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おや? 厨二病のカラスの様子が……  作者: ピラフォー
プロローグ
13/25

勘のいいガキは

「ほら、コイツも隅々まで綺麗にしてくれよ」

「こんな、おっきいもの、無理ですよ!」

「なら、手伝ってやるからさっさとしろ!」

ううっ、汚い……

「上手えじゃねぇか、これなら下も簡単だろ?」

「そういう問題じゃ!」

「金払わずに食った奴はどいつだ?」

「っ! 分かり、ました」

やだぁ、ベトベトするぅ!

「おら!奥までいかないだろ!」

「そ、んなぁ」

ダメだ……どんどん汚れていく……

「へばんなよ、これが終わったら、夜の客の相手してもらうからな」

「体力が、もちませんよ!」


どうも、クレーエです。

私は、体で払えといわれ、おじさんに店の中に連れ込まれてしまいました。

そこで私は今、四つん這いになって、おじさんに言われた通りにしています……






掃除を。



「こんなに油で汚れているんですよ! 幾ら掃除用として借りたとしても、汚れてしまってはいけないでしょう!?」

「うるせぇ! 汚れて良い服だから掃除用だろ! さっさと奥まで綺麗にしろ!」

床ならまだしも、何で釜戸の中を綺麗にしないといけないんだ?

「早くしねぇと、接客に間に合わねぇぞ!」

「こんばんはー? 店長、その子新入りさん?」

「いや、無銭飲食した罰だ」

「ってその子って、あの冒険者達と一緒にいた子じゃん!」

「そうなのか? まぁ、それはそれ、これはこれだ」

ここの汚れで、最後!

「店長! 終わりました!」

「よし、じゃあ着替えこい! クローゼットの中にちょうど良いサイズがあるはずだ」

これ、かな?

「それじゃあ、上で着替えてきます!」


「着替えてきました!、どうしたんです?」

「いや、お前のとこのリーダーがお前を探しているんだと」

ミステルか……

「ミステル、どうした?」

「それはこっちの台詞ですよ、どうして働いてるんですか?」

「それは、色々あって……」

「すまねぇな、コイツが無銭飲食したもんで」

「ちょっ!」

店長! 何で言うんですか!

「そうですか、罰ですか……すみませんでした。うちのメイドが……」

「いやいや、ひったくりにあったらしくてなぁ!」


ピキッ


あ、不味い。コイツマジでキレたわ

「ほう? そうでしたか……! この子には反射神経が足りていないようですねぇ。それならば、今日の宴はウェイトレスとして参加してもらおうかな」

「な、ちょ、おい」

「では、お願いしますね」

「任せな、みっちり叩き込んでやるよ」

クソォォォ!



そして今に至る。

「おら! 次のオーダー入ったぞ! さっさと働け!」

「は、はい!」

私も参加したかったぁぁぁぁぁ!

ひったくりめぇぇぇぇぇ!




「おはようございます、クレーエ」

「んえっ?」

「まあ、一昨日あんなに働いたので眠くなるのは仕方ないですけどね」

知らない、部屋だ……

どこだ? ここ……

「ここぉ、どこ?」

ヤバイ眠くて変な感じだ……

「ここは私達の家ですよ? 一昨日決めようと思ったんですけど、貴女に良さそうな家が無かったため、土地を買って、そこに冒険者達と大工達を集めて建てましたよ」

「そうなのか……」

ん? 一昨日?

「待て、私は一日中寝てたのか?」

「はい、そうですけど……」

「どこで!」

「ギルドの奥で」

「どうして!」

「働き過ぎと飲酒」

飲、酒……

「まぁ、酔い潰れたアーホルンと一緒にぐっすり寝ていましたからね」

「誰かが変なことしてたか?」

「いえ、ザンテーメがそこに殺気ビシバシ張りながら護衛してましたよ」

ありがとう! ザンテーメ!


「ここが、新しい家……」

「なんなら、中を見ますか?」

「うん」


ざっと見た感じはこう

一階

・LDK(ぱっと見15,6畳)

・フリースペース一つ

・厠一つ

・洗面室一つ

・浴室一つ

・テラス一つ

・庭(なんか育ててた)

・物入二つ

・階段

二階

・洋室中二つ

・洋室大一つ

・書斎一つ

・バルコニー一つ

・和室小一つ

・厠一つ

・物入三つ

・押入一つ

・クローゼット二つ

・階段

屋上

・スカイビューバルコニー

・小屋裏収納


……うん

「デカ過ぎだろ!」

「いやぁ、地球みたいに制約が厳しくなくてつい。それに、みんなの意見を取り入れた結果こうなってしまったというかなんというか」

そういえば……!

