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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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250/744

250:ダンジョンクローラー(シガミー御一行様)、お宝はっけん?

宿廊(すくろう)る?」


 ふぉん♪

『ヒント>スクロール/紐で巻かれた書物。

     巻物、ひいては魔法やスキルを覚えられるアイテムのこと』


 (かぜ)に吹かれてコロコロと、ひと(たば)足下(あしもと)(ころ)がってきた。


「さすがは危険な穴蔵(だんじよん)だぜ。とんでもねぇお(たから)があんなに、たくさん――しめしめうっひっひ♪」

 おれは()っるい(かお)で、品定(しなさだ)する。


 ぽふぉん♪

『マジック・スクロール?/

 詳細不明』


 上級鑑定(じょうきゅうかんてい)でも見抜(みぬ)けねぇほどの――お(たから)かっ!?

 つかみあげた〝宿廊(すくろう)る〟は日の本の巻物とは違って、ゆるく巻かれてて長さはそんなになかった。


 ココはひとまず、袋に詰められるだけ詰めておくか。

 うしろ手で、背中に突っ込――――


「いけませんっ!」

 駆け寄ってきたリオレイニアに、頭を叩かれた!

 まるで(いた)くねぇけど――「な、なにしやがっ……っているのでごぜぇますわぜ!?」

 仮面越(かめんご)しでもわかる。彼女(リオ)はとても(おこ)っている。


「シガミー! コォン♪」

 ぼっぼぅわぁ――♪

 灼熱(しゃくねつ)溶岩(ようがん)(なが)れる亀裂(きれつ)(そこ)

 煮えたぎる(ねつ)が、三本道付近(さんぼんみちふきん)(あか)く染めている。

 その(なか)にあっても、仄暗(ほのぐら)(あお)さを(うしな)わない――(いのち)を喰らう灯火(ともしび)


「ギュギ!? ギギギギギイギギッギッ――!」

 お宝(まきもの)狐火(きつねびに)(あぶ)られ――(ひも)がほどけた!

「あっ――こいつ! さっきの武佐左妣(ムササビ)じゃねーかっ!」

 (なが)いしっぽが(ひも)で、ひだ羽根(はね)が巻いた(かみ)にしか見えなかったぞ!?


 ぽぽきゅ――ぽきゅどごぉん♪

 二号(レイダ)一撃(いちげき)が、地を穿(うが)つ。

「まったく、(あぶ)ないところだったわ――ニャン♪ コレだからシガミーは――ミャ♪」

 ぐ、さっき(おこ)られた、はらいせか。


「なんだとうっ――けど(たす)かった、(おん)にきる」

 一瞬(いっしゅん)ムカついたけど、ソレはソレでコレはコレだ。

 (たす)けてもらったことに(ちが)いはないから、(れい)を言っておく。

 状態異常(じょうたいいじょう)無効(むこう)スキルがあるから、刺されても(どく)を喰らうことはなかったけどな。

 ヴッ――すぽん♪

 レイダが手のひら(にくきゅう)を押しつけ、死骸(しがい)収納(sつうのう)した。


「それにしても――昆布巻(こぶまき)きみてぇな(なり)しやがって!」

 寸足(すんた)らずの巻物(まきもの)……密書(みっしょ)みてぇにもみえる。


 コイツはゴーブリン(いし)みたいに、ムササビ(いし)にならないヤツで。

 (やわ)らかい(かわ)には、そこそこの根が付くらしい。

 けど――「コイツらに、(どく)はねぇはず」。


 ふぉん♪

『ヒント>カーペット・タイガー/

     四つ足。空を飛ぶ、注意が必要。

     柔らかい革が採れる』


 荷物(にもつ)(なか)から〝薬草(やくそう)〟と〝毒草(どくそう)〟を取りだして、何度(なんど)かスキルを使(つか)う。

 こぽぽっ――良し完成(かんせい)

 出来(でき)小瓶(こびん)をフッカに手渡(てわた)す。


 ふぉん♪

『ヒント>スクロール・タイガー/

     四つ足。丸くなる様はレアアイテムに酷似、

     しっぽの毒にも注意が必要。

     強靱な紐が採れる』

 いまさら(おせ)ぇぞ――迅雷(ジンライ)


