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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
2:カブキーフェスタへの道

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218/744

218:ギルド住まいの聖女(研修中)、ギュギュギュィィィィィィィィィン!

『カブキーフェスタのあちこちで話題沸騰中、

 緑色の魔物の正体は――!?』

 ガムラン町北側(ちょうきたがわ)拡張(かくちょう)された、温泉施設(おんせんしせつ)へとつづく(みち)


『ヒ-ノモトー国の精霊術(せいれいじゅつ)を駆使した、

 ガムラン町の守り神――その名は

 〝おにぎり〟ちゃん!』

 そんな張り(がみ)(はしら)(かべ)に、ぺたぺたぺたぺた。

 その色使(いろづか)いはとても(あざ)やかで、五百乃大角(いおのはら)無人工房(むじんこうぼう)で刷った。


 ふぉん♪

『ヒント>自動工作機械/無人の工房。

     簡単な冊子や印刷物から、

     家具や饅頭まで作成可能。』

 うん、自動工作機械(あれ)はさすがに、おれの手には(あま)る。

 迅雷(ジンライ)御神体(かみさん)にしか(あつか)えないけど、とんでもなく便利だ(つかえる)


 オルコトリアに賭けを持ちかけた翌日(よくじつ)

 まるまる一日掛(いちにちか)けて、どうにかこうにかガムラン(ちょう)温然施設(おんせんやど)をつくりあげた。

 もちろん、五百乃大角(いおのはら)神々の采配(マルチタスク)と、迅雷(ジンライ)やおにぎりの奮闘(ふんとう)のおかげだ。

 シガミーや天狗(てんぐ)烏天狗(からすてんぐ)三人(さんにん)も、それなりに頑張(がんば)ったようだが――

 はぁぁぁぁぁ、つ、(つか)れた。

 もう寝るぞ、おれぁ。

 すぐ寝る、とっとと寝る――「おやぁすみぃー♪」


「あぁーっ! シガミー居たっ!」

本当(ほんとう)ですか――居た!」

 かしましいな。

 うるさいよ――すやぁ♪


 (かべ)(かべ)のあいだ。

 しかも丁寧(ていねい)木箱(きばこ)で入り(くち)まで、(ふさ)いだってのに。

 どうしてココに居るってバレた?


 ぽきゅぽきゅぽきゅむ――♪

 寝入(ねい)りばなにわぁ、(みみ)ざわりな――足音(あしおと)


 迅雷(ジンライ)式隠(しきかく)(みの)にまで、(くる)まってたってのに。

 黄緑色(きみどりいろ)のあたまに乗った子供(こども)――見覚えがある(むにゃむにゃぁ)

 (つえ)に乗った(しろ)給仕服(きゅうじふく)にも、見覚(むにゃ)え――すやぁ♪


「にゃみゃにゃぁぁぁご♪」

 おまえは、ほんとうに(ねこ)みたいだな。

 ソイツは(・・・・)(くび)木札(いた)を下げていて、

 ソコには、こう書かれていた(・・・・・・・・)


『ぼくは、おにぎりちゃん。

 ガムラン町の守り神だよ。

 みんな、なかよくしてね。

 ※危険ですので強い衝撃や、

  餌を与えないでください』


 ふぉん♪

『イオノ>ゴーレムって言うとどうしても語弊が有るから、

     守り神としてのキャラクタを確立しました」


 五百乃大角(むにゃら)、いまどこだ。

 おれぁ、もう寝るぞ。

 あとは(まか)せ――――すやぁ♪


 ふぉふぉん♪

『>シガミー。本日深夜より開催される、

  〝バトルロイヤル予選〟のための決戦場が、

  まだ土台しか完成していません』


 岩場(いわば)(ほう)拡張し(ひろげ)た、温泉施設(おんせんしせつ)数々(かずかず)

 そのなかでも、(おお)きな()はみっつ。


 ひとつ目は――天狗(わし)がつくった、宿屋(やどや)だ。

 ()(もと)(しろ)のような(つく)り。

 ガムラン(ちょう)にはない(たたず)まい。


 ふたつ目は――烏天狗(ぼく)がつくった〝(たか)みやぐら〟と、そこから伸びるバカみたいに長い(はし)

 (それ)は〝(しん)ギルド会館(かいかん)〟の展望台(てっぺん)に、つながっている。

 (やぐら)はやっぱり()(もと)建物(たてもの)と似た、五重塔(ごじゅうのとう)のようなつくり。


 みっつ目は――シガミー(おれ)とおにぎりがつくった、巨大(きょだい)(ほり)石垣(いしがき)

