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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
2:カブキーフェスタへの道

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203/744

203:神域探訪、VS鍋の具材

「シガミーちゃーん! 落ちたら(あぶ)ないわよー!?」


「だーいーじょーおーぶーだーぁぁぁぁっ!」

 高台(たかだい)から急流(きゅうりゅう)へ飛びこんだ。

 二号(シシガニャン)を脱いで、鎧代(よろいが)わりの胸当(むねあ)ても(はず)したから、そこそこ(およ)げるだろ。


 メイドさん(タター)(さけ)(ごえ)が、とおくなっていく。


 ぽっきゅぅーん♪

「あ、おまえ一号(おにぎり)! タターを(まも)ってろって言ったのに!」

 一号(きみどりいろ)まで飛びこみやがった。


 迅雷(ジンライ)、タターを(まも)れっ!

「(了解(りょウかい)でス、シガ――)」


 どぼーん♪

 どぼきゅむーん♪


 ごぼがぼごぼがっはぁ――すこし(つめ)てぇなっ!

 けど、いっぱい(さかな)が居るぞ?

 けど、(みょう)に……普通(ふつう)っつうか、ガムラン(ちょう)まわりで取れる(さかな)とはちがって、(つの)(きば)も生えてないというか。

 毒々(どくどく)しいギラギラした(いろ)もしてなくて、ふつうの(ぎん)ピカで青黒(あおぐろ)斑点(はんてん)が有る。


「こりゃぁ河鱒(かわます)か、ごぼがぼっ……(ココは――()(もと)か!?)」

「――いイえ、シガミー。現座標(げんざヒょう)神域内(しんいきなイ)でアることを(しメ)していま()――」

 とおく(はな)れると(ひかり)加減(かげん)とかで、念話(ねんわ)(つう)じないこともあるから――耳栓(みみせん)使(つか)ってる。

 耳栓(これ)がありゃ、すくなくともガムラン(ちょう)(はし)から(はし)くらいまでは、(こえ)途切(やぎ)れない。


 ふぉにょり♪

『ゝ頼凹占絅碩脅急鋼朶鰆亞細訢鱔匹貞宵悪匞丕其胥不巨厙辣鱈止臼廾斤自ケ勹並且廿攵秋や午屑』

 ごぼごばぁ――――読めん。

 (みず)(なか)じゃ、ゆがんで読めん。


 ごぼがぼっ――ざばばばっ――水面(すいめん)へあがる。

「っぷっはぁぁっ――!」

 ふぉん♪

『>顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区真骨亜区正真骨下区原棘鰭上目サケ目サケ亜目サケ科サケ属、

 学名:Oncorhynchus mykiss』

 読める――けどわからん。


「――(アか)ミがかった一本筋(いっぽんすジ)がありますので、虹鱒(にじます)……シガミーが居た時代(じだい)から(やく)200年後(ねんご)外国(がいこく)から持ちこまれた、大変(たいへん)おいしい(さかな)()――」

 なるほど、わからんが。

 五百乃大角(いおのはら)が言ってた〝(なべ)〟に、出来(でき)るんだな?


「――はイ。ですが――」

 ズザザザザザザザザザザァァァァァァァァッ――――!!!

 水面(すいめん)から突きでた背びれが、スゴイ(すご)いで(せま)ってくる。

 なんだ、おれを(ねら)ってるのか?

 

生意気(なまいき)(さかな)だな」

「――スチールヘッドとモ呼ばレ、非常(ひじょウ)攻撃性(こうげキせい)(タか)(さカな)でス。気をつけてくだサ()――」


 ヴッ――くるくる――じゃりぃん♪

「だれに言ってんだ? 無敵(むてき)のシガミーさまに(まか)せとけっ――――うぉぅわぁぁぁっ!?」

 ドッゴガァァァァッ――――!!!


「ぐはっ――――ぁ!?」

 たかが魚如(さかなごと)きに、はじき飛ばされた。

「――推定全長(すいていぜんチょう)2メートル(きょう)日本(にホん)虹鱒(にじマす)五倍(ごバい)(おお)きさがありマ()――」


 水面(した)を見ると(たし)かに、魚影(ヤツ)はおれより(おお)きい――どぼごぼ――ん♪

 落ちた(いきお)いで、またふかく(もぐ)っちまった。

 (ふか)(みず)。ここは魚共(アイツら)間合い(・・・)だ。

 一旦引(いったんひ)く。


 ぷっはぁぁっ!