「――演算単位(えんざんたンい)使用(しヨう)しない〝類推(るいすイ)にヨるヒント表示(ひょうジ)〟なノで、遅延(ちえン)(あやマ)検出(けんシゅつ)(あやま)りが発生(はっせい)する場合(ばあい)がありマす――」

 いくら(つよ)くしても所詮(しょせん)耳栓(みみせん)耳栓(みみせん)か。

「――(わタし)表示(ひょウじ)担当(たンとう)しましょウか? さラに表示(ひょウじ)(おク)れマすが――」

 いや、迅雷(オマエ)強化服(シシガニャン)専念(せんねん)してくれ。

 案内表示(ヒント)もこのままで良い。ないよりは良いし――


「にっがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぃ――――!?」

 フッカさんが苦悩(くのう)に満ちた。相当(そうとう)にがいらしい。

 けど、どんなに些細(ささい)(どく)でも、(のこ)しておくと(あと)厄介(やっかい)だ。


我慢(がまん)してくれ――じゃあ、(あま)いのでも喰っとけ」

 テーブル一式(いっしき)茶道具(ちゃどうぐ)と、茶請(ちゃう)けにはガムラン(じるし)の〝おにぎり饅頭(まんじゅう)〟を出してやった。


「えぇー、ここで休憩(キャンプ)? こんな(あつ)(ところ)で!?」

 まだ顔色(かおいろ)(わる)いフッカさんが、文句(もんく)を言う。

 亀裂(きれつ)のしたから、グラグラと茹だる熱気(ねっき)

 たしかに(あつ)い。


 (みじか)魔法杖(つえ)一回転(いっかいてん)させる、リオレイニア。

 ひゅわわわわぉぉ。

 一陣(いちじん)(かぜ)(あた)りを冷やす。さすがは生活魔法(せいかつまほう)おばけだ。


「おんせいにゅうりょく――ニャ、はっちおぉーぷん――ミャ♪」

 とつぜん二号(にごう)(あたま)が、うしろに(ひら)く。


「ま、魔物(まもの)――!?」

「きゃぁぁぁぁっレイダちゃん、いま(たす)けてあげるからねっ!?」

 まだ(れい)の〝シシガニャンが魔物(まもの)に見える洗礼(せんれい)〟を、受けていなかったエクレアとフッカが大剣(けん)魔法杖(つえ)を――

 〝魔物(めもの)喰われてる(・・・・・)っていう洗礼(せんれい)〟は、間近(まじか)でみなけりゃ起こらねぇからな。


「レイダ、(わたシ)はシばらくシシガニャンかラ(はナ)れマす。モし(あツ)かっタら(からダ)(ほウ)も、脱いでくだサい」

「はぁーい♪」

 入れてもらった(ちゃ)をすする子供(こども)

