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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
2:カブキーフェスタへの道

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205/744

205:神域探訪、ニゲル事変

「ふぅん、それじゃぁ通学路(つうがくろ)(ある)いてたらぁ、(たお)れてきた(なに)かの下敷(したじ)きになっちゃったのぉ?」

 ここから(さき)(はなし)はフェスタが終わって、いろんな仕事(しごと)全部一段落(ぜんぶひとだんらく)した(ころ)に聞かされた。

 まあ、知ろうが知らなかろうが、ニゲルはニゲルでおれはおれだ。

 それほど(たい)した(はなし)ではないしな――


「そうなんだよ。なんでも遺跡獣(いせきじゅう)がとつぜん生えてきてさ、(ちか)くの高層(こうそうびる)ビルを(こわ)したらしいんだよね」

「ふぅん……ちょっとまって。なぁにイセキジュウって?」

遺跡獣(いせきじゅう)遺跡獣(いせきじゅう)だよ。地球上(ちきゅうじょう)どこからでも生えてきて、大昔(おおむかし)屋根鯨(やねくじら)なんて言われてたアレだよ」

 「ほらこれ」と、画面(がめん)が割れたスマホを見せる青年(せいねん)

 のぞき込むイオノファラー。

 ソコに(うつ)し出されているのは、(くず)れ落ちる高層(こうそう)ビル(ぐん)と――巨大(きょだい)(かに)のハサミが生えた巨大(きょだい)な目。

 目を見ひらく、美の女神所長(めがみしょちょう)


「へぇ~へ~んだ、し、知ってるもんね! あたくしさまは、なんせ美の女神(めがみ)ですからーっ!」

 そう言って(からだ)をひねり、ソファーの背もたれに突っぷすイオノファラー所長(しょちょう)


「(()ょっと、迅雷(ジンライ)くぅーん。たぁすぅーけぇてぇー())」

 カシャ――『(>_<)』

 イオノファラー所長(しょちょう)映像(えいぞう))が(からだ)(おお)きく(うご)かしたため、ソファーの向こうが透けて見えた。

 球形(きゅうじょう)のプロジェクションBOT(ぼっと)がむき出しになり、(ふたたび)びジワジワと所長(しょちょう)映像(からだ)色濃(いろこ)くしていく。


「(イオノファラー。(わたし)にまで、その口調(くちょう)使(つか)必要(ひつよう)はありませ())」

「(()ら、そ。つれないわね。それで、空間(くうかん)異常検疫(いじょうケんえき)異常(いじょう)!?())」

「(ありません。論理封鎖態勢(ロジカルブロッケード)(かん)する情報(じょうほう)開示(かいじ)されていませんので、類推(るいすい)による校閲取(うらど)りが出来(でき)ませんが……ニゲル青年(せいねん)生命反応(バイタル)異常(いじょう)は見られませ())」


「(()くなくとも……アタシが知ってる日本じゃない(・・・・・・)わね。それなのにニゲル(くん)は、(うそ)をついてはいないと……ふーん、なるほど――わから())」


「それで、イオノファラー所長(しょちょう)……本当(ほんとう)のところ、どうでしょうかね?」

「ん、なにがぁ~、うふふふふふうっ?」

 つたう冷や(あせ)(ほほ)に当てた手で(かく)す、イオノファラー所長(しょちょう)


「なにって、(みゃく)ですよ(みゃく)――キリッ」

 ヒジをヒザに乗せ(まえ)かがみ。

 組んだ手にあごを乗せた青年(せいねん)(かお)が、引きしまる。


「(()(ジンライ)っ! モニターしてるのが、バレてるんだけど!?())」

「(落ちついてください。(かれ)が言っているのは、バイタルデータのことではなく、恋愛対象(リカルル)との(こい)成就確立(じょうじゅかくりつ)のことと(おも)())」


「あー、そっちね。こほん! 聞きたい? ほんっとぉーに、ききたぁいー?」

「はい、最初(さいしょ)はふざけてるのかと(おも)ったけど、なんか真面目(まじめ)相談(そうだん)にのってくれてるみたいだし。この(さい)本気(ほんき)で――取りに(・・・)行こうかと!」


「良い(こころ)がけだわ――ふふふ♪」

 ()ょっと、取りに行く(・・・・・)って何を(・・)!?()

 類推(るいすい)になりますが、リカルルの(ハート)ではないか()


「じゃぁ、正直(しょうじき)に言うけど――(いま)のままじゃ、(みゃく)はないわね――キリッ」

 真剣(しんけん)さのアピールなのか前屈(まえかが)み、組んだ両手(りょうて)にあごを乗せる映像(イオノファラー)

 その(かお)が、引きしまる。


「そ、そうか。ガムランに来てから、一年(いちねん)ちょっと……ひょっとしたらそうなんじゃないかなって(おも)ってはいたんだよね。そもそも、身分(みぶん)がちがうし……ぶつぶつ」

