日本
群像小説のため、単話で読むと、場所が分り難いと思われますので、一応、1話ごとに場所を書いておきます。
異世界:アイリーン王国
◇ アキラ 四 ◇
「……取り込んでいるところ……すみません……」
声を掛けると、エストリア女王とサヤが、僕を見た。
「もし、僕に何か出来る事がありましたら、お手伝いしましょうか?」
二人が不思議そうな表情をしている。
見ず知らずの人が、突然、手伝いますと言っても困惑することは分かっていた。
元々、何の縁もないのだから、断られたとしても、特に気にはしないけど。
ホントだよ。
「……あなたは、女王の間に現れた……」
エストリア女王が口を開いてくれた。
「見たところ、賢者様のようですが、先ほどは、大臣が無礼な事をしてしまい、申し訳ありませんでした」
また、賢者に間違われたが、もう誤解を解くのも面倒なので、そういう事にしておこう。
エストリア女王は、見ず知らずの僕にも会釈をしてくれた。たぶん、謙虚な心の持ち主なのだろう。
まあ、それを大臣に利用されているのだが。
「女王の間に現れた理由をお聞き出来ませんでしたが、どのような理由で現れたのですか?」
「あー……」
何て答えようか。
「僕は、日本という国から来ました。洞窟の扉を開けたら、光に包まれて、気がつくと、この王国の女王の間にいたんです」
どうせ、日本の事を話しても、誰も分からないだろうし、そのまま話してみた。
「……日本……何かの文献で読んだ事がある気がします……」
……え?まさかの答え……
日本とこの世界、何か繋がりがあるの?
「私の先祖は、日本という国から来たと聞いています」
「ええ!そうなの!?」
サヤの話に驚き、僕は思わず声を出していた。
……この世界の忍者って、日本人なのか……通りで、忍者の服装が同じだと……
何か、急に親近感が湧いてきたな。
「サヤさん達とも繋がりがあるのですね」
「ま、まあ」
遠い先祖では繋がっているのかもしれない。
「……賢者様を、私達の争い巻き込んでしまってよいのか、私には分かりませんが、もしお手伝いをしていただけるのなら、とても助かります……」
エストリア女王は、目を潤ませていた。
うん、可愛い。
「分かりました。アイリーン王国の復権のため、手伝わせていただきます」
少し不純な気もするが、喜んでもらえるのなら、よしとしよう。