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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
2:カブキーフェスタへの道

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228/744

228:ギルド住まいの聖女(研修中)、聖剣偽装うけおい

「(すみませんシガミー。寝ぼけたレイダが(たお)れかかってきたので――押し(かえ)して、怪我(けが)をさせるよりは、良いと判断(はんだん)しまし())」

 どんな判断(はんだん)だよっ!?

 それと姫さん(リカルル)が居る、念話(ねんわ)はなしだ!


「リカルルさまっ、お(おねが)いっ!」

 持ってた御神体(いおのはら)を、(ひめ)さんに向かって(ほう)りなげた。

 これで念話(ねんわ)への、反撃(はんげき)(ふう)じる。


「(とにかく、この場をどーにかするぞ!)」

 とりあえず――替われっ!

 おれがシガミーに(もど)る――オマエは裏烏天狗(うらカラテェー)に!


 ダダッ――二人(ふたり)を受けとめる体裁(ていさい)で、飛びついた!

 ガシッ――迅雷(ジンライ)たちをつかむ。

 ヴヴッ――――かちゃり。

 目のまえにあらわれたのは――(しろ)魂徒労裏(コントローラー)

 必死(ひっし)に真ん(なか)の出っぱりを、長押し(・・・)する!


 ヴヴヴゥゥゥンッ――――ぶわっさぁぁ、ガシャァ!

 真っ(しろ)迅雷(ジンライ)式隠(しきかく)(みの)が、うらがえり(・・・・・)――(くろ)づくめの人型(ひとがた)になる。

 どごがっしゃぁぁんっ――――!!!


 ごど、どん――――!

 その高下駄(あし)が、(ゆか)を踏む。

 あっちは烏天狗(からすてんぐ)姿(すがた)を、形作(かたちづく)った迅雷(ジンライ)


 そして、「いってててててっ――どうなってるっ!?」

 こっちは、烏天狗(カラテェー)装束(しょうぞく)収納(しゅうのう)したおれ、シガミーだ。


「あれぇ? シガミーもう(あさ)ぁ? ……揚げ(いも)が食べたぁい……むにゃ?」

 盛大(せいだい)に寝ぼけてやがるな、子供(こども)か。


「揚げ(いも)!? 素敵(すてき)ねっ、深夜(しんや)のオヤツに、ピッタリじゃないのっ♪」

 こんなときに、盛大(せいだい)に寝ぼけてやがるな、女神(めがみ)か。


   §


 ふぉん♪

『>正式ではない状態で稼働している聖剣が、

  スリープ状態に入ると過剰に自己修復され、

  〝黒さび〟が生じるようです。


 (くろ)さび……鉄瓶(てつびん)なら、わからんでもない。(たし)かにありゃ(かた)くて(おも)いからな。


「(あの(けん)だが――上級鑑定(じょうきゅうかんてい)にも見破(みやぶ)られないような、強力(きょうりょく)偽装(ぎそう)はできるか?)」

「――可能(かのう)でス、たダし、どノ程度(てイど)SP(スキルポイント)消費(しょうヒ)すルか見当(けんトう)が付きまセ()――」

 いま有るSP(スキルポイント)は?

 ふぉん♪

『SP 残り144、875です』


 じゃあ一万(いちまん)、いや、三万(さんまん)ポイントまでつかって良いぞ。

 ニゲルに取っちゃ、一大事(いちだいじ)だ。

「――了解(りょうかい)しまシ()――」


「(さて、(いそが)しいぞ。五百乃大角(いおのはら)協力(きょうりょく)してくれ――この場をしのいで仮眠(かみん)を取れたら、揚げ(いも)でも(なん)でも(つく)ってやるから)」

 ふぉん♪

『揚げ芋>何をすればいいの?

