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01 プロローグ
初めての長期連載です。
ある1人の令嬢が、壁の花になっている。
目鼻立ちが整っていて、微笑めば、誰もが虜になる可能性があるほどの綺麗系美人。
だが、碧眼に淡い金髪のストレートヘアをきっちり結い上げ、つり目がちな目を強調させるかのような、きつい印象になっている。
胸は真っ平らと言っても過言ではないほど、ふくらみが見えない。
もっと残念なのは、ドレスが型落ちしていて、似合っていない上に、服のあちこちにほつれを直した跡があった。
身長も女性としてはやや高め。
ヒールを履いているので、それよりも高く見え、背が低めの男性は意識的にさけている。
それよりも気になるのは、その顔つき。
全く表情が無く、いわゆる鉄仮面をかぶったような表情だったのだ。
彼女の名前は、カミラ・アルベルツ子爵令嬢。
「魔女」と言う異名をもつ、つり目で強面の貧乏子爵令嬢であった。