黒歴史ってのは、必ず在るものさ……
よし、決めたぞ!
「下からの階層から、
【検問の道 ヴィンデ】
【風凪の道 イーリス】
【熱砂の道 アーホルン】
【壊樹の道 ガルデニア】
【焰凍の道 ロートス】
【刃溶の道 キーファ】
【死海の道 カメリエ】
【黄泉の道 ザンテーメ】
【天界の道 ミステル】
【懇願の道 クレーエ】
だ! どうだ!」
「えっと、厨二病レベルはいくつですか?」
「うるさいやい! 管理者の名前を階層につけようと思っただけだ!」
「ああ、この後に作る魔物は人語を話すことができますよ」
「そうなのか! なら次だ!」
「グリフォン、君に決めた!」
白い翼、鋭い爪、睨むだけで殺せそうな眼光!
「グリフォン! お前の名はイーリスだ!」
「はっ、この身、貴方に授けましょう!」
「それでは92層へ」
「地獄蠍! 君に決めた!」
複眼、尻尾の針、危険な鋏!
「地獄蠍! お前の名はアーホルンだ!」
「この魂、貴方に捧げます」
女性だったぁ!?
「それでは93層へ」
「黒紫魔獣! 君に決めた!」
捻れた角、ムキムキの体、鉤爪と牙!
「黒紫魔獣! お前の名はガルデニアだ!」
「はーい! 頑張りまーす!」
あの厳つい顔と体から幼女の声が……
「それでは94層へ」
「霊峰亀! 君に決めた!」
「あっ! すぐに部屋を大きくして下さい!」
「ふぇ!?」
待て待て待て待て! デカすぎだろ!
「れ、霊峰亀! お、お前の名はロートスだ!」
「うむ」
「それでは95層へ転移しますので……」
「白獅子! 君に決めた!」
白く輝く鬣、一撃で殺せそうな牙!
「白獅子! お前の名はキーファだ!」
「はい、分かりましたわ」
また女性だった! それに、なんだかバブみを感じる……!
「それでは96層へ」
「影鮫! 君に決めた!」
「早く! 海水を敷いて下さい!」
「そうだった! こいつ鮫か!」
黒。普通の数倍でかい鮫。
「影鮫! お前の名はカメリエだ!」
「おう! 了解したぜ大将!」
おお! いい感じの兄ちゃん!
「それでは97層へ転移します」
「穢れ狼! 君に決めた!」
所々赤い灰色の毛、口に咥えた両側に刃のついた武器
「穢れ狼! お前の名はザンテーメだ!」
「Until this body dies; with you……(この体朽ちるまで貴方とともに……)」
はうっ! 一番カッコいいかもしれない。ハードボイルドなおじさんの声……
「Please go to 97 levels」
お前もか!?
「最後だ! 上位天使! 君に決めた!」
「はーい!」
えっ……?
「なんて顔してるんですか? 何を隠そう、私は天使ですので! それも智天使! 位は高い方なんですよ!」
「え? お前が? 天使?」
「何言ってるかわからないみたいな顔しないでくださいよ!」
「一言一句同じだよ」
「ありがとうございます! これで私の名前はミステルですね!」
「なんで嬉しそうなんだよ」
「天使にとって名前は大きなアドバンテージになるんですよ」
「なぜ?」
「名前をつけることができるのは、神か天使以外の生物となっていて、まぁ、普通は見えないため、宗教などで信仰されることで名前が付くんですが、こんな感じのイレギュラーで付くと、見える存在と共にいるという箔がつくんです」
「へぇー」
「おや、興味無しですか……」
「三つ目が終わったぁ!」
「どんどんやっていきましょう! 次はハリボテですね!」
「そうだなぁ、偽者を作るのか……」
偽者……!
「スライム! 君に決めた!」
ぷるんっ
「呼ばれて来ました。要件は何でしょうか魔王様」
「要件はただ一つだけだ!」
そう、それこそ!
「変な二足歩行の生き物みたいになれる?」
「なれますよ」
「うんと凶悪な感じの!」
「このくらいですか?」
ひっ! ヤベェ怖すぎて腰抜けるかと思った!
「う、うんそのくらいです。ハイ」
「それでは、外に出ましょうか」
「はーい」
何にもない。草一本生えてない。
「一応、隠蔽工作して、化けたスライムさん以外は見えないので安心して下さい」
「えっと、僕は何をすれば?」
「手を上に上げて下さい。小規模なダンジョンを作ります」
「なぁ、塔と重ならない?」
「塔はひっくり返して地下に伸ばしました。中は擬似太陽を作って地上と同じように青空が見れますよ」
「お、おう」
擬似太陽って何!?
「それじゃあ出来ますよ! せーの!」
ゴゴゴゴゴッ
禍々しい城ができた……!?
「スライムさん、貴方はここで魔王を演じてもらいます。言わば、魔王の影武者です」
「影、武者……!」
あっ、嫌だったかな?
「か、カッコいいです!」
「ん!?」
「とてもカッコいいです! だけど、その」
「嫌なら別にいいですよ?」
「いえ、その、僕も名前が欲しいなぁ、なんて」
名前が欲しい?
「いいよいいよ! あげちゃう! つけちゃう! カッコよくしてあげよう!」
「やったぁ!」
魔王なんだし、いい感じのがいいよね!
「よし! スライム! いや、我が影武者よ! お前の名はスタージェスだ!」
「スタージェス、スタージェス! とても気に入りました!」
気に入ってくれて良かった!
「それでは後はもう城の中に魔物を配置していくだけですね」
「じゃあ、スタージェス! 頑張れよ!」
「はいっ! 魔王様!」
「もしもし、ミステルさん」
「何ですか?」
「部下のレベル上げはどうすればいいですか?」
「【ダンジョン作成】の中にある項目にレベルとあるので、その中のグラフでレベルを決めれます」
チートだ!
「それじゃあ、いい感じに上げるか……
【検問の道 ヴィンデ】Lv50~
【風凪の道 イーリス】Lv55~
【熱砂の道 アーホルン】Lv60~
【壊樹の道 ガルデニア】Lv65~
【焰凍の道 ロートス】Lv70~
【刃溶の道 キーファ】Lv75~
【死海の道 カメリエ】Lv80~
【黄泉の道 ザンテーメ】Lv85~
【天界の道 ミステル】Lv90~
【懇願の道 クレーエ】Lv95~
でどうだ!」
「いいんじゃないですか?」
そうだろう!
「なぁ」
「はい?」
「たった1日で二つ終わっちゃったよ」
「そうですね」
「なぁ」
「何ですか?」
「口調変えて」
「何故?」
「女々しいインテリヤクザとか嫌だ」
「それなら、貴方も変えてくださいね」
「いいぜ」
「じゃあ、任せたぞ」
「そちらこそ」
「「……」」
「あの、女の子の口調ってどんな感じなんですか?」
「お前もうメイド魔王でよくね?」
「何故ですか? インテリヤクザ従者」
「お帰りなさいませ! ご主人様!」
「ヤメろぉぉぉ!」
「あー」
「うん」
「「はしゃぎ過ぎた!」」
やめだやめ! 次の課題について話しをしよう!
「次の課題の変装はどうすればいいでしょうか?」
「バレなきゃよし!」
それだけかよ!
「質問です!」
「どうぞ!」
「冒険者はありますか!」
「あります!」
よし! それなら!
「冒険者として一山当てて、有名人になって、王との謁見! 終いには、勇者の教育係!」
「それだ」
俺たちの冒険が、今始まった……!
次回、ステ確認! 飛ばしたい人はどうぞ。