     何でも言って!』

 おい、名前(なまえ)まちがってんぞ。


 ――すぽん♪

 コントローラーを即座(そくざ)仕舞(しま)う。

 (うら)(からす)天狗(てんぐ)骨格(こっかく)さえ取り出せれば、もう必要(ひつよう)ない。

 迅雷(ジンライ)が居れば、おれが(あやつ)らなくても良いからな。


「ちょっとシガミー、(なん)ですか、この仕掛(しかく)けはっ!」

 やばい、勝手(かって)(つく)った秘密(ひみつ)の抜け(あな)が、リオレイニアにバレた!

「し、しぃらないよぉう? あ、アイツだ、カラテェーがやったんだぜわよ!」

 (つみ)迅雷(カラテェー)になすりつけつつ――(ニゲルの(けん)上級鑑定(じょうきゅうかんてい)した結果(ログ)を、表示(ひょうじ)してくれ)。


 ふぉふぉん♪

『聖剣ヴォルト【打ち直し】

 攻撃力34。魔王を討伐できる唯一無二の聖剣。

 >正式な手順で抜剣されなかったため、

  追加効果や称号は付与されない。

 装備条件/異世界より来訪した勇者』


 これを(ひめ)さんに見られたら、ニゲルの(こい)が終わ……らなくても(とお)のく。

 〝(つよ)()ろう〟とするリカルルの〝(うえ)を行く(おとこ)〟になら、なびいても良さそうなもんだが。

 なかなかどうして、上手(うま)くいかねぇ。


「(五百乃大角(いおのはら)には、偽装(ぎそう)する文面(なかみ)(かんが)えてもらう)」

「――はぁい、できたわよーぅ()――」

 (めし)がらみになると、本当(ほんとう)仕事(しごと)(はえ)ぇ!


 ふぉふぉん♪

『鍵剣セキュア【安物】

 攻撃力34。参考価格は2ヘクク。

 >セキュリティー重視の試作品。

 装備条件/揚げ芋』


「(意味(いみ)はわからねぇけど、2ヘククって金額(きんがく)(やす)くてニゲルに似合(にあ)ってる)」

 ふぉん♪

『>女神像書き換えのための、MSPが必要です』

 SP(エスピー)三万(さんまん)まで使(つか)えって、言ったろ?


「そうね、観客席(かんきゃくせき)舞台(ぶたい)もカラテェーの担当(たんとう)だったはずね」

 よいしょっ――と寝相(ねぞう)(わる)子供(レイダ)を、受けとり(かか)えてくれる(ひめ)さん。

「あれぇ? ココどこ、(なん)のお(はなし)ぃー?」

 むにゃー――とまだ寝惚(ねぼ)(まなこ)のレイダ。


「けど、このあたりの土台(どだい)全部(ぜんぶ)、シガミーが(つく)ったんじゃなかったっけ?」

 安物(やすもの)聖剣(せいけん)を、頭上(ずじょう)(かか)げるニゲル。


(まち)(ひろ)げた一角(いっかく)をかこむ石壁(いしかべ)は、天狗(てんぐ)さまが(つく)ったって、お聞きしましたわ――?」

 それ全部(ぜんぶ)順番(じゅんばん)ぼく(・・)と、おれ(・・)と、わし(・・)仕事(しごと)だ。

「ぎゃっ――リカルルさま!? おろしておろしてっ、はなしてぇぇぇぇぇぇぇぇー!」

 自分(じぶん)が、伯爵令嬢(はくしゃくれいじょう)に抱きかかえられているとわかるや、必死(ひっし)抵抗(ていこう)を見せる子供(こども)


「――あ、それ、あたくしさまの(メガミ)SP(スキルポイント)必要(ひつよう)なんでしょ()――」

 おれのSP(エスピー)は化け(うさぎ)とかで増えた(ぶん)もあるし、問題(もんだい)ねぇけど。

 五百乃大角(いおのはら)SP(エスピー)は、いざって(とき)五百乃大角(いおのはら)生身(なまみ)のすがたで世界(ここ)にとどまるための命綱(いのちづな)でもある。

 そんな(とら)の子を、使(つか)うわけには――


「――はイ。女神像(めがみゾう)システム(がワ)へノ介入(かいニゅう)が、必須(ひっス)ですノ()――」


「――いーわよ! えっとねぇー、いま(のこ)りが10230あるから、すこしくらい平気(へいき)でしょ()――」

 平気(へいき)じゃねぇだろうが!