「ミステル、他の奴らはどこ行った?」

「冒険者ギルドだね」

「土地と家を買ったんだよな?」

「……そうだね」

「お前の持ってた所持金はどこ行った?」

「……君のような勘のいいガキは嫌いだよ」

つまり……

「一文無し?」

「そう」

……。

「はぁ!?」

「だから今全員で冒険者稼業で金稼いでるんですよ!」

「逆鱗の売値は?」

「……てへ ♪」

「待てコラ、ちょ、逃げんな!」


「それで、お金を稼ぐために仕事が欲しいと……ふっはははは! やはり君達は面白い!」

「笑うなよ……」

「十人の内一人は無銭飲食、一人は散財、一人は泥酔、こんなに面白いことが他にあるか?」

「くっ殺せ!」

「まぁ、悪い知らせだけじゃないぜ、お前以外はみんな知ってるけどなぁ」

「なんだよ」

「アンタら十人、全員Dランクに昇格。森などでの狩り解禁だ」

「えっ?」

それなら、外に出れる?

「他の八人は今頃森で狩りをしてんじゃねーのか?」

「魔物も、OK?」

「ああ」

そっかぁ、そうなのかぁ

「行ってきます!」

「怪我すんなよー!」

ぐへへ、スキルレベルガンガン上げるぜ!


と言ったけれども、魔物がいない。

木に血が付いてたり、地面が凹んでたり、焦げた跡があったり

うん、アイツらだ……

「この気配! 魔物が近くに!」

「キュイ!」

兎の姿……!

= = =

飛び兎

・特筆するような害があるわけではないが、魔物の一種。

= = =

私には無理だ! こんな小動物を殺すなんて……!

だけど、ウサ子を仕留めないと、金が……

私は生き物を殺したことなんて一度も……?

あれ? そういや、熊さん殺しちゃったような……

【称号「人でなし」を入手しました】

何だと!? 私はまだ、あれ? 目の前に魔物がいるぞ? お金がないからな、すまないが頂かないといけないんだ。

「ごめんね」

【飛び兎を倒し、経験値16入手しました】

はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

何で!? 体が勝手に動いたんですけど!?

= = =

人でなし

・生き物を殺すことに何のためらいがなくなる。精神異常者

= = =

コイツかぁぁぁぁ!

私を殺し屋にしやがってぇぇぇぇぇ!

「キュイ!?」

「とりゃ!」

【飛び兎を倒し、経験値16入手しました】

ダメだ、体が勝手に動いてしまう……

ああ、生き物を私が二匹も、この手で殺した……

考えてたらふわふわして来……

「はふう」



『やあ、これで会うのは二回目かな?』

ああ。

『今回の称号のプレゼントはどうだろう? 感想を聞かせて欲しいな』

余計なことしやがって、本当に悪趣味だ。

『ふむ……少しずつだけど取り戻せてる見たいだね。そうだ! まだ自己紹介してなかったね!』

そうだそうだ! 早く聞かせろ。

『僕の名前は◼️◼️◼️◼️。本来の君の仕事の上司であり、そして、君と同じ……あの女の敵さ』

本来の君? あの女? どういうことだ?

『今は知らなくてもいいんだ。次に会うときは、君が出て来てくれよ?』

おい! また消えるのか!? 待て! 話はまだ!

『ああ、あと二つだけ』

……何だ。

『生き物を殺すことは割り切って殺すしかないのと、ウチの可愛い智天使(こども)にもよろしくね。あの子頑張り過ぎちゃうと空回りしちゃうから、見守ってあげてよ。それじゃ、さよーならー』




「……う! ょう! 大将!」

「ん……あ?」

あれ? 何、してたんだっけ……

「大将! やっと起きたか!」

「カ、メリエ?」

「おうさ!」

ん!? 待て、どうして今カメリエにお姫様抱っこされてるんだ?

「貴女、兎を殺して気を失ったんですよ。途中、苦しみ出して、びっくりしたカメリエが揺さぶって、そしたら貴女が泡吹いてしまい、自分がやってしまったと後悔したカメリエが貴女を看病すると言い出して離さなくなってしまったんですよ」

「すまん、わけわからん」

「そんなことより、これから、私達の方針についてですが、そこは決めてあるので、今から説明しますね」

お願いします!


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