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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
2:カブキーフェスタへの道

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200/744

200:神域探訪、ニゲル専用恋愛相談所

「あのー? だれかいますかー?」

 ココは、超女神像(ちょうめがみぞう)地下(ちか)


 央都(おうと)からの転移者(てんいしゃ)が、到着(とうちゃく)する階層(かいそう)だ。

 (ゆか)とやや(ひく)めの天井(てんじょう)に、全体(ぜんたい)見渡(みわた)せないほど(おお)きな魔方陣(まほうじん)(きざ)まれている。


()たわ()」「来たな(にゃみゃ)」「来ましタ()

 (あさ)午後一(ごごいち)定期便以外(ていきびんいがい)は、まだほとんど利用者(りようしゃ)はいない。


「来るには来たけど、ボクは央都(おうと)にはいかないよ?」

 つまり、ここに居るのは(げん)スーパールーキーと、(もと)スーパールーキーのふたりだけだ。


(にゃ)? ……腰の剣に(みゃん)手をかけるほど(にゃんみゃみゃ)行きたくないの(にゃぁぁんにゃ)?」

 きゅほん♪

『>【腰の剣に手をかけるほど、央都に行きたくないの?】』

 文字板(いた)に、日本語(にほんご)で書いてあげる。

 食堂(しょくどう)見慣(みな)れたお品書き(メニュー)以外(いがい)は、それほど読めないみたいだからな。


「あぁごめん! ちょっと(わけ)があってさ、央都(おうと)にはあんまり良い(おも)い出がなくて……つい」

 まあ、人畜無害(じんちくむがい)なニゲルだって(ひと)の子だしな。いろいろあるんだろう。

 ガムラン最強(さいきょう)(うたが)いはあるし、日本(ひのもと)()まれじゃ――なんか(みょう)なスキルを持ってそうだし……あんまり人畜無害(じんちくむがい)でもないな。


()いじょうぶよ。(いま)から行くのは本邦初公開(ほんぽうはつこうかい)の〝神域惑星(しんいきわくせい)〟つまり――あたくしさまの(ほし)ですからぁ――きゃっきゃうぇっへぇぇぇっ()

 五百乃大角(いおのはら)の素っ頓狂(とんきょう)(こえ)が、転移陣(てんいじん)()木魂(こだま)する。


「ええっ――あのギルドの(うえ)に浮かんでる、地球(ちきゅう)みたいなヤツに――っていうか、さっきから(だれ)(はな)してるんだい?」

 勇者(ゆうしゃ)ニゲルが、あたりを見渡(みわた)す。


()あ、それはね。コレよコレ()

 ヴォヴォン――――ヴォヴォヴォッ!

 浮かんでるときの、迅雷(ジンライ)みたいな(うな)りをあげて――――(まる)(たま)颯爽(さっそう)とあらわれた。


 ちょうど御神体本体(ごしんたいほんたい)の、(あたま)みたいな(おお)きさと(かたち)

 その表面(ひょうめん)に――『(Θ_Θ)』

 (かお)が張りついてる。


 カシャ――『(迅)』

 (かお)(じん)文字(もじ)にかわり――

「ニゲル青年(せいねん)が来るマで、(ひま)だったノで作製(さくせい)しマし()

 迅雷(ジンライ)の落ち着いた、ビリビリする(こえ)が聞こえた。


「へー、なんだかスマートスピーカーとかIP(アイピー)フォンみたいだね」

 わからん。

「(()ょっと迅雷(ジンライ)、聞いた(いま)())」

「(はい、イオノファラー。やはりニゲル青年(せいねん)相当未来(そうとうみらい)日本(にほん)から来たと(おも)われます)」

 わからん。


 きゅふぉん♪

『>【とにかく、おれたちはニゲルの

  恋愛相談に乗ることに決めたよ。

  くわしい話は、向こうへ行ってからだ】』


 カシャ――『(Θ_Θ)』

()ゃあ、いきましょぉう()


 ヴォン――――おれたちの(まえ)

 空中(ちゅう)にあらわれる画像(がぞう)


『現在、白線の内側にいます

 しばらくお待ちください。』

 書いてある意味(いみ)は分かるが、わからん。


「これ知ってる! ぼくわぁ、にげるよ! また(・・)(へん)世界(せかい)に飛ばされたりしたら、かなわないからね!」

 逃げ出そうと(きびす)をかえす、勇者(ゆうしゃ)ニゲル。


()ってる? この神域惑星(しんいきわくせい)がらみの表示(ひょうじ)はあたくしさまだって、はじめて見たのに……ぶつぶつ……ぱらぱらり……どこに載ってんのかしら()

 攻略本(とらのまき)をめくってやがる。

 そうなると、本当(ほんとう)にニゲルは……おれよか、五百乃大角(いおのはら)に……神々(かみがみ)近いところ(・・・・・)から来たのかも知れない。


「ニゲル、心配有(しんぱいア)りマせん。神域惑星(しんいキわくせい)にハ、リカルル・リ・コントゥルも一度(いちド)(おトず)れていますノで」

「えっ、そーなのかい?」

 (あし)を止める勇者(ニゲル)


()ーねー♪ 向こうに行ったのわぁ、まだシガミーとお(ひめ)ちゃんだぁけぇだぁくわぁるぁー、(かえ)ってきてぇその(はなし)をしたるぁーとぉーってぇもぉー、もりあがるんじゃないくわぁとぉー、お・も・う・のぉー()

 カシャ――『(Θ_<(ばちーん♪))』

 また片目(かため)を閉じやがる、だから(むし)が目に(はい)ったんなら(はら)って……(むし)じゃねーのか?