 ふぉん♪

『>〝デバイスID偽装〟、〝デバイス位置情報偽装〟、

  〝デバイス名称偽装〟を収得。120MSP使用しました』

 ふぉん♪

『>〝リアルタイムログアクセス禁止〟、〝帯域偽装〟、〝▒▒▒世◎屯/▒▒▒▒▒〟、〝埋込UIアクセス許可〟を収得。94MSP使用しました』

 まてまて、一回(いっかい)やめろ――!?


「――イオノファラーの必須(ひっす)スキル習得(しゅうとく)は、完了(かんりょう)しまシ()――」

 これで終わりか? ふう、(あせ)らすなよ。


「――シガミーあト40(びょウ)時間(ジかん)(かセ)いでくダさ()――」


 ふぉん♪

『>〝アイテム名偽装〟、〝女神像システムフォルダ開放〟、

  〝女神像Pフォント〟を収得。17SP使用しました』

 こっちは、おれのSP(エスピー)か。

 おれのは、どんどん使(つか)え。


「えぇー!? この(あな)わぁー、迅雷(ジンライ)がぁーつくったってぇー!? 非常用(ひじょうよう)避難口(ひなんぐち)のテストを、抜きうちで(ため)したらぁー、ソレに――」

 ふぉん♪

『>〝寝ぼけたレイダが抱きついて、付いて来てしまった〟、

  と説明してください』


「寝ぼけた……レイダがぁくっ付いて……来ちゃったのだぜわよー?」

 レイダはたしかに、寝相(ねぞう)が良くない。

 たんこぶでも(つく)らせたら、父上殿(ギルドちょう)に合わせる(かお)がない。

 迅雷(ジンライ)判断(はんだん)は、(ただ)しかったのかも。


「なんか……カンペ読んでるみたいだよ、シガミー?」

「なんだか、たどたどしいですわね?」

「たしかに、ほかになにか(なく)していませんか、シガミー?」

 じりじりと寄ってくる、大人(おとな)たち。


 ふぉん♪

『>聖剣ヴォルトの偽装表示完了しました』


 よーし。

何も隠してないよ(しめしめうっひっひ)


 ふぉふぉん♪

『鍵剣セキュア【安物】

 攻撃力34。参考価格は2ヘクク。

 >セキュリティー重視の試作品。

 装備条件/揚げ芋』


「な、なんですの、あの(かお)!?」

「わっるい(かお)して、どうしたのシガミー?」

 (いずか)しむ大人(おとな)たち。


「ぷははははははははっ――――!?」

「ぷっ、ふふふふふっ、クスクスぷふーっ!?」

 パーティーメンバーたちには、ウケた。


 あ、いけねぇ、いまおれぁシガミーだった。

 ひとまず、(かお)(もと)にもどす。

「いやぁ、なんか小腹(こばら)が空いたから――そう、揚げ(いも)でも食べたいなって(おも)ってさ、ふひひへ♪」


 なんておどけてみせるおれの(よこ)に――カッカッカカン♪

 (くろ)人影(ひとかげ)が立った。

「どうしたぁ? ひょっとしてカラテェーも、(はら)でも空いたかぁ?」

 シガミー(おれ)裏烏天狗(ジンライ)がならんで会話(かいわ)すると、ニゲル語が際立(きわだ)つから――

 シガミーであるおれが、地のしゃべり(・・・・・・)(はな)す。


「お(なか)は減ってないよ。ぼくはただ大事(だいじ)そうに(かか)えた(けん)が、気になったから鑑定(かんてい)しただけだよ――ほらニゲルさん」

 迅雷(カラテェー)黒板(くろいた)を、青年(せいねん)に差しだした。

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