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『半径1メートルの日常』  作者: 八神 真哉
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『花言葉』


2026.1.23


昔、結婚記念日に花を1輪か2輪買っていました。

最初こそ、友達が遊びに来て「いいなあ、うちの旦那はなにもなし」と言われたよと。

が、それ以降は買ってこなくていいのにと迷惑顔。


最近など、息子たちとわたしにたいする態度があからさまに違います。

先日、意を決し、椅子に腰掛けた妻の後方から肩に手をやり「ごめん、苦労を掛けたな」と。

振り返るでもなく「うん」と一言。


そんな男の昔ばなしをひとくさり。

『おんなとは遠きにありて思ふもの』



2024.8.24


先日、7月27日。

大型台風に襲われた時のことを書かせていただきました。

遠い遠い昔のことです。

今回は、そこで登場した大学生のお嬢様のことを。


夏休みの時期は、お客様も多く、平日の人員も増やす必要があります。

しかし、お嬢様は、夏になると「毎年、家族で1週間ほど旅行にいくので」と、バイトを10日間お休み。

そもそも、お嬢様なので、バイトをする必要はないのです。


とは言え、10日も休まれるとシフトを組むのが難しくなります。

かと言って、内気な友人が一人では心細いというので、つきあって来てくれていたのだから文句など言えません。

(学生ながらマイカー通勤。友人と同じ日のシフトの場合、「わたしが※アッシー君」と)


性格も明るく、リーダーシップもとれるタイプ。

忘年会は、彼女に任せていました。

(安いフランス料理の店。わたしはお金を出すだけで、出席しません)


初の出店。彼女たちにはずいぶん助けられました。

大学卒業、バイト退職時には、それぞれにプレゼントを用意。

彼女は、萩尾望都さんのマンガが好きだと言っていたので、サイン本とドラゴンボールのテレホンカード(非売品)にビール券。

娘がビールを買ってきてくれたと、お父さん喜ぶと思うよと。

出版社からもらった腕時計やルイ・ヴィトンの小物入れ、ミキハウスの服などは別のバイトに。

全員に8時間分の時給を添えて。


そういえば、「日舞の発表会があるので休ませて欲しい」という時に、

「わたしが一番派手な衣装なんですよ」というので、受け狙いに加え、感謝も込めて、衣装に相応しい花束を会場に届けてもらおうと、同じショッピングセンター内の顔見知りの花屋さんに。

店の名前でお願いしたら「店の名前? 個人名の方がいいんじゃないですか?」と言われたことを想い出しました。

もちろん店の名前で。


ある日の閉店間際、彼女が自宅に電話。

「日舞の先生に食事に誘われたので遅くなる」と。

その後、

「今夜、日舞の先生に食事に誘われているんですが、バイトで遅くなると言って断りたいんです。レジ締め手伝わせてください」と。

レジ締めは15分ほどで終わるんだがなあ、と思いながらもOK。


――その時、彼女が悩みを打ち明けてくれました。

「家は男の子がいないから、わたしが跡を取らなければいけない」と。

嫁に行くのではなく、婿を取らなければならない、と。

そう言う愚痴を誰かに聞いてほしかったのかもしれませんね。


卒業後も何度か顔をみせてくれていましたが……

彼女、元気でやってるかなあ。


※アッシー君

バブル時代「自家用車で女性を送り迎えする、女性にとって都合の良い男性」



2026.1.25


妻が結婚を承諾してくれた日のこと。

会う前に、近くの花屋さんで花束をお願いしました。

お任せで。

渡す相手は? と聞かれたので、女性ですと答えました。

断られたら、実家に持って行けばいいやと。

帰る前に駅で少し待ってもらい花屋さんに。


すべてチューリップ。

色も、ぱっとしないなあと。

先日、気になって花言葉を調べたところ、やたらと「愛」などの言葉が。

妻が知っていたかどうかは不明ですが。


以前、初めての店を出したときに、バイトにきてくれたお嬢様の話をしました。

「日舞の発表会があるので、この日は休ませてください。わたしが一番派手な衣装なんですよ」と言っていた娘です。

「家には男の子がいないので、わたしが跡を継がなきゃならない。嫁に行くのではなく、婿を取らなければならない」と言っていた娘です。


しゃれのわかる娘だったので、受け狙いに加え、感謝も込めて、衣装に相応しい花束を会場に届けてもらおうと、頼んだ、顔見知りの花屋さん。

彼女にどんな花を届けたんだろう?

あの時も、花はお任せ。


花屋さんの男性店主も、わたしが30を前にして、独身だと知っていましたから、

「個人名のほうがいいんじゃないですか?」という発言になったのだと思います。


ゆえに、気を利かせたつもりで、「愛」だとか「好意」を意味する花を届けていた可能性があることに、今になって思い当たりました……



寒さに震える中、菜の花が次々と開花。

庭を明るく彩ってくれそうです。


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