマエらだけで、納得(なっとく)すんな!


「――斬られたハずのミノタウロースが復活(ふっかツ)しタ理由(りユう)ガ、判明(はんメい)しまシ()――」

 ソレはでかした、聞かせろ。


 ふぉん♪

『>基本的には、FATSとの接続が遮断されたことに起因します』

 また、神々(かみがみ)(ふね)か。

 ふぉん♪

『>はい。その機能を〝世界の理〟が肩代わりするにあたり、

  手順を間引いて辻褄を合わせたため、起きた現象でした』


 のそり。

 画面(がめん)(おく)、透かして見えてる短ぇ魔物(ミノタウロース)が立ちあがった。

 長々(ながなが)説明(せつめー)きいてる時間(じかん)は、ねぇーぞ。


 ふぉん♪

『ヒント>ロールバックネットコード/通信ラグを軽減させる間断予測ライブラリ』

ダンジョンクロウラー/永久パターンや百円で粘る上級プレイヤーを殺すための強敵。倒せない敵のこと。

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