 自分(じぶん)(つめ)てぇ魔法(まほう)をかけて、冷やしてる。

 その(さま)をみた黒騎士(エクレア)魔術師(フッカ)が――気づいた。


「「ひょっとして……魔物(まもの)じゃないっ!?」」

 ふう、これで一段落(ひとだんらく)か。


「シガミー、オ待たせいたしマした」

「おう、それで分かれた通路(つうろ)先は(・・)、どうなってるんだ?」

 ヴユュュュヴパァァァッ――。

 飛んできた迅雷(ジンライ)が、おれのうしろ(あたま)に張りつくと、全部(ぜんぶ)表示(ひょうじ)一斉(いっせい)にあらわれては消えていく。

 必要(ひつよう)ない表示(ひょうじ)全部消(ぜんぶき)えて、(もと)(もど)った。


「ん? 通路(つうろ)の向こうが、みえねぇぞ?」

「はイ、活力(マナ)がこモった熱気(ネっき)にヨって、結界(けっかイ)のよウな空間(くウかん)存在(そンざい)していマす」

 通路(つうろ)を向いて(かんがえ)えを(めぐ)らせていると――コロコロコロロロッ。

 また野衾(のぶすま)昆布締(こぶじめ)めが、熱風(かぜ)(ころ)がってきた。


面倒(めんどう)だな……うらっ!」

 面倒(めんどう)だったから蹴飛ばして、亀裂(きれつ)(ほう)りこむ。

 落ちる途中(とちゅう)熱風(かぜ)(あお)られ、「ギギッギィィィッ」と()えてなくなった。

 ふふふ、ざまぁみろ。


「あー、ダメダメ。だめよ、シガミーちゃん! ……もぐもぐ」

 フッカが饅頭(まんじゅう)をかじりながら、やってきた。

(べつ)に良いだろう一匹(いっぴき)二匹(にひき)。あんなにいっぱい居るんだから」

「ちがうの、あの(なか)万が一本物の(・・・・・・)〝スクロール〟があったらと(おも)うと、魔術師(まじゅつし)としてはとても――見過(みす)ごせないのよっ!」


「フッカさん、たしかにアレだけのスクロール・タイガーが群生(ぐんせい)することは滅多(めった)にありません。お気持(きもち)ちはわかります、(わたくし)魔術師(まじゅつし)ですから……ずずず」

 リオが紅茶(こうちゃ)をすすりながら、やってきた。

 みんな行儀(ぎょうぎ)(わり)ぃな、せっっかく椅子(いす)人数分出(にんずうぶんだ)してやったのに。


「そーねー。これだけ群生(ぐんせい)してるってことは、本物の(・・・)スクロールか、(すく)なくとも〝似た(かたち)(もの)が、このダンジョンにはある〟って証拠(しょうこ)だものねー……コッチのしょっぱいのは飽きませんわね……もぐもぐ」

 黄緑色(おにぎりいろ)饅頭(ほう)が、気に入ったみたいだな。

 そして、やっぱり行儀(ぎょうぎ)がわるい。


「――でスが(サき)(イそ)がナいと、クエスト期限(きゲん)に間ニあいマせん。ガムラン(ちょウ)へノ移動(いドう)に1日半(にちはん)かかるノで、今日明日中(きょウあすちゅう)にハ火龍(かりゅウ)ヲ見つケて(たオ)さなけレば――」

「んにゅーっ!」

 地団駄(じたんだ)を踏み、うなるフッカ。


「その〝マジ(っく)宿廊(すくろう)る〟てぇのは――そんなに貴重(きちょう)なのか?」

 魔術師(まじゅつし)使(つか)うもんだ。そこそこの価値(かち)が、あるんだとは(おも)うが。


(わたくし)が見たのは、たった一度(いちど)だけですわよ」

 相当(そうとう)金持(かねも)ちの(ひめ)さんが、(いま)までに見たのが一度(いちど)だけ。


「そうですね、(わたくし)も〝魔王(まおう)居城(きょじょう)でみた〟一度(いちど)きりです」

 (こころ)なしか(あお)ざめている気がする、リオの言葉(ことば)

「わたしもです」

 ソレにつづくエクレアの顔色(かお)まで、(あお)ざめてる……気がする。


 どうも、〝聖剣切りの閃光(ヴォルトカッター)〟パーティーが、魔王(まおう)根城(ねじろ)に押しこんだときに見たってことらしいが。


「わたしわぁー、ないよー!」

 と子供(レイダ)

「わたしも、見たことはありません」

 と魔術師(フッカ)


「そんなスゴイお(たから)なら、無下(むげ)にもできねぇなぁ」

 おれぁ猪蟹屋(ししがにや)店主(てんしゅ)だから、責任(せきにん)がある。

 ふえた店員(てんいん)たち――ルコル少年(しょうねん)やニゲル青年(せいねん)や、ネコアタマ青年(せいねん)生活(せいかつ)

 もちろんレイダやリオだけじゃなくて、おれ自身(じしん)生活(せいかつ)も――出来(でき)ることなら良くしたい。


「シガミー、〝難燃剤(なンねんざい)〟ヲ開発(かイはつ)してくだサい」

 ふぉん♪

『>いまが猪蟹屋の、かき入れどきと判断しました。

  大急ぎでお願いします』

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