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165:龍脈の棟梁(シガミー)、頭上の星(拠点ホログラム)

 ぼごぉぉっぉわぁぁぁ――――――――――――ガツン、ボガァーン!

 炎球(ほのおのたま)丸岩ほしに当たって、(くだ)けた!


実体(じったい)、あるじゃねぇーかっ!」

「「シガミーッ!?」」

「そう言われても、ないものわぁ、ないわよー?」

「「イオノファラーちゃん!?」――さまっ!?」

 (かた)(うえ)(さか)鏡餅(かがみもち)を、ひったくられた。


「あら、みんな、さっきぶりね♪」

 ふたりの(すご)剣幕(けんまく)も、何処吹(どこふ)(かぜ)

「そんなこと言ってる場合(ばあい)じゃないでしょ、いったい今度(こんど)(なに)したの!?」

(おこ)りませんから正直(しょうじき)に、つつみ(かく)さず御白状(おはくじょう)なさってくださいませぇ――――くるんスポン♪」

 レイダを乗せてきた(つえ)をしまい、いつもの(ちい)さな(つえ)を取りだす――〝あの(・・)〟リオレイニア。

 収納魔法具(しゅうのうまほうぐ)は、もちろん迅雷(ジンライ)(せい)。レイダにも持たせてある。


 バッガァァァァン――――ドドッガァァァァァァンッ!!

 神域(しんいき)攻撃(こうげき)する魔法(まほう)が、(はげ)しくなってきた。


 (ぞう)見物(けんぶつ)していた、気のはやい町民(ちょうみん)

 その人垣(ひとがき)をさばいていた、(あたら)しく来た(ひめ)さんの護衛(ごえい)たち。

 そして〝シガミー御一行様(おれたち)〟の目が、大爆発(だいばくはつ)釘付(くぎづ)けになった。


 頭上(すじょうの)(おし)は――――――――ズボゴドガガァァァァァァァァァァァァァン、ヒュボボワァァァォォォウッ!!!!

 という、地上(ちじょう)までとどくほどの衝撃(しょうげき)(ねつ)に――耐えきった。


 逃げまどう人々(ひとびと)

「「きゃぁぁぁぁぁぁっ――――――――!!!」」

 逃げまどう仲間(パーティーメンバー)


「しかし、(かて)ぇな!」

「だから実体(じったい)はないってば。アレは超女神像(ちょうめがみぞう)の〝全能(ぜんのう)バリア〟が、効いてるだけわよー」

「なんだ、そいつぁ?」

簡単(かんたン)ニ言うナら、〝(あマ)よケ〟でス」

 あー? まだ、ギルドを建ててねぇから、たしかに女神像(めがみぞう)雨ざらし(・・・・)だ。


「おまえら落ちつけっ、ありゃ超女神像(ちょうめがみぞう)の〝(あま)よけ〟だそうだっ!」

 まあ、聞けば納得(なっとく)はできる。

「「きゃぁぁぁぁぁぁっ――――――――!!!」」

 ただ、逃げまどう仲間(パーティーメンバー)に、おれの(こえ)(とど)きそうもなかった。


 ――ぽこん♪

「――それに、本当(ほんとう)にあんな巨大隕石(きょだいいんせき)……流星(りゅうせい)が降ってきても、跳ね(かえ)せるおっ()――」

 五百乃大角(いおのはら)分け身(マルチカーソル)が、ビードロのなかにあらわれた。


「(流星(りゅうせい)……(なが)(ぼし)ってのわ、本当(ほんとう)落ちる(・・・)もんなのか?)」

「――はイ、実在(じつざイ)しマす。巨大(きょだイ)(いワ)が降ル現象(げんしょウ)……天狗礫(てんぐつぶテ)(おオ)キな(もノ)トお(かンが)えくだサ()――」


 五百乃大角(いおのはら)は、迅雷(ジンライ)が見せる〝ビードロで(おお)われたような視界(しかい)(なか)〟――つまり〝迅雷(ジンライ)収納魔法(しゅうのうまほう)(なか)〟にも、同時に(・・・)存在(そんざい)することができる。


 視線(しせん)を合わせると――『ヒント>マルチカーソル/分け身』――なんて案内(あんない)が出るようになった。

 ビードロは超便利(ちょうべんり)だ――『ヒント>ビードロ/画面』――がおもて?

「――画面(がメん)でス。ヒント表示(ひょうジ)……案内表示(あんないヒょうじ)ハ、このマま(つヅ)けまスか()――」

 おう、当面(とうめん)は、これ出しといてくれ。


 ヴィーーン♪

『○――――<拠点/神域>』

 五百乃大角(いおのはら)がなんかを、ひろげた。

 それは、あの大岩(おおいわ)大写(おおうつ)し……『ヒント>ズーム/拡大表示/遠見の魔法』したもので……「なんか、爆発(ばくはつ)してねぇか? 魔法(まほう)効いてるだろぉ?」


「――ぜんっぜん、効いてないお。爆発(あれ)(ほし)の〝(なか)〟から、吹き出した(・・・・・)だけだお()――」

(ほし)(なか)からだぁ!? なんでまた、そんなことに?」


「――なんでって――天地創造(てんちそうぞう)のぉぉー、真っ最中(さいちゅう)なんだもの、当たりまえ~じゃんかー()――」

 あの浮かぶ(ほし)が〝神域(しんいき)〟だってんなら――アソコには女神像(めがみぞう)……じゃなくて、五百乃大角(いおのはら)(ぞう)巨大御神体(きょだいごしんたい))を(つく)って置いてきた。

