ハワーイ! ハワーイ!
くっっっっっそ恥ずかしい!
何!? さっきの台詞、無意識だったんだけど!
『それは厨二病の副産物です。心もあの頃に戻ってしまうようです。それにしても、昔はあんなに拗らせていたんですね、クスクスッ』
うっせぇ!
無心だ、無心、何にも考えるな。
「万物万象逃れること叶わず」
【厨二病レベルが一段階上昇】
「天地狂おうとも打ち勝つこと能わず」
【厨二病レベルが二段階上昇】
「生は常住に」
【厨二病レベルが三段階上昇】
「死は無常に」
【厨二病レベルが四段階上昇】
「木々は朽ち果て焔は凍り」
【厨二病レベルが五段階上昇】
「世を終焉へと導かん」
【厨二病レベルがMaxになりました】
「喰らうがいい
Eternal force Blizzard……」
【現魔王を撃破しました。称号「魔王」を取得しました】
は? えっ、ちょっ待っ。
【経験値を3428763548入手しました】
何? えっ、桁違くね?
『魔王を倒した場合、大量の経験値が入ります。通常、レベルが80以上で挑むので必要経験値量が多くなり、ここまで多くは貰えません。しかし、貴方は26レベルで倒したため、経験値にボーナスがつき、魔王のレベルは、上限突破して120、差は94レベル、平均的なレベルを90とすると、差は30となり、この量の経験値を貰うことはできません。そのため、今しかできないパワーレベリングです』
【レベルキャップを解放、レベルが26~120に上がりました】
『もしもーし聞こえるかのぅ?』
あなたは! 俺をカエルにした……!
『まぁそうじゃが、それよりお主、気をつけるのじゃ。今回の勇者共は強いようじゃ。じゃから、お主に死なれては困る故、ちょっと細工をするのじゃ』
細工?
【レベルキャップを解放、レベルが120~200に上がりました】
『ちょっ、主様ぁ!? 流石にこんなに介入するのは些かよろしくないかと』
『なんじゃ、彼奴に妾が何か手助けするのが不満か? 愛い奴よのぅ』
『なっ、違います! 私はこの世界のことが心配で』
『ほう、彼奴がいる世界が心配と』
「あの、そこんとこ詳しく」
『黙って下さい』
あ、はい。
【スキル「ダンジョン作成」「魔王の威圧」「人化」「神威」を入手しました】
人化……! ついに手に入れてしまった!
ダンジョン作成も魅力的だ!
他はよくわかんないな。
『まずはダンジョン作成をオススメします。なぜなら、魔王となった今、自分の腰を落ち着ける場所が必要になるためです』
なぜ? 魔王になったらダンジョンなの? 俺飛べるから要らなくね?
『ダンジョンがあった方が魔王みたいじゃないですか』
そうだね。
『何ですか! その目は!』
いえいえ、何も。
『もう!』
えっと、ダンジョン作成っと。
何だ? 構造から作らないといけないの?
『そこは私がやりましょう』
任せた!
~3時間後~
できた?
『はい、自信作です』
どれどれ……っ!
こ、これは、塔?
『はい、どんどん上へと続きその最上階で貴方が踏ん反り返るのです』
・まるで風のように複雑に絡み合う柱や装飾
・一番上の球体は夜は蒼く薄く光る第二の月のようになっている
・高さ634よりは低いが、ピッサのシャトゥーよりも太い
・ところどころで飛び出るトゲトゲかが、まるで氷でできているかのように思わせている
・下には城下町のような物と城壁が坂になって塔を取り囲んでいる
・透き通るような水色
・少し近代感を感じさせるデザイン
最高だ。 語彙力がログアウトしてしまうほどに。
『どうでしょうか?』
Yes! It's so cool!
『では建設に移りましょう』
できてしまった。ものの数分で。
『まだ誰もいませんが、中を見てみますか?』
Yes!
あれっ? 思ってたより広い。
それに、城下町の細部はよく見えなかったけれど何というか中世の街っぽさを感じる。
『森は貴方が撃った余波で、消滅。そのため、土地を丸々使わせていただき、このような大都市が出来上がりました』
あっ! ここを曲がるとレバーがあったり? あった!
これってところどころ、某人気の死にゲーの街だろ!地下もあるだろ!
街の壁は違うけど、配置は大抵一緒じゃん! 噴水広場とか、大橋とか。
『しょうがないじゃないですか! 街なんて一個一個作るのがめんどくさいんですよ! それに、貴方の記憶の中で一番かっこいい街だったし、周りの記憶よりハッキリしてきたんですよ!』
あぁ! そりゃハッキリしてるさ! こちとら、42周しとるんやぞ!
敵の配置に階段、壁や隙間、扉に街頭、逃げ回って立ち向かってを繰り返して、数週間かけてやっとたどり着いたボスに殺されて狩りまくって手に入れた45000程を落として、急いで走って二人のハワーイに殺されて全LOST! それでもめげずにやり続けたゲームだぞ! 忘れるものか!
『そこのボスは火炎瓶投げると楽ですよ』
えっ、そうなの?
『クスッ』
まぁ、俺は覚えている!
『それでは、塔へと行きましょう』
広い。だけど、
外から見たときより広くなってない?
『えぇ、なっていますよ』
どうやって?
『そこは、まぁ、ダンジョンパワーとしか』
それならしょうがないか。
見た感じ、1,5倍くらいに広くなってるかな
『説明しますと、
・1~10層がそのまんまの塔と同じ外壁
・11~20層が草原
・21~30層が砂漠
・31~40層が樹海
・41~50層が凍土
・51~60層が火山
・61~70層が海底
・71~80層が墓場
・80~90層が天空
・91~99層がボスラッシュ
・100層で魔王と対面
という構成になっています』
質問! 草原とかってどゆこと?
『見たほうが早いです』
なっ、これは!
壁がなくなっている! 一面の草、ところどころ生えている木や岩、まさか、
固●結界か!
『あながち間違いではないです』
そして階段がシュール。
『そこは転移系の魔法陣でも置こうかと思っています』
それじゃあ頂上へ行ってみよう!
玉座と壁と柱しか無い。
『そこは貴方の思う通りに変えることができます』
あぁ! あのボスが自分のフィールドに切り替えるやつか!
『はい』
じゃあ、最終決戦みたいなこともできるのか!
『その通りですが、最終決戦に持ち込まないでください』
最上階だよなここ
『はい、そうですね』
なぁ、ここなら安全だよな?
『安全ですよ』
それなら、「人化」使ってみていい?
『いいんじゃないんですか? もしかしたらムキムキなおじさんになってしまうかもしれませんが』
えっ、選べないの?
『ランダムです。時の運』
それじゃあ、イケメンになれないかもしれない……!
『元の顔にもなれないかも……』
心の代弁ありがとう。
俺はイケメンだったはずだからなぁ。
中学校で何回も告白されてなぁ、ま、全部断ったけど。
『残念なお知らせです。それは女子達の罰ゲームでは無いですか? 「○○ちゃん罰ゲームでアイツに告白ぅ〜体育館裏でお願いねぇ〜」みたいな感じの』
いいや違う、きっと違う多分違う。彼女たちは顔を合わせるのが恥ずかしくて下を向いていただけだろう。
『多分、「コイツマジで乗ったよウケるぅー」って顔を隠したいだけでは?』
違うんだぁ!
くそぅ、もう人化始めてやる! 止めるなよ!
『止めませんよ』
いざ、「人化」!
【人化を開始します】
なっ、どんどん眠く……また、これかよ……