 手を(また)(あいだ)に下ろし、うなだれる青年(せいねん)


()すくす、(はなし)最後(さいご)まで聞いてちょぉうだぁい? あきらめるのわぁ、(ぜん)(ぜん)(はや)いわぁよぉー――お(ひめ)ちゃんはさ、なにをモットーにして生きていると(おも)()

「モットー? ガムランの……ひいては人類(じんるい)平和(へいわ)?」

()うね、けどそれは目的(・・)でしょぉ()

「?」

 (くび)(かし)げる青年(せいねん)


()(かのじょ)のモットーわぁー、平和(へいわ)のぉ手段(・・)で有る――魔物を斬ること自体(・・・・・・・・・)なのよっ()

斬ること自体(・・・・・・)!? ――そういや、聖剣(せいけん)が抜けなかった(はら)いせに、何本(なんぼん)もの宝剣(ほうけん)をダメにしてまで〝斬った(・・・)〟って聞いたなぁ――てれてれ♪」

 ()ぜそこで、(ほほ)を染める()

 意外(いがい)と、この二人は、お似合(にあい)いかもしれませ()


()レを踏まえた(うえ)で、この(はなし)になるんだけどさぁー、ニゲル(くん)わぁさぁー、結構(けっこう)(けん)使(つか)えるってほんとぉぅー()

(けん)? コレのこと?」

 ガチャリッ。


()ん、まあソレもぉー確認(かくにん)しておきたいことのぉ、ひとぉつ()

「この(けん)工房長(ノヴァド)が、いろいろ(ため)しに打った(やつ)(なか)一本(いっぽん)でさぁ。持ちあげるのにコツが居るんだよね~♪」


 ふぉふぉん♪

『聖剣ヴォルト【打ち直し】

 攻撃力34。魔王を討伐できる唯一無二の聖剣。

 >正式な手順で抜剣されなかったため、

  追加効果や称号は付与されない。

 装備条件/異世界より来訪した勇者』


()(けん)だけどさぁ、鑑定(かんてい)してもらったことわぁ()

「えぇーっ!? そんなのするわけないじゃん。買った値段(ねだん)より(たか)く付いちゃうし」

 うなだれる所長(しょちょう)イオノファラー。


()ゃあ、ココへはどうやって来たの? 死んだあとの記憶(きおく)わぁ有る()

「……………………(こえ)が聞こえたんだよ……くそっ……ぶつぶつ」

 テーブルを見つめ、忌々(いまいま)しそうな口調(くちょう)

()んて()


「「あぽーん、しんでしまうとななにごとだ!」って(おこ)られたよ」

 イオノファラー(映像(えいぞう))を見つめ、忌々(いまいま)しそうな口調(くちょう)

()んか、(いにしえ)(ぼう)コンシューマーゲームみたいね。それで……()


「「生きかえりますか?」って聞かれたから、ひとまず死んでなくなるくらいならって……」

 青年(せいねん)(かお)苦渋(くじゅう)に満ちていく。

()に聞かれたの? あたくしさまも、ウチの(あに)……縁者(えんじゃ)である前任(ぜんにん)(かみ)もあなたを呼んだ(・・・)(おぼ)えはないのだけど――」


「だれって、もちろん央都(おうとの)王様(おうさま)だよ。召喚魔術(しょうかんまじゅつ)使(つか)ったのは…………王族(おうぞく)(ひめ)さまだけど」

()さま? まだ会ったことないけど……リカルルちゃんみたいなぁ()


 シャギィィィィィ――ン!

 鳴る金属音(きんぞくおん)

 映像(イオノファラー)眼球(ひとみ)(うつ)りこむ室内(しつない)

 その(なか)青年ニゲル姿(すがた)はなかった。


 ソファーに(すわ)映像(イオノファラー)の、背後(はいご)

 ニゲル青年(せいねん)の、錆びかけた剣(・・・・・・)首筋(くびすじ)映像(えいぞう))に当てられている。


「いくら、イオノファラー(さま)でも、それもう一回言(いっかいい)ったら――本当(ほんとう)に斬るからね?」

 ()この迫力(はくりょく)()

()かった! わかりましたぁー、二度(にど)と言わなぁいぃぃぃぃぃ()

 背後(はいご)からの刺客(しかく)に、手を上げ降参(こうさん)する非戦闘神(ひせんとうしん)


 ふぉん♪

『>()ガミー、ニゲルが(つよ)いって本当なのっ!?()

「(ああん? 言っただろ、二号(にごう)手足(てあし)をスパスパ切りやがったって。ありゃあ、普通(ふつう)じゃねぇから……まぁ、(おこ)らすなよ?)」


 ふぉん♪

『>そ、そうする! あたくし、気をつける!』

「そうしろ。こっちは、コレから野菜(・・)群れ(・・)追い立てる(・・・・・)からいそがしい、じゃあな!」

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