表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
181/743

181:龍脈の棟梁(シガミー)、フェスタ一日目

「あれ? シガミーが二匹(にひき)に増えたっ!? さっきあっちでも見たよ?」

 また言われた。

おはよう(にゃぁ)ニゲル(みゃっ)

 薄桜色(コイツ)を着て、早二日(はやふつか)


「――「マ、魔物(まモの)!?」のクだりがなくなっただけ、良しとしマしょう。おおムね好意的(こうイてき)ニ受ケ入れられているようデすし――」


そうだなー(にゃにゃ)〝1号〟はどうしてる(みゃみゃやぁー)?」

 ちなみに薄桜色(ぼく)(はら)には、大きく『2』が書かれてる。


 色違(いろちが)いだから見分(みわ)けは付くけど、(ねん)のために『(しるし)』を書いたのだ。

 もともと(はら)(のど)鼻先(はなさき)(しろ)かったから、その毛皮(けがわ)を染めるように(いろ)を変えたら――

 見事(みごと)にやり(かえ)された。


 〝おにぎり強化服(シガミー(?))〟に『1』って書いたら、『2』と書き(かえ)されたのだ。

 かしこくなっては居るけど――基本的(きほんてき)には〝やり(かえ)す〟か〝真似(まね)をする〟だけだから、(あつか)いには気をつけないといけない。

 そして、ぼくが2号(にごう)着た(・・)ことによって、同族意識(どうぞくいしき)芽生(めば)えたのか――

 ぼくに付きまとう(くせ)が、どっか行ってくれた。


 この采配(さいはい)迅雷(ジンライ)(つく)使役す(あやつ)るほどの、神々(かみがみ)知恵(ちえ)ならではで――迅雷(ジンライ)にも(かんが)えつかなかった。

 やっぱり、どんなに(くさ)っても、五百乃大角(いおのはら)(かみ)なのだ。


「っぎゃっ!? ま、魔物(まもの)――じゃない?」

 けど結果(けっか)として、〝数字(すうじ)〟が書かれた魔物(まもの)なんか居ないってんで、(そと)から来た観光客(おきゃくじん)から「ま、魔物(まもの)!?」のくだりを(はぶ)くのに、一役(ひとやく)かっている。


いらっしゃい(にゃみゃー)ガムラン町へよーこそ(みにゃみゃやぁー)♪」

 親子連(おやこづ)れに、(かる)く手を振った。

「「かわいいっ!」」

 どがんっ――――おうわっ!

 子供(こども)ふたりに飛びつかれると、(いた)くはねぇけど〝(なか)〟まで揺れる。


 なんせ、五百乃大角(いおのはら)が作った〝極所作業用きょくしょさぎょうよう汎用強化服(はんようきょうかふく):シシガニャン(薄桜色(にごう))〟は、〝廉価版(れんかばん)〟らしいからな。

 迅雷(ジンライ)が居るから、〝若草色(いちごう)〟と(おな)じく使(つか)えるけど――多少(たしょう)(もろ)いところがある。


 ふぉん♪

『▼――――<シシガニャン1号>』

「――一号(いちごう)はレイダといっしょにいるので、おそらくは本日(ほんじつ)主役(しゅやく)で有る

〝ミラノレア(じょう)〟の付き(びと)にでも、かり出されていると(おも)われます――」

「(そんな大役任(たいやくまか)せて、(あぶ)なくねぇか?)」


 ふぉふぉん♪

『餌を与えないでください。

 強く押したり叩いたり、

 魔法や呪いを掛けないでください。

 ※1・3倍のチカラでやり返されます。

  ~カブキーフェスタ事務局~』


 一号(シシガニャン)姿(すがた)(うつ)し出され、(くび)に提げた(かる)くて丈夫(じょうぶ)薄板(かんばん)大写(おおうつ)しにされた。

「(たしかに、こんだけ書いときゃ、問題(もんだい)ねぇかな?)」


「――はイ。(まん)(いち)のテロ……辻斬(つじぎ)りにも対応(たいおう)できるので……コントゥル母娘(おやこ)手出しでもしない限り(・・・・・・・・・・)は良い采配(さいはい)かもしれませン――」

 兄神(あにがみ)さま渾身(こんしん)妖狐(ようこ)ルリーロを退治(たいじ)した一号(コイツ)は、たぶん二号(ぼく)(なら)ぶくらいに(つえ)ぇ。

 事務局(あっち)には五百乃大角(いおのはら)完備されて(はりついて)るから、丸投(まるな)げでい一だろ。


 ちなみに、看板(かんばん)若草色(いちごう)だけで、薄桜色(ぼく)には付いていない。

 飛びつく子供(こども)たちを、ちぎっては(あたま)をなで(つづ)けること、(やく)(ふん)

つ、つかれたよ(にゃみゃーご)♪」

 ようやく開放(かいほう)された。


 さて、そしたら今日(きょう)は――(なに)をスルかな。

 おれはシガミーとして結婚式(けっこんしき)に、参加(さんか)してることになってるし。

 客寄(きゃくよ)せのまねごとでもしながら、猪蟹屋(みせ)でも手伝(てつだ)わせてもらおうか。


   §


「ルコル、ルコル! なんか、おいしそーな(いろ)のヤツが、来たミャ♪」

「もぎゅもぎゅもぎゅもぎゅ、ほはへ、へんへーはへほ、ははほーははんひはひひふ」

 あー、来てたのか。

 そりゃ、こんな面白(おもしろ)げな催し物(フェスタ)に、(かれ)らが参加(さんか)しないわけがない。


うん(にゃ)何言ってるか(みゃにゃ)わからないし(みゃうん)そんなにがっつくと(にゃにゃみゃー)又お腹壊すよ(みゃにゅや)?)」

 最初(さいしょ)から魔物(まもの)(おも)われなかったのは、さすがだなと(おも)った。

 (なに)がさすがなのかは、わからないけれども。


「んやっ? にゃみゃにゃやーゆ、にゃにゃふぎゃ!?」

 あれ? ニャミカが、串揚(くしあ)げの(さき)をこっちに突きつけてきたぞ?

 なんて言ってるんだ?


「――「にゃ? オマエ(だれ)にゃ、それにどーして(まえ)にも食べ過ぎたルコルが、お(なか)(こわ)したことを知ってるにゃ!?」と(いぶか)しんでいまス――」

 いまは強化服(シシガニャン)2号(にごう)だから、烏天狗(ぼく)とは気づかないか。


「にゃみゃにゃや、やーみゃにゃにゃにゃー♪」

 おや、店番(みせばん)のネコアタマ青年(せいねん)まで、(ねこ)みたいな言葉(ことば)(しゃべ)ってる――?

 あ、猫耳族(ねこみみぞく)がつかう猫語(ねこご)か!


ぼくだよ(にゃみゃ)烏天狗の(にゃみゃや)カラテェーだよ(にゃにゃみゃーご)いらっしゃい(みゃみゃみゃん)♪」

「みゃにゃやっ――!? (なか)にカラテェーが入ってるミャっ!?」

「コォン――もぎゅり!?」


 二人(つたり)とも(おどろ)いてたけど、すぐに二号(ぼく)のお(なか)をなで(はじ)めた。

(みゃ)ちょっとまって(にゃにゃっ)! ぼくのお腹で(みゃやぅー)手を拭かないでよ(みゃうやーうにゃ)!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