表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
2:カブキーフェスタへの道

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

207/744

207:神域探訪、乳牛とニゲルの災難

「じゃあ、いま(あつ)めた(ぶん)で、それなりの(なべ)になるんだな?」

「はい、強化服一号(シシガニャン)発見次第(はっけんしだい)、イオノファラー(ぞう)まで(もど)りましょ()


 ふぉん♪

『▼――ピピピッ♪』


 なんかきたぞ!?

一号(いちごう)()

 (しげ)みの向こうを見る。

 なんかすごい土煙(つちけむり)が。


 あの(いきお)いは、まずい。

「タター、つかまれ。ココに居るとあぶない」

 貸していた錫杖(しゃくじょう)格納し(しまっ)て――すぽん♪


 しがみつく華奢(きゃしゃ)(からだ)……身長的(しんちょうてき)(しり)のあたりをガシリとつかんだ。

「にゃひゃぁぁぁっ――シシガミーちゃん、ちょっと待っ――――!?」

 トトトォォォッォン――――!


 大木(たいぼく)天辺(てっぺん)へ、降り立った。

 ジタバタするタターに「足場(あしば)がないから(あば)れると落ちるよ」とささやく。


 スゴイ(かお)(にら)まれたけど、一号(おにぎり)のようすを確認(かくにん)しないと――(した)を見た。


 ブゥウモンォォォッォヲ――――♪

 どかどか、ぱかぱか、ぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅ――――むん♪

 (あば)(うし)に乗ってご登場(とうじょう)の、おにぎり一号(いちごう)さん。


 かなりでかい(つの)片方(かたほう)が、ポッキリと折れている。


大方(おオかた)出会(でア)いがシらに頭突(ズつ)きでモ喰らっテ、ヤり(かエ)したとおもわれマ()


 ヴヴッヴッ――――ルガ(ばち)のうごき。

 目の(まえ)にジンライ鋼製(こうせい)格子(こうし)があらわれ――――ひゅぅーーーーーんと落ちていく。


 どずごーん!

 モォォォォォォォォォォ――!

「よくやった、また食材(しょくざい)が増えた!」

 (うし)……タターよりも背のたかい、(おお)きな(うし)(つか)まえた。

 ガッシャァァァァァァンッ!

 閉じこめられた(うし)が、(おり)激突(げきとつ)する。


 ぽきゅむん♪

 ガチャガチャガチャ!

 一緒(いっしょ)(つか)まった一号(おにぎり)が、(てつ)(ぼう)をつかんでガタガタ揺らしてる。

「にゃぁみゃぁーごぉぉう?」

 オマエは(おり)隙間(すきま)から、余裕(よゆう)で抜けだせるだろうが。


 トォン――

「きゃぁぁぁっ――!?」

 ――すたり。

 タターを降ろし、(おり)近寄(ちかよ)る。


「ンモーゥ♪」

 すぐに脱出(だっしゅつ)をあきらめ、大人(おとなしく)しくなる(うし)

「こうしてみると、なんか愛嬌(あいきょう)があるなー」

 ヴ――じゃりぃん♪

 錫杖(しゃくじょう)を出して、かるく(かた)けて(あし)で踏む。

 棒一本(ぼういっぽん)でも、十数年(じゅうすうねん)修行(ぎょう)を積めば、足場(あしば)出来(でき)る。


 (おり)(そと)から、(うし)(あたま)を撫でてやる。

 しきりに(ふくの)(また)のあたりを直してたタターも、ソッと手をのばす。

「かわいい……♡」

 (うし)の目はとても綺麗(きれい)だった。

 おれ……ボク……あたし?

 ――やタターの姿(すがた)が、ちゃんと(うつ)りこんでいる。


 ガムラン周辺(しゅうへん)変梃(へんてこ)なつくりの動物(どうぶつ)魔物達(まものたち)とはちがって、見ているだけでも(こころ)(あら)われるようだ。

 なんせ、よーく見ると、波打(なみう)黒目(くろめ)(いろ)は濃い(あか))に(うず)まく白目(しろめ)(いろ)は濃い(あお))みたいなのばかりだからな。


「じゃあ、無事合流(ぶじごうりゅう)したし、(もど)るか」

 おれは小太刀(こだち)を取りだした。

「ちょっとまって、シガミーちゃん! (なに)を……するの?」

 (そで)発止(はっし)とつかまれた。

「なにって、絞める(・・・)んだよ。そうしなきゃ収納魔法(しゅうのうまほう)(はい)らねぇし――」


 涙目(なみだめ)になったタターが、(うし)を背にして立ちふさがる。

 おれたちの真似(まね)をしてるのか、一号(おにぎり)が牛の頭を撫でる。

 一号(おにぎり)、お(まえ)……足伸(あしの)ばしたり出来(でき)るんだな。

 まあ、金剛力も普段から使えてたか。


 さて――ちらり。少女(タター)と目が合う。


「だって、この子は魔物(まもの)全然(ぜんぜん)ちがうでしょぉー!?」

 ふつうの(うし)(おお)きさは(ばい)だけど)を見たのは、(はじ)めてか。

「んーっと、(ひめ)さんトコで侍女(じじょ)をしてりゃ、毎日(まいにち)のように獲物(えもの)くらい(はこ)びこまれてるだろう?」


「にゃみゃにゃにゃごー♪」

 タターの(となり)に立つ一号(おにぎり)