 生きた(もの)収納魔法(そのなか)に、(はい)れないからな。


「よし、ボクも(おとこ)だ。スグ行こう!」

 勇者(ニゲル)の手に(ひぎ)られたのは――たぶん、(くだん)の〝一日(いちにち)なんたら(けん)〟。


『リカルル・リ・コントゥル様との一日デート券

 有効期限/カブキーフェスタ開催中のみ有効

 【※恋の相談も下記の場所にて、別途受け付けます(但しニゲルに限る)

 恋愛受付相談所:お気軽に超女神像転移陣の間まで、お越しください】』


「ポポポォオーーーーン♪ 乙種(セカンドクラス)物理検索(フィジカルサーチ)終了(しゅうりょう)異常値(いじょうち)検出(けんしゅつ)されませんでした。論理封鎖態勢(ロジカルブロッケード)解除(かいじょ)。繰りかえします、乙種(セカンドクラス)物理検索(フィジカルサーチ)終了(しゅうりょう)異常値(いじょうち)(けん)――ブツッ」

 うるせえ!

 封僧(ほうそう)とかいうわからんのが、またがなり立てやがった。

 ほんと、うるせえ。


 ふぉん♪

『FATS>女神像端末#778から女神像案末#3313への、

 ファストトラベルを開始します  実行しますか? Y/N』

 ひかった牡丹(ボタン)がかってに押され――『Y』てのが(えら)ばれた。


 プププポプポォォーーン♪

『名称未設定ワールド改め神域惑星(女神像端末#3313)への

 ファストトラベル開始まで――――00:00:59』


 (した)(うえ)魔方陣(まほうじん)がやっと(ひか)りはじめた。

 仕来(しきた)りがおおくて、かなわねえけど――やっと神域(むこう)に行けるみたいだ。

 ひとまず向こうへ行っちまえば、ニゲルとの内緒話(ないしょばなし)(くち)(はさ)むやつがいなくなる。


 ヴォン♪

『白線からお出にならないよう、ご注意ねがいます。

 ファストトラベル開始まで――――00:00:24』

 大女神像(だいめがみぞう)のときと(ちが)って、へんな(ふし)がついた(こえ)は聞こえない。

 あれ、イラッとするから、無くて(たす)かった。


 キラキラキラキラキラキラ――――(ひかり)奔流(ほんりゅう)

「うわぉわひゃ――また、この(ひかり)っ!?」

 ニゲルが(おどろ)く。転移陣(ファストトラベル)(はじ)めてじゃないんだろうに。

 魔法(まほう)神髄(しんずい)が、カラダを幾重(いくえ)にも縁取(ふちど)っていく。


 ピロロロロロロロロ――――▼▼♪

 けたたましい。今度(こんど)はなんだぁ!?

 全員(ぜんいん)が、画面(がめん)(しめ)した(さんかく)の方を見る。

 とおくの階段口(かいだんぐち)から、何か(・・)物凄(ものすご)(いきお)いで(はし)ってくる。


 ぽっきゅぽっきゅぽっきゅきゅきゅむん――――♪

 ぽきゅぽきゅうるさいヤツは、見なくても(なん)だか分かる。

 おおかた、終わった仕事(しごと)()めてもらいたくて、来たんだろう。


「っきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ――――♪」

 けど、もうひとりうるさいヤツがいて――「リオレイニア(にゃにゃーご)――!?」

 一号(いちごう)(くび)簡単(かんたん)には開かないように、応急処置(やっつけ)で巻いてやった青色(あおいろ)(ぬの)

 その止め金具(かなぐ)に引っかかった給仕服(きゅうじふく)(そで)を、引っ張られているのは――

「――じゃねぇ(にゃゆっ)?」


「シ、シガミィーちゃぁぁぁぁん! 止まってぇぇぇぇぇっ――!!!」

 まだ名前(なまえ)も聞いていない、姫さん(リカルル)付きの魔術(まじゅつ)得意(とくい)侍女(じじょ)だった。


 白線(はくせん)外周(がいしゅう)からあらわれ、一号(いちごう)たちを追いかけるように(せま)ってくる。

 ヴォン♪

『ファストトラベル開始します』

 超女神像(ちょうめがみぞう)()が――――消えた。

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