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『半径1メートルの日常』  作者: 八神 真哉
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『どよめく』

 相変わらず、休めない仕事。

 寝る時間が欲しくて、さっさと切り上げ、駅まで走る……が、あきれるほど列車が遅れる。


 先日も、広島駅の1番線のアナウンスに列車待ちの乗客が小さくどよめいた。

「猪と衝突のため4分遅れて到着いたします。お客様には大変……」□線から山陽本線への接続である。


 その3日ほど前には○線で待ちぼうけ、ようやく「申し訳ございません。列車が鹿と衝突しまして15分ほど遅れております」と、アナウンス。思っていた以上に、広島は鄙びた地であるようだ。


 とうとう昨夜、わたしの乗った電車に猪が衝突。

 それにしても、横川、西広島間である。どこまで出張ってくるのだ。

 猪と衝突のアナウンスは、この1週間で3回目である。夜の闇にまぎれ、残飯でも漁りに来るのだろうが、いささか多すぎるのではないか。

 ともあれ、「もののけ姫か」と、つぶやいた乗客に座布団1枚。


 ……先日、テレビのニュースで、残飯を漁っていた猪と一般的な猪の死骸を並べて映していた。残飯を漁っていた方は3倍(約160kg)の体重があった。大体それぐらいになるという。脂質と糖分がそうさせるらしい。


 ダイエットに血道をあげる女性が多いが、ダイエットなど簡単である。猪と同じものを食べればよいのである。ヤマノイモ、ドングリ、昆虫、ミミズ……むろん、油で揚げたり、調味料を使ってはならない。




※この当時までは、広島駅で「動物と接触」というアナウンスはなかった。最近は珍しくないので、列車待ちの乗客も淡々と聞いている。


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