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海と空といきもの

作者: 碧蜜柑

むかしむかしの世界

海にはいきものがあふれ

空は光を惜しみなくふりそそぎ

世界は穏やかで

世界はにぎやかで

世界は幸せに満ちていた


でも海は悲しそうだった

空は聞いた『なぜそんなに悲しそうなの?』

海は答えた『もし私がいなくなったらいきものたちはどうなるかしら?それを考えると悲しくなるのよ』

空は少し考えた

『ねえ海、いきものたちを君から遠ざけてみたら?』

『何を言うの空!?いきものたちは私がいないといきられないのよ!?』

『そうだね、でも、それは今の話。未来は誰にもわからないよ。海は今までいきものたちが変わっていく様を見てきたはず。海から少し離れても、生きていけるようになるかもしれない。遠い未来には、海がいなくなってしまっても生きていけるいきものになっているかもしれない。それはいきものたち次第だよ。海はそれを見守ってあげなよ。』

『でも怖いわ。ちゃんといきものたちはいきられるかしら?』

『大丈夫、僕もいるから。海は安心していきものたちを送り出してあげて』


海は空と話したあとじっくり考えてから、いきものたちに話をした

いきものたちは驚いたけれども海の話をバカにはしなかった

海のことを信じていたから

『私は海に残る、海と一緒にいたい、海が消えてしまうまで一緒にいる』

『僕は海の外にいく、海が僕たちのことを思ってくれているから、その思いに答えたい』

『私は海のそばで外と海をつなぐわ』

『俺は、空にいく。海のしんらいする空に会って話をしてみたい』

海は涙を流した

いきものたちがみな海を愛してくれているとわかったから


それから長いときが流れていきものたちはそれぞれの道を歩んだ

海はまだいきものたちを見守っている

そして空は海といきものたちをずっとまもりつづけている




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― 新着の感想 ―
[良い点] 1,000字にも満たない短編ながらも情景を想像させる、とても素敵な物語でした。 自然現象や物を擬人化した作品は非常に多く存在しますが、空と海が言葉を交わし、生物の進化になぞらえるという発想…
[良い点] 発想が面白かったです。 [一言] 次の作品も楽しみにしてます。
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