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12話 討魔の姿とギルド

 「…この姿になるのも久々であるな。」

そういった幼女は4歳くらいで金髪、ツインテールだった。

体を(まさぐ)りながら調子を確認しているらしい彼女は驚いて口が開いたままのこちらに気づくと声を掛けてきた。

「どうした、主?何を驚いているのだ?」

「…いや、討魔って女の子だったんだなと。」

そう聞きながら、また思い付いた質問をぶつけてみた。

「なあ討魔、その姿はどのくらい維持出来るんだ?てか、それって誰かの姿を借りてるのか?」

そう聞くと、俺が戸惑っていることに気付いたのか討魔は丁寧と返してくれた。

「これは、解こうと思わない限り解けることはないである。そしてこの姿は某の造り手であるヒト(・・)の写し絵である」

そこまで聞いたところで、この丘もいつまでも安全だとは限らないしあまり驚いてもいられないことに気付いた俺は、こういうものだと割り切ることにした。

「それなら、出来るだけその姿のままでいてくれ。物を守るよりも人を守る方が楽だからな」

そう告げて歩き出すと、討魔は嬉しそうについてきた。

「主と並んで歩くというのもいいものであるな!」

――しかし武士口調の金髪ロリツインテって属性多すぎだろ…いや、外見に関しては俺も似たようなもんか…、などと益体もないことを考えながら歩いていると、隣を歩いていた討魔が肩を叩いてきた。

これはどうしたことかと思いながら、横を見ると討魔が呆れたようにこちらを見ていた。

「主よ、某のことをそのような目で見ていたのであるか…」

おっと、念話を使って俺の思考を読んでいたようだ。だが、間違ってはいないと思う…などと思ってしまうのは駄目なのだろうか?そう考えた瞬間、討魔から

「もう、いいである…主の思考とはしゃべれないのである!」

と、怒ったように返されてしまった。

そんな風に街道を歩いていると、遠くに大きな城壁が見えてきた。

「そろそろ着くぞ。あそこが目的地の城塞都市・モースだ。」

そう言って、走っていた俺たちは更に勢いをつけて進みだした。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


王都から、()()()()の国境付近にある城塞都市・モース。

そこに徒歩(かち)半日(・・)かけて到着した俺たちは街についてすぐにある場所へと向かった。

それは国家間や大陸間の交流が少ないこの世界でほとんど唯一といってもいい、世界中に支部を持つ組織、冒険者ギルドのモース支部だ。

目的はギルドに登録する為。ちなみに王都にも支部はあるが、わざわざここまで来て登録を行う理由がある。

それは、ここで登録すると見習いとされる鉄級を飛ばして銅級から始められるのだ。

冒険者ギルドでは、冒険者の強さを分かりやすくする為にランクを設けている。

鉄級から始まり、銅級、銀級、金級、聖銀(ミスリル)級、神鉄(オリハルコン)級まである。このランクを区別する為に冒険者たちは、首にいわゆるドックタグのような物を身につけている。最初の鉄級を抜けるのには試験を受けなければならないのでこの制度は平穏に生きるための拠点を見つける旅のために実力をなるべく隠したい俺にとってはありがたいのだ。

ちなみに俺の父である、王剣・アモスは世界で数える程しかいない神鉄級を持っている。

また、ここはモンスターの襲来が多いためある程度の強さをもった者がレベルを上げるために訪れる土地なのだ。

このような理由からここで冒険者登録しようと思っていたのだが…

「へへっ、嬢ちゃん。そんな小僧じゃなくて俺らとパーティーを組まねえか?イイことしてやるぜぇ?」

案の定というかなんというか、早速テンプレ的な状況に巻き込まれていた。

「…此奴(こやつ)らうるさいので黙らしてもいいであるか?」

「(ここは無視するんだ、誘いに乗るなよ?)」

しつこい勧誘に若干イラついてきたのか、そう聞いてくる討魔に小声で返すとそのままカウンターに向かった。

「すみません、冒険者登録したいんですけど…」

「その若さでですか…?」

「はい、出来るだけ早くしたいんです」

「そのような事情とは…いえ、分かりました。ではこちらの紙に名前と職業、レベルを記入してください」

そう言われたので、討魔と一緒に記入していてふと気になり討魔のを見ると、職業欄に《魔剣》と書いてあったので俺が慌てて当たり障りのない職業である戦士に直させるなどとひと悶着あったが、なんとか登録ができたがここでまたひとつ、問題が起こった。

それは、俺のレベルが1レベルであり謎の職業である戦王だということだ。

このせいで俺は舐められ、目麗しい討魔はパーティーに勧誘され続けたことで今絶賛、不機嫌の極みだ。

「なぜ、主が馬鹿にするのに某のことはパーティーに誘うのだ…?某や彼奴等よりも主の方が断然に強いのに…」

宿泊することになった宿の部屋のなかで負のオーラを出しながらブツブツとつぶやいている討魔を(なだ)めるため俺はこう言った。

「ま、まあ、明日狩りに行ったら俺の評価も絶対上がる筈だから気にしなくてもいいんじゃないかな?」

この一言によって明日、モンスター狩りに行くことになった。

…うーん、なんか嫌な予感がするが多分なんとかなるだろう。

俺はこの考えを確かにする為にも武器の整備をきちんと行うことにした。

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