 石垣(いしがき)(うえ)には城壁(じょうへき)を張りめぐらせ、空飛(そらと)魔物(まもの)を落とせる武器(ぶき)設置(せっち)してある。

 これをつくるのが一番(いちばん)たいへんで、切りたつ岩場(いわば)半分(はんぶん)くらい(たい)らにならす必要(ひつよう)があった。

 そのせいで肝心(かんじん)決戦場(けっせんじょう)をつくってる時間(じかん)が、なくなってしまっ――――すぴぃ♪


「シガミー、予定(よてい)が詰まっているので起きてくださいませ」

 ゆさゆさ。

「そうだよ、お(ひる)を食べてから半日(はんにち)もお(やす)みしたでしょう?」

 ゆさゆさ。

「にゃんにゃみゃにゃん、みゃぁにゃん。みゃにゃみゃやぁー?」

 ふぉん♪

『ヒント>自動翻訳:天狗も烏天狗も頑張りました。シガミーもがんばろ?』


「(それぜーんぶ、おれじゃんか! 昨日(きのう)から(はたら)きづめだ!)」

 ぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅきゅきゅきゅむ――――♪

 うるっせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――わかったから、ぽきゅぽきゅ(たた)くな!


「うあ゛ぁーもー、しゃあねぇな! 仕事(しごと)はなにが、のこってんだいっ?」

「ええと、決戦場(けっせんじょう)客席(きゃくせき)と、舞台(ぶたい)。そして深夜(しんや)でも試合(しあい)観戦可能(かんせんかのう)な、広範囲(こうはんい)にわたって照らせる街灯(がいとう)作成(さくせい)設置(せっち)になります」

 うん。リオレイニアは今日(きょう)も、そつがないけど――

結構(けっこう)たくさん、のこってるな?」

 リオと、しばし見つめあう。


「ふぅ、じつは、街灯(がいとう)使(つか)えそうな魔法具(まほうぐ)を、ルコルさまたちに(たの)んでおいたのですが――」

 城塞都市(オルァグラム)倉庫(そうこ)からもってきたアーティファクトは、昨夜(ゆうべ)のウチに饅頭販売所(ししがにやにごうてん)裏手バックヤードに置いてきた。


「みゃぁみゃぁにゃ♪」

 おにぎりが毛皮(けがわ)のどこかから、チラシを取りだした。


『本日行われるバトルロイヤルへの参加者には、

 アテーティファクトが当たる〝ガチャ無料券〟を

 進呈しております。ふるってご参加ください。』


「ふわぁぁぁァ――ティファクトが当たる?」

「はい、視察(しさつ)に来られたギルド長(・・・・)ギ術班(・・・)のアイデアです」

 ギルド(ちょう)とその直接(ちょくせつ)部下(ぶか)たちは、アーティファクトに並々(なみなみ)ならぬ情熱(じょうねつ)日々注(ひびそそ)いでいる。

 いやな予感(よかん)しかない。


   §


 猪蟹屋二号店(ししがにやにごうてん)つまり、饅頭製造(まんじゅうせいぞう)販売所兼(はんばいじょけん)アーティファクト仲介所(ちゅうかいじょ)では――

 臨時(りんじ)がらくた(・・・・)(いち)が……開催(かいさい)されていた。


 せっかく、(おおき)きさごとに収納魔法具(しゅうのうまほうぐ)仕舞(しま)っといたのに。

 (ひと)(もの)もあふれかえり、どこかとおくから責任者(ニゲル)悲鳴(ひめい)も聞こえる。


「ルコルくぅぅぅーん、こ、これは一体(いったい)どうつかうものなぁのぉかねぇぇぇぇ――!?」

「コッチのハンドルを(まわ)すと――なんだったっけコォン?」

「キミィィィィ――か、(かあくし)し立てぇするとぉーためにわぁなぁらぁなぁいぃーよぉうー!?」

「それは、手動式(しゅどうしき)自己睡眠(じこすいみん)装置(そうち)ニャッ」

 ギュギュギュィィィィィィィィィンッ――――――――!

「それは、ずばらしい! 寝付(ねつ)けない(よる)につかえば――――」

「ごみミャ。ハンドルを(まわ)すのを止めると、目が覚める(・・・・・)ニャ」


 ギュギュギュィィィィィィィィィンッ――――――――!

 ギルド(ちょう)が掛けた眼鏡(めがね)はアーティファクトだ。

 ちいさな(つま)みが付いていて、(なに)かを調(しらべ)べようとすればするほど、いきおいよく(うご)く。


 ギュギュギュィィィィィィィィィンッ――――――――!

 眼鏡音(めがね)が、うるせえ。


 ギュギュギュィィィィィィィィィンッ――――――――!

 橙色(だいだい)(ぬの)をまとったギ術班(じゅつはん)たちも、それぞれ(なに)かしらのアーティファクトを身につけている。


 ギュギュギュィィィィィィィィィンッ――――――――!

「(はぁ――ダメだな)」

 ギュギュギュィィィィィィィィィンッ――――――――!

 ふぉん♪

『>そのようですね』


 しかたねぇな。〝(あか)り〟の魔法具(まほうぐ)をつくるぞ。

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