御前(おまえ)さまの(ぞう)だって有るだろ? 燃えちまったら、どうすんでぇい?」


「――だからぁ大丈夫(だいじょぶ)なんだってばぁ。あの『>映像/神域惑星(えいぞう)』にはラグがあるから――えっと()――」


 ふぉふぉん♪

『>天地創造バッチプログラム

  プロンプト〝***********〟

  大気組成システム{########++}88%

  海洋システム{####++++++}41%

  大陸プレートシステム{######++++}64%

  山河循環システム{###+++++++}98%

  疑似月齢システム{#########+}98%

  天候システム{#########+}98%

  輪廻転生ゲートウェイ{##########}100%』

 なんかでた。読めんし、意味(わけ)わからん。


「――あと数分(すうふん)で、神域惑星(しんいきわくせい)の〝大陸(たいりく)プレート構造(こうぞう)〟が安定期(あんていき)(はい)ります。初期造成(しょきぞうせい)終了(しゅうりょう)するまで、(やく)10()――」

 ふぉん♪

『>女神像端末#3313は正常に作動中

 >精度1シガミーの探査プローブを三機運用中

 >神域の78%をカバーしています』


 羽根(はね)が付いた空飛(そらと)行灯(あんどん)が、(うつ)し出された。

 そして、また出てきたな『1シガミー(・・・・)』。

 おれを、(はかり)がわりにすんなってんだ。


 ふぉん♪

 画面(がめん)(なか)にも〝神域惑星(まるいわ)〟が、表示(ひょうじ)された。

 ヴィィーーン♪

 拡大(おおうつし)にされた様子(ようす)は――地獄絵図(じごくえず)だった。


 熱風(ねっぷう)、焼け焦げた大地(だいち)

 ひび割れた裂け目の(した)地獄(じごく)(かま)のように煮えたぎり、炎柱(ほのおばしら)が吹き出している。

 (うみ)らしき(もの)もあったが、当然(とうぜん)そっちも煮えたぎり、生き(もの)なんか居る訳もなく。

 草木(くさき)ひとつ生えてない。

 生えてるのは、ただひとつ。

 黒焦(くろこげ)げの、巨大御神体(きょだいごしんたい)だけ。

大丈夫(だいじょうぶ)には見えねぇんだが……どういうこった?」


「――アレわぁ……そーねぇ、あたくしさまの(ぞう)がこんがり焼けて――(ふく)れたお(もち)みたい……じゅるりっ()――」

正月(しょうがつ)には……ガムラン(ちょう)正月(しょうがつ)(こめ)があるならだが――(もち)くらい焼いてやるから、わかるようにだなぁっ!?」


「――なら簡単(かんたん)に。あの(ほし)は絵に描いた(もち)だから、食べられまっせぇーん! 魔法(まほう)は効かないしぃ、落ちてもぉ~来っないのっですっ♪ (ちょう)(あん)(ぜん)~ですから、(なん)のご心配(しんぱい)も要りませんよーぅ、うふふふ、くすくす、ぉ(もち)♪ ウケケケッケケケケケッ()――」

 絵に描いた(もち)だぁ?

 (あぶ)なくない……絵に描いた地獄(じごく)なら、(あぶ)なくはねぇけど――


 〝美の女神(めがみ)にして御神体(ごしんたい)猪蟹屋(ししがにや)飯神(めしがみ)さまでもある五百乃大角(いおのはら)〟の言葉(ことば)(はん)して――周囲(しゅうい)(いろ)めき立った。


「「「「「「「「「「「ぅおおぉぉ――――効いたっ!?」」」」」」」」」」」

女神(めがみ)さまの化身(けしん)と言うべき女神像(めがみぞう)のうえに、あんな不吉(ふきつ)(もの)はべらせとく(・・・・・・)(わけ)にゃぁ、いきませんぜぇぇー、オルコトリアの旦那(だんな)ぁ――――!」


「だぁーれがぁ――――(おとこ)(なか)(おとこ)かぁ――――!!」

 冒険者(ぼうけんしゃ)のひとりが、(ほのお)(たま)を撃ちまくってる(やつ)に、屋根(やね)から蹴り落とされた。

 (ひたい)からのびる立派(りっぱ)一本角(いっぽんづの)が、青白(あおじろ)(ひか)ってる。


 やっぱり鬼娘(アイツ)か。(わる)(やつ)ではないし、普段(ふだん)からじゃじゃ馬(リカルル)手綱(たづな)をつかんでてくれる(たの)もしい受付嬢(うけつけじょう)だ。

 けど、あの綺麗(きれいな)(かお)(おに)は飛んでる(もの)を見つけると、やたらと撃ち落としたがる。

 まえに(たす)けに行った烏天狗(おれ)を、何度(なんど)も撃ち落とそうとしやがったし。


 本当(ほんとう)丸岩(ほし)が落ちたら、どうするつもりなんだ?

 建てたばかりの女神像(めがみぞう)がつぶれるとか、(かんが)えねぇのか?

「――〝頭上(ずじょう)から(せま)り来るもの〟に(たい)して過剰(かじょう)反応(はんのう)するのは、鬼族(オーガ)性質(さが)のようで()――」

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