 (あし)(なが)いままで、コッチを見下(みお)ろしてくる。


「ああモー、モー一匹(ひとり)増えやがった」

 気持(きも)ちはわかる。あの澄んだ(ひとみ)を見てると、(こころ)(あら)われる気がする。

「わかったよ。どうせ今日(きょう)肉鍋(にくなべ)じゃねぇしな。迅雷(ジンライ)、逃がしてやれ」


   §


「ふぅん、それでぇーそのゴーレム子(・・・・・)ちゃんがぁ――昼夜問(ちゅうやと)わずぅ、熱烈(ねつれつ)なアタックおー……物理的(ぶつりてき)仕掛(しかけ)けてーきたと?」

「アタックなんて(なま)やさしいもんじゃないんだよ――――借りてた宿屋(やどや)離れ(・・)に、(もり)の木の(うろ)。逃げこんだ廃屋(はいおく)地下(ちか)ダンジョンにまで追いかけてきて、全部壊(ぜんぶこわ)していくんだっ!」


「それじゃぁ、ゆっくりごはんも食べられないわね――キリッ」

 真剣(しんけん)(かお)つき。

「しまいには神聖(しんせい)祭壇(さいだん)でも有るはずの、〝召喚(しょうかん)(とう)〟を倒壊(とうかい)させても――一切(いっさい)のおとがめなしでさ!」

 青年(かれ)にしてはめずらしく、大声(おおごえ)を張りあげている。


「けどそれは魔王(まおう)(たお)すための、訓練(くんれん)だったんでしょ?」

「たしかに(いのち)まで取ろうとはしてこなかったけど、毎日毎日(まいにちまいにち)いろんな姿(すがた)人型(ひとがた)ロボットみたいなのに追いかけられて――いつだかは屋台(やたい)で食べてたら、大通(おおどお)りを(ある)(ひと)全員(ぜんいん)ゴーレムに変えられてたしさっ!」

 涙目(なみだめ)青年(ニゲル)


「……それで西計(ニゲル)(くん)わぁ、どぉーしたのぉー?」

「ぐすっ、仕方(しかた)ないから全部斬(ぜんぶき)ったよ。そうすると翌日(よくじつ)には、その攻撃(こうげき)を避けるように、改良(かいりょう)されたのがくるんだよ!? ――まったく忌々(いまいま)しい!」


「ドルイドである王女(おうじょ)さまの(つく)りだしたゴーレムに……連日追(れんじつお)われつづけたと――――んー、それたぶんだけどぉ、(きみ)を当て(うま)にした〝兵器開発(へいきかいはつ)プロジェクト〟よねぇ?」


兵器開発(へいきかいはつ)プロジェクト? 言われてみればそういうことか。やっぱり、なんかおかしいと(おも)ったんだよ。持ってた魔導書(まどうしょ)表紙(ひょうし)に、ドクロマークとか書いてあったしさっ!」


「そもそも、(きみ)がこの世界(せかい)に来た時点(じてん)で、とっくに魔王(まおう)は斬られちゃってるわよね?」

「つ、通信機(つうしんき)みたいな(もの)があって、最前線(さいぜんせん)状況(じょうきょう)王女(おうじょ)が知ってたってことは、ガムラン(ちょう)に来て知ったよ――」

「つまり、〝(だま)されていた〟と――」

 タブレットPCに(なに)かを書きこんでいく、イオノファラー所長(しょちょう)

 

「うあぁぁぁ――(おも)い出すと(はら)がたつ! に、逃げてきて本当(ほんとう)に良かった!」


央都(おうと)NGの(けん)は、よぉーっくわかったけど……(きみ)身体能力(しんたいのうりょく)が、〝シガミー越え〟らしいっていうのは本当(ほんとう)? 一体(いったい)どんなスキルぉー、(かく)し持ってるのかしらぁねぇー?」

 核心(かくしん)(せま)るイオノファラー。


(かく)すもなにもギルドカードを見れば、書いてあるけど?」

 革製(かわせい)ベストのポケットから取りだした、銀色(ぎんいろ)のカード。

 ソレをぽすっと、テーブルに置くニゲル。


 イオノファラー(映像(えいぞう))の目が、見開(みひら)かれる!

 ニゲルの神速(しんそく)敏捷性(アジリティ)(けい)のブーストや、コントゥル家御用達(けごようたつ)先制攻撃(ファーストアタック)とは一線を画していた(・・・・・・・・)


   §


「おーい、もどった……もどりましたでござりますわ♪」

 (まど)(そと)に、(うし)手綱(たづな)をひく少女(シガミー)があらわれた。


(もど)りましたわ――さんはい♪」

 (うし)にまたがる給仕服(メイド)


「みゃやうー♪」

 ゴロゴロと(のど)を鳴らす強化服(SDK)

 (おな)じく(うし)にまたがり、タターが落ちないようにうしろから抱きついている。

 目を(ほそ)(かか)えた給仕服(からだ)(ひたい)をこすりつける(さま)は――


(もど)りましたでごぜぇますわ……なんだか、随分(ずいぶん)(なつ)いたもんだなー」


 キィィ――あけられる出窓(でまど)

 (かお)を出したのは、どこかお(つか)気味(ぎみ)美の女神(イオノファラー)


「おかえり~……なぁにそれ(うし)? モー、どこで見つけてきたのよ。あっ、(ぎゅう)スキもいいわねぇぇ――じゅるり♡」

 よだれを垂らす女神(めがみ)からの、(あつ)視線(しせん)(おび)える(うし)

 すとんと地面(じめん)に降り、(あいだ)に立ちふさがる侍女(タター)一号(おにぎり)空飛ぶ棒(ジンライ)


「オ待ちくだサい、イオノファラー。コの乳牛(にゅウぎゅう)かラは牛乳(ぎゅうニゅう)が取レ、様々(さマざま)食品(しょくヒん)加工出来(かコうでき)()

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