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147:龍脈の棟梁(シガミー)、女神像インストール60%

「おう、やっと(はな)せる――にゃ。(ひさ)しぶりだ――にゃ、迅雷(ジン――ニャイ)

 ぽきゅぽきゅむ♪


 大目玉(じんらい)に駆けよる。

 ぐいっ――なんかひっぱられるぞ?


 きゅっぽぉぉん♪

 おもしろい(おと)――やべぇ、尻尾(しっぽ)(さき)が抜けた。


 コシャラララッラ、ズズン!

 見た目よりかるい、かわいた(おと)をたてて――大目玉(ジンライ)がたおれた。


迅雷(ジンライ)ぃ――――にゃぁ!?」

 大目玉(じんらい)に駆けよる。


 ふぉん♪

『神力が低下しています(0%)

 >〝DOZタレット〟を使い続けるには、女神像に接続している必要があります』

 なんかでた。わからん。


   §


「ココが、とても巨大(きょだい)迅雷(ジンライ)背中(せなか)(うえ)でぇすってぇぇぇぇっ――?」

 逃げてった姫さん(リカルル)が、五百乃大角(いおのはら)に説明されて(もど)ってきた。


「じゃあ、いつもの迅雷(ジンライ)はガムラン(ちょう)にもどりゃ、(もと)どおりになるってんだ――にゃ?」

 〝猪蟹屋ん(つよいふく)〟の(くび)うしろを(ゆび)さす。


「ひとまずわぁー、そっうっよぉーん()

 どしどしどずずずぅぅぅん!

 おれと(ひめ)さんが、ピョンと跳ねた。


 ひとまずだぁ?

 (なん)歯切(はぎ)れが(わり)ぃけど、ひとまずソレは置いとく。


「そして、ガムラン(ちょう)(もど)るためには――ガムラン(ちょう)女神像(めがみぞう)が、必要(ひつよう)なのですわね?」

「そっうっよっねへぇーん()

 どっしんどすどすずどずずん!

 おれと(ひめ)さんが、またピョンと跳ねた。


「けど、お前さま(・・・・)使(つか)っちまった――にゃろ? ガムラン(ちょう)の〝神力結晶(しんりょくなんたら)〟って小石(こいし)わ――にゃぁ?」


大丈夫(だいしょーぶ)よぉーん♪ 向こうには、コレの十倍(じゅうばい)もの(おお)おおきさの――〝マナ宝石(ほうせき)〟があるものぉ()

 どすんどすーんどすすどすーん♪

「やい、いい加減(かげん)にしやがれってんだ――にゃ! (うご)けるカラダが手に(はい)ったからって、あまりはしゃぐ――にゃ。(こわ)れねえともかぎらねぇんだから――にゃー!」


 (ひたい)(ひか)小石(こいし)を、自分(じぶん)(ゆび)さして――おどける五百乃大角(いおのはら)

 そう、いま五百乃大角(いおのはら)は、(つく)ったばかりの巨大御神体(きょだいごしんたい)兼女神像(けんめがみぞう)(はい)ってる。


「えー、だってさぁー。折角(せっかく)、こんな(おお)きな(からだ)(うご)かせるんだからさっ、神様(かみさま)だって(あそ)びたいじゃんかー()

 くそう。おれは尻尾(しっぽ)を突き刺したまま、ろくに(うご)けねぇのに。

 巨大女神像(いおのはら)土台(すだぁこ)を降りて、全速力(ぜんそくりょく)(はし)りだす!


 ずっどぉぉぉん――どっずむん、どっずむん――どどどどぉぉぉぉぉぉぉっ!

 ぐわらわららっ!

 揺れる巨大迅雷(じめん)


「うぉわぁ――!?」

「きゃぁぁぁ――!?」

 はいつくばるおれたちに、大目玉(じんらい)が――カシャララッ。

 巻きつくように、かばってくれる。


(たす)かる、迅雷(ジンライ)

感謝(かんしゃ)いたしますわぁー、迅雷(ジンライ)


「イイエ、コチラコソ美の女神(イオノファラー)ガ、大変(タイヘン)迷惑(メイワク)ヲオカケシテオリマ()。」

 ふぉん♪

『>女神像端末#3313

  使用可能まで 07:17:42』

 のこり時間(じかん)は、あと七時間(ななじかん)ちょい。


「どうせ女神像(めがみぞう)完成(かんせい)したら、(うご)けなくなるから――大目(おおめ)に見てやるか――にゃ」

 いつもの御神体(からだ)は、手のひら(だい)窮屈(きゅうくつ)だろうしな。


   §


「お(まえ)は、食わんで良いのか?」

「へーんだ、いらないもんねぇー! ぱくぱくぱくぱく、もぎゅもぎゅもぎゅり♪」

 女神像(めがみぞう)(なに)かが終わって完成(かんせい)するまで、ひまだから(めし)を食うことになったが。

 (めし)(かみ)は、(めし)催促(さいそく)をしなかった――異常(いじょう)だ。


「やっぱり、どっか(こわ)れたのか――ぱくり、もぐもぐ、うめぇ♪」

 姫さん(リカルル)がつくってくれた〝(かい)(いも)串揚(くしあ)げ〟は、かなりうまかった。

 彼女(かのじょ)は、尻尾(しっぽ)が抜けねえように(すわ)るおれが、食べやすいものを用意(ようい)してくれた。

 この(こま)かな気づかいは、立派(りっぱ)なもんだと(おも)う。


「はい、もう一本(いっぽん)、どーぞ。あぁーん♪」

 けどな、自分(てめぇ)で食える――にゃ!

 そこまでの気づかいは、要らない。


 串揚(くしあ)げをひったくり、かじり付く。

「もぎゅもぎゅ――うめぇ♪ (かい)(いも)はよく合うな! おまえ、本当(ほんとう)に要らんのか? 無くなっちまうぞ?」

 おれの真似(まね)をしてるのか、(みじか)(あし)を抱えて器用(きよう)(すわ)五百乃大角(いおのはら)に、聞いてやった。


「へっへぇーっむぐ。ほんほーひににはへーんほーは! もぐもぐもぐもぐもぐもぐっ、ごくり()

 (おお)きさが(おお)きいからか、コイツの言葉(ことは)も〝(なに)かを(かじ)り、飲みこむ(おと)〟も――やたらと(おお)きく聞こえて――とても見過(みす)ごせなかった。


「おまえ……なんか食ってるだろ?」

 ぎくりっ!?

 (こころ)(こえ)まで(おお)きくて、手に取るようにわかった。


「し、知らないもんねっ! リ、リカルルちゃんがクローゼットの(おく)(かく)しておいた、央都(おうと)有名菓子店(ゆうめいかしてん)最高級(さいこうきゅう)のお取り寄せを、ルリーロちゃんと一緒(いっしょに)にごちそうになったりなんてしてないもんねっ()

 そうだった、コイツのカラダ……手のひら大の(ほう)は、まだガムラン(ちょう)に居るんだった。

 そして五百乃大角(コイツ)は、(かく)(ごと)がとても下手(へた)だ。


「んなっなぁんでぇすぅってぇぇぇぇ――――レーニアと(わたくし)のぉー(ひそ)かな、お(たの)しみをぉぉぉぉぉ――――スラァァリ!」

 抜くな抜くな、また最初(さいしょ)から女神像(めがみぞう)をつくり(なお)すのだけは、勘弁(かんべん)してくれ。

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