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『半径1メートルの日常』  作者: 八神 真哉
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『バレンタインデー』

「明日、学校へ行くから、7時に起こして」

と、息子のSが嫁さんに頼んでいる。

「試験中は、学校へは行かなくてもよかったんじゃないの?」

との問いに「Oに呼び出された」と言う返事。

 時期が時期である。進路相談だろうか? 

 センター試験の国語の「源氏物語」が平均点を大幅に引き下げたため、志望校を下げる者も多いと聞く。しかし、O君は、センター試験の自己採点で第一志望がA判定だったはずだ。

 嫁さんが「何の用で」と聞くと、

「今年も、手作りのチョコレートを作ってくるんじゃないかな」

 そういえば、明日は2月14日である……とはいえ、呼び出した相手は男である。その疑問に気がついたのか、

「いや、おれはアレじゃないから。一人じゃないから」と、言い訳を始める。


 息子のSが最後にチョコレートを貰っていたのは、いつだったろうか。

 高3にもなって髭を剃るわけでもなく、母親が買ってきた服を文句の一つも言わず身に着けている……。

 本当に大丈夫だろうか。杞憂に過ぎないのだろうか。

 心配事は大学受験の結果だけにしたいものである。


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