 水上(すいじょう)に出て、(いき)をととのえる。


「――100メートルほド下流(かりゅウ)ニ、浅瀬(あさセ)につナがる断崖(だンがい)の切レ目がありま()――」

 (がけ)途切(とぎ)れた(さき)に、砂浜(すなはま)がみえた。

 ごぼがぼ――ばっしゃばしゃばしゃ!

 あぁ? なかなか(すす)まねぇんだが!?


「――シガミー全長(ぜんチょう)ハ1シガミーに過ぎません。理論上(りろんじょウ)、5ノット以上(いジょう)速度(そくド)ハ出せませ()――」

 わからん、スキル取れスキル!


「――了解(りょウかい)しまシ()……」


 ふぉん♪

『>〝水泳上達〟〝体温維持〟〝遠泳術〟〝肺活量上昇〟〝潜水術〟

  消費スキルポイント/33pt』


「なんでもいい、うぉぉぉぉぉぉっ!」

 ズザババッバババヴァヴァッヴァヴァァッツ♪

 (きゅう)にすすむようになった。

 なんとか、(きし)まではたどり着けそう――――

 ドオッゴガァァンッ!!


()ってぇ――!?」

 まわり込まれた!?


 けど、ザッパパパッパパパパパパパパッ!

 立ち(およ)ぎで、水面(すいめん)(ひざ)まで立てる!


 これなら――

「(血怨戒(ちえんかい)(しゅう)三秒(さん))ふんぬぉりりりゃやぁぁぁぁぁぁ――――!」

 ギャリリィン――――どんっ!

 ぼごっ――――ぽっきゅむぉわぁん♪

「だぁぁぁぁぁぁっ、一号(おにぎり)!」

 オマエ、どっから出てきた!?


 水上(すいじょう)(しず)むでもなく、(およ)ぐでもなく――ただ(ただ)ってきた黄緑色(きみどりいろ)に、ぶち当たる錫杖(しゃくじょう)

 (およ)ぎは(おし)えてねぇからなっ――――!


 くるくるくるくる――――ぱし、ぽきゅむん♪

 落ちてきた錫杖(しゃくじょう)を、つかむ黄緑色(おにぎり)


「やべぇ! やり(かえ)されるっ!!!」

 (きし)までは距離(きょり)がある。

 なら水中(した)に――――逃げる!


 (おお)きく(いき)を吸いこむ。


「にゃにゃわわぁぁーーー♪」

 水面(すいめん)に立ち、血怨戒・襲で(ちからいっぱい)投げかえされる――ジンライ鋼製(こうせい)錫杖(ぼう)

 ギャリリィン――――どんっ!


 ごぼがぼ――――ずぱぱざぱぱぱっ――――水中(すいちゅう)で振りむくと。

 ゴヒュリュリュルワァボゴゴォ――――(すさ)まじい(はや)さで(あわ)が、こっちに向かって伸びてくる。

 一号(SDK)(ねら)いは、はずれないだろう。

 (からだ)をよじり全力(ぜんりょく)で、ヴ――じゃりぃぃん♪


二の型(ごぼがばべ)!」

 ドゴッ、ギュギャリリィィィィン――――――――ゴゴヴァァァァァァァァァァ――――――――――――!!!


 咄嗟(とっさ)に出した錫杖(しゃくじょう)で――打ちかえした瞬間(しゅんかん)

 あたりが明るくなった。


 まわりに(みず)はなく、(からだ)を突きぬける衝撃(しょうげき)(おく)れてとどく。


 どずぅぅん!

 ぽっきゅみゅん♪

 デカい(あさかな)一号(おにぎり)

 それと(ちか)くに居た(ちい)さい(さかな)が――――ボタボタボタボタ、バタタタタタタタッ!

 (やま)のように積みあがる。


 (けず)れた錫杖(しゃくじょう)を投げ捨て、切り裂かれた(・・・・・・)(かわ)を――一刻見(いっときみ)つめた。

 (たか)さはどれくらいか――切りたつ水面(・・)が、波打つ(・・・)

 (みず)がなくなった(みち)は、砂浜(すなはま)まで(つづ)いている。


 玉砂利(たまじゃり)川底(かわぞこ)に――がしゃりと着地(ちゃくち)したおれは(さけ)んだ。

「おい、おにぎり! そのでかい魚持(さかなも)ってついてこい!」


 錫杖(しゃくじょう)がぶつかった衝撃(いきおい)で、吹きとばされた濁流(だくりゅう)が――押しよせる。

 ごぼぉぉ――――!

 がしゃがしゃ、だだだっ――ずるん。


 やべぇ、すっ(ころ)んだ!

 ぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅ、背後(はいご)から(せま)足音(おにぎり)


「おつかまりくださぁーい」

 (こえ)がする。

 (なが)く伸びた迅雷(ジンライ)にまたがったメイドさんが、(ひも)を投げてきた。


 カシャカシャ、カチャカチャ、カシャラララララァッ――――――!

 よく見りゃそれは、迅雷(ジンライ)細腕(かいな)だった。


 (うで)を巻きとられ、引っ張りあげられる。

「おにぎりっ、つかまれっ!」

 (うで)を伸ばす――――ぽきゅぽきゅぽきゅむん、がしゃがしゃがしゃぁぁっ♪


 (とお)ざかる黄緑色(きみどりいろ)が、濁流(だくりゅう)に呑みこまれた。


「シガミーちゃん――じゃなくって、おにぎり(・・・・)ちゃん!」

 (なみだ)まで浮かべるやさしい、少女(タター)


 引っぱり上げられたおれは――

大丈夫(だいじょうぶ)だ、うまく説明(せつめい)出来(でき)ねぇけど、アイツは五百乃大角(いおのはら)(つく)った(ふく)だから、アレくらいじゃ死なない」

 ――と、気休(きやす)めを言ってやる。

 (かわ)藻屑(もくず)と消えた一号(いちごう)(さが)すのは(ほね)だが、(ほね)さえ取れてなきゃ放っといても(かえ)ってくるだろ。


 ごぽぽこぴゅぎゅりゅぎゅっごぼがぼごぉぉぉぉ――――♪

「ん? (なん)(おと)だ?」


 う゛ぉぎゅう゛ぉぎゅう゛ぉぎゅう゛ぉぎゅぎゅむむむっ――――――――♪

 水底(みなそこ)から(とどろ)く、うるせぇ(おと)


 水面(した)を見ると――黄緑色(もくず)と目が合った!


 ぼぎゅぼこぴゅぅーん♪

 飛びだしてきた頭兜(へっど)のいきおいは、(すさ)まじく。


「あっぶねえぇぇぇぇぇぇっ――――!」

 迅雷(ジンライ)蹴飛(けと)ばし――タターを(とお)ざけた。

「きゃぁぁっ!?」

 おれたちの(あいだ)を、通り抜ける――砲弾(おにぎり)


 おれをつかんでいた迅雷(ジンライ)(かいな)が、引きちぎられ――


「みゃにゃぎゃぁーぁぁぁ……ぁぁ……ぁ……ん♪」

 一号(いちごう)の鳴き(ごえ)(とお)くなり――キラーン!

 やがて(そら)の向こうに、姿(すがた)を消した。


 ぽこん♪

『>特選ニジマス【特大】 ×1』


「(()ら、素敵(すてき)、さい(さき)、良いじゃぁないのよさ♪ あとわぁ(キィノコ)とぉ、お野菜(やさぁい)おーよっろしくねええぇぇぇぇん())」

 あー、そういや五百乃大角(こいつ)、まだ画面(がめん)(なか)に居たんだった。


 さい(さき)、良いのか(わる)いのか。もう、わからん。

「ふぅー」

 ひとまずは――一号(あいつ)回収(かいしゅう)しないとな。

顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区真骨亜区正真骨下区原棘鰭上目サケ目サケ亜目サケ科サケ属/ニジマス。海を回遊し巨大化した物はサーモントラウトなどと呼ばれる。

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