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『半径1メートルの日常』  作者: 八神 真哉
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『アニメのことなど』

「ロケットパンチ」


挿絵(By みてみん)



さて、『マジンガーZ』の絵封筒を描いていて思い出したことがある。

アニメ音楽、あるいはアニメソングの話である。


のちにアニメの背景スタジオに就職した先輩らとアニメソングのレコードをテープにダビングして聞いていたころの話である。

『マジンガーZ』はいうに及ばず、T先輩の好きだった景気の良い主題歌も編集した。

何があったか知らないが、後に先輩からは山崎ハコ、中島みゆきあたりのテープが送られてきた。

怨念のこもったような曲は絵を描くには不向きであった。


その頃、アニメの道に進むと言いながら、のちに東京藝大の大学院博士課程に進んだU君に、『宇宙戦艦ヤマト』のBGM録音現場のテープを貸したら、引き換えに面白いアルバムを貸してくれた。


ジャケットには、『マジンガーZ』や『鉄腕アトム』『魔法使いサリー』ほか、だれもがよく知るアニメの登場人物たちの絵が描いてあるのだが、タイトルが読めない。

韓国語、ハングル文字である。

それでも聴けば分かるだろうと高をくくっていた。

だが、その希望は即座に打ち砕かれた。すべての曲が原型をとどめていなかったからだ。

歌詞はいうまでもなく、タイトルや登場人物の名もことごとく変えられていたのである。

まるで全作、マジンガーZのようなアップテンポでノリの良い歌ばかりであった。

まさに現在のK-POPを彷彿とさせるものがあった。


同じ頃、『宇宙戦艦ヤマト』を制作しているオフィス・アカデミーに寄った。

劇場版公開が近かったので、広島のマンガ大会で展示物に使うためのポスターぐらいタダでもらえるだろうと。

エレベーターから出ると、いろいろと噂のあったプロデューサーのN氏が事務所から出てきた。

わざわざ引き返しポスターを持たせてくれたのは良かったが、二人でエレベーターに乗るはめになり、「ヤマトのどこが好きなの」と尋ねられ困った。

見てはいたが大ファンではなかったので、どう答えたかは覚えていない。

答えで多いのは「音楽」という話だった。

「そうでしょうね。市販されていないテープを持っているんですが、仲間内でも好評です」と答えるわけにもいかず、「ああ、そうですか」と気の利かない返事をした。


ヤマトで思い出すのは、ある雑誌のことである。

先輩の先輩が描いたという、主人公、古代進を表紙としたその号はインパクトが強かった。

皆で大笑いした。

しかし、今、これを話題に上げれば間違いなくセクハラであろう。

と言って、これで終わったのでは尻切れトンボである。

何かないかと考えていたら、以前の会報に思い当たった。

○さんはタツノコプロに縁があったはずだと。


わたしは結局、アニメの道には進まなかったが、中途半端な自慢話を織り込みつつ、そのあたりのことが書けるのではないか? 

よし、これで行こう。

お茶を濁しつつ「次号に続く」ということで筆を